死ぬのが嫌なので防御力に極振りしたいと思います   作:くぼさちや

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感想、あざーす
ちょっとずつ返していくんで、すいやせん
というわけで6話どーん!!


06話 「NWOスキルの数々」

「...? なあ、なにかスキルを取得したみたいだけど」

 

「ふえっぐ...ぐすん...え?」

 

 そう言われてメッセージに気がついたメイプルは通知にタッチして詳細を表示してみる。

 

 

《絶対防御》

・このスキルの所有者のVITを二倍にする。

 STR、AGI、INTのステータスを上げるために必要なポイントが通常の三倍になる。

 

 

「これってつまり、今のバイタリティが128だから......256! すごい! ぶたさんと遊んでただけなのに」

 

 嬉しさにぴょこぴょこ跳ねて喜ぶメイプル。しかしキリトは眉間に皺を寄せていた。

 確かにこのスキルがあればバイタリティのステータスは一気に跳ね上がる。ましてやSAO内で今まで能力を倍加するような強力なパッシブスキルがあるだなんてキリトも聞いたことがない。

 しかしその他のSTR、AGI、INTは強化に必要なスキルポイントが三倍になる。これはレベル1で全体的な基礎能力の低いメイプルにとってはハンデにもなり得る能力だ。

 

(いや、これはもう実質VIT極振りのスタイルに固定されたみたいなものだ)

 

 その他のステータスが一気に上がりにくくなる代わりにバイタリティのみが飛躍的に向上するスキル。

 大勢のプレイヤーがしのぎを削るアインクラッドでも徹底してひとつのステータスに極振りするプレイヤーはほとんどいないだろう。いたとしてもそれは序盤だけで、そんなステータスの上げ方を続けていけばいつか限界を感じるようになる。

 そんな風にキリトは思っていたが、それが攻略目線での考え方であったことに気づいて、すぐにその考えを頭を振って追いやった。

 

(悪い癖かもな。そもそもが生き残るためにレベルを上げてるんだ。強いモンスターと戦うためじゃない。それならむしろVITを上げやすくなったのはいいことじゃないか)

 

 キリトはメイプルにグッと親指を突き出した。

 

「スキル獲得おめでとう。それじゃあしばらく単体のパワーボアを狙って狩っていこうか」 

 

「よーし、頑張るぞ〜!」

 

 スキル獲得でモチベーションが上がったメイプルは腰の鞘からダガーを引き抜いて高々と掲げると、勇み足で草原フィールドを進んでいく。

 

「.........」

 

 ただし、それはアジリティゼロの歩み。攻略組として第一線で戦っていたキリトにしてみれば牛歩にも劣る速度だった。

 

「この速度......どうにかならないでしょうか?」

 

「レベルが低いうちは貰えるステータスポイントも少ないし、三倍かけてアジリティを上げてる余裕はないと思う。こればっかりは辛抱だな」

 

「うう...初期設定のとき少しくらいアジリティにも振っておくんだったぁ」

 

 そう言うとメイプルは力ない様子で、へなへなと歩みを再開させたのだった。

 

 

 

 

 草原フィールドでは主にパワーボア、そこから更に進んで行くと大森林があり、人型モンスターのゴブリンを倒しながら進んで行った。

 今キリトたちの目の前には4体のゴブリンがいる。

 

「よし、ちょっと待っててくれ」

 

 木々の影から様子を見ていたキリトは背中に掛けている片手直剣を引き抜くと、弾丸のように飛び出した。

 

「まずは数を減らす。一匹になったらさっき教えたスイッチで攻撃してくれ!」

 

 キリトが真っ先に斬りかかったゴブリンは背中からの不意打ちを受けて一撃でポリゴンになって散る。

 それに気づいた他のゴブリンは一斉にキリトに攻撃を仕掛ける。

 

(ホリゾンタルスクエア!)

 

 ライトエフェクトとともに四方向に斬撃が飛ぶ。それに触れた二体のゴブリンがまたもや一撃でヒットポイントがゼロになって消滅する。

 そのとき絶妙な間合いで剣撃から逃がした残り1体のゴブリンがキリトに向かって棍棒を振りかざした。

 

「今だスイッチ!」

 

 キリトはゴブリンの攻撃をパリングで弾き飛ばした。その隙にゴブリンのターゲットを引き受けたまま、メイプルと前衛を交代する。

 

「えいっ!!」

 

 メイプルのダガーがゴブリンの腹部に刺さった。

 

「やった! 当たった!」

 

「まだHPがゼロじゃない。次の攻撃来るぞ!」

 

「ひえっ!」

 

 ターゲットが切り替わり、ダガーが突き刺さったまま棍棒を振りかぶるゴブリンの姿がメイプルの目に映った。

 

「いやああぁ〜っ!」

 

 またも両手で巨大な盾を抱きしめるようにかかえて、その影に引きこもるメイプル。大盾越しに滅多打ちにされるがやはりダメージは通ってないようだ。

 

「大丈夫だ。冷静に、攻撃の途切れ目を狙ってダガーを突き出すんだ」

 

 ゴブリンの猛攻に耐えるメイプル。やがて攻撃が止むと、ゴブリンはバックステップをして距離を取った。

 

「今だ!」

 

「えい! とお!」

 

 メイプルのダガーがゴブリンの腹部に食いこんだ。

 ソードスキルもなければ、ストレングスもゼロのメイプルでは一体倒すのにもそれなりの攻撃回数が必要だ。同じ動作をひたすら繰り返し、地道にプスプスと刺していく。

 やがてゴブリンのHPがゼロになった。

 

「やった! 倒したー!」

 

 達成感に拳を握りしめるメイプル。

 キリトのアドバイスでようやく戦略的な戦い方が、形だけとはいえできていた。

 

「本当に強いモンスターでしたね。中ボスくらいですか?」

 

「残念だけど、さっきのパワーボアと同じでスライム寄りの枠だよ。さっき倒したやつよりレベルがひとつ高い分、多少は手強いだろうけどな」

 

 レベルが上がることでなにかしら魔法を習得できたならそれに応じて戦い方も変わるだろうが、それも本来SAOにはないスキルだ。

 安易に人前で出す訳にもいかない以上、こんなふうに剣だけでの戦い方も身につける必要があるだろう。

 

「それにしてもどんどんスキルを習得していくな。特にこの《大物喰らい》なんてさっきの《絶対防御》と合わせてバイタリティが4倍になるぞ」

 

 《大物喰らい》とはSTR、VIT、AGI、DEX、INTのうち、四つ以上のステータスが相手よりも低い値のとき、HPとMP以外のステータスが二倍になるパッシブスキルだ。

 魔法とは違い、常時発動するパッシブスキルであれば誤魔化しも利く。

 そしてそんなキリトの思惑に応えるようにメイプルがレベル8を迎える頃には、《大物喰らい》の他に《毒無効》《パラライズシャウト》を取得していた。

 




感想、評価お待ちしてます
次回はゴブリンジェネラルと戦いますまーす(●ꉺωꉺ●)

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