ぶるーずの幻想郷生活   作:KUYU

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どーも。

戦闘回後編です。
因みに牛鬼は西日本で伝えられていた妖怪で、伝承上では鬼の身体に牛の顔を持っていたらしいですね。

第十三話始まるよ。


13.皇族の光

「怪我はない?」

 

 高く綺麗な声を持つ少女、リゼが牛鬼と対面しながら、横目で後ろにいる黛に声を掛ける。

 

「大丈夫。妖力弾での怪我は無い」

「成程……って怪我あるじゃん!?」

 

 黛の左膝にある大きな切り傷を見てリゼは目を丸くする。切り傷からどんどん血が溢れてるから驚くのも無理はない。

 

「それ大丈夫なの!?」

「まあ一時(いっとき)したら傷口が塞がるし大丈夫かな」

「いや一時で治る傷じゃないでしょ!?」

 

 そう言いながらもリゼはしっかりと片手で剣の把手(とって)を握り、牛鬼に顔を向ける。

 すると牛鬼は再び口に妖力弾を溜めており、口の中が緑色に発光していた。

 

「黛君。私の剣に向かってその光線を撃ってくれないかな」

 

 牛鬼の行動を見てか、急に訳分からない事を言い始めるリゼ。しかも剣を明後日の方向に向けて(かか)げ始めた。

 何故光線を剣に撃つ必要があるのか。

 

「何故光線を……成程。そういう事か」

 

 黛は何かに気付いたのだろう。

 リゼが一体何をするのか理解した黛は、迷わず光線を剣に向けて一発放つ。

 するとその光線は円を描くように剣へと吸収され、光線の色と同じ青い光を剣が放ち始めたのだ。

 

 それと同時に牛鬼も妖力弾を溜め終え、リゼに向けて勢いよく飛ばす。

 リゼを危険視している為か、先程とは違いとてつもない速度で飛ばされる妖力弾。一般人からすれば目に追えないスピードだ。

 

「光り輝け、ライトブレード!!」

 

 声を上げながら左手を前に、剣を持つ右手を自身の頭より後ろに持っていき、右足を一歩後ろに下げて構えを取るリゼ。

 

 何かするつもりだろう。

 

 妖力弾はみるみる加速し、リゼとの間隔が数メートルになった時、リゼは右手を思いっ切り前に出し、剣を突き出す。

 

「バニッシュ!!」

 

 リゼがそう叫ぶと、青く光っている剣が急に激しく輝きだし、次の瞬間……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 妖力弾が一瞬で消えたのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 目の前で起きた出来事に黛と牛鬼は思わず目を見開く。

 あれだけ大きな妖力弾を一瞬で、しかも破裂もせず音も立てず爆風を起こさずに消えたのだ。驚くのも無理はない。

 

「光の無い場所で戦うのは中々厳しいね」

 

 そう言いながらリゼは体勢を元に戻し、自分の右手に持つ剣に顔を向ける。

 先程青く輝いていた剣はその輝きをいつの間にか無くしており、元通りになっていた。

 

「リゼ皇女殿──」

「黛君。今はプライベートだから(かしこ)まらくていいよ」

 

 リゼに言葉を被せられた黛は、少し間を置いて了解とだけ返し、歩いてリゼの横に並んだ。

 

「どうやってあの弾を消した?」

 

 黛の疑問は最もである。

 一発目の妖力弾は破裂して爆風が起きたのに対し、二発目は破裂も爆風も無く、ただ目の前から消えただけなのだ。

 

「私には光を操る力があって、あの怪物の作る弾が周りの光を吸収してそれを具現化させてたから、私の力で光を分散させたの」

「成程。だから消滅(バニッシュ)なのか」

 

 どうやら牛鬼の扱っていた妖力弾は、周りの微量な光を使って作っていたらしく、光を操る力を持つリゼがそれを綺麗に分散させたらしい。

 だから音も無く消えたという訳である。

 

「光を操るか……とんでもない能力だね」

「我皇女だからね」

「でも光の届かない所では機能しない能力かな。例えばこの竹林とか」

「うぐっ」

 

 図星なのか黛に言われて表情を崩すリゼ。

 光を操る能力だからこそ、光の無い場所では役に立たないのだろう。

 

「さて、牛鬼をどうするかな」

 

 そう言いながら黛は目の前の牛鬼に目を向ける。

 驚いていた牛鬼はいつの間にか我に返っており、妖力弾を使うのは分が悪いと感じたのか、そのまま二人に向かって突進をし始めていた。

 

「この竹林には霧が掛かってるから……あっそうか」

 

 何か思い付いたのかリゼは剣を黛に向け、それが何を示すのか瞬時に理解した黛は、間髪入れずに光線を剣に向けて一発放つ。

 再び光線は円を描くように剣へと吸収され、纏うように剣の刃が青く発光し、それを目で確認したリゼは剣を上に掲げる。

 

「黛君、離れて」

「分かった」

 

 リゼの言う通りに、宙に浮いてから三メートル程後ろへ下がって離れる黛。

 今度は何をするつもりなのか。

 

「霧を一時(いちじ)的に払えば光が差す……ライトストーム!!」

 

 リゼが大きな声を上げると、彼女を中心に青く光る風が渦巻き始め、その数秒後には強風と共に竹よりも大きな青く光る竜巻(たつまき)が出来上がった。

 しかもその竜巻は周りにある竹を全て呑み込んでいきながら、光線を無作為(むさくい)に放ち始めたのだ。

 

