「さて、では今後のレオさんのことについてお話しましょう」
アインズさんはこちらに向き直り、こほんと改まり話出した。
「現在、ナザリック地下大墳墓のNPCたちは怖いくらい忠誠心があります
なので裏切ることはない、と思いますがワールドアイテムの存在や、NPCの裏切りの可能性は完全に否定はできません」
「ゲームではないですしね」
骨の奥の赤い双眸が少し光り、頷いた。
「そういうわけで、レオさんにはナザリック地下大墳墓の支配者らしい
態度でNPCとして過ごしてほしいんです」
「あー、さっきのアインズさんみたいな感じですか?」
アインズは頬を、困ったように指で少しかき頷いた。
「ええ、レオさん、だと会社の同僚感が出てしまうかなぁ、と」
「じゃあ、俺もアインズ様、とかのほうがいいんでしょうか?」
「やめてください、レオさんにまでそう呼ばれたら肩が凝って仕方ありませんよ、まあアンデットなんで肩凝りませんけど」
アインズさんに精神抑制がかけられた。大丈夫だよ!アインズさん、すべってないよ!
「こほん、では守護者たちに改めてレオさんを紹介しますね、に集めますけど、大丈夫ですか?」
そこで、ふと第6階層の自分がテイムした魔獣たちを思いだした。
「アインズさん、そういえば俺の魔獣って......」
「ええ、元気に6階層の大森林で走っていますよ、6階層守護者のアウラが面倒をみたい、と私に言いに来てくれました」
アウラ、頭の中でどんな子だったかを確認する。たしか、ぶくぶく茶釜さんのダークエルフの双子だっただろうか。……あの人にはお世話になってばかりだな。
そんあことを考えていると、アインズさんがメッセージの魔法で階層守護者を第六階層に集合させていた。
……緊張するなぁ。怖いなぁ。尻尾の黒い蛇がブルブルと震えていた。
「階層守護者たちよ!今、至高の41人が一人にして、我が盟友レオガルシア・R・ロードがナザリックに戻った!これより、ナザリック地下大墳墓は私とレオガルシアの2人をトップとし、運営していく!心得よ!」
玉座の間には、守護者たちが跪き、アインズさんの言葉を静かに聞いていた。高らかにアインズさんが、玉座の間にて声を響かせる。その堂々とした姿はまさしく死の支配者、ナザリック地下大墳墓の主、そのものであった。
アインズさんが、こちらをチラリと覗き、目配せした(気がする)。
あ、よっぱ俺も喋るんですね、はい。……けど、盟友とまで呼んでくれてるんだ。情けないところは見せられないよな。
「紹介に預かった、レオガルシア・R・ロードだ、急に戻りアインズと同じ位の立ち位置というのは、意見があるものもいるだろう、その意見もしかと受け止め、アインズに遅れを取らぬようナザリックに尽くすことを約束しよう!至高の41人が一人、レオガルシア・R・ロードの名に懸けて!」
俺は大きく息を吸い込み、玉座の間に大きく咆哮が響いた。
......大丈夫かな、獣め!とか思われてないよな…。
「失礼ながら」
白髪の老執事らしき姿をした筋肉質の男、セバスが声を上げた。たしかたっち・みーさんの作ったNPCだったはずだ。
「失礼ながら、今までナザリックを空けていた理由をお聞かせいただけないでしょうか?」
すると、デミウルゴスが声をあげた。
「セバス、至高の41人のおひとりに向かって言葉が過ぎますよ」
「しかし、今までアインズ様がおひとりで守られてきたナザリックに、なんの説明もなしでは」
「セバス、不敬デアルゾ、至高ナル御方ニハ我々デハ計リ知レヌ」
「よい!その問いに返そう!セバス・チャンよ!」
そう言って、セバスを見る。……あぁ、やっぱ似てるな。たっちさんと。
そのまっすぐな瞳。あんた、変わんないよ。たっちさん。
「私は、仕事を理由にして逃げていたのかもしれない、ナザリックから
しばらく来れなくて、お前たちを置いてきぼりにしてしまった罪悪感などからな、しかしアインズはそんな私たちを待ち、ナザリックを守ってくれていたのだ、だから次は私が、アインズを、そしてお前たちを、ナザリックを守らせてはくれないか?」
そう言い、俺は深く、深く頭を下げた。
「お、おやめください!レオガルシアさま!」
守護者たちが、慌てて頭を上げてくれ、と懇願してきた。
「セバスよ、私はお前を創造した、たっち・みーさんによく言われていた
なにか意見があるなら、上司だろうが、何だろうが目を見てぶつけろ、とな」
現実で、俺はたっち・みーさんのところに居候したことがあった。そのときよくそう言って叱られていたのだ。
「ナザリックのすべてのものたちよ!意見があれば、ぶつけてみてくれ!
