ヴィヴィオが目を覚ましたので会場のスタンドに戻り、リオの試合を見に行くことにした
ドゴォ!
「・・・おいおい、どんな馬鹿力してんだよ」
サーヴァントのパラメーターで見れば確実にA+判定だろうな
「ありゃあ
「ルーフェン体術か、どんだけだよ」
「だがハリーも冷静に対処しているな」
「炎と雷の変換資質持ちのリオには相性が最悪だったな」
「というかお前ら、いつの間に来てたんだよ・・・」
「お前がヴィヴィオのとこに飛んで行った後に来たんだよ
それより・・・」
「リオはもう打つ手がねぇだろ」
「だな」
リオはよく健闘したが、やはり上位ランカー相手ではどうしようもない
こうしてチームナカジマの初等科組は地区予選トーナメント2回戦で幕を閉じた
「お前ら、次のアインハルトの試合は全員予定空けとけ」
「理由は?」
「俺ら全員に関係ある試合だ。何せ相手はエレミアの末裔だからな」
「エレミア・・・初代様が共に戦ったという者の末裔か」
「そういうことだ。事前にファミリー最古参組の視察の名目で委員会に伝えている」
次の日の夕方
やはり気掛かりになっていたので散歩がてらヴィヴィオを迎えに行こうとしていたが三人が悔しさを吐き出しているところを身を隠して聞いてしまった
(今は存分に泣け。そしてその悔しさを決して忘れるな。
そうすればお前達はもっと強くなれる・・・挫折を乗り越え、強くなれ・・・!)
その後はこっそり家に帰って大地下修行場で終式の更なる修練を積んでいた
そして
遂に覇王とエレミアが邂逅する時が来た
「彼女がエレミアの末裔か?」
「ああ。以前視察した時に眼が反応してな。その時から個人的に雷帝の末裔であるヴィクターと交流している」
そして試合が始まった
「ジークは格闘選手としては万能型。全てに於いて高水準だ。
打・絞・極・投、その全てが一線級であり、ゼロレンジなら無類の強さを誇る。
弱点は、精神面だがな」
「精神面か・・・」
「あやつは幼い頃より自らの継承スキルを制御できずにいる。
それ故に精神が不安定なんだ」
「一体何なんやそれ?」
「『エレミアの神髄』・・・自らの命の危機に発動するスキル。
そしてあやつの二つ名は『鉄腕』。全てを粉砕する破壊力特化の力だ」
「そんなもんがあったとはな・・・」
「以前書蔵を漁ってたら初代の手記を見つけて、俺もそれで初めて知った。
それより見ろ。あやつ遂に本気になったぞ」
悠飛がそういった直後、ジークは『鉄腕』を解放した
「━━━━っ、全く・・・彼奴はどんな運命を子孫に背負わせたんじゃ・・・」
「混ざってるってことは、記憶が・・・」
「流れ込んできた。胸糞悪いものがな」
「おい、アインハルトのやつまずくねぇか?」
「どう見ても冷静じゃねぇな」
「あれは・・・」
「あれが『エレミアの神髄』か」
「ジークの目つきが変わった・・・あれは俺達が人斬りをする時の目つきと同じだ」
そうして冷静さをなくしたアインハルトはジークに負けた
試合後
「眼が覚めたか?」
「悠飛さん・・・?」
「このあとレストランを貸切にしている。
お前も来い」
「でも、私は・・・」
「慰労会だ。
それに、真実を知りたくないか?
俺達の因縁、その真実を」
「貴方は知っているんですか?」
「初代様の手記を・・・
というかあれは回顧録だったな。それを見て大まかのことはな」
「教えてください、それを」
「まぁ待て。まずは飯だ」
その夜
「どうだ?いい眺めだろ」
「まぁ簡単やけどご飯もあるから自由に食べてなー」