イマジンズ、転生す   作:ねこどん

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6話 奮闘するD 変貌するD

 ランチを終え、一行はヘキサレイズを目指していた。その間に砦を通過して目的のヘキサレイズまではもう目と鼻の先である。景色もヘキサレイズに近付くにつれ、荒地から草木が点々と目立つようになってきた。

 その途中でモルガが思い出したように残念がる。

 

「しっかし、本当にあのリンゴロ虫は惜しい事をしたな。あれだけでかいけりゃ鎧だけじゃなく盾や剣も作れたろうにな」

 

「モルガ。そういう意地悪言うのは良くない。モモタロスだって謝ってただろう?」

 

「そういうつもりで言ったんじゃないワイ。ドワーフとして良質な素材を求めるのは当然なんだよ。ありゃ多分10年モノのリンゴロ虫だったからね」

 

「そうだったのか。ごめん!勘違いしてたぁ」

 

 デネブは立ち止まって深々と頭を下げる。勢い余って背負っていた大きなリュックからデネブキャンディーが何粒かこぼれ落ちた。その様子を見てサリィが微笑む。

 

「デネブって真面目というか純粋なのね。どこかの誰かさんも少しは見習ってもらいたいわ」

 

「あぁ?聞こえてんぞ。誰が純粋じゃねぇって?えぇっ?」

 

「あら〜、自覚あったのね。それは意外だわ」

 

「そういえばモモタロス、なんか強くなってない?さっきのリンゴロ虫だって強くはないけど硬い事で有名な魔物なんだよ」

 

 先程倒したリンゴロ虫はラックの言う通り硬い事で有名な魔物である。初心者の冒険者だったら倒すのに相当時間がかかってしまう程だ。それを一撃で倒せたと言うのはあまり無い例だった。

 

「モモすけ、お前の武器を見せてみろ」

 

 話を聞いていたモルガがモモタロスに催促してきた。渋々モモタロスォードを取り出し、それを手渡す。モルガはひょいっと持ち上げ、品定めするように隅々まで調べる。

 

「こりゃ見た事ない剣だ。アタイらドワーフ族でもそう作れないね。材質は…ワルーンライトに似てるな。多分モモすけが強くなるに連れてこいつも切れ味や強度を増してるんだろうね」

 

「さっすが俺のモモタロスォードだぜ!俺のカッコ良さに合わせて強くならなくっちゃな」

 

「またすぐ調子に乗る…」

 

 感嘆の声を上げるモルガにモモタロスは喜びを隠せずにいた。サリィはそれを見て少々呆れる。

 

「でも持ち主に合わせて強くなる武器なんて聞いた事ないよ。それにもし見立て通りレアメタルのワルーンライトを使ってるなら相当凄いんだよ!」

 

「お、ラックは話がわかるみたいだねぇ。デネブはてんでこういう話がわからないから嬉しいよ」

 

「そんな!俺だってちゃんと聞いてるぞ。…わからない事の方が多いけど」

 

 両手の人差し指をつんつんと合わせながらしょんぼりと肩を落とす。その様がおかしくてみんなで大笑いした。

 するとヘキサレイズの方から4人組がこちらに向かってくるのが見えた。

 5mくらいの所で歩みを止めて横に広がる。右から僧侶(女)、剣士(男)、戦士(男)、魔法使い(女)の並びで、それぞれ左腕にユニコーンの紋章が縫われた腕章をつけている。おそらくギルド所属のパーティーなのだろう。

 徐に剣士が腰から剣を引き抜き、こちらへ剣先を向けた。

 

「君達がドワーフ族の彼女を誘拐したのはわかっている。手荒な真似はしたくないんだ。大人しく引き渡してくれ」

 

「はぁ?誘拐だぁ?俺らがそんな大それた事するように見えるってのかよ」

 

 モモタロスは自信たっぷりに答えた。剣士は寝言は寝て言えとといわんばかりにそれを鼻で嘲笑った。

 

「ふん、オーガの君の言う事など信用できないね。これは警告だ」

 

「あー、もう!俺はオーガじゃねぇ!…なぁ、そんなにオーガってのは俺に似てるのか?」

 

