イマジンズ、転生す   作:ねこどん

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4話 ゾンビパニック&挨拶代わりの再会

 日が落ちた事が幸いしてモモタロスは町の人間に見られる事なく、フードの男を追うことができた。男はふわふわとまるで幽霊のように宙を浮き、嘲るように逃げていく。大通りを曲がり、建物の間を通ってモモタロスを闇の奥へ奥へと導く。

 

「ねぇモモタロスってば!本当にどうしたのよ?」

 

 後ろで少し苛立ち気味のサリィが問いかける。モモタロスは振り返らずに走りながら答えた。

 

「森でベルトとパスの話をしただろ?アイツが持ってたのがそのパスだ」

 

「デンオウに変身する為のアイテムよね?それはわかったけど、なんでそんなにムキになってるのよ」

 

「アイツは『彼から借りた』って言いやがった。俺が知ってる奴でライダーパスを持ってるなんざ、思いつくのは1人しかいねぇ」

 

 そこでサリィはハッとした。森で聞いた時間の運行を守るべく共に戦ってくれたかけがえのない男の話を思い出した。

 モモタロスの気持ちを察し、何と言えばいいかわからずサリィは閉口する。

 

(もし奴の言う通り、お前が生きていて俺を狙ってきたのならどういうつもりなんだ?良太郎!)

 

 急に男の姿がふわっと消え、モモタロスは足を止めた。つられて後からきたサリィも止まる。

 息を整えて辺りを見回した。石と鉄の柵で覆われた広大な土地。石のアーチはまるであんぐり口を開けた巨大なモンスターのように見えた。

 

「墓地のようね。それにしても夜の墓地に誘い込むなんて、あの男は眠っている亡者に失礼と思わなかったのかしら」

 

 気分を変えるためサリィは軽口を叩いた。しかしモモタロスは無言で墓地に入ろうとする。すかさずサリィは腕を掴んでそれを制止させた。

 

「離せよ筋肉女。俺ァどうしてもパスを取り戻さねぇといけねぇんだ。どうしてもな」

 

 モモタロスの声にはいつもと違った怒気が含まれている。しかしサリィは手を離そうとせず、むしろ握る力が強くなる。

 

「ちょっとは落ち着きなさいって。大切な物をあのフード男が持っていて焦るのはよくわかるわ」

 

「オメーに何がわかるってんだ!」

 

 吠えてから無理やりサリィの手を振りほどいた。しかし彼女は負けじと再び腕を掴んでくる。

 

「しつけぇ!いい加減に…」

 

 サリィは空いている左手で拳を握り、思いっきりモモタロスの頬目掛け打ち込んだ。パンッと乾いたいい音が響く。

 

「ってぇな何しやがる!この筋肉女!」

 

「ふぅ、やっといつもの調子に戻ったわね」

 

 モモタロスの反応を見てサリィは安堵しているようだった。殴られた方は全く意味がわからない。

 

「いい?私は貴方の話してくれたリョータローがどんな人か知らないわ。でも貴方が動揺するくらい心配な仲間だっていうのはよく分かった。さっきまでの貴方、なんだかとても無茶しそうな感じがしていたし、闇雲に突っ込んだってダメ。それじゃアイツの思うツボよ」

 

 意外と冷静な事を言うサリィに言い返せず、モモタロスは目をそらす。ほとんど図星だった。

 

「だから少し頭を冷やしてもらいたくて殴ったの。貴方だって、その、私の裸を見たんだからこれでおあいこ。ね?」

 

 サリィの顔を見ながら頭をポリポリと掻いて、諦めたように言った。

 

「まぁお前がそう言うならそういう事にしといてやるよ。へっ、でも礼は言わねぇからな」

 

 モモタロスは少し照れくさそうに右手を差し出した。それに応え2人は握手を交わす。これで和解、とまではいかないがひとまずの蟠りは解けたように思えた。

 

「さ、早くパスを取り返しましょう。大事な物なんでしょ?」

 

「おう。遅れんなよサリィ!」

 

 

 *

 

 

 墓地の中は外よりも濃く霧がたちこめていた。辺りには街灯などのめぼしい光源が無いため、月明かりを頼りに進む。

 

