東方鬼神録   作:ヘタレ寝癖人間

81 / 192
アバヨ。旧友(ダチ公)

あれからルーミアが帰ってこない

 

理由は分かっている

 

人間を食べないルーミアが禁断症状を起こしたのだ

 

人を食う、では語弊がある

 

正確に言えば人の闇を食うのだ

 

では何故人喰いの俺が禁断症状を出さないか

 

答えは感嘆俺は人間でもあるからだ

 

人の食事だけで百年は生きていける

 

と、説明している間にルーミアを探しに出た霊夢とその霊夢を探しに出た霊華が帰ってきた

 

 

 

あれからもう一週間経つ

 

ルーミアが紫に与えられたタイムリミットは今日

 

零「・・・・・紫」

 

俺は霊夢を寝かせつけて紫を呼ぶ

 

するとスキマが開き俺は中に入る

 

そこにはスキマの外を見る紫と藍が居た

 

零「・・・・・本当に殺すのか?」

 

紫「諦めなさい。もうこうするしか無いの」

 

隣には少し小さなルーミアが居る

 

零「!狐の・・・面ッ!」

 

霊華が狐の面を付けていると言う事は・・・

 

零「本気、何だな」

 

なら俺も覚悟を決めなければならない

 

例えそれがどちらのダチ公も失う事になろうとも

 

紫「・・・・・ルーミアは闇を操る妖怪。つまりルーミアが死ぬことは夜が失くなり生態系が崩れ生きとし行ける全てが死ぬ事と同義よ」

 

藍「だからこそ、あの宵闇の妖怪の代わりを立てその上で殺す必要がある。お前なら分かってるな?」

 

零「・・・・・・・・・・・あぁ」

 

そのままオレは二人の戦いを見る

 

ルーミアが闇の手で攻撃し霊華が避けながら札を投げている

 

藍「・・・・・・・・零?何を・・・」

 

俺は自然と歩いていた

 

紫「藍!零を抑えて!早く!」

 

藍は紫に言われるがまま俺を地面に組伏せた

 

零「フーッフーッ・・・そのまま、押さえ付けてろ。藍!じゃねぇと俺は・・・霊華もルーミアも・・・殺してしまう!」

 

スキマから爆発音が聞こえる

 

見ると岩が宙を浮かび霊華が何度も跳ねながらルーミアを殴り続ける

 

霊華がルーミアを地面に叩きつける

 

だが霊華もその途中にルーミアの反撃を浮けて血塗れだった

 

霊華が札を持つと周りに陰陽玉が現れ霊華の周りを高速で周り始める

 

それが霊華を包み込む

 

陰陽玉が消えると霊華は黒く染まっていた

 

夢想転生

 

俺が霊華にやられた技だ

 

霊華が飛びルーミアは闇の盾を作る

 

しかしあっさり霊華に破られルーミアの腹を貫いた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

はずだった

 

霊華の攻撃はルーミアの肩を掠めただけで当たっては居なかった

 

俺は藍から抜け出そうと暴れる

 

スキマから血が飛んできて俺の頬に当たる

 

暴れるのを止めてスキマを見る

 

朝日が差し込む

 

煙が晴れて見えてきたのはルーミアの闇が霊華を貫いている所だった

 

俺が力無く地面にへたれると藍も拘束を解く

 

俺は立ち上がる

 

小さいルーミアが札になって崩れ去る

 

零「・・・・・紫」

 

紫「・・・・・・・・・なにかしら?」

 

紫がこちらを見ずに涙を流しながら聞いてくる

 

零「俺を・・・殺してくれ」

 

自然と涙が頬を伝う

 

紫「・・・・・・あなたも泣いているの?幻想郷。本当、不器用な子達ね」

 

零「アイツは、霊華の夢想転生で纏わりつけた闇を吸収した。一生分の闇だ。殺すこたぁもおねぇ・・・」

 

霊華のお面が割れて落ちる

 

霊華も泣いていた

 

そしてルーミアの鳴き声だけが響いた

 

霊華が自分のリボンをルーミアの髪に結ぶ

 

目の前が真っ白になる

 

 

 

 

 

アバヨ。旧友(ダチ公)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。