問題児達と神様の中の問題児が異世界から来るそうですよ? 作:重装歩兵
っという訳で新連載、はーじまるよー!
ーとある公園ー
朝日が差し込み始める早朝、近くの住民たちの憩いの場となっている公園のベンチに新聞紙を布団代わりにして眠る一人の男が居た
「……んぁ?もう朝か」
そう呟いた男は立ち上がると大きく伸びをする
「…やれやれ、雪音はひよりの所だし依頼は来ねえし暇だな〜」
そう言いながら男は腕を回したりと身体を解しながら呟く
ふと、視線を足元に移すと一枚の封書が転がっていた
「…何だこれ?」
男が封書を拾い上げると、突然封書が発光し始め辺りを光で覆う
「な…!?」
男は余りの眩しさに腕で顔を覆う
そして、光が収まった頃には男の姿は何処にもなかった
ー???ー
「…っ、何だったんだ今のは?」
光が晴れ、辺りを見回した男は言葉を漏らす
そこは先程自分が居た公園ではなく、白一色の世界だった
男がキョロキョロと辺りを見回していると、一人の美しい女性が近づいてくる
「お初に御目に掛かります…貴方様が”夜ト”様ですね?」
女性はお辞儀をして男、夜トに話し掛けた
「俺の事を知ってるのか…?」
「ええ、お噂はかねがね…」
「…ふーん、で?あんたは?」
夜トは興味なしという顔…実際はどのような噂なのか知りたくて堪らないが…で女性に尋ねる
「ああ、私とした事が…自己紹介がまだでしたね。…私は”天照”と申します」
「……はい?」
夜トは思わず聞き返していた
自分の目の前にいる女性が、日本の神々を統べる天照大御神だというのだから当然だろう
「あらあら、疑われておられるのですか?…まあ、無理もありませんわね」
そう言い、少し困った笑顔をする天照という女性
「あ、いや…すまん。…それで、八百万の神達を統べる大御神殿が俺に何の用だ?」
「そうですわね…そろそろ本題に入りましょう。…貴方様に依頼したい事がありますの」
そう言って彼女は、着物の袖から一枚の封筒を取り出す
「これが、貴方様宛に届きました。…送り主はどうやら異世界の方のようです」
「俺宛に…?」
夜トは彼女から封筒を受け取りながら聞く
「はい。そして、その方々がとても苦労されているという事も…」
「ふぅん…?で、依頼ってのは?」
「はい、その方々を助けて差し上げて欲しいのです」
頭を掻きながら聞く夜トに、彼女は笑顔で答えた
「…マジで?」
「はい。…あ、勿論見返りを用意してありますわ」
彼女が掌を上にし、両手を軽く広げると手の上に光が集まり出し一太刀の剣が現れた
「この剣を、貴方様の神器の代わりに…」
「はぁ…?って、俺には雪音が居るんだけど?」
夜トは剣を受け取り、彼女に問う
「その事なのですが…貴方様自身しか異世界に渡れぬようなのです」
「…へ?」
夜トは自分しか異世界に行けない事よりも、今の状況が飲み込めなかった
…何故なら夜トの足元には大きな穴が開いていたからだ
「何じゃこりゃあぁぁぁ!?」
「その穴が異世界の入り口ですわ。貴方様に幸多からんことを…」
彼女が言い終わると同時に穴が塞がり、夜トは異世界へと旅立った
夜トが気づいた時には既に視界が開け、空を落下していた
「はああぁぁぁぁ!?どうなってんだこれはああぁぁぁ!」
彼は手足をバタつかせるが、それで落下が止まるわけが無い
「わっ」
「きゃ!」
「ど…何処だここ!?」
どうやら夜ト以外にも落下している人がいるようだ
そして彼らは緩衝材のような薄い水膜を幾つも通り、湖に投げ出された
「ぷはっ!し、死ぬかと思った…!」
夜トは湖から顔を出し、陸へと上がる
陸では、3人の男女が話していた
「信じられないわ!まさか問答無用で引き摺りこんだ挙句、空に放り出すなんて!」
「右に同じだクソッタレ。場合によっちゃその場でゲームオーバーだぜコレ。石の中に呼び出された方がまだ親切だ」
「……。いえ、石の中に呼び出されては動けないでしょう?」
「俺は問題無い」
「そう。身勝手ね」
気の強そうな少女とヘッドフォンを着けた少年が険悪な雰囲気を出しており、2人そっちのけで服を絞っていた少女が、
「此処……どこだろう?」
「さあな。まあ、世界の果てっぽいものが見えたし、どこぞの大亀の背中じゃねえか?」
少女の呟きに少年が答える
「まず間違いないだろうけど、一応確認しとくぞ。もしかしてお前達にも変な手紙が?」
少年の言葉が癪に障ったのか、気の強そうな少女が突っかかり始める
夜トは、そんな3人を尻目に天照から手渡された剣を見つめていた
「…どうやら、雪音が呼べねえってのは本当みたいだな」
そう呟き、天を仰ぐ夜ト
彼は陸に上がってから、彼の神器である雪音を呼んでみたが物の見事に失敗していた
「…で、そこの貴方は?」
「あぁん?」
先程まで話していた気の強そうな少女が夜トに話し掛け、夜トは振り向く
「だから、貴方の名前よ。な・ま・え!」
若干不機嫌そうにしながら名前を聞いてくる
「あのなぁ、人に名前を聞くなら先ず自分からって習わなかったか?」