「なーんか出てきそうな雰囲気がプンプンしてんなぁここ。あのフード野郎、本当は幽霊だったとかそういうオチじゃねぇよな?」

 

「冗談でもやめてよ。アタシそういうの苦手なんだから」

 

 近くの草むらが突然ガサガサとざわめく。2人は抱き合って「ギャーッ」と悲鳴をあげる。しかし現れたのは黄色い目をした黒い猫だった。

 

「なんだ猫かよ。驚かせやがって、なぁ?」

 

 しかしサリィは別の方向を見て震えている。モモタロスは「ははーん」と意地悪な笑みを浮べた。

 

「なんだお前。普段は強ぶってるくせにだらしがねぇなぁオイ。たかだか猫だろうが」

 

「違うわよアレアレ!」

 

 サリィの指さした方を向く。人影が石畳の道を1歩1歩踏みしめるようにこちらへと向かってくる。

 

「ありゃ酔っ払いか?ふらふらと危なっかしいぜ」

 

「そんなんじゃないわよく見て!あれは…」

 

 月が雲間から顔を出し、月明かりが人影を照らしてその姿が顕となった。

 ボロボロで色褪せた洋服に所々骨が剥き出しになった身体。ふらふらとしていたのは酔っ払っていたのではなく、足を引きずっていたからだった。

 

「お、オイオイ。ありゃまさか……」

 

 顔から血の気が引いていくのがわかる。

 人影は腐りかけの口を大きく開いた。勢いで液体と共に口の中にいた蛆虫が数匹飛び、石畳の上で蠢く。

 

「ゾンビだぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

 

 モモタロスの今日イチの絶叫が墓地中に響き渡る。

 2人は振り返らず脱兎の如く逃げ出した。しかしいくら走っても墓地の出口にたどり着かない。

 

「ねぇ、何か変じゃない?同じ所をクルクル回ってるみたいな」

 

「そんな事よりゾンビの方がやべぇだろうが!見ただろ?」

 

「ゾンビ?何言ってるの。あれはリビングデッドよ!」

 

「はぁ!?同じじゃねぇか!何が違うんだよ」

 

「アタシの世界ではリビングデッドなの!あれは術者が近くにいて操ってるのがほとんどよ!」

 

 それを聞いたモモタロスはため息をついて逃げるのをやめた。振り返って迫りくるゾンビ改めてリビングデッドを睨みつける。

 

「なんだよ。ビビって損しちまったじゃねぇか。仕掛けがわかりゃ倒すまでだぜ」

 

 シャキンとモモタロスォードを取り出し、肩に担いだ。サリィは近くの墓石の影に身を隠す。相当怖いようで小さくなって震えていた。

 

「サリィ、お前はそこで見てな。カッコイイ俺の戦う姿をよ!行くぜ行くぜ行くぜぇぇぇっ!」

 

 こちらに向かって近付いてくるリビングデッドにモモタロスは上段蹴りを浴びせる。腐りかけの頭は衝撃で吹き飛び、まるでサッカーボールのように綺麗な放物線を空中で描き飛んでいく。振り上げた足を戻し、残った胴体にそのままモモタロスォードで切りつけた。よたよたっとバランスを崩した首の無いリビングデッドは尻もちをついて煙と化す。

 

「モモタロス!後ろ!」

 

 サリィが叫んだ。もう一体別のリビングデッドがぬっと現れ、モモタロスを羽交い締めた。

 

「野郎。後ろとか汚ぇぞコノッ!」

 

 後頭部を使ったヘッドバットが炸裂。さっきのリビングデッドよりも腐敗が進んでいたのか顔の前半分にモモタロスの後頭部がめり込む。ぐしゃっという感触が後頭部から伝わり、内心ものすごく気持ちが悪かったがグッと堪えて腕から抜け出す。

 

「クソーッ!こりゃ帰ったら俺も風呂入らねぇとな」

 

 身体を反転させてそのままモモタロスォードを振り回す。左脇腹から右肩にかけてズバッと切り裂く。リビングデッドは足元から崩れ、そのまま煙になった。

 

