Fate/kaleid liner advanced プリズマ☆サクラ 作:風早 海月
日本の一般家庭において、姓が違う者が住んでいる事から何を想像するだろうか。
恋人の同棲?母方の両親との二世帯住宅?はたまた内縁の夫婦?ルームシェア?
このアインツベルン邸は一味違う。
入籍していない夫婦の間に生まれた子供と、夫の養子。これがこの家の住人である。(他にメイド2人)
なかなか凄い家だと思う。まさにエロゲ。(byルビー)
つまり、この家に定住している人には、今のところ血の繋がりはないのだ。
1人目はイリヤスフィール・フォン・アインツベルン。現在10歳。小学五年生。
2人目は衛宮士郎。16歳。高校二年生。
3人目は
「なんでよ…」
間桐桜。
身長156cm、体重46kgで、B85/W56/H87のEカップ。華奢な体躯にしては出るとこ出てる。逆説的にいえば、アンダーバストが65前後。この数値からも彼女が細身であることが分かる。(日本人20代の平均で約70cmとの事だ)
その紫髪のロングヘアと紫の瞳はその華奢な体躯と相まって、とても美しい。
そんな彼女の面影を残しつつ、幼くした(これでも成長した)のが今の士郎…こと、衛宮サクラだ。この世界の衛宮切嗣が士郎のように拾った子供だった。
カタカナでサクラとしたのは、アーチャーつまり衛宮士郎の成れの果てのひとつがエミヤと名乗っていたのに倣ったもので、桜の名前と士郎の成れの果てという意味として名乗っている。
ちなみに、幾度となく(この世界の)士郎から「サクラは桜の妹なのか?」と何度も聞かれた。口頭では何を言ってるか最初分からなかったが、よくよく考えれば分かった。
サクラにとって、この世界は平和だ。聖杯戦争は無く、姉のイリヤも、父切嗣も生きている。この世界の切嗣は『家族を守る正義の味方』なのだそう。
今日もまた、日常が積み重なる……
と、思っていた。
まさか、こちらの世界でも『宝石剣・突』を使うことになろうとは…
☆☆☆☆☆
イリヤとサクラは同じ歳の同じ女の子。何をするにも双子のように。それが当たり前だった。
だから、部屋も2人でひとつ。ベッドは大きさの問題から何故かキングサイズ一つ。絶対アイリスフィールと切嗣の部屋のと間違えたと思う。
だからこそ、ガサゴソとベッドを這い出るイリヤに気が付いた。
夜は魔術師の時間。イリヤに万が一があればアイリと爺さんに顔向けできないと考えて、一応投影がバレないように士郎の部屋から弓と練習用の矢を持ち出す。
「
小声で呟き、体を強化。イリヤを追う。
イリヤを追うと、学校…それも高等部の校庭だった。しかも、イリヤの服装が変わっていた。
「あれは…ねえさ…じゃなくて遠坂…この世界でもツインテは変わらないんだ…」
ちなみに今のサクラは士郎と桜のイントネーションが混ざっていて、何故かそれがこのロリっ子サクラに似合っているらしく、話していると商店街の皆さんからお菓子やらなんやらを貰える。
「…この世界のイリヤは魔術とは関わってないし、小聖杯もホムンクルスとしての能力も封印されてるはず…なんで遠坂と…?」
そうこうしているうちに、イリヤを中心に魔法陣が広がり、2人が消えた。
「…!?空間転移?いや、違うかな…?」
急いで校庭に入る。
士郎の時より増えた(具体的には凛と同等の)魔術回路を起動して解析を行う。だが、不明。
「空間系なら…」
普段用の服の、ミディ丈の明るい茶色系ギャザースカートの中に仕込んだ一振りの短剣を取り出す。そう、『宝石剣・突』だ。第二魔法の英智の一端が使われているこの礼装は時空への干渉が出来る。
「…
サクッと宝石剣・突で空間を切り開いて鏡界面へ。既に戦闘が始まっている。イリヤと戦闘しているのは…
「ライダー!?」
サクラが認知する前に分かる。分かってしまう。あのライダーは、《あの》ライダーだと。
でも、それだとしても…
「ごめんね、ライダー。わたしは《家族と仲間と友達と桜の味方》だから…今のあなたを撃つよ……
昔はこれだけで失敗していた士郎。今では息をするように使える。弓に矢を番えながら、身体と弓矢に限界ギリギリの強化を施す。
息を整えて、無心に。
桜と士郎、2人の繋がりの一つを示す。2人なら、2人だから、引ける。悲しみに迷いはしない。二度と大切な人を失わないために…今一度、サクラは弓を射る!桜は今ここにいるのだから…!
