機動戦士ガンダムZZ外伝 亡命のアヴァロン   作:アラタナナナシ

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初戦

 サイド4宙域に入るとアヴァロンの乗組員はノーマルスーツの着用を指示された。

 メインデッキの艦長席に座るフォルストも他の乗組員同様にノーマルスーツを着用している。フォルストの視線はモニターに向いており、映し出されているのはコロニー群だ。

 数十あるコロニーを最大望遠でくまなく見ていると、1基のコロニーの周りに複数の光点が映ったのが見えた。

 

 ただ、この距離からでは判別ができない。軍艦ではなく、ただの民間船の可能性もあるのだ。

 フォルストは微速前進の指示を出し、注意深く監視を続ける。こちらから見ることができるということは、あちらからも見えているということだ。

 あれが本当にネオジオンの艦艇なのか、確認しなければならない。フォルストは艦影が徐々にはっきりと映るのを固唾を飲んで見守る。

 

 しばらくしてカメラが捉えたのは、エンドラ級巡洋艦であった。他にも4隻の巡洋艦を確認したフォルストは、次に視線をコロニーに向ける。

 コロニーは少しずつだが、コロニー群から離れて行っているのが分かった。そのことから導き出されたのは、ネオジオンがコロニーを占拠したこと。

 そして、そのコロニーを何かに使おうとしていることだ。

 

 コロニー落とし。その言葉が頭の中を過ると、フォルストは指示をする。

 

「回頭した後、グラナダに進路を取れ」

 

 操舵士はすぐさま応じると、回頭するため舵を切る。

 その時、航海士が声を上げた。

 

「センサーに反応! モニター映します!」

 

 表示されたのは、アヴァロンの進路を妨害するように向かってくる船影。

 メインデッキに緊張が走ると、フォルストは通信士に告げる。

 

「第一種戦闘配置だ」

 

 通信士はすぐさま艦内放送を行うと、アヴァロン内に緊急警報が鳴り響いた。

 

 ◇

 

「第一種戦闘配置。これは訓練ではない。繰り返す、これは訓練ではない」

 

 通信士は繰り返し続ける。

 声からも緊張感が伝わってくるため、フォルストの新手の訓練ではないだろう。

 ゲイルは素早くガンダムMk-Ⅲのコクピットに乗ると、起動させる。

 

 ガンダムの特徴のデュアルアイに光が灯った。

 

「ゲイル中尉。まずは様子見だ。ライセイとシマンを連れて、相手の出方を伺うんだ」

 

 クラウスの命令にゲイルは了解と言い、カタパルトデッキに向かう。

 

「ゲイル・クガ、ガンダムMk-Ⅲ、出る」

 

 カタパルトのロックが外れ、勢いよく射出されたガンダムMk-Ⅲ。同時に出撃したプロトデルタに通信をする。

 

「ライセイ。気を付けろ。久しぶりの実戦だからな」

 

「兄さんこそね。でも、大丈夫。あれだけ訓練を積んだんだから」

 

「そうだな」

 

 ライセイからは気負いや、変な緊張感は伝わってはこなかった。1つ不安がなくなったところで、後方から来るもう1つの不安に声を掛ける。

 

「シマン、大丈夫か?」

 

「は、はい! ちょっと緊張してますけど、大丈夫です!」

 

「安心しろ。お前には俺達がいる。狙撃の腕前を見せてやれ」

 

「はい!」

 

 少しは不安が取れただろうか。シマンの腕前も十分上がっている。いつも通りの動きができれば、心強い味方だ。

 先行するガンダムMk-Ⅲに続く、プロトデルタ。そのやや後方に位置するネモスナイパーから通信が入った。

 

「見えました! ムサイ級が2隻です!」

 

 シマンのネモスナイパーは高性能カメラの付いたバイザーを装備しているので、ゲイル達よりも先に敵の姿を捉えたのだ。

 

「あっ! MSです! ムサイからMSが発進しています!」

 

「シマン、何機だ?」

 

「えっと、8機です。こちらに向かってきています」

 

 巡洋艦2隻にMSが8機。戦力は相手の方が上になる。だが、こちらは最新鋭のMS揃いだ。多少の戦力差なら埋めることができる。

 

「よし。速度を緩めて、後続のクラウス隊の到着を待つ。シマン、敵機の詳細が分かったら教えてくれ」

 

 スラスターを調整した3機に向けて、まっすぐ8機のMSが迫る。

 

「ガザDが4。ガルスJが2。ズサも2です」

 

「了解だ。狙撃はもう少し引き付けてからだ」

 

「了解です」

 

 8機のMSが2隊に分かれた。4機ずつに分かれたMS隊は、連携を意識した行動を取り始める。

 数の有利さを活かすなら、正しい戦法だ。だが、こちらのMSを舐めてもらっては困る。

 

「シマン、今だ!」

 

 ネモスナイパーの持つ、ロングスナイパーライフルがビームを放った。

 高出力のビームはガルスJの右腕を貫通し、そのまま腕を持っていく。右腕から火花を散らすガルスJは、後方に下がっていった。

 

「よし、ライセイ、行くぞ」

 

「任せて」

 

 アヴァロンMS隊の戦いが始まった。

 

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