「やはり2体程度ではあっさりやられてしまいますねぇ」

 

 フード男の声が月の方向から聞こえてくる。見上げると枯れ木の太い枝の上に2つの人影が見える。1つは宿屋で見かけたフード男のもの。もう1つは逆光でよく見えないがおそらく奴の仲間の者だろう。シルエットから男のようにだった。

 

「テメェ、フード野郎!そんなとこにいねぇでさっさと降りてきやがれ!」

 

「それはできない相談ですね。ほら、私とおしゃべりしている場合ですか?さっきよりも熱烈な歓迎があるみたいですよ」

 

 男の声を合図にボコボコっと墓地から無数の手が地面から生える。まるで無数の彼岸花が顔を出したかのようだ。既に何体かのリビングデッドが土から這い出てこちらに向かっている。

 強気でいたモモタロスも流石にこの不気味な光景に怯んでしまう。

 

「うへぇ〜、気色悪っ。趣味悪過ぎだろ。サリィ!びびってねぇで手を貸せ!」

 

「む、無理よぉ〜。こんなの怖すぎるもの!こっちはこっちで手が襲ってきてるんだからぁ」

 

 いつになく弱気なサリィに歯痒さを覚えたモモタロスは素早く辺りを見回す。先程聞いたサリィの話が正しければ近くにこれらを操っている術者が潜んでいるはずだ。フード男の様子からしてアイツとその隣にいる人影は違うだろう。

 

「!オイサリィ!アレに向かって矢を撃ってくれ」

 

「何言ってるのよぉ。できるわけないでしょ〜。それに矢は撃つじゃなくて射るだからね」

 

「そんなウンチク語ってる暇あったらさっさとしろ!あれだけの数が出てきたら流石にやべぇ!」

 

「あぁ、もうっ!どうにでもなれ!」

 

 覚悟を決めたサリィは矢を矢筒から取り出し、モモタロスが指示した方へと放った。矢は見事に命中し、それは断末魔をあげる。

 サリィが射ったのは先程モモタロスの前に現れた黒猫だった。墓石の上で欠伸をしていた黒猫に矢が突き刺さり、まるで人間のような声で悶えた。

 

「くそっ、何故私が本体だと気付いた!?」

 

 猫の口からしわがれた老婆の声がする。痛みに苦しむねっとりとした声だ。

 

「へん。これだけ死体がうじゃうじゃと動いてる所でくつろぐ猫なんているかってんだよバーカ」

 

「ぐぐぐ、あんな奴に見破られるとは……無念」

 

 黒猫は力尽きたかと思うと身体が膨れ上がり、人間の姿へと変わる。その姿は黒いローブを羽織った童話に出てきそうな風体の魔女だった。胸の中心にサリィの矢が刺さっていて、数秒した後にやはり煙になって消えた。

 墓地から伸びていた腕も糸の切れた人形のようにガクンと項垂れてそのまま動かなくなった。墓地を包んでいた霧も徐々に晴れていき、煌々と輝く満月が夜空に姿を現す。

 

「さぁ、これで前座は終わったぜ。クライマックスといこうじゃねぇか!えぇ?」

 

 ローブの男に向かってモモタロスは啖呵を切る。すると隣にいた男が笑い出した。若い男の声だ。

 

「はははははっ。見ない間に随分賢くなったんだね、モモタロス」

 

「あぁ?気安く呼ぶんじゃねぇよ」

 

 敵意剥き出しのモモタロスに対して男は緊張感の無い声で答えた。どこかで聞いた事のある声である。

 

「酷いなぁ。これまで一緒に戦ってきたのにそんな言い方をするんだね。まぁそういう所がモモタロスらしいんだけどさ」

 

「お前…お前まさか…」

 

 モモタロスは自分の目と耳を疑った。その声と姿は彼がずっと探していた最高の仲間と余りにも酷似していたからだ。

 彼は枯れ木から飛び降り、上手く着地する。そして呆然と佇むモモタロスに笑顔を向けた。

 

「久しぶり。モモタロス」

 

「りょ、良太郎……!」

 