ナザリックの最善を尽くすのだ!」
「はっ!!かしこまりました!!至高なるレオガルシア様!」
それと、もうひとつ言わなければならないことがるだろう。
「アウラ・ベラ・フィオーラ!お前に言わなければならないことがる!」
「は、はい!!」
すごく緊張した面持ちで、立ち上がった。
「なに、緊張しなくても良い、私の使役魔獣の面倒を見てくれていたそうだな、アウラよ……ありがとう、あいつらの面倒を見てくれて」
「い、いえ!!至高の御方の魔獣たちを世話するのは守護者として当然ですし、みんな、とても賢かったですし!同じテイマーとして心配なさるのも分かります!」
楽しそうに、アウラはそう語った。まさに天真爛漫な子供であった。
「アウラよ、なにか、私でできることであれば願いを叶えよう」
「ほんとうですかぁ!!!!」
アウラは目をキラキラと輝かせて、そう答えた。
……え、なに、叶えれる範囲だよ。ここで『じゃあ、死ね』とか言われたどうしよ。
「う、うむ、できる範囲な」
チラリとアインズさんの方を見ると、右手で小さくgoodサインを送られた。
アインズさん?goodじゃないよ、大丈夫なの?
「では!では!たまに!たまにでいいので、レオガルシア様をモフモフさせてください!!」
……ええええええええ。いや、ええええええ。複雑ぅ、なんか複雑だよ。中身そこそこのおっさんが、こんな子供の姿のダークエルフに触られるの、なんか、あれだよ。いたたまれないよ。ア、アインズさーん、助けてー!
チラリとアインズさんを見ると、目があい、goodサイン!goodじゃないよ、badだよ!
「……わ、わかった、検討しよう」
「やったー!!ありがとうございます!!」
ピョンピョンと飛び跳ね、喜んでいた。レオナルドじゃダメかなぁ……。あ、レオナルド。
「それと私とともにレオナルド・R・ロードも転移したので、よろしく頼む、普段は第六階層をうろついているはずだ。」
すると、アインズさんが前に出てきてNPCのリストを確認しだし、アルベドに声を掛ける。
「レオナルド・R・ロードは第6階層の領域守護者として扱うがそれでよいな」
「もちろんでございます、アインズ様」
そう言って、ローブを翻して、転移門の魔法を唱えた。
「では、解散だ、各々の仕事に戻るとよい!レオさ、…レオも休むといい」
「ああ、了解した、では皆、これからよろしく頼む」
そう言って、玉座の間から転移し、第6階層の寝床に戻った。うわぁ、緊張した……。
レオガルシアが玉座の間より転移した後、アインズは転移せず、守護者と玉座の間へ佇んでいた。
「さて、お前らから見てレオガルシアはどう映った?ナーベラル?」
「アインズ様に劣らないような気高さと、恐ろしく強大な力をもっておりました」
「シャルティア」
「大いなる魔力を抱えていながらも、その力に飲まれぬ強さを感じてたでありんす」
「コキュートス」
「仁義ト武士道ヲモチ、支配者ニフサワシイオーラヲ感ジマシタ」
「デミウルゴス」
「海の如き深き叡智を兼ね備え、巨大な威厳を感じさせるお方でした」
「セバス」
「私の愚かな問いにも、的確に答えてくださり、ナザリックをなによりに感がえてくだ
さる慈悲深く、どこかたっち・みーさまに似た雰囲気をもっておりました」
「マーレ」
「え、えっとアインズ様と同じくらい、とっても優しい一面を持つお方でした」
「最後に、アウラ」
「強大な魔獣を何体も従えた、至高の力をもち、見事なもふもふ…、偉大な至高の御方
に相応しい力の持ち主です!」
守護者たちに仲間のことを褒められ、アインズはとても嬉しいそうに頷き、赤き双眸を
光らせた。
「そうだろう!そうだろう!レオさん!レオガルシアは凄いだろう!!
はっはっはっはっは!!!」
アインズの笑い声が、玉座の間に響いた。
NPC 『レオナルド・R・ロード』 Lv80
混合魔獣王(キマイラロード)
金色の毛並みに白色の鱗の蛇を尾を持つ獅子の姿。自分と対をなす感じのNPCを作ろうとした結果、NPCの方が主役っぽくなってしまっている。ユグドラシルPLの中にはレオナルドがメンバーだと思っているPLも多い。レオナルドもまた、テイマースキルを所持しており、何頭かの魔獣を従えている。