東方鬼神録   作:ヘタレ寝癖人間

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君が居た夏は遠い夢の中

昨日の事はさっぱりなのだがまぁ、良しとしよう

 

昨日の事より今日の事!

 

そして今日は夏祭り!

 

綿菓子やりんご飴!甘いものがたくさん出る屋台!

 

が、

 

慧音「いや、零が居てくれて助かったよ。ちょうど人手が足りなかったんだ」

 

・・・・何故か祭りの巡回をしている

 

隣では浴衣を来た小傘と蛮奇が喋りながら歩いてくる

 

零「・・・・・別に二人は祭り回ってくれてよかったんだぞ?」

 

小傘「ううん。最近零ちゃんと一緒に居なかったから一緒に居る!」

 

零「確かにそうかもしんねぇけど小説に書かれてねぇところじゃほぼ一緒だろ?平凡過ぎて書かれてねぇけど・・・・」

 

蛮奇「はい、そこ。メタ発言しない!」

 

俺は周りを見る

 

人も妖怪も一様に混ざっている

 

慧音「この祭りは人間と妖怪も親交を深めるための物だから妖怪も多い」

 

俺が思ったことを察したのか慧音が話し出す

 

慧音「だが、そう簡単でもないんだ。人間と妖怪には差がある。力、寿命、能力・・・・・。だからこそ、そこには不和も起こる」

 

俺はもう一度辺りを見る

 

慧音「だから、この巡回は大切なんだ。・・・・・引き受けてくれるか?」

 

慧音の質問に俺は笑う

 

零「おう!お前の依頼、この万事屋零ちゃんが引き受けた!」

 

 

 

て、ことで先ずは人里の南区から

 

人里は東西南北と四つの区画に別れている

 

まぁ、だからと言って貧富に差があるわけでもない

 

ここは主に型抜きや射的など娯楽の屋台が多い

 

小傘「零ちゃん、あれなに?」

 

小傘が指差す方向には型抜きの屋台があった

 

零「あれは型抜きっつって上手くできればお金が貰えるんだ」

 

俺は一銭握って型抜きに向かう

 

リグル「いらっしゃい」

 

零「お、ここはリグルの屋体か」

 

リグル「うん。どれにする?」

 

零「一番簡単な奴」

 

俺は一番簡単な蛇を指す

 

リグル「じゃあ一銭ね」

 

俺は一銭を渡す

 

そして出てきたのは

 

リグル「はい、一番簡単な神龍」

 

直方体の神龍の絵が書かれた飴だった

 

零「・・・・・・・・・・」

 

俺は頭を机に叩きつける

 

零「何でダァァァァァ!絵と全然違うじゃねぇか!」

 

リグル「ちょっと補正がかかってるから?」

 

零「補正とかそんなレベルじゃねぇ!一体どうやって型抜くんだよ!?」

 

リグル「うーん・・・抜くと言うより余計な部分を破壊する感じで・・・・」

 

リグルが飴を蹴る

 

すると見事に神龍が完成していた

 

零「・・・・・」

 

俺は頭が真っ白になりとりあえず小傘達の所に戻った

 

 

 

次に来たのは北区

 

ここでは食べ物を売っていた

 

にしてもここは知り合いが多い

 

チルノと大ちゃんがかき氷、ミスチーとルーミアは八ツ目鰻だ

 

俺は蛮奇を見ると蛮奇は何かに目を光らせている

 

その方向を見るとそこにあるのは影狼がやっている綿菓子屋だった

 

零「・・・食べたいのか?」

 

蛮奇「え!?」

 

零「ほれ」

 

俺は蛮奇に一銭を握らせる

 

零「買ってこいよ」

 

蛮奇「いいの?」

 

零「せっかくの祭りなんだ。欲しいもんくらい買ってやるさ」

 

俺がそう言うと蛮奇が影狼の屋台に向かっていく

 

何か話し込んでいる

 

小傘も小傘でチルノ達と話している

 

零「んじゃ俺は東区に行くから小傘よろしく」

 

蛮奇「うん」

 

俺は蛮奇にこれからの予定を話して東区に向かう

 

 

 

東区は展示ブース

河童の発明や烏天狗(主に文)の新聞が掲示されている

 

にとり「やぁ、盟友」

 

零「おぉ、にとり。お前は何展示してんだ?」

 

にとり「私かい?私は・・・ほら」

 

にとりが指差す方向にあったのは二人の玉と一つの棒

 

正確には玉棒玉の順・・・つまりは完全なアレである

 

男の股に付いてるアレである!

 

にとり「ネオアームストロングサイクロンジェットアームストロング砲さ」

 

零「アームストロング二回言ったぞ。つか、女の子がこんな卑猥なもん作って良いのかよ?」

 

にとり「卑猥とは失敬だな!これは河童が二分してしまった時に敵の河童勢力を打ち敗った決戦兵器さ!」

 

・・・・こんなふざけたのに敗れた河童勢力はさぞ無念だろうな・・・

 

にとり「まぁ、他もこんな感じだからゆっくり見ていきなよ」

 

そう言われて俺はしばらく展示物を見ていたが力士の銅像や相撲取りロボ、ロボ相撲など技術はすごいのにあれな作品を背に俺は最後の西区に向かった

 

 

 

西区、ここではライブが開かれ芸に覚えのあるものが皆芸を見せている

 

次はどうやら、ルナサ達とミスチーの共同ライブのようだ

 

椅子に座って四人の演奏を聞く

 

前の方ではルナサ、メルラン、リリカ、ミスチーのファンが現代オタク顔負けのオタ芸を披露している

 

妹紅「隣、良いか?」

 

隣に妹紅が座ってくる

 

その手には酒もあり猪口が二つある

 

一つを俺に渡して酒を入れてくる

 

妹紅「祭りはどう?」

 

零「楽しんでるぞ?ちょっとあれな屋台もあるけど・・・」

 

妹紅「アハハ、私も見たよ。注意喚起はしたけどね」

 

俺は酒を飲んでライブを見る

 

零「人も、妖怪も、妖精も、笑って過ごしてる。・・・紫が望んだ世界はこう言う世界なのかね・・・」

 

俺は先ほどまで見てきた光景を思い浮かべる

 

皆笑っていた

 

そうこうしている内にライブが終わる

 

その瞬間、真っ暗な夜空に綺麗な一輪の大輪が咲いた

 

にとり「フッ、ネオアームストロングサイクロンジェットアームストロング砲は何も人を殺す兵器じゃない!空に綺麗な花を咲かせることによって河童の心を一つにしたのさ!」

 

花火のしたに居たのはにとり達河童とネオアームストロングサイクロンジェットアームストロング砲だった

 

どうやら、大砲は大砲でも花火玉の大砲らしい

 

・・・・デザインはあれだが・・・

 

妹紅「さ、祭りも大詰めだ。精一杯戦おう!」

 

零「え!?」

 

俺の返答を待たずに妹紅が飛んでいく

 

俺も後を追い祭りが終わるまで段幕ごっこら続いた


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