 信じられないとばかりに落胆するモモタロスの言葉にラックは苦笑いする。

 

「うーん、まぁ。言い難いけど…」

 

「マジかよ…」

 

「アンタら勘違いしてないかい?アタイは別に誘拐なんてされて…」

 

 しょぼくれるモモタロスを他所にモルガが前へ出た。しかし言い終える前に戦士のダインが彼女の言葉を遮る。

 

「おいスタッシュ、いいからさっさと片付けようぜ。約束の80万が待ってるんだ。手っ取り早くやっちまおうや」

 

 ジャキンッと背負っていた両刃のアックスを取り出す。それに続いて僧侶と魔法使いも身構えた。やる気満々である。慌ててデネブがキャンディーの籠を片手に止めに入る。

 

「待ってくれ。俺たちは誘拐なんてしてない。それにモモタロスはオーガじゃないぞ。あ、そうだ。これ、仲直りのデネブキャンディー」

 

「ガキじゃねぇんだ。そんなもんもらったって嬉しかねぇよ。そのガキを引き渡すつもりがねぇならかかってこいや」

 

 デネブの行動が逆に刺激になってしまい、戦士のダインはアックスを振り回す。デネブは驚いた拍子に尻もちをつき、キャンディーが籠から出て散乱する。

 モモタロスはラックの肩に手を回し、顎をクイッと上げて合図した。

 

「どうやら痛い目見ないとわからねぇようだな。ダック、いくぜ」

 

「あまり気乗りしないけど、このまま誤解されて襲われるよりはいいのかな。戦いたくはないんだけど…」

 

 気乗りしないラックを他所にモモタロスはそのまま重なるように憑依する。

 不敵に笑ってMラックは親指で自分を指さしてポーズを決めた。

 

「俺、参上ッ!!」

 

 ビシッと決まったかに見えたが横でサリィが水を差す。

 

「参上ってさっきからそこにいたじゃないの」

 

「うるせぇな!こういうのは気分の問題なんだよ」

 

 Mラック達の様子を見ていたモルガは驚き、そして感心した。

 

「ほぉ、イマジンってのはああいう事もできるのか。じゃあアタイらもしてみるかね。デネブ、いつまでそうしてんだい」

 

「お?おう!任せろ」

 

 デネブも立ち上がり、モルガに憑依する。するとモルガの結んでいた髪の一部が解け、解けた髪がエメラルドグリーンになる(以下、Dモルガ)。

 

「最初に言っておく!モルガは子どもじゃあない!」

 

『そりゃドワーフなんだから当たり前だろうが!』

 

「いやぁ、言っておかないと勘違いされるかなと思って」

 

 あははと笑うDモルガにダインは青筋を立てて吠えた。

 

「お前らさっきからおちょくってんのか!いい加減にしやがれ!!」

 

「落ち着けダイン、奴らのペースに巻き込まれるな。こうなったらやるしかないようだ。ティニー、魔法で奴らを牽制してくれ!」

 

「はいよ。『ドラゴンの伊吹、灼熱の太陽の残光。降り注げ!フレイムニードル』」

 

 ティニーの杖にはめ込まれた青い石が光を放ち、空から炎の雨が降り注ぐ。それは意思があるかのようにMラックとDモルガ目掛けて襲いかかってきた。

 DモルガとMラックは左右に散開してそれを避ける。避けることを予測していたように剣士スタッシュがMラックに、戦士ダインがDモルガの前に立ちはだかる。

 

 

 

 

「俺の相手はチビかよ。まぁこうなったからには怪我だけで済むと思うなよ。何、依頼者のアイツには適当な言い訳すりゃいいだけだが、なっ!」

 

 ダインはアックスを振り上げ、バットのスイングのようにそれを振り回した。丸太のような腕で振られたアックスが素早くビュンッとDモルガを狙う。Dモルガは後方へ跳び、それを避けるとデネブがさっきまで背負っていた荷物の中から1本の薙刀を取り出す。

 

『デネブ。それは武器屋に頼まれて作った売り物だぞ!まさか使うつもりか!?』

 