 こればかりは牛鬼も思わず竜巻から距離を取り、まるで雨のように降り注ぐ光線を、自身に当たらないよう妖力で弾き飛ばす手段を選ぶ。

 

「その方法を選ぶのはいいけど、脳筋過ぎないかな」

 

 リゼの取った行動に少々驚きつつも、黛は降り注ぐ光線を全て華麗に交わして行く。

 しかし味方への配慮は無かったのだろうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一時経つと竹林を荒らした光る竜巻、(もと)い嵐は静かに止み、掛かっていた霧を払うと共に太陽の光を竹林に(とも)した。

 

「よし、これで真面(まとも)に戦える」

 

 嵐を起こした当の本人であるリゼは、ゆっくりと陽光が差す場所へと歩き、そこへ着くと再び剣を空へ向けて掲げる。

 すると剣は陽光を吸収し始め、今度は青ではなく(だいだい)色に輝き始めた。

 

「吸収する光によって色が変わるのか」

 

 光る剣を見て黛が興味深そうに頷く。

 それ所では無いというのに。

 

 そして牛鬼の方だが、どうやら光線を全て弾き飛ばすのに疲れたのか、息を荒らげている。

 どう考えても今が好機だ。

 

「燃え盛れ、サンライトブレード!!」

 

 彼女が声を発すると共に剣が再び輝きだし、まるで炎のように燃え始めた。

 その剣の所為(せい)か、リゼの周りに熱気が(ただよ)う。

 

「そろそろ決着をつけよう、怪物!」

 

 声を張りながらリゼは思いっ切り牛鬼に向かってジャンプし、空中で剣を勢いよく左右に振る。

 

「ヒートへイズ!!」

 

 すると彼女を中心に今度は視界が揺らぎ始める。

 それはまるで陽光でアスファルトが熱された時に起きる陽炎(かげろう)のように。

 

 あまりにも揺らぐ視界に牛鬼は簡単に動けなくなる。

 

 その動けない牛鬼を見てリゼはもう一度剣を上に掲げた。すると剣が今まで以上に眩しい光を放ち始め、牛鬼は妖力を使い切った為、その眩しい光に対抗する手段が無く、視界を完全に奪われる。

 

 ただ牛鬼も只では殺られないと、凄まじい速さでその場を離れようと走り始めた。

 

 

 

 

 

 だが相手が悪かった。

 

 

 

 

 

 黛が遠くから光線で牛鬼の脚六本を全て狙撃したのだ。

 黛は情報を操る能力。この眩しい光も全て彼の手に掛かれば()()()()()()()()()

 貫かれた脚は痛みにより動かなくなり、牛鬼は勢いよく転倒する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「バーンアウト!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 リゼは喉を痛めるのではないかという程叫び声を上げ、転倒した牛鬼に向かって思いっ切り剣を振り下ろす。

 (まばゆ)く光っていた剣から黛の扱う光線とは比にならない程、巨大過ぎる光線が牛鬼へ一直線に放たれた。

 

 その橙色に燃え盛る光線は牛鬼を包み込み、地面に衝突すると馬鹿でかい爆発が爆風と共に引き起こった。

 余りにも強烈な爆風に、リゼは自信で起こしたにも関わらず吹き飛ばされる。

 

 それを見ていた黛が透かさずリゼを空中でキャッチし、爆発から離れるように後ろへと後退した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……自分の引き起こした爆風に飛ばされてるとは」

 

 黛がやれやれと言わんばかりに呟く。

 

「黛君。ナイスキャッチ」

「いやナイスキャッチじゃ無いでしょ。力加減でも間違えた?」

「な、不敬ぞ黛君!」

「えぇ……畏まるなって言ってなかった……」

 

 リゼの言動に困惑しながらも黛は迷いの竹林の地上へと降り、彼女を地へと下ろしてあげた。

 

「今回は特例で許すけど、今度安易に私の体に触れたらただじゃ済まさないからね!」

「俺何も悪い事してない筈なんだけど……それよりも力加減をしっかりしたらどうかな?」

「……それよりさっきの怪物はどうなったのかな?」

「急な話題転換だね。まあ、あの光線を食らって生きてる事は無いと思う」

 

 そんな変なやり取りをしながらも二人は迷いの竹林を歩く。

 別れた者と合流する為に。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一方魔法の森、アリスの家では……

 

「はわわ……此処がぶるーずの皆さんが言ってた幻想郷ですね」

「……また来客?」

「あの子達の友人って一体何人いるのかしら」

 

 再び転移魔法陣から来客が来ていたのだ。




私の小説ではカップリング等の要素は恐らく出ないと思います。理由はカップリング要素とか出すといろいろ面倒な事になるからです。

後は後書きにプチ劇場を追加しました。
登場人物紹介の代わりみたいなもので、ちょっとした遊び心程度の会話です。本編とは一切関わりの無いものなので気にしなくても大丈夫ですよ。



~プチ劇場⑤~

ういは「黛さ~ん。魚が食べたいです」

黛「魚が食べたいって……ういはの能力なら創れるんじゃないかな?」

ういは「ちゃんと捕った魚が食べたいんです!魚のいる川ってありますか?」

赤へカーティア「魚のいる川なら妖怪の山の麓辺りかな」

ういは「成程。じゃあ今から魚を捕って来ます!素手で!」

赤へカーティア「素手!?」

黛「……まあ形から入るのは大事だね」

赤へカーティア「全然形から入ってないけど!?」
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