対魔力のあるライダーに直接魔術は効かないが、強化した矢は、突き刺さる。二の矢三の矢と次々に。だが、それでも英霊はそんなにヤワではない。
「わかってるよ、桜。わたしは逃げない…っ―――
矢を射ち尽くし、弓を置く。そして、アーチャーの代名詞たるカーボン製の洋弓を投影する。
「
番えた剣を射る。もう体感で数年使っていないこの技も、正確にライダーの胸に突き刺さる。
「
胸に刺さった
途中から棒立ちになっていたイリヤと凛、そして途中から様子を伺っていた約2名の、計4名を放置してライダーの跡に出てきたカードを手にする。
「今度こそ、一緒にいてくれる?ライダー…」
考えるよりも、そうしないといけないと、サクラは動いていた…
☆☆☆☆☆
途中から様子を伺っていた約2名、つまりルヴィアゼリッタ・エーデルフェルトと美遊・エーテルフェルトはそんな場合ではないと、凛と合流した。
「なんなんですの?あの子は。見たことも無い魔術ですし、冬木の魔術師ではないのではなくて?」
「…」
ルヴィアに問われる凛はそれに応える余裕はなかった。なぜなら、その後ろ姿は決して忘れることのない姿にそっくりであった。
「あ、サクラ!」
凛たちと少し離れたところにいたイリヤがサクラに駆け寄る。その名前に、さらにビクッと反応する凛。
「イリヤ…怪我ない?あなたに怪我されたらアイリに顔向けできないよ」
「大丈夫だよ。あの時サクラが守ってくれたから…」
ライダーに攻撃を始めた時、それは奇しくもルヴィアが美遊に攻撃指示を出す一瞬前だった。つまり、ライダーの宝具『
「さ、とりあえずこの世界崩れそうだから元の世界に帰ろう?」
「うん!…あ、凛さんも連れて帰らないと!」
「そうだね」
イリヤが凛のことを思い出した時、不覚にも面倒という言葉がサクラの頭の中をよぎる。問い詰められるのは当たり前なので、頭を全速運転してカバーストーリーを構築していく。
「こんばんは、魔術師の御二方。話はこの世界から帰った後で」
「…ま、そうね。聞きたいことは山ほどあるけど、鏡面界の崩壊で怪我するかもしれないし…ルビー!」
《はいはーい!鏡界回廊一部反転!》
足もとの魔法陣はこれだったのか…と納得する。そして、魔法陣の内容が分かるということは恐らく…このステッキはゼルレッチ製。
「さて、通常界に戻ってきたことだし…あんた何者かしら?冬木の
「凛さんが何言ってるか分からないけど、サクラは私の妹だよ?」
「は?」「?」
イリヤの発言に魔術師2人が疑問符を付ける。凛はその容姿でイリヤの妹ということ…つまりイリヤの妹がとても自らの妹の幼い頃に似ていることに、ルヴィアは見た限り
「わたしの名前は衛宮サクラ。イリヤとは血は繋がってないんです。イリヤの両親は訳あって入籍してなくて、その父親の方に養子に取られたのがわたしです」
サクラからすれば、この辺は嘘をつかなくて良くて助かる。魔術方面は軽く触れるくらいなら誤魔化せる、はず。
「なるほど。で?」
「わたしは自らを守るすべとして魔術を使う魔術使いです。積極的に使っている訳でもないですし、
「遠坂時臣は私の父親よ。もう数年前に逝ったわ」
「そうですか…お悔やみ申し上げます」
時臣の名前を出せばなんとかなる。何故ならば、遠坂の血は自他ともに認める
その時、イリヤがあくびをしたところで、それなりに信頼性はあるとして、一旦お開きにすることにした。子供が起きていていい時間ではないのだ。
眠くなってきて話に集中出来ていなかったイリヤの目には、もう1人の魔法少女の姿があった。
文字数3,000手前目指してるはずなのに、また超えてしまった…
寝不足テンションで書くのはやめましょう。