あれからまぁ色々あった
虫取りしたり霖之助が魔理沙を連れてきたり幽香の太陽の花畑に遠足に行ったりまぁ何やかんやあった訳だ
そして今日、夏祭り!
零「だ~!俺も夏祭り行きたい~!」
ルーミア「我慢しなさい。私達妖怪は人里への出入りを禁止されてるのよ?」
零「え~・・・い~や~だ~!俺もアイツラと一緒にお面買ったりしたい~!」
ルーミア「ガキか!?」
零「ガキで悪かったな!」
俺とルーミアは人里に降りれないため博麗神社の鳥居の上に座っていた
ルーミア「・・・・・・・そういやさ」
零「ん?」
ルーミア「私、アイツの素顔知らないんだよな・・・。零は知ってるか?」
俺はルーミアの質問に目を閉じてあの時の事を思い出す
零「・・・・・・知ってる」
ルーミア「!?」
零「俺がまだ暴れてた時、霊華が来て俺を退治しようとしたのさ。当然俺も抵抗した。でも勝てなかったよ。面を外した辺りからな」
ルーミア「で、どうだったんだ?」
ルーミアが身を乗り出して聞いてくる
零「鬼の俺から言わせりゃあ、アイツァ鬼だ。・・・・所でお前、アイツが人里の奴らからどう見えてるか分かるか?」
ルーミア「どう見えてるって・・・やっぱり守ってくれてるんだから感謝してるんじゃ・・・」
俺はルーミアの答えを聞き霊華と霊夢がいるであろう祭り囃子に包まれた人里をみる
零「俺等みたいなのは除くとして嫌でも妖怪は恨まれる。挙げ句同じ人間にまで恐れられる。博麗の巫女ってのはそう言うもんさ。困った時だけ担ぎ上げて、そうじゃないときゃ人間じゃねぇ何かを見るような目。・・・本当にヘドが出る」
俺は拳を強く握り奥歯を噛み締める
零「俺はアイツにやられてお前みたいに縛られたけど・・・・全然、痛くも辛くもなかった。本当に、辛かったのは・・・・・・・・・アイツ何だ」
ルーミアも俺から目を反らして人里を見る
零「アイツはそんな視線から逃げるために仮面を被った。霊夢だってそうだ。あんなガキなのに博麗の巫女だからとそう言う風に見られる・・・」
俺が話を続けようとすると頭にたこ焼きが飛んできた
俺はバランスを崩して鳥居から落ちる
そして結局皆で階段に座りたこ焼きやら焼きそばやらを食べる
ルーミアは・・・・まぁあの話をした手間、元気が無いのは当たり前か・・・
零「って霊夢、頭のリボンは?」
俺の言葉に霊夢がペタペタと頭を触る
霊夢「あぁ~!!」
霊夢の頭にリボンが無いことに気付いて霊夢は泣き出した
霊夢「ないっないっ!」
霊華「あー、きっとお祭りの何処かで落としたのね。ほら泣かないの。リボンならまた買って上げるから」
霊夢「やだやだ~!あれがいいのッ!」
一向に泣き止まない霊夢に困っているとルーミアが自分のリボンを霊夢に渡した
ルーミア「ほらッ、あげる」
霊夢が泣き止みルーミアを見つめる
ルーミア「その、私のでいいなら・・・。その・・・嫌か?」
霊夢「ルーミアッ大好きッ!」
霊夢は笑顔になると思いっきりルーミアに抱きつく
ルーミアもさっきよりは元気が出たらしい
霊夢がルーミアの膝で寝て俺たちは再び階段に座る
霊華「・・・・・・・ルーミア、さっきから元気ないようだけどどうしたの?」
ルーミア「な、何でも無いわよ!・・・ううん。やっぱある」
霊華「・・・言ってみて」
ルーミア「あのさ・・・」
ルーミアが良いかけた途端花火が上がった
霊華「おお!!始まった始まった!」
花火の音で起きたのか霊夢もいつの間にかはしゃいでいる
霊夢「かーちゃん。霊夢もドーンするッ。ドーン!」
零「ドーン?花火か?んじゃあ俺が取りに行ってくるわ」
霊華「よろしくね」
ルーミア「あのさッ!」
俺が霊夢の後を追おうとするとルーミアの声が花火の音の中から確かに聞こえた
俺たちはルーミアに振り向く
霊華「・・・何よ?いきなり大声出して?」
ルーミア「・・・・・他の奴らがアンタをどう思ってるか何て私には分からない・・・。けど・・・けど・・・少なくとも私は・・・私と零は・・・感謝しているから、・・・だから一人で・・・苦しむなよ」
霊華「零」
零「ん?」
霊華「霊夢を見てて」
俺はそのままその場を立ち去った
霊華がルーミアに向かって歩く
ルーミア「言いたい事はそれだけ・・・」
ルーミアは自分の涙を拭う
その横を霊華が通り過ぎる
霊夢「零~!早く~!」
零「わあった。わあったって。お、色々あるな・・・」
ルーミア「じゃあ私はこれで」
ルーミアが俺の持っている袋から線香花火を取り出す
霊夢「れいむこれにする!」
ルーミア「それは大人用だ。こっちにしとけ」
そう言ってルーミアはもう一本線香花火を取り出す
霊華「こらぁぁ!零ぃ!」
俺が振り向くとお面がこめかみに直撃する
零「何しやが、る!?」
霊華「フンッ!お節介天邪鬼が人の秘密勝手に話してくれちゃって!・・・でも・・・まぁ・・・そう言う妖怪が幻想郷に一人や二人居たって良いかもね・・・」
そう言った霊華の顔はお面が無く美人な顔だった
霊夢が霊華に飛び付く
零「ルーミア、お前の気持ちがアイツの闇を打ち払った
んだ」
ルーミア「・・・・」
ルーミアはまだ呆然としていて返事がない
俺はその隙に酒をルーミアの口に入れようとする
するとルーミアは俺の腕を持ち俺の口に酒を入れてきた
ルーミア「お前がのめ!」
霊夢も霊華も笑っている
花火も終えて俺は酔いを冷ますために縁側に居た
零「くっそ~行けると思ったのにな~・・・」
俺が外を見るとルーミアが走って森の中に入って行った