死ぬのが嫌なので防御力に極振りしたいと思います 作:くぼさちや
IS学園の大魔王を描きつつちょいちょいこっちも書いていきます。
今までREBORNとかいちばんうしろの大魔王とかピーク過ぎたのばっか書いてたので、ちょーっと流行りに乗ってみたいなーとか思って書いてます。
ではどうぞ↓↓↓↓↓↓
【挿絵表示】
守ってくれると、約束してくれた。
守ってくれたことが、嬉しかった。
だから今度はわたしが守ってあげるよと、約束した。
けれど守れなかったらと思うと、怖かった。
ずっと一緒にいるよと、言ってくれた。
一緒にいてくれたことが、嬉しかった。
だから私も一緒にいると、言ってあげた。
けれど一緒にいられなくなることが、怖かった。
死ぬのが怖いと、思った。
けれどわたしが死ぬよりもあの人が死ぬことの方が、怖いと思ったから。
だからわたしは迷わないと、決めたんだ。
わたしはあなたが大好きだから。
○
「この層の攻略が始まってもう二週間か。ちょっと難航してるな。まだ探索できてないところがあるのか、それともなにか必須イベントを見逃してるのか......」
そんなことを考えながら、キリトは樹海フィールドでもとりわけ大きな木の下に寝そべって昼食をつまんでいた。
もっとも、パーティやレイドを組んで探索に当たっている有力ギルドと違って、ソロで迷宮区に挑むキリトが決定的な攻略のヒントを掴む方が稀だ。
キリトは装備している黒いコートを羽織り直すと、夜闇のように深い瞳を道の先へ向ける。しばらくこのままマッピングを進めながら、レベル上げに努めようかと、出発前に購入したパンの最後の一切れを口にした時、それは起こった。
「......? なんだあれは?」
空を映すグラフィックが一瞬、歪むと空中になにかが現れた。
一見するとライトエフェクトのように見えたがそれは違う。明らかにシステム異常と言えるような背景の歪みと無数のポリゴンの中から、一人の少女が現れた。
「なっ!?」
そのまま重力に従って落ちていく少女に向かってキリトは力の限り走ると、少女が地面に激突する直前、滑り込むようにしてその身体を受け止めた。
砂煙の中でどうにか間に合ったことに安堵して衝撃で削られたHPバーを確認する。一割弱のダメージ、しかしそれもパッシブスキルのリジェネーターで徐々に回復している。
「いててて...空から女の子が落ちてくるなんて、どっかの映画みたいな展開だな」
どこかに親方はいないものかと冗談混じりに考えつつ、キリトは改めて少女に視線を移し、その姿を見てにわかに驚いた。
「なんだこの子は?」
着ているものはレザー系の装備に違いはないが、防具というよりファンタジー世界における平服のような、お世辞にも戦闘向きとは言えない簡素なものだった。
今キリトのいるそこは四十九層の迷宮区。現在のアインクラッドでは攻略の最前線と言われる場所だ。そのフィールドに足を踏み入れるプレイヤーといえばキリトのような攻略組と呼ばれているトップクラスのプレイヤーか、あるいはそれに相当するクラスのプレイヤー。
しかしキリトの目の前に現れた少女はとても攻略組だとは思えない、ともすればログインしたばかりの初期設定のような装備でそこにいたのだった。
(偶然迷い込むような場所でもないし、そもそもこんな装備じゃなんらかのアイテムやイベントで転移でもしない限りどうやったってたどり着けないよな?)
デスゲームが始まって以降、死ぬことを恐れてフィールドに出ないプレイヤーも少なからずいることは知っていたが、あれからすでに一年。さすがに初期装備一着着たきりというのも不自然な話だ。
なんらかのイベントの鍵になるノンプレイヤーキャラクター。今の状況から考えられる一番妥当な線を考えてキリトは少女のそばに近寄ってみる。
(......)
寝ているようだった。いつだったかのアスナのように気持ちよさそうな寝息が聞こえてくる。
(特にイベントが始まるような様子もないな......よし)
今度は頬を人差し指で軽くつついてみる。むにゅむにゅと口元を緩ませているが、やはり寝ている。そんな様子にどことなく、人っぽさを感じたのか、ますますキリトは首を捻った。
(NPCじゃないのか? いや、単にそういうアクションがプログラムされてるだけなのか)
少しだけ考えて、弱めに頬をつねってみようかなどと思ったその時、ぱちり、そんな音が聞こえてきそうなほど唐突に少女は目を覚ます。
「......」
「......」
二人の目が合ってから少女が口を開いたのは、たっぷり十秒ほど経ってから。
「あの、どちら様でしょうか?」
「俺が聞きたいんだけどな」
とりあ評価者10人目標で行きます
ではまた次回〜(●ꉺωꉺ●)
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