此方の事情により更新が遅くなってしまいました。
第十話始まるよ。
「あーヒヤヒヤしたぁ……」
空を飛びながらアルスは大きなため息を吐くように零す。
「まあ戦い慣れてないからね」
黛がアルスの右後ろで拳銃を弄りながら同意するように呟く。
そんな二人の意見に同意するかのようにういはは静かに頷きながらも、空を飛ぶスピードを少し上げて下に見える魔法の森へと直行する。
「一番最後に着いた人が皿洗いです!」
「ボク皿洗いしたくないんだけど!」
そんな事を言いながらアルスもスピードを上げて魔法の森へと急降下する。
それを後ろで見ていた黛はほんのちょっと微笑み、その場に止まって背を魔法の森に向け、上を見上げる。
「そろそろ姿を見せてくれないかな」
黛は何もない快晴の空に向かって言う。そこに誰もいるはずがないのに。
「姿を認識させないようにしてるみたいだけど、俺には通用しない」
もう一度空に向かって声を掛ける。一体黛には何が見えているのだろうか。
するとそんな言葉に反応したのか、黛の目の前に突如女性が現れる。
「貴方目がいいわね。それとも能力かしら?」
「その質問にはノーコメントかな」
「あら残念」
女性は残念そうに言うが顔はニコニコと笑っている。
その笑い顔に黛は警戒したのか両手に拳銃を構えた。
「何故俺達の
「面白そうだったから」
その質問に女性は自分の赤く染まった髪の毛先を左手で
後をつける理由が黛の思っていたのと大きくかけ離れていたのか、返答を聞いて思わず「えぇ……」と困惑の声が漏れた。
「私面白い人を探すのが趣味でね。幻想郷のあちこちを見て回ってるの。そしたら面白そうな人が三人いたから着けたのよん」
「……つまり俺達三人が面白そうな人に見えたから着いてきたと」
「そういう事」
なんとも変な理由で追っかけてきた女性に黛は少々困惑しながらも、拳銃を腰に付けてるホルダーに掛けた。
「あら、拳銃をしまうのね」
「どう見ても敵対しそうな雰囲気じゃないからね。拳銃を向けるのは失礼かなと」
「初めて会った者に敵対を解くなんて、君変わってるわね。面白いわ!」
赤髪の女性はどうやら黛を気に入ったようである。
そんな女性とは対照的に黛は、やれやれと言わんばかりに眉を顰めて目を閉じ、深いため息を吐いた。
「……俺は魔法の森に行くけど──」
「勿論着いて行くわ!」
「だろうね」
どういう返答がくるのか分かり切っていた黛は、呆れながらも魔法の森へと降下する。
その後を追うように女性も頭に被っている黒い帽子を手で押さえながら、魔法の森へと向かった。
此処は魔法の森の奥地。
この森には瘴気に耐える力を持つ者が住んでおり、変わった植物等物珍しいのが沢山ある。そんな場所に今、四人の影が映る。
「今日は鹿を狩れなかったけど人助けはしました」
薄い黄色の水が入った青いカップを手に取りながら、ういはは先程起きた事を話す。
「人助け?それは何処の人かしら?」
「人里のです」
紅茶の入った白いティーカップを右手に持ちながら、左手で人形におかしな所がないか確認するアリスは、ういはから振られた話に乗っかった。
「また妖怪に襲われてたの?」
「そうです。なんか私より一回りもでかい犬みたいな妖怪に」
「犬?」
「ういはちゃん。あれ狼だと思うんだけど」
二人の話に混ざるようにアルスが小さな水色の電気玉、プラズマボールを左手の
「……そんな事していいの?貴女達、極力人里の者とは関わらない方針でしょ」
アルスと対面する位置に座っている低く落ち着いた声を持つ紫髪の女性も、本を読みながら会話に参加する。
現在この四人は白い円柱のテーブルを囲むように座っており、何気ない雑談を皆しているようだ。
「できればそうしたいんですけど、どうしても放っておけなくて……」
「
紫髪の女性は顔を上げてういはとアルスの二人に向けて言う。それを聞いてういはは苦笑いしながらも小さく頷く。
文化というものが何を
「はぁ……この子達を抱えてる
ため息を吐いたかと思えば、その後に少し微笑む。
傍から見れば不敵な笑みだが他の三人はそれを見ても特に反応はせず、それぞれカップに入った飲み物を喉に通した。
「まあ大変だけど、もう慣れたからねー」
低く落ち着いた声を聞いて紫髪の女性は声主の方へと顔を向ける。
そこにはさっき口にした黛灰本人が、アルスの後ろに静かに立っていた。
