東方鬼神録   作:ヘタレ寝癖人間

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酒呑童子

零「アァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ」

 

勢い良く起き上がった

 

慧音「!どうした!?」

 

零「あ、え?」

 

周りを見ると慧音と妹紅が座っていた

 

頬からは涙が流れていた

 

妹紅「悪い夢でも見たのか?」

 

零「いや、大丈夫。そういやあの馬鹿妖精は?」

 

慧音「あの二人なら今回は大目に見ると言う事でお引き取り願ったよ」

 

零「悪かったな。騒ぎを起こしちまって・・・」

 

正直自分でもあれはやり過ぎたと思っている

 

慧音「気にしないでくれ。あれは彼女達の自業自得だ」

 

そう言ってくれると少しは気が楽なのだが・・・

 

妹紅「あ、そう言えば今日は宴会だったな」

 

慧音「そろそろ出発する時間だな」

 

そう言えばレミリアも言っていた

 

零「これって俺も行かなきゃ行けないやつか?」

 

妹紅「何言ってんだ。当たり前だろ?お前が異変を解決したんだから」

 

零「はぁ」

 

 

 

てことで俺達は博麗神社に向かった

 

道中は険しい獣道があるわ階段は糞長いわで大変だった

 

零「はぁはぁし、死ぬ・・・」

 

着くと周りでは既に呑んでいる奴がいた

 

そいつはまた幼女で頭に角が生えている

 

酒を好み頭に角が生えている種を俺は知っていた

 

零「鬼・・・・」

 

妹紅「お、良く分かったな。そう、あいつは鬼で幻想郷では山の四天王で古参の妖怪だ」

 

零「・・・・・・・」

 

それがあんな幼女なのか?と聞こうと思ったが幼女がこちらを見つめてきた

 

???「ん?お前は・・・!」

 

いきなり幼女が走ってきて抱き付いてきた

 

零「え、ちょ!おい!って酒臭!」

 

この光景に俺、妹紅、慧音が驚いた

 

???「やっと見つけたよ!零!」

 

どうやらこいつは俺を知っているようだ

 

零「あの~お宅どちら様?」

 

???「忘れたのかい?昔はあんなに私に甘えてたのに」

 

零(・・・・・ファ!?何だと!俺はこんな幼女に甘えていたのか?とんだロリコンじゃねぇか!)

 

幼女は口を腕で拭くといきなり殴りかかってきた

 

零「危ね!」

 

ギリギリ避けたが殴った所が抉れている

 

慧音「萃香殿!止めてk」

 

慧音が萃香静止する前に萃香はまた俺に殴りかかり土煙が舞い上がった

 

 

 

妹紅視点

 

私は動く事が出来なかった

 

不老不死である私は死への恐怖など無い

 

むしろ死への憧れすらある

 

しかし目の前の鬼を見た時また死ぬ事を恐れた

 

例え不老不死だろうと結局は人間なのだ

 

鬼との力の差など歴然だ

 

そして目の前の記憶喪失の少年も“今は”只の人間なのだ

 

彼女の攻撃など受けたら塵も残らないだろう

 

妹紅「あ、あ・・・」

 

零が殴られて土煙が立ち何も見えない

 

ようやく煙が晴れるとそこで見たのは

 

零「おいおい、ずいぶんな挨拶だなこの野郎」

 

零は木刀で萃香の拳を受け止めていた

 

萃香「あいかわらず良い剣捌きだねぇ」

 

零「だーかーらー!俺はアンタなんて知らねぇって言ってんだろう、がッ!」

 

零が萃香を蹴り飛ばして後ろに跳んだ

 

萃香「ふーん・・・力は人間並み・・・なめてんのか?」

 

一気に殺気が増した

 

それは並みの人間なら直ぐ気を失う位の物だ

 

萃香「あのさー零の力が普通の鬼の三分の二ってのは知ってるけどさ、それでも鬼だ。人間より力は遥かに強いはず何だけどねぇ」

 

零「は?鬼?何言ってやがる・・・」

 

零と慧音が驚いている

 

当然だ二人とも今まで零の事を普通の人間と思いこんでいたのだ

 

つまり

 

零「んな太閤名人が女子高校生探偵の兄でFBI捜査官の弟ですって言ってるようなもんだぞそれ!」

 

零が走って萃香が斬ろうとしてが萃香が霧になって消えた

 

