音無と立華が倒れてすぐに俺はすぐゆりの所へ向かった
「ゆり、少しいいか?」
「もしかしなくても二人の事?」
「これは二人がこの世界にきた原因となる可能性が高い話になる。
出来れば俺たち二人だけで共有したほうがいいだろう。」
「どういうこと?」
「まず音無がなぜ記憶を失っていたかだが、原因がはっきりとわかった。
あいつには心臓が無かった。」
「心臓がないですって!?」
「間違いない。音無からは心臓の鼓動が無かった・・・
心臓がない理由については一つしかないだろう。」
「もしかして・・・!」
「ああ。おそらくあいつは何かしらの事故に遭って脳死、
その後ドナーとして心臓が摘出されたのだろうな・・・
それしか考えられん。」
「でもそれだと彼女が倒れた理由がわからないじゃない。」
「逆だ。立華が倒れたからこそ音無も倒れたんだ。」
「何故・・・まさか!」
「おそらくその可能性が最も高いだろう。
故に立華が倒れた時に元の心臓の持ち主である音無も共鳴するように倒れたという事だろう。」
「そもそも何で二人が倒れることになったの?」
「その原因は俺の眼の能力だ。」
「能力?」
「俺がかつて一族から奪った能力を再現した。
瞳術の名前は
リスクは対象者に巻き戻した世界線の記憶が一気に流れ込むこと。」
「それで二人が倒れたわけね・・・」
「ことの顛末は俺から二人に話すが、これは極秘で頼む。」
「分かったわ」
それから2日後・・・
「はっ、ここは・・・?」
「医務室だ。お前と立華はあれから2日も眠ってたのだ。」
「2日も?」
「どうしてなの?」
「奏も知らないのか?」
「結弦が目を覚ますまで待ってろって言われてたから。」
「単刀直入に言おう。音無、お前には心臓がない。」
「なっ・・・!」
「そしてその心臓は立華の中にある。」
「・・・そうなのね。」
「すまんがお前らが眠ってる間に記憶を覗かせてもらった。
覗いた記憶には音無の最期もあったからお前も記憶を完全に取り戻してるんじゃないのか?」
「・・・あぁ、戻ったよ。
俺の命も最後は誰かの役に立てて、満たされて死んだんだよなぁ。
・・・なぁ、俺達って消えるのか?」
「心残りがなければ、だがな。」
「私は・・・」
「お前は自分に心臓を提供してくれた誰かに『ありがとう』を言うためにこの世界で待ってたんだよな?
それを音無に言って消えるか、もしくはまだみんなとこの世界にいたいか・・・二つに一つだ。」
「・・・私はまだ彼女たちが心配だから、まだ行けない。」
「その想いがあれば音無に『ありがとう』を言っても大丈夫だろう。
消えないのは俺が証明済みだ。」
「どう言うことだよ?」
「俺の未練はお前らといてた時間でとっくに無くなってたんだよ。
だがゆりの葛藤を聞いて、あいつを救いたいって思っちまったのさ。
それで今もこの世界に留まってる。」
「そうなのか・・・」
「お前ら全員を見送るまでは行けねぇよ。」
「結弦。」
「何だ?」
「私に命をくれて、ありがとう。
これで私の未練は一つなくなったわ。」
「・・・あぁ!」
「それで、お前らはどうするんだ?」
「俺達も残るよ。
二人で皆をこの世界から卒業させたいんだ。」
「・・・分かった。
俺は陰ながら見守ることにするわ。
そしてお前らを見送ってから俺も行く事にする。」
校長室
「と言うわけで二人の意思を確認してきた。
当分はこの世界に留まるとさ。」
「そうなのね・・・」
「・・・お前はいつまで続けるつもりなんだ?」
「・・・わからないわ。」
「経験上、こう言う世界は長居しないほうがいいんだがな・・・・」
そんな話をゆりとしてからだが、まず立華の冤罪が晴れて実行犯のゆり達が反省文を
書いたりするイベントがあったが概ね平和に時間が過ぎていった
俺に関しては基本ギルドに篭ってきたるべきに備えて銃火器の錬成をチャー達と行っていた
そんなある日、たまたま外を歩いていると
「ん?音無とユイ?
