日番谷(偽)でFGO   作:あたらんて

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そう、我々に運命などない

無知と恐怖にのまれ

足を踏み外したものたちだけが

運命と呼ばれる濁流の中へと

堕ちてゆくのだ


        ――浦原喜助


プロローグ
召喚


 

目が、覚めた。

 

 

「や…やったわ!ねえ、ロマニ!私も、ついにマスターよ!」

 

 

「あ、ああ!良かったね、マリー!何で適性の無い君に召喚が成功したのかは知らないけどとにかく喜ばしいよ!えっと…4号、じゃなくて、君の名前を教えてもらえるかな?ボクはロマニ・アーキマン、こちらは…」

 

 

「オルガマリー・アニムスフィアよ、よろしく。あなたが私のサーヴァント…でいいのよね?」

 

 

そう自分に心配げに聞いてきた女性―オルガマリーと名乗った―と自分の繋がりを感じる。

何が何だかわからないが言うべき言葉だけはわかっていた。

 

 

「そうだ。俺がアンタのサーヴァント。セイバー、日番谷冬獅郎だ。これからよろしく頼む」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「へえ…。流石セイバーだけあってステータスは高いわね。筋力A、耐久C、敏捷A、魔力C、幸運C、宝具A+…。クラススキルは対魔力Bに騎乗Dね…。ちょっと、優秀じゃない!」

 

 

オルガマリーが俺の能力について何か言っているが、今は少し考えさせてほしい。

俺はBLEACHという作品に出てくる日番谷冬獅郎というキャラクターになっている…らしい。

細かいことはわからん。

そして何より重要なのが()()()()()()()ということだ。いや、正確に言えば知識はあるが思い出は無い。BLEACHという作品の作者も内容も知っているがBLEACHを読んだ記憶が無い。

日本国憲法の3大原則は言えるが学校で何をやったかは覚えていない。

そして、サーヴァントというものに関する知識がある。これといくつかの知識だけ、異質な感じがする。まるでついさっき教えてもらったかのような…。

 

 

まあそこら辺は置いといて、俺はどうも日番谷冬獅郎として英霊の座というものに何故か登録されてしまったらしい。そしてこの女性、オルガマリーにサーヴァントとして召喚されたわけだ。

 

 

「ああ、そうだわセイバー。申し訳ないのだけれど、あなたのことについて私は知らないの。データベースにも日番谷冬獅郎という英雄は存在しなくって…。あなたはどんな英雄なのかしら?」

 

 

さて、なんと答えるべきだろうか。悩んだ末、俺はBLEACHの世界について少し話すことにした。

 

 

「死後の世界―尸魂界(ソウル・ソサエティ)―にある組織、護廷十三隊で十番隊隊長を務めていた。死者を成仏させたり(ホロウ)という死者が凶暴化したものを倒したりするのが仕事だったな」

 

 

「へぇ…。死後の世界で働く死神かあ…。どこの神話形態だろう?名前は日本人らしいし、芥さんなら何か知っているかもなあ」

 

 

「そうね。ちょっと色々な人に聞いてみるわ。勿論あなたも私に話を聞かせてね。

そうだ、みんなとまずは顔合わせをしなくちゃ。ちょっと待っていてね、セイバー!」

 

 

そう言ってオルガマリーは部屋を出ていった。

すると、ロマニが口を開く。

 

 

「彼女はちょっと色々あってね…。今非常に落ち込んでいたんだ。それでちょっと錯乱して無理な筈だった英霊召喚に挑んだんだけど…。君が召喚できて、非常に喜んでいるんだよ。できればちょっと優しくしてあげてくれないかな?」

 

 

「…わかった」

 

 

俺も大変な状況なのだが…美少女にあんなに嬉しそうにされてはこちらも張り切るというものだ。

俺はサーヴァント(奴隷)だ。マスター(主人)のために動くとしよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ロマニにこの施設―カルデアというらしい―について聞いているとオルガマリーが帰ってきた。

 

 

「セイバー!とりあえずダ・ヴィンチととAチームをシミュレーションルームに集めたわ。顔合わせと同時にあなたの力も見せてちょうだい?」

 

 

どうやらいきなり戦うことになるらしい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その部屋には8人の人がいた。

