日番谷(偽)でFGO 作:あたらんて
章の間でこういう短めの話をやっていこうと思います。
幕間の物語 その1
――懐かしい記憶が、掘り起こされる。
「悪いな、カドック。訓練に付き合わせちまってよ。マスターが付いたサーヴァントの力ってやつを見たかったんだ。まあ再現体だけどな」
訓練を終えた俺は、カドックと話しながら歩いていた。
「いや、なに。構わない。僕も良い訓練になった。とはいえ、サーヴァント同士の戦闘にマスターが介入できることなどたかが知れてるが…」
「いやいや、途中飛んできた妨害とか気を取られたぜ?」
「そうか、良い訓練になったなら良いんだ。それじゃあ今日も君の世界の話をしてくれ。前回は滅却師の話の始めまでだったかな」
カドックは神話マニアのようでよく俺にBLEACHの話をせがんでくる。
「よし、それじゃあ何で滅却師と死神が対立したかだったな。それは…」
俺も大分ここ、カルデアに馴染んできた。記憶が無かったりと、色々苦労していたが、周りのみんな、特にAチームがよくしてくれた。
このカドックからもおすすめのロックミュージシャンを紹介してもらったりした。あまりロックは俺の肌に合わなさそうだが…
「…それで、総隊長である山本元柳斎重國が…って、オフェリア?マシュの部屋の前で何やってんだ?」
オフェリアがマシュの部屋の前で何度も行ったり来たりを繰り返したり何か決意したように頷いてドアを開けようとした直後に手を引っ込めたりしている。
「あら、日番谷にカドック。いえ、これはその…」
「ああ、言わなくてもわかるさ。あれだろ、マシュをお茶会かなにかに誘おうとしているけど踏ん切りがつかないんだろう。君、何回目だ?」
カドックが呆れたように言う。
「何だ、そんなことか。さっさとマシュを呼べばいいだろう。マシュ、ちょっといいか?」
「え、ちょっと…まっ」
「はい。どうかされましたか?」
マシュが部屋から出てくる。
「あっ…その…い、今からペペとヒナコとお茶会を開くんだけど…マシュも一緒にどうかしら?」
「…そうですか。それは楽しそうですね。私も参加させていただきます」
「!…そう。それは良かったわ。それじゃあ食堂に行きましょう?」
オフェリアは心配そうな顔から一転、満面の笑みを浮かべてマシュの手を取る。
そして、俺たちの方に振り返る。
「あ、その…ありがとう」
そう言って、マシュとオフェリアは食堂の方へ歩いていった。
「…全く。世話の焼けるやつだ」
カドックが溜息をつきながら言う。
「そう言ってなんだかんだ心配してただろ」
「…もうこの話は良い。続きを頼むよ」
「ああ、そうだな。えーっと、総隊長が…」
今日もまた、思い出が無かった俺に良い思い出ができた。