日番谷(偽)でFGO   作:あたらんて

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我々は皆
生まれながらにして死んでいる
終焉は常に
始まりの前から そこに在るのだ

生きることが
何かを知り続けることならば
我々が最後に知るものこそが終焉であり
終焉をついに見出し
完全に知ることこそが
即ち死なのだ

我々は何かを知ろうとしてはならない
死を超越できぬ者は
何ものも知ろうとしてはならないのだ


              ――斬月


帰還

 

目が覚めると、カルデアにある自分の部屋のベッドの上だった。

 

 

「おや、起きたかい?」

 

 

ロマニがいる。そして、オルガマリーは…

 

 

「すー…すー…」

 

 

…床で寝ている。ただ、まあ、成功して良かった。

俺は()()()に身を包むオルガマリーを見てそう思った。

 

 

「ああ。ありがとう、ロマニ。それで、マスターのことだが…」

 

 

「ああ。それは、その…残念だったね」

 

 

ロマニは辛そうな表情でそう呟く。

 

 

「ああ、違う。安心しろよ。マスターは生きてる…いや、やっぱ生きてないけど大丈夫だ。ちょっとダ・ヴィンチに働いてもらえれば何とかなる」

 

 

「へ?」

 

 

「ほら、俺は今魔力をカルデアから供給されてないけど現界してるだろ?とりあえずダ・ヴィンチのところへ行こうぜ」

 

 

「え?…あ、ホントだ…。あ、うん。ダ・ヴィンチは今藤丸君を見ている。管制室に集合するよう言っておこう」

 

 

そして俺はオルガマリーをおぶって管制室へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ、おはようございまーす!マシュ、大丈夫だった?」

 

 

「はい。おはようございます」

 

 

マシュも合流して待っていると、フォウと一緒に藤丸とダ・ヴィンチが来た。

 

 

「うん、おはよう。コホン、じゃあまずは生還おめでとう藤丸君。

なし崩し的にミッションに参加させてしまったけど、君は勇敢に挑み、乗り越えてくれた。君のおかげでカルデアは救われた。所長は…日番谷君いわく大丈夫だそうだけど…」

 

 

「ああ。ダ・ヴィンチ、あとでちょっと手伝ってくれ」

 

 

「わかったよ」

 

 

「それで、話を戻すと、現状を見るとレフの言葉はおそらく真実だ。外は死の世界。

そして、その原因をシバで調べてみると…これを見てくれ」

 

 

そう言ってロマニが機器を操作すると、カルデアスの状態が変化した。

そこに写っていたのは、七つのポイントが光っている世界地図だった。

 

 

「これは過去の地球だ。よく過去を変えれば未来が変わるというけど、歴史の修正力によって大きな流れは変わらないようになっている。でも、この特異点たちは違う。

“この戦争が終わらなかったら”  “この航海が成功しなかったら”

という風に、現在の人類を決定づける歴史の一点が崩されてしまって、未来は決定した。人類に2017年はやってこない。

――けど、ボクらだけは違う。カルデアは今通常の時間軸にない。ボクらだけが崩れている特異点を元に戻せる」

 

 

そこまで言って、ロマニは一息つく。そして、決意に満ちた表情で口を開く。

 

 

「結論を言おう。この七つの特異点にレイシフトし、歴史を元に戻す。それが人類を救う唯一の手段だ。

そして、マスター適性者は君とオルガマリーのみ。この状況では強制に近いと理解している。それでもボクはこう言うしかない。

マスター適性者48番、藤丸立香。君に、人類を救うために、未来を取り戻すために、戦う覚悟はあるか?未来を背負う力はあるか?」

 

 

「…自分に、できることなら」

 

 

「――ありがとう。その言葉でボクたちの運命は決定した。今はいない所長に代わって言わせてもらおう。

これよりカルデアは人理継続の尊命を全うする。目的は人類史の保護、および奪還。探索対象は各年代と、原因と思われる聖遺物―聖杯。

我々が戦うのは歴史そのものだ。たとえどのような結末が待っていようと、生き残るには人類の過去に打ち勝つしかない。

以上の決意を以って、作戦名はファーストオーダーから改める。

これはカルデア最後にして原初の使命。人理守護指定―(グランド).(オーダー)

魔術世界における最高位の使命を以って、我々は未来を取り戻す!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて、ダ・ヴィンチ。頼みたい事っていうのは他でもねえ。マスターのことだ」

 

 

「ふむ…私のできることにも限界はあるが…できるって確信してる顔だね?」

 

 

その通りだ。そして、それをやってもらうためにはオルガマリーの今の状況を説明しなきゃいけない。

実は割と前から起きていて、藤丸が来たときには念話で状況の説明は終わっていた。人に聞こえないのをいいことに自分の役目を取ったロマニに文句を垂れ流していた。

今はダ・ヴィンチの工房を興味深そうに眺めている。

 

 

まあそれはさておき、今のオルガマリーだが、結論から言うと()()()している。

帰還の直前、かつて朽木ルキアが黒崎一護に行ったように、死神の力の譲渡を行った。死神は体というものが無く、魂だけで存在している。これならば生存できると特異点の探索中に考えていた。成功するかどうかは賭けだったが…成功するであろう根拠はあった。