萃香「私の能力、密と疎を操る程度の能力の前にはその攻撃は無意味だよ!」

 

辺りから萃香の声がする

 

零が辺りを見るとその後ろに萃香が現れて零を殴り零が血を吐いた

 

萃香「脆いねぇ」

 

萃香は酒を呑みながら零の頭を鷲掴みして地面に叩き着けた

 

零「が!」

 

萃香「記憶が無いってのは知ってたよ。能力でどこでも見れるしね」

 

萃香が零の胸ぐらを掴んで森に投げ飛ばした

 

萃香「なら今から思い出させてやるよ。昔のお前を」

 

萃香が零に向かっていく

 

慧音「妹紅、零を助けるぞ!」

 

妹紅「・・・・・・」

 

慧音「妹紅!」

 

慧音の声に私はふと声が漏れた

 

妹紅「無理だ」

 

慧音「?」

 

妹紅「今のあいつは本気だ。私達じゃ勝てない・・・」

 

慧音「!だからって!このままではアイツが!」

 

妹紅「・・・・・」

 

それは分かってる

 

でも私は知っている

 

あいつは・・・零は何時もこんな状況に直面しそれを乗り越える

 

“あの時”もそうだった

 

あいつは私に生きる術を教えてくれた

 

だからこそ私はあいつが負けるとは思っていない

 

妹紅「慧音。あいつは負けない!」

 

慧音「・・・・はぁ。分かった・・・」

 

その時爆発が起きた

 

 

 

零視点

俺が鬼?

 

訳がわかんねぇ

 

目の前の鬼は俺を鬼と言った

 

零(一体俺は・・・何者何だ?)

 

今はそんなこと考えている暇は無いのに何故か考えてしまう

 

そうこうしている内にあの鬼は目の前に立ち手を伸ばす

 

零(そういやあいつは俺に名前をくれた奴と同じ声だな)

 

萃香『良いかい』

 

まただ

 

またあの鬼の声だ

 

萃香『闘う時は相手の動きを見るんだ』

 

俺は萃香の腕を掴んだ

 

萃香「!」

 

萃香は腕を抜こうとするが抜けない

 

そして萃香はまた霧になった

 

萃香『そして・・・自分の能力(ちから)を理解するんだ』

 

俺は近くの空を握った

 

すると次第に霧が集まり萃香となった

 

零「逃げんなよ。第二ラウンドと洒落込もうぜ・・・名付け親」

 

そう言うと萃香はニヤリと笑った

 

俺はそのまま萃香を投げ飛ばし立ち上がった

 

萃香「少しは思い出したかい?」

 

口の血を吐き出しまた萃香が殴りかかってきた

 

零「あぁ、お前が俺の頭ってこたぁな!」

 

萃香の拳を木刀で受けて足を掴んだ

 

萃香「じゃあ頭にこんな事して良いのかい?」

 

零「んな事いったら姉御だった誰かと喧嘩しまくってただろうが!じゃんけんと言う名の喧嘩だろ!」

 

俺は萃香を木刀で地面に叩き着けた

 

萃香「それは華扇が喧嘩は駄目って言うから!」

 

今度は俺が殴り飛ばされた

 

萃香はそれに俺より速く飛び上空で俺を地面に叩き着けた

 

零「はぁはぁ」

 

萃香「私は怒ってるんだよ。零。お前は私たちを裏切ったんだ。先代博麗の巫女と人喰い妖怪と一緒にお前は自分の死を選んだ。紫がお前と先代、人喰い妖怪の気を消して回っていたのは驚いたね」

 

目の前が霞んで居て前がほとんど見えない

 

でも分かったのは

 

萃香「忘れられないに決まってるだろ!お前はっ!お前はっ!私達にとって家族同然何だ!」

 

目の前の少女が泣いている事だった

 

零「・・・・・・・・・・・はぁ」

 

俺は立ち上がって萃香に近づいた

 

零「何言ってやがる」

 

萃香「え?」

 

そして萃香の頭を撫でた

 

零「確かに昔俺はお前を置いて行った(かもしれない)。でも今はここに居る。何時だって俺はお前の事を大切な頭と思ってるからな」

 

萃香「うぐっ・・・」

 

萃香は目を擦ってこう言った

 

萃香「・・・・・うん!」

 

それはまるで鬼の頭領などと言う面影が無く純粋無垢な只の少女のような笑顔だった




はい
記憶の一部解禁です!

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