モナ・リザと見事に一致する超美人な人、金髪ロングのイケメン、目が鋭いイケメン、なんか渋い黒髪、髪型というかなんかもう色々ヤバい人、メガネツインテール、眼帯さん、白髪の人…

色々濃いわ。

 

 

「それじゃあ本日私が召喚したサーヴァントを紹介するわ。クラスはセイバー。真名は日番谷冬獅郎。出典は不明だけれど、ステータスを見るに戦闘力は十分よ。じゃあ実際に戦ってもらおうかしら」

 

 

「ああ」

 

 

実際にシミュレーションが開始された。なんかみんなこっちをめっちゃ見てる。

しかし…この姿になってから霊圧を感じ取れるようになったが、金髪ロングと目が鋭いやつ、それにモナリザとツインテールがずば抜けている。

 

 

そんなことを考えていると、突如1体のゴーレムが前方に現れた。

 

 

『準備はいい?セイバー。いくわよ』

 

 

「ああ。いつでも構わねえ」

 

 

そう言うと、ゴーレムが襲い掛かってきた。

右腕を上げて大振りの一撃を叩き込もうとしてくる。

 

 

 

 

 

 

 

遅い。斬魄刀を抜くまでもない。白打で対応する。

 

 

ゴーレムが腕を振り下ろす前に拳で一撃。逆の手で振り下ろされる腕を掴みそのまま振り返って一本背負いで床に叩き付けて粉砕する。

 

 

『…やるじゃない、セイバー!次、いくわよ!』

 

 

…不思議だ。俺は記憶がないためハッキリ言って戦いができるのかどうかわからなかったが…。どうも、この体は日番谷冬獅郎の技術をも身につけているらしい。最年少で隊長に至った天才なら、この程度できて当然だろう。

 

 

そして、顔をあげるとライオンから山羊と蛇が生えてるとかいう意味の分からない生物がいた。

 

 

『次はキメラね。ちょっと強いわよ!』

 

 

案外素早い動きでこちらに迫ってきた。3つの頭が同時に襲い掛かってくる。

 

 

 

が、遅い。瞬歩で後ろに回り、鬼道を放つ。

 

 

破道の三十三 蒼火墜

 

 

放たれた一撃で、大きくキメラがのけぞる。

 

 

『え、セイバーって魔術も使えたの!?』

 

 

天才ですから(ドヤ顔)。描写は無かったけど日番谷なら多分斬拳走鬼全部できる。てかできてる。

それよりこの感じだと詠唱破棄じゃ威力が足りない。ちょっと浦原さんを真似させてもらおう。

 

 

縛道の六十一 六杖光牢

 

 

六つの光がキメラに刺さり、動きを止める。

そして今度は完全詠唱を始める。

 

 

君臨者よ 血肉の仮面・万象・羽搏き・ヒトの名を冠す者よ!

 

 

段々と高まる霊圧に危機を悟ったか、キメラが暴れ始める。

が、六十番台の縛道をそう簡単に破れはしない。詠唱は続いていく。

 

真理と節制 罪知らぬ夢の壁に僅かに爪を立てよ!! 破道の三十三 蒼火墜!!

 

 

完全詠唱の蒼火墜が放たれた。青い炎がキメラを燃やし尽くす。

 

 

『やるわね…。じゃあ今度は英霊の再現体を出すわ。これに勝てたら本物よ』

 

 

その言葉と共に現れたのは鎧をまとった金髪の女性であった。手に何か持っているが見えない。

そして明らかに先程までとは強さの格が違う。そっと背中の斬魄刀に手をかける。

 

 

その瞬間、物凄い勢いで目の前の女性から霊圧が放出され、こちらに突っ込んできた。

 

 

こちらも斬魄刀を抜き斬りかかる。

すると相手も合わせてきて鍔迫り合いの形になる。どうも透明な武器を持っているようだ。恐らくは剣。

そのまま何合か刃を交えて、相手は霊圧の放出によって力を得ていることがわかった。

剣の技術はそう変わらないが、力で負ける。

宝具の解放を、決意する。

 

 

一度斬りかかると同時に瞬歩で後ろへ下がって距離をとる。

 

 

そして、口を開く。

 

 

霜天に坐せ!『氷輪丸』!!

 

 

氷の竜が、目覚める。

 

 

 

 

 

 

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