「ごめん。でも今はそうも言っていられないから。俺が戦わないとモルガもラック達もやられる」

 

 デネブの言葉にモルガは仕方ないとばかり舌打ちをする。

 

『チッ、1000L貸しだからね。その代わりきっちりその分やってやりな!』

 

「わかった!ウオォォォォォ!」

 

 Dモルガは自分の背丈の3倍はある薙刀を器用に振り回し、ダインの攻撃を翻弄する。モルガの見かけで判断していたダインは当たると予想した攻撃が尽く避けられ、歯痒さから苛立ちを増していく。

 

「えぇい!すばしっこいチビガキだ!こんのぉ!」

 

「モルガはチビでもガキでもない!たまにまだおねしょしちゃうけどな」

 

『何言ってんだい、このアホ!////さっさと終わらせるんだよ!』

 

「何を1人でごちゃごちゃと!おりゃぁぁっ!」

 

 縦一閃に振り下ろされたアックスをDモルガは持ち手を狙い、薙刀をダインの腕の間に滑らす。刃ではなく柄で手の甲を叩いてアックスを叩き落とした。アックスは支えを失い、明後日の方向へと飛んでいく。そのままDモルガは後方へ2回跳び、距離を置いた。

 

「このクソチビがぁぁぁぁ!」

 

 武器が飛ばされた事で更に激昴したダインはDモルガにタックルを仕掛ける。Dモルガの身長からするとダインはまるで獰猛な巨軀の雄牛そのものだった。

 Dモルガはダインの動きを見極め、薙刀を持ち上げて正面に向かっていく。ある程度距離が縮まると棒高跳びの要領で薙刀を地面に突き刺し、しならせた反動で飛び上がった。

 

「悪いが少し眠っててくれ!」

 

 空中で薙刀から手を離し、膝を抱えて回転する。そしてDモルガは的確にダインの顎に飛び蹴りを食らわした。クリーンヒットした蹴りはダインの脳を揺らし、脳震盪を起こした彼はそのままぶっ倒れた。

 

 

 *

 

 

 一方その頃、Mラックとスタッシュの激しい攻防が繰り広げられていた。スタッシュが愛用の鋼の剣を振るい、Mラックがそれをモモタロスォードで受ける。そして今度はMラックが攻めて、をもう何度も繰り返している。その度にキィンと火花が散り、攻防の激しさを物語っていた。

 

「やるなオーガ君。君も相当な修羅場を超えてきたみたいだね。ここまでやるとは正直感心したよ」

 

「へん、お前もな。こっちに来てから戦う事は増えたが、イマイチ歯応えのねぇ連中ばかりでよ。ちょうど欲求不満だったんだ」

 

「それは良かった。君相手なら手加減はいらないようだ!ノエル!」

 

 スタッシュの合図で僧侶のノエルは十字架のアミュレットを両手で握り、祈りを捧げ始めた。

 

「『かの者にガイアの勇気を!ブレイブヴェール!』」

 

 スタッシュの周りに赤いオーラが纏い、それをきっかけに剣の攻撃速度が増す。互角だった攻防が一気にスタッシュの優勢になった。Mラックは防御を強いられる。

 

「クソッ!なんだそりゃ、ずりぃぞキザ野郎!」

 

「何を言う。これがパーティーの連携というものだよ。それに仲間なら君にもいるだろう?」

 

 サリィの方を見ると弓を構えているものの、こちらの戦いが激しい為に迂闊に矢を放つ事ができないでいた。下手をするとMラックに当たりかねない。

 

「オイオイ、何か勘違いしてねぇか?俺はそんな姑息な手を使わなくても強いんだよ」

 

「ふふっ、強がりを。そんな事では僕を倒せないんじゃないかな?」

 

 ギィン、ギィンとぶつかり合う刀身の激しさが増していき、それに連れてMラックの身体には剣によるかすり傷も増えていった。

 

(あの厄介なオーラさえ無けりゃなんとでもなりそうなんだが、このままじゃやべぇ)

 