 その人物はかつてモモタロス達と共に戦っていた野上 良太郎その人であった。

 

 

 *

 

 

「え!?あの人がリョータローなの??」

 

 驚きを隠せないサリィにモモタロスは静かに答えた。

 

「あぁ、アイツがそうだ。ひ弱な癖に頑固で融通が効かねぇ。でも根性のあるお人好し。加えて運もめちゃくちゃ悪い奴だ」

 

 サリィへの説明に苦笑しながら良太郎はモモタロスに近付いてくる。

 

「そこまでハッキリ言われちゃうと傷付くな…。でもいいや。こうしてまた会えたんだから」

 

 本来なら飛びついて喜ぶべき所なのだろうが、驚きと今の状況のせいで素直に喜べない。それに言い様のない違和感を目の前の良太郎から感じていた。

 

「ん?どうしたのモモタロス。僕がわからなくなっちゃった?あ、そうか。こんな下等な人達と一緒にいたから感覚が狂っちゃったんだね」

 

 見慣れた人懐っこい笑みを浮かべる良太郎に、モモタロスは後ずさった。

 

「お前、本当に良太郎か?」

 

 やっと出た言葉がそれだった。上手く説明できないがこの男は何かが違う。

 良太郎はモモタロスの言葉に疑問を投げかけた。

 

「それどういう意味?」

 

 顔は笑っているのに発せられた言葉には氷のような冷たさが含まれていた。それでモモタロスは確信する。

 

「声や姿は良太郎だ。油断してると本当に戻ってきたと錯覚しちまう。だがな偽物。良太郎は絶対他人を悪く言わねぇんだよ。それによ、アイツなら木から飛び降りようもんなら絶対に怪我してるはずだぜ」

 

 思わぬ返答に目を丸くする良太郎。しかしすぐにまたふふふっと微笑む。

 

「何を言い出すかと思えばそんな事か。でも信じたくないっていう君の気持ちはわかるかな。

 あ、そうだ。それなら偽物かどうか確かめてみなよ。君も戦うの好きだったじゃない。ドクトル、少し遊んでもいいかな?」

 

「えぇ。少しだけなら構いませんよ。まだ利用価値がありますから壊さないようにして下さいね」

 

「ふふっ、その位わかってるよ。さぁ許可も出た事だし、遊ぼうか」

 

 良太郎はポケットから茶色のカードデッキを取り出す。カードデッキの中央には羽を広げた金色の鳥の装飾があり、それを囲うようにして同色の菱形が4つ施されていた。

 それを徐に突き出すとどこからとも無く現れたVバックルが現れ、良太郎の腰に装着される。

 

「変身…」

 

 カードデッキをVバックルに差し込むと鏡のような物が良太郎を包んだ。

 かと思うとすぐにそれは割れて中から茶色と金色を基調とした鎧の戦士が現れる。左手で鷲のようなオブジェが乗った錫杖を持ち、纏った鎧の所々に似た鳥があしらわれていた。

 

「あぁ、君達に彼の紹介をしていませんでしたね。彼の名は『仮面ライダーオーディン』。異界の数多ある結末において最強と称された戦士です。少し私の方で手を加えさせてもらいましたけどね」

 

「さぁ、楽しもうよモモタロス。僕をガッカリさせないでね」

 

 楽しそうな良太郎の声にモモタロスは焦りと困惑を隠せずにいた。

 

 

 *

 

 

 なんとか状況を整理しようとモモタロスは必死に脳みそをフル回転させる。このままだと迂闊に攻撃できない。

 やっと見つけたと思った良太郎が偽物(と思っている)で、しかも見た事のないオーディンというライダーに変身した。

 もし仮に良太郎が偽物とすり変わっているのであればモモタロスは絆の繋がりを失い、実体を保てない。最悪消滅してしまってもおかしくないはずだ。しかし今の今まで実体が保てているということは良太郎はどこかに存在しているという事になる。

 つまり目の前のオーディンに変身した良太郎は本物という可能性もあるのだ。

 

「なぁ。さっきはああ言ったが、もしお前が本物の良太郎ならやめてくれ。俺はお前と戦うつもりなんてねぇんだよ」

 

