死ぬのが嫌なので防御力に極振りしたいと思います   作:くぼさちや

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サリィとか他のキャラかもぶち込もうか、最近はそればっか考えてます。
あとすいません。
メイプルにパラライズシャウト覚えさせたのは完全にやらかしです。
どうしてしまうま?(●ꉺωꉺ●)


08話 「盾を構え、短剣を突き立て」

 

「メイプル! すぐに下がれ!」

 

 レベル差は圧倒的、今のメイプルでは対処できる相手ではないことだけを判断すると、キリトは抜き放った片手直剣でソードスキルのモーションを取る。

 

「せあああああっ!」

 

 単発突進技である《バーチカル》、その青いライトエフェクトに包まれたキリトの突きがヒドラの頭に炸裂する。

 キリトのレベルとスキル熟練度なら本来一撃でHPバーの半分は削れるであろうモンスター。しかしヒドラのHPは半損するどころか全くダメージを受けなかった。

 代わりに赤い警告表示がキリトの目に映る。

 

「破壊不能...オブジェクトだと?」

 

 キリトはバックステップでヒドラから距離を取った。さっきまでキリトのいた場所をヒドラの巨大な顎が食らいつくように空を切る。

 

「すぐに洞窟の外まで逃げるんだ!」

 

「キリトさん! なにか見えない壁みたいなのがあって...出口に戻れません!」

 

「なんだって、《転移結晶》は!?」

 

 メイプルは防具と合わせてキリトから渡されていた転移結晶をアイテムストレージから取り出す。

 

「転移、はじまりの街! ...転移、はじまりの街!」

 

「まさか、《転移結晶》無効化エリア......いや、そんなはずはない。ここは今まで散々プレーヤーが探索した場所だ。そんな命に関わるような重要な情報が出回ってないはずがない」

 

 つまりはこのヒドラの存在も含めてなんらかのバグ、ということになる。これがシステム異常によるものならキリトのステータスがどれだけ高くとも関係ない。街中の建物と同じで破壊することはできないのだから。

 

「くっ...このままじゃジリ貧だ」

 

 ヒドラの大きく開かれた顎がキリトに迫った。しかも一頭ではない。三つあるうちの左右の二頭が同時に攻撃してきたのだ。避けきれないと判断したキリトはそのうち一頭をパリングで弾き返し、もう一頭を片手直剣で防御姿勢を取って受け止める。

 

(なっ...! こっちだけ一方的にダメージを受けるのかよ!)

 

 剣に食らいついたヒドラがキリトを地面に押し込めるように圧力をかけていく。視界の端ではそれに伴ってわずかながらHPバーが削れていた。

 つまりキリトの攻撃が通じなくても、ヒドラの攻撃は通常のモンスターと同様にプレイヤーにダメージを与えるということだ。それは当然、メイプルに対しても同じことだろう。

 唯一キリトと違いがあるとするなら、メイプルのステータスでは一撃でHPが全損する可能性すらあるということ。

 

「キリトさん! 避けて!」

 

「...っ!」

 

 攻撃を終えた左右二頭の首が定位置に戻ると、間髪入れずに残りの一頭がキリトに迫った。そんなヒドラとキリトの間に割って入るように大盾を構えたメイプルが攻撃を受け止める。

 

「うわわーっ!?」

 

 ゴブリンジェネラルのソードスキルとは比較にならないほどの衝撃に、メイプルの身体が一瞬宙に浮いた。しかしすぐさま体勢を立て直して着地すると肩ごしにキリトの方を見やる。

 

「大丈夫ですか? キリトさん」

 

「メイプル! ダメだ! こいつはこれまでのモンスターとはレベルが桁一つ違う。そうでなくてもこいつはプレイヤーからダメージを受けないようシステムに守られて────」

 

 そこまで口にしたとき、キリトは気がついた。ヒドラのHPがわずかだが減っていたのだ。

 

(どういうことだ? いったいいつダメージを受けたんだ?)

 

 ヒドラのターゲットはメイプルに向いている。それを見てはっとした。キリトの攻撃以外にダメージを与える要因がひとつだけあったのだ。

 それは盾による反射ダメージ。

 キリトはメイプルに向かって叫ぶ。

 

「メイプル! こいつの攻撃パターンは三つあるうちの二頭同時攻撃と真ん中の一頭による攻撃、それが交互にくる! 俺が同時攻撃を防ぐから、そのあとの単発攻撃を盾で防げるか?」

 

「で、できます...!」

 

「よし!」

 

 キリトは再度、ヒドラに接近する。それに反応してターゲットをキリトに向けたヒドラの二頭が左右から挟み込むようにしてキリトに襲いかかる。

 

「せあっ!」

 

 そのうち一頭をパリングでいなし、もう一頭に向けてソードスキルをぶつける。例のごとくダメージは通らなかったが、それでも攻撃の衝撃自体は止めることができた。

 すると残った一頭が隙を突くようにタイミングをずらしてキリトに迫る。

 

「スイッチ!」

 

「はい!」

 

 キリトと前衛を交代したメイプルが盾でタックルをするようにヒドラの前に躍り出る。真ん中の頭が盾と衝突した瞬間、確かにキリトの読み通りのことが起きた。

 

「ヒドラのHPが......減った!」

 

 勝利への光明に、わずかに口元を釣り上げて笑うキリト。

 しかし盾越しとはいえ、メイプルより倍以上レベルが離れているモンスターの攻撃だ。さすがにゴブリンのようにノーダメージというわけにはいかなかった。

 

「後ろに下がって回復してくれ! HPが完全に戻ったら今の要領でもう一度攻撃を仕掛ける!」

 

 キリトは二頭同時攻撃をパリングとソードスキルを駆使して弾く。時間差で襲いかかってきた一頭はバックステップで避けるが、今メイプルにタゲを取られるわけにはいかない。

 すぐさま距離を縮めて無意味ながらも攻撃を繰り返し、自分一人に的を絞らせた。

 その間にメイプルはポーションで体力を回復させる。

 

「体力回復しました!」

 

「よし、行くぞ!」

 

 再度、同時攻撃を弾いてからメイプルにスイッチして防御。ダメージ反射でヒドラのHPがまた削れる。これを繰り返すうちにヒドラのHPはイエローゾーンにまで突入した。

 

「よし、もう一息だ。メイプル! ポーション残りは?」

 

「あと二本です!」

 

「使い切ったあとは俺が《回復結晶》でサポートする! そうすればヒドラのHPを削りきれるはずだ!」

 

 そう言っている間に左右からの同時攻撃がキリトを襲う。

 

「もう完全に見切ったぜ!」

 

 キリトの剣がライトエフェクトを発した。

 発動した二連擊ソードスキルの《バーチカルアーク》が左右の頭に一撃ずつ攻撃を見舞う。そのままバックステップでメイプルと入れ替わり、同じように防御しようとした時だった。

 これまでと同じ挙動で伸びたヒドラの頭はそのままメイプルの盾を避けるように回り込むと、円周状に伸びた長い首が巻きつけるようにしてメイプルを締め上げたのだ。

 

「きゃあっ!」

 

 




ときどき次の投稿予定日とかツイートしてます
良かったら見てちょ(●ꉺωꉺ●)!

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