 すると何かがスタッシュに向けて飛んできた。反応速度も上がっているスタッシュはMラックから距離を置き、それにすぐさま反応。剣でそれを叩き落とした。バリンとそれは割れて中の液体がスタッシュの剣にかかる。すると赤いオーラはみるみる消えていく。Mラックが飛んできた方を見るとDモルガがサムズアップして笑っている。

 

「チッ!『消魔水』か。ノエル、もう一度頼む」

 

「OK。『かの者に』…って危なっ!何すんのよ!」

 

 ノエルの頬をサリィが放った矢がかすめる。的を外したサリィは思わず舌打ちをする。

 

「一度やられてた手を二度もやらせる程アタシは甘くないのよ」

 

「なら私が。『ドラゴンの』…うおっ!ちょっと!やめなさいよ」

 

「モモタロス!この2人はアタシがなんとか抑えるからさっさとケリをつけちゃって!」

 

「へっ、言われなくたってそうさせてもらうぜ。必殺!俺の必殺技…」

 

 例のごとくラックの首飾りがモモタロスの闘気に反応して光り出す。Mラックは足をがっしりと地面に着き、モモタロスォードを構えた。それに言い知れぬ驚異を感じたスタッシュは下段で剣を構えてそのまま走り出した。

 

「奥義!瞬影剣ッ!」

 

 剣を持つ手に残像が重なりだし、剣が2本になったように見える。スタッシュはMラックの胴を捉え、剣先を向ける。

 

「ダックバージョン!!」

 

 スタッシュの剣がこちらに牙を向けた瞬間、Mラックもまた、スタッシュに光を纏ったモモタロスォードを真っ直ぐに振り下ろした。ドォンという剣のぶつかり合う衝撃が走り、2人を中心に冗談みたいな地面の陥没が起こる。

 バギンッという音と共にスタッシュの剣は砕かれ、スタッシュはガクッと膝を着いた。方やMラックはモモタロスの憑依が解け、胸に横一文字の刀傷を負う。そのままぐらりと崩れ落ちて倒れ込んだ。サリィとモルガはMラックの元に、デネブはモモタロスの方へ駆け寄った。

 

「いかん。こりゃ早く手当せにゃラックが死んじまう」

 

「そんな。ラック!ラックしっかりして!」

 

 ぐったりとしたラックをサリィは揺さぶり抱き寄せる。ボロボロと溢れる涙が落ちてラックの頬を濡らす。

 

「モモタロスも大丈夫か!?」

 

「俺の事はいい…!それよりもダックだ。オイダック!こんなとこでくたばるなよ。俺が許さねぇからな!」

 

 ノエルとティニーに支えられ、スタッシュがラックの所にやってきた。気付いたデネブが走り、割って立ちはだかる。

 

「ラックには指一本触れさせない。モルガにもだ」

 

 ふふっとスタッシュは微笑み、首を振る。

 

「君達と戦ってみてわかったんだ。誘拐を企てるような悪党ではないとね。僕も久しぶりに互角の相手につい熱が入ってしまったよ。すまなかった」

 

「いやいや、こちらの方こそすまなかった。剣まで壊してしまったし、そっちの仲間も気絶させてしまった。ごめん!」

 

「クォラッ!おデブ!何謝ってんだよ!」

 

「そうよ!貴方のせいでラックが死んじゃうじゃない!」

 

 涙を拭いてサリィが叫んだ。ばつ悪そうにスタッシュは頭を下げる。

 

「本当にすまない。ノエル、頼む」

 

 ノエルはラックに近付き、ラックの手を取って目を瞑る。

 

「『全知全霊の女神よ。この者に癒しの御加護を!ヒーリングヴェール』」

 

 暖かな黄緑色のオーラがラックを包み、みるみる傷が癒えてゆく。しばらくするとラックが目を開けた。

 

「あれ?僕、確かモモタロスと一緒に戦ってて……」

 

「もう!バカラック!心配したんだから!」

 

「ちょっ、サリィ苦しい…」

 

「あ!ごめん」

 

 2人のやり取りを見ていたモルガが苦笑いを浮かべた。

 

「若いっていうのはいいねぇ。そうだ、それよりお前さん達はどうしてアタイを狙ってきたんだい?それに誘拐だなんてどっから聞いた?」

 