 宥めるようにオーディンに話しかける。それは懇願のようにも聞こえた。

 しかしオーディンは鼻で笑い、カードデッキから1枚のカードを引き抜いた。

 

「何言ってるのモモタロス。いつもストレス発散とか言って変身してたじゃない。変身はできなくても戦う事はできるでしょ?」

 

 カシュンと手にした錫杖、ゴルドバイザーを展開させ、オーディンは引き抜いたカードを装填させる。

 

 〘ソードベント〙

 

 カードを認識したゴルドバイザーが音声を発し、ほぼ同時にオーディンの正面に黄金の羽を模した刀、ゴルドセイバーが現れた。宙に浮いたゴルドセイバーを掴むとそのままモモタロス目掛け切りつけた。

 咄嗟にモモタロスォードでそれを防ぐがオーディンに変身した良太郎の力は想像していた以上に強く、あっという間に押されてしまう。押し返すもゴルドセイバーによる素早い斬撃が無数に飛んできて、防御するだけでも手一杯だ。

 そんな姿を見たオーディンは退屈そうに言った。

 

「意外とその姿のモモタロスって弱かったんだね。いつも見ていた感じだともう少し強いと思ってたよ」

 

「チッ、こっちが下手に反撃できねぇのをいい事に調子に乗りやがって!」

 

 キャパオーバーを向かえたモモタロスは考えるのをやめた。と言うよりもキレた。モモタロスォードで斬撃を受け止め、オーディンの腹部に蹴りを入れる。的確に狙ったはずの蹴りは空を切る。来るはずの手応えが無いせいでバランスを崩しかけた。

 

「惜しいね。でもそんな攻撃じゃ僕にダメージは与えられないよ」

 

 オーディンがいつの間にか背後に立っていた。

 

「また瞬間移動かよ!」

 

 モモタロスが振り向くよりも早くオーディンの斬撃がモモタロスを襲う。ゴルドセイバーがモモタロスの肩口から滑り、脇腹で抜ける。両断されなかったものの、ダメージとしては致命的過ぎた。ガクッと両膝をつき、モモタロスは倒れる。

 

「モモタロスゥゥゥゥゥ!」

 

 サリィの悲痛な叫び声に満足したようにオーディンは変身を解く。ドクトルの方を向き、良太郎は呆れた表情で残念がる。

 

「本当、変身してなければこんなにあっさりやられちゃうんだね。なんだか拍子抜けしたよ。もういいや」

 

「あんなに会いたがっていたのに、もうやめるのですか?案外飽きっぽいんですね」

 

「そうじゃないよ。これ以上したって簡単になぶり殺しちゃうだけだからさ。それに…」

 

 しゃがんで倒れているモモタロスの角を掴んで頭のを持ち上げる。意識が朦朧としているモモタロスに満面の笑みで言った。

 

「またどうせ会えるんだから。その時までにまた強くなっててよね?モモタロス」

 

 パッと手を離し、モモタロスは石畳に頭を強く打った。気を失っているのか反応しない。

 

「さ、帰ろうか。他のみんなも待っているから」

 

「そうですか。ではサリィさん、モモタロス君が目を覚ましたら伝えといてください。今日は挨拶代わりの再会だったとね」

 

 木の上からドクトルはパチンと指を鳴らした。一瞬で2人は姿をくらます。静寂が訪れた墓地に、重症を負ったモモタロスと彼に駆け寄るサリィだけが残された。

 

 




今回、白い目で見られる、裸見られる、ゾンビ(リビングデッド)に襲われるとサリィ回になりました。ラックの影薄いけど次回はそれなりに活躍する予定です。
ここで良太郎を出すか出さないかすごく悩みましたが、どうせ登場させるつもりだったので出しました。
オーディンについては「ファンタジー世界だしいいか」って事で普通に戦える設定にしてあります。良太郎が変身できたのはドクトルがデッキを改造したので。そこんとこはまた機会があれば書きたいなぁ。ミラーワールド?細けぇこたぁいいんだよ(笑)

次回は新しい仲間とイマジンの1人が登場予定!上手くまとめたいけどどうなるかな…。
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