まあ結果から見れば成功して、シバは死神と化したオルガマリーを見逃さず、しっかりと帰還させてくれたという訳だ。

しかし、オルガマリーの体はレフに処分されていた。このままでは、オルガマリーを認識できるのが俺しかいなくなってしまう。まあオルガマリーはそれでもあまり構わないという感じだったが…。

ともかく、死神は人には見えない。俺が見えているのは召喚の際こちらのルールに合わせられたのであろう。サーヴァントを認識できなかったら話にならない。

そこで、俺が考えたのは義骸を作ることだ。義骸とは、死神が現世に行く際などに用いる魂の無い体であり、これに入ることで死神も生きている人間に認識されるようになる。

ダ・ヴィンチならば恐らく作れるだろう。というかそんな感じのことをやっていた記憶がある。

 

 

「…と、言うわけだ。やってくれるか?」

 

「ふむ。わかった、良いだろう!なんとか作ってみせよう。でも君にも協力してもらうよ?死神の体というものについて少々調べなければいけないからね」

 

 

「ああ、もちろん」

 

 

余計なことまでされそうだが――まあ、必要経費だろう。

何とかなりそうで、助かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ああ、やっと喋れるわね…感謝するわ」

 

 

本当に仕事が早い。まさか今日中に終わるとは…。ダ・ヴィンチを見る目がかなり変わった。

 

 

「いやあ、なんの。このダ・ヴィンチちゃんにかかればこの程度だとも!ただこの先メンテナンスは周期的に行っていくからね。とりあえず不都合はあるかい?」

 

 

「いえ、大丈夫よ。ただ…この剣は何なのかしら?」

 

 

そう言って腰の刀を持ち上げる。

 

 

「それは斬魄刀だ。死神なら誰もが持つ人格を持った刀…それぞれ固有の能力を持つから、鍛えたらマスターでも十分戦力になるだろう」

 

 

「あら、そうなの…」

 

 

嬉しそうにオルガマリーが斬魄刀を撫でていると、ロマニから通信が入った。

 

 

『所長、反応が出ました!本当に生きてたんですね!』

 

 

「ちょっと、それどういう意味よ」

 

 

『いやあ…まあそれは置いといて、サーヴァントの召喚を行いますから召喚室に来てくれますか?』

 

 

「ええ、今向かうわ。行きましょう、セイバー。ダ・ヴィンチも世話になったわね」

 

 

「いってらっしゃい。また、新しいサーヴァントの話を聞かせておくれ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そうして、かつて俺も召喚された部屋に着いた。

 

 

「やあ、待ってたよ。まずは藤丸君からだ。今のカルデアの状況から鑑みて、召喚できるサーヴァントの数はそれぞれ一騎ずつといったところかな。まあ数が多くても特異点に連れていける数には限りがあるし、一騎でも戦力が増えるに越したことはないからね」

 

 

「はい、じゃあお願いしまーす」

 

 

「頑張ってください、先輩…!」

 

 

カンペを持ちながら召喚サークルの前に藤丸が立つ。

 

 

――告げる。

 汝の身は我が下に、我が命運は汝の剣に

 

 

召喚サークルが光を灯す。

 

 

聖杯の寄るべに従い、この意、この理に従うならば応えよ

 

 

光の輪が浮かび上がり、回転を始める。

 

 

誓いを此処に。

 我は常世全ての善と成る者、

 我は常世全ての悪を敷く者

 

 

霊圧の高まりと共に輪の回転の速度も上がっていく。

 

 

汝三大の言霊を纏う七天、

 抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ―――!

 

 

輪は3本に増え、大きく広がり、そして収束すると共に一際大きな光を放つ。

 

 

「……召喚に応じ参上した。貴様が私のマスターというヤツか?」

 

 

「え゛っ…」

 

 

光の中から現れたのは、つい先ほど戦っていたアーサー王であった。

 

 

「む?何だその顔は…ああ、召喚された私に会ったことがあるのか。

良いか、基本的にサーヴァントの記憶は次の召喚には持ち越されない。かつては敵だったとしても、今はお前のサーヴァントだ。

我が名はアルトリア・ペンドラゴン。契約は為された。貴様の盾となり、剣となり、人理を取り戻そう」

 

 

「あ、はい…よろしくお願いします…」

 

 

「そして、そこの娘だが…いや、やはりいい。これからよろしく頼む」

 

 

「あ、はい…」

 

 

何だか不思議な空気のままだが次は、オルガマリーの番だ。

 

 

「…別にセイバーだけで良いのだけれど…」

 

 

何かブツブツと言っている。

 

 

「…コホン。それでは――」

 

 

オルガマリーも詠唱を始める。

 

 

――抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ――!

 

 

また光で部屋が満たされる。

 

 

「やあ。オケアノスのキャスターだ。悪いけど真名は隠させてもらうよ。でも安心してくれ。この鷹の魔女の実力は折り紙つきさ!」

 

 

「オケアノス…鷹の魔女…まさか大魔女キルケー!?」

 

 

「ゲエーッ!何でわかったんだい!?」

 

 

…何となくコイツのキャラは把握した。

 

 

 

 

 

 

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