「あぁ、それはギルドにやってきた依頼者がそう言ってて。不逞の輩に拐われたって聞いたから居ても立ってもいられなくなったんだ」

 

 スタッシュの言葉にモルガは両腕を組んで考え込む。

 

(ふぅむ。アタイの素性を知っているのは限られた奴しかいないんだが…)

 

「目先の報酬に目が眩んだとはいえ、本当にすまなかった。依頼者も何か勘違いしてたのかもしれない。これからヘキサレイズに行って誤解を解こう」

 

「その必要はありませんよ。私ならここにいますから」

 

 いつの間にか黒いフードの男が本を片手に近くの木の下に立っていた。モモタロスがすかさず吠える。

 

「オメェはフード野郎!出やがったなコンニャロー!」

 

「やれやれ。せっかく安くない金額をはたいたのに和解とは。ギルド所属のパーティーというのも案外だらしのないものですねぇ」

 

「ドクトル!」

 

「待て!やめろ!」

 

 スタッシュの制止を振り切り、サリィが怒りを込めて矢を放つ。バッと右手を突き出すと矢は当たるすんでのところで静止し、カランと地面に落ちた。

 

「いけませんねぇ。危ないじゃないですか。それにあなた方の相手は私ではありませんよ」

 

 ドクトルがパチンッと指を鳴らすと、それまで気を失っていたダインがむくりと起き上がる。スタッシュは安堵の表情を浮かべた。

 

「ダイン良かった。どうやらあのフードの彼がこの騒ぎの糸を引いてたらしい。気をつけ…」

 

 ダインはグリンと白目を剥き、獣のような雄叫びをあげてスタッシュに襲いかかってきた。勢いに押され、ノエルははね飛ばされる。Mラックとの戦闘でダメージを負ったスタッシュは無抵抗で首を締められる。今にも首をへし折りそうな勢いだ。

 サリィはギリッと歯を食いしばり、ダインの後ろから矢を射る。それをなんとダインは人間離れした動きで身体を反転させ、矢を掴んでそのまま折った。ニヤリと笑ったかと思うと宙高く跳んでドクトルの横に降り立った。

 ノエルとティニーがスタッシュに駆け寄る。なんとか無事だったようでスタッシュは咳き込んでいた。

 

「だ、ダイン。どうしたんだ?」

 

 スタッシュの問いかけも虚しくダインは何も答えない。そこでティニーはハッと気付いた。

 

「まさか、あのマジックアイテムのせい?」

 

「ご名刹。あなた方に渡したのは『傀儡の指輪』という代物でね。まさか付けていたのが彼だけとは驚きましたが、まぁいいでしょう。実験にはちょうどいい」

 

 ドクトルは聞いた事の無い呪文を呟く。するとダインのはめていた傀儡の指輪が反応する。

 

 〘ヴァイオレンス インストール〙

 

 禍々しい声を指輪が発し、ダインの身体はボコボコと膨張してゆく。そして完全に姿を変えた。

 

「やはりいつ見てもいいですねぇ。さぁ、かつての仲間を蹴散らすのです」

 

「ブォォォォォオッ!!」

 

 ダインだったそれは雄叫びをあげ、左手を振り上げた。かつての戦士ダインの姿は無く、理性を無くした怪人・ヴァイオレンスドーパントがそこにいたのだった。

 

 

 

 

 ────────────────────────

 

『ワルーンライト鉱石』

 剣などの武器の素材として使われる鉱石。この鉱石で作られた武器は持ち主の闘気や戦闘の経験に応じて切れ味や強度を増す。

 喋らないソーディアンみたいな感じに成長する。

 

『消魔水』

 ステータス強化の魔法や簡単な呪いなどを打ち消す消費アイテム。

 巷では一時期「これのおかげで身長も伸びて収入も大幅アップ!おかげで彼女もできました!」という根も葉もない噂が世の独身男性の間に広まり、品薄&高騰した事も。

 

『傀儡の指輪』

 装備した者を意のままに操る事ができる装備アイテム。術者次第で操作以外の効果付加ができる。

 

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