何してんだあいつら・・・」
どうやらユイのバッティングに付き合っているようだ
そうこうしてる間にユイが帰っていき、音無が片付けをしていた
「アンタも見にきてたんだ。」
「岩沢か。偶然通りかかっただけだ。」
「音無のやつ、最近ユイが生前できなかったことを叶えていってやってるんだってさ。
そんで今はホームランを打ちたいってのを叶えてやるためにああやってるんだってさ。」
「ホームランねぇ・・・ユイの体格とセンスじゃ無理だろうなぁ。」
さらにその翌日
「さすがに諦めたか・・・」
「龍神センパイ、見てたんですか?」
「昨日からな。」
「龍神、お前・・・」
「やりたい事たくさんやってみてどうだったよ?満足できたか?」
「もう一個あるよ。」
「何?」
「結婚。」
「「え?」」
「女の究極の幸せ。
でも、家事も洗濯もできない。それどころか一人じゃ何にも出来ない・・・
こんなお荷物、誰がもらってくれるかな・・・」
そうか・・・こいつは生前やりたいことができなくて、
それでこの世界でやりたいことを精一杯やってたのか・・・
「神様って酷いよね、あたしの幸せ、全部奪っていったんだ・・・」
「そんなこと・・・ない・・・」
「じゃあ音無先輩、あたしと結婚してくれますか?」
「それは・・・」
「俺がしてやんよ!!」
「日向・・・」
「お前・・・」
「俺が結婚してやんよ。
これが、俺の本気だ!」
「そ、そんな・・・
先輩は本当のあたしを知らないもん。」
「現実が、生きてたときのお前がどんなでも、俺が結婚してやんよ。
もしお前が、どんなハンデを抱えても。」
「ユイ歩けないよ?立てないよ?」
「どんなハンデでもつったろ!!」
「!」
「歩けなくても、立てなくても、もし子供が産めなくても、
それでも、俺はお前と結婚してやんよ!」
「ずっとずっとそばにいてやんよ。
ここで出会ったお前はユイの偽物じゃない、ユイだ。
どこで出会っていたとしても、俺は好きになっていたはずだ。
また60億分の1の確率で出会えたら、そんときもまた、お前が動けない体だったとしても、
お前と結婚してやんよ。」
「・・・出会えないよ。ユイ、家で寝たっきりなんだもん。」
「俺、野球やってるからさ。
ある日、お前んちの窓パリーンって打った球で割っちまうんだ。
それを取りに行くとさ、お前が居るんだ。
へっ、それが出会い。
話するとさ、気が合ってさ、いつしか毎日通うようになる。介護も始める。
そういうのはどうだ?」
「うん。
・・・ねぇ、その時はさ、あたしをいつも一人でさ、頑張って介護してくれた
あたしのお母さん、楽にしてあげてね。」
「任せろ。」
「よかったぁ・・・」
それを最後にユイは旅立っていった
「行っちゃったか。」
「お前らはこれからどうすんだ?」
「アタシはアンタについてくよ。
アンタとなら、アタシの傷も癒えそうだし。」
「日向は?」
「俺も最後まで付き合うさ。
まだまだ心配な奴らが、残ってるからな。」
「そうか。」
こうしてユイは新たな人生へと旅立って行った
これからもメンバーを一人ずつ旅立たせていくんだとそう思っていた
ゆりからの知らせを聞くまでは━━━━━━━
Out side
「うわぁあああああああああ!!」
ザシュ!
「はぁ、はぁ、今、俺は何を斬ったんだ・・・!」
「影?もうちょっとちゃんと説明してよ。」
『影としか説明できません。
今駆けつけた野田さんが倒したところです。大山さん一人では危ないところでした。』
「危ないって・・・」
(何が・・・?)
続く
終末の足音が近づく・・・
次回
Change the World