問題児達と神様の中の問題児が異世界から来るそうですよ? 作:重装歩兵
さあさあ、遂に彼女達が箱庭入りです!
夜トの運命は如何に!?
小福達が来ているかもしれないと道真から知らされた夜トと雷音は当ても無く彷徨っていた所を迎えに来た黒ウサギに確保され、自分達の本拠地へと辿り着いた……が
「……おいおい、これが本拠地かよ」
「……ありえないぜ」
二人は目の前に広がる廃墟を眺めて言葉を漏らす
その風景はもはや人が住めるような土地では無かった
「向こうで皆さんがお待ちです。着いて来てください」
「ああ………ん?」
黒ウサギに促され歩き出す夜トだが、皆が居る場所より少し右側に黒い影が見え立ち止まる
「…悪いが少し用事が出来た。先に行っててくれ…来い、雷器!」
「や、夜トさん!?」
夜トは刀に変わった雷音と共に影の居る場所に向かった
「……やっぱり妖か。ここら一帯は時化てやがるから仕方ねえが」
『…それにしても数が多過ぎるぜ。ざっと見て100はくだらねえぞ?』
「グルル……」
彼らの前には異形の黒い影が無数に立ち塞がっている
この黒い影は『妖』と呼ばれ、生きている人間に取り付き魔を差させるのだ
「…ま、どの道こいつら消さねえとあいつらに憑いちまう。本気でいくぞ!」
『おう!』
夜トは手近な所にいる妖に斬りかかり、勢いを殺さず次の妖を斬り捨てる
夜トを敵と認識した妖達は一斉に夜トに飛びかかるが、夜トの一振りで半分近くが消し飛んだ
「…流石は伝説の剣だな。威力が半端じゃねえ」
『まあな……後ろだ!』
「……っ!」
「ギィヤァァァァ!!」
時折会話を交えながら妖と闘う二人
だが、彼らは気づかなかった……妖達が次々と増えている事に
〜一時間後〜
「くそっ、キリがねえ…!」
『切っても切っても減らねえぞ!?』
息も絶え絶えに毒づく二人
体力を消耗し、片膝をつく夜トの背後に犬型の妖が回り込んでいたがそれに気づいていなかった
夜トが自分に気づいていないと確信した妖は、勢い良く飛びかかる
「グオォォォォ!」
「なっ…!?」
『夜ト!』
ようやく妖に気づいたが、既に遅かった
片膝をついているので逃げようにも逃げられない
夜トは咄嗟に目を閉じた
「…………?」
いくら待っても何も起きる気配が無く、恐る恐る目を開ける
そこには…
「ふん、武神のくせにこの程度の妖にやられそうになるとは……」
「夜トちゃんやっと会えたーー!!」
虎に跨り胸元をはだけさせた眼光が鋭い女性と、どこかアホっぽい雰囲気の女性が居た
「毘沙門に小福!?マジでこの世界に来てたのかよ…!」
「説明してる暇は無い。さっさと片付けるぞ…兆麻(かずま)!」
『了解』
「よーし、私も…」
「お前はダメだーーー!!」
「…ショボーン」
毘沙門はコント(?)をしている二人を放置し、妖達に突っ込む
「数器!」
彼女がそう叫ぶと、右手に拳銃が現れる
それを掴むと同時に発砲
弾丸は吸い込まれるように妖の頭に命中した
「…どうやらこちらに来た時に開いた風穴が原因のようだな。結界を張って抑え込む」
彼女はそう言うと、黒い煙を放つ大穴の周りを光の壁で覆う
それにより、先程まで大量に現れていた妖が出て来なくなった
「これで良し。残党を狩るぞ」
「チッ、しゃあねぇな…いくぞ、雷音!」
『おう!』
「私も…」
「「大人しくしてろ!」」
「うぇーん、二人がイジめるよ大黒〜!」
「仕方ねえだろ、俺達じゃあ余計に妖を増やしちまうからな…」
小福を宥めながら話すのは彼女の神器である大黒
見た目は強面だが、根は良い人なので誤解しないでほしい
そうこうしている内に残った妖達を駆除出来たようだ
「…ふぅ、終わったな。雷、戻れ」
「ふぃ〜、あー疲れた…」
夜トは雷音を人の姿に戻すと、毘沙門達に振り返る
「…で、お前らどうやってここに来た?」
「えへへ〜、風穴開けて中に入ったらここに来れたの〜」
「嘘言うな!大体風穴は黄泉に繋がってんだろうが!」
「私が説明する」
二人の会話に毘沙門が割って入った
「小福殿が言ったのは半分本当だ。私達は確かに風穴に落ちた。しかし、着いたのは黄泉ではなく天照殿の所だった」
毘沙門の言葉に夜トは言葉を失う
「そこで貴様の手伝いをして欲しいと頼まれたからここに来た訳だ」
それを聞き、夜トは項垂れる
「百歩譲ってお前はいい、毘沙門……だが、何でよりにもよって貧乏神のこいつなんだよ!?」
そう叫ぶ夜トの前には惚けた顔をしている小福が
実は彼女、神の中でも厄災しか起こせない貧乏神なのである
「夜トさーん!先程の大きな音は…って、どちら様でございますか!?」
夜トを心配して現れた黒ウサギは一緒にいる二人を見て叫んだ
「あー、まあなんだ…俺の知り合い?強引な方法でこの世界に来たみたいだ」
「ええぇぇぇぇ!?」
夜トの説明に、箱庭中に響き渡るかの如く大きな叫び声を上げたのだった
誤字脱字が有りましたらごめんなさい!(汗)