「そう?その割には苦労してるみたいだけど」
「それはパチュリー側もじゃないかな?」
「……そうね」
パチュリーと呼ばれた紫髪の女性は黛に言われた事が図星なのか、黙って口を閉じ、珈琲の入った白いカップを左手で取った。
「あ!黛さん遅いです!皆待ってたんですよ!」
黛の姿を確認したういはは椅子をガタッと鳴らしながら立ち上がり、一気に黛へと駆け寄る。
相当待っていたのだろう。
そんな駆け寄られた黛の方はなんとも言えぬ表情でういはを見ていた。
勿論そんな顔を見たういはは眉を顰める。
「どうしたんですか?黛さん」
「……いや実は──」
「あら、 こんな所に住んでるのね」
黛が事情を言おうとした矢先、女性の声が被さるように遮った。
その声がする方向に黛以外の全員が顔を向ける。
「どうも魔法使いさん達」
ニコニコとした笑顔で黛の後ろから、先程会った赤髪の女性がゆっくりと歩いてきた。
「貴女……何しに来たの?」
「面白そうな人を探しに」
面白い人とはどういうのを指すのか。
ういはとアルスはその言葉の意味を考え始め、それと対照的にアリスとパチュリーはカップを机に置き、それぞれ人形を
「つくづく思うけど、この世界の人達って凄いメンタルしてるね」
黛が関心か困惑か、将又呆れてるのか分からない顔でアリスとパチュリーを交互に見ながら呟く。
そんな黛の視線を見てかアルスが口を開いた。
「まゆくん。ういはちゃんもその一人だと思うんだけど」
「え!?私も!?」
「あー確かに。ういはもそっち側かな」
「黛さんまで!?私を仲間外れにしないで下さいよ!」
何故かどうでもよい話をし始めるぶるーず。
見知らぬ女性がそこにいるにも関わらず、それを無視して話すのだ。この人達も凄いメンタルを持ってる側だろう。
「ちょっと?皆無視しないで」
赤髪の女性が思わずこの状況に触れる。
「貴女と関わるとろくな事がないのよ。魔理沙みたいに」
「私
「地獄の神と聞いて良い顔をする人はまずいないね」
パチュリーに黛にいろいろと言われる赤髪の女性。完全に可哀想である。
「……まあいいわ。それよりもにじさんじに所属しているぶるーずの三人」
赤髪の女性がぶるーずの三人に目を向けながら他の話をし始め、それと共にアルスと黛は目を見開きながらその女性を見詰めた。
まだ三人は自己紹介等していない。それなのにこの赤髪の女性はにじさんじに所属している事、ましてやぶるーずの三人である事も知っているのだ。驚くのも無理はない。
「今から別の私に変わるけどいい?」
「別?二重人格かな?」
黛の問いに首を横に振る赤髪の女性。そもそも別の私とはなんだろうか。
「実はこの体、本体じゃないのよ」
「え!?分身なの!?」
「えぇそうよ。アルスの言う通り、目の前にいる私は分身のようなもの。本体は地獄にいるわ」
「じゃあ私達は偽物に話し掛けてたんですね!」
「うーん……この子に理解させるのは難しそうね」
赤髪の女性は苦笑いしながらういはを見た後、黛に目を向ける。向けられた目を見て何を思ったのか、黛は少し微笑み、その微笑みを見た赤髪の女性は君も大変ねとだけ言った。
「それじゃ」
そう言うと赤髪の女性は帽子の上に乗せていた、赤く
すると先程赤かった髪は青色へと変色し、瞳も赤から青へと変わる。
「すごぉい!色変わった!」
「どうなってるんですか!?」
アルスとういはが興味津々に青髪の女性へと近付く。
しかし三人は知らない。赤から青へと変わった意味を。見た目の色だけが変わったと思うのは無理もない。詳しい説明をしていないから。しかし実際はいろんな所が変わるのだ。
「ひゃ、初めまして!へ、へカーティア・ラピスラズリっていいます!ぶるーずの皆さんが此処にいると聞いてやって来ました!」
例えば彼女の性格が変わる所とか。
~プチ劇場②~
アリス「そういえばういははその能力でいろんな事ができるのよね?」
ういは「黛さんが言うにはそうみたいです」
アリス「じゃあ今度完全自立型の人形を作ってくれないかしら!?」
アルス「欲望丸出しじゃん……そんなのでいいの魔法使い……」
ういは「いいですよ」
アルス「いいの!?というかそのいいですよはどっちの意味!?」
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