「あら、てっきり私達の話を聞いていると思ってたわ…私は久遠飛鳥よ」
「…春日部耀」
「逆廻十六夜だ」
「…OK、お前らの名前は覚えたぜ。じゃあ、俺だな。俺は夜トってんだ、よろしく」
3人がそれぞれ自己紹介をしたので、夜トも自己紹介をする
「で、呼び出されたは良いけど何で誰も居ねえんだよ。この状況だと、招待状に書かれていた箱庭とかいうものを説明する人間ご現れるもんじゃねえのか?」
十六夜という少年が苛立たしげに言う
彼の言葉に賛同するように他の2人も愚痴を漏らす
しかし、夜トだけは何も喋らずある一点を見つめていた
「(全く、隠れるならもう少し上手く隠れろっての…)」
こう見えても一応神様という部類に入る夜ト
気配に気づくのも当然である
ふと、3人を見ると彼らも気づいていたらしく殺気の籠った視線を隠れている人物にぶつけていた
「や、やだなあ御三人様。そんな狼みたいに怖い顔で見られると黒ウサギは死んじゃいますよ?」
そう言いながら草むらから出て来たのは、一言で言うならバニーガールのような女性だった
彼女は笑顔で話を聞いて欲しいと頼んでくる
「断る」
「却下」
「お断りします」
十六夜達は黒ウサギのお願いをバッサリと切り捨てた
しかし、夜トは違かった
「前金」
そう言い、手を黒ウサギに差し出していた
これには黒ウサギも予測不可能だったのか、口をあんぐりと開けていた
「あ、あのぉ〜…それは一体どういう意味で?」
「あ?話聞いて欲しいっていう”依頼”だろ?だから前金」
黒ウサギの質問にさも当然のように答える
これには、黒ウサギどころか他の3人も驚いていた
「ち、因みに前金は幾らでしょうか…?」
「あぁん?んなもん、5円って相場は決まってんだろ」
「ああ、そうでs…って、安い!?貴方様の金銭感覚はどうなっておられるのですか!?」
前金の安さにツッコミを入れる黒ウサギ
「…で?くれるのか?」
「スルーでございますか!?ああもう!渡します!渡すでございますよ!」
半ばやけくそ気味に5円玉(?)を取り出し、夜トに渡す
「OKOK。じゃ、話して良いぞ」
前金を貰えて満足したのか、笑顔で促す夜ト
3人も聞く気になったみたいで、耳を傾けている
それに対してツッコミを入れるのも疲れたのか、黒ウサギは話し始めた
要約すると、この箱庭は”ギフトゲーム”というものが有り、自分の持つ”恩恵”を使い闘うゲームである事
そして、数多にある”コミュニティ”と呼ばれるグループに必ず所属する事
さらに、賭けの対象は何でも有りだという事
また、ギフトゲームの主催者は神など様々な者達だという事
彼の世界では神や、神器は他人に気付かれにくいもの…
しかし、この世界に来てから彼という存在は認識されるようになった
その事に疑問を持っていたが、箱庭に神が居るのであれば認識されるのは当然だろうと夜トは納得した
飛鳥と耀はギフトゲームの内容について聞き、十六夜に至っては、面白いかどうかにしか興味が無いらしい
そして、その質問に対して黒ウサギは肯定した
「なあ、俺も質問して良いか?」
「はい、良いですよ?」
「俺達はお前らのコミュニティとやらに入るんだよな?」
「おい、俺は入るつもりは無えぞ」
十六夜が口出しするが、あえて無視をする
「そうなると俺達はお前らのコミュニティ名を名乗らないといけない訳だ。そこで聞きたい…お前らのコミュニティ名は何だ?」
夜トの言葉に目を見開く黒ウサギ
「そ、それは……」
「何だ、言えないのか……?」
言い淀む彼女に追い討ちをかける
そして、諦めたのかポツポツと自分達のコミュニティについて話し始めた
魔王と呼ばれる天災により自分達のコミュニティの名と旗を奪われ、”ノーネーム”となった事
魔王により、昔の仲間達がバラバラになった事
そして、昔の仲間達の居場所を守るため自分達を箱庭に呼んだ事
全てを話し、夜ト達を見る彼女
その目には強い意志が宿っていた
「皆さんに黙っていた事は謝ります…ですが、お願いします!魔王を倒すため、力を貸してください!」
そう叫び、頭を下げた
「いいぜいいぜ!魔王とか面白そうじゃねえか!」
「……別に、私は気にしない」
「そうね。それに、私は裕福だった家、約束された将来、おおよそ人が望みうる人生の全てを支払って来たんだもの。今更、所属するコミュニティがどういう問題を抱えていても関係無いわ」
3人はそれぞれの反応をする
「…で、質問した本人はどうなのかしら?」
飛鳥が夜トを横目で見ながら、話し掛ける
「…おいおい、俺の答えはもう分かってるだろ?」
そう言って、飛鳥達の方を向く
「前金貰ってんだ…依頼は確かに引き受けたぜ」
夜トは5円玉を見せ、ニッと笑ってみせた
っという訳でスタートしました、問題児シリーズ!
正直、三作品抱えてるのに何やってんだ?という人が多いでしょう。
でも、仕方が無かったんです!
他の方達の問題児シリーズを見て、書きたくなったんです!(泣)
感想、アドバイス、その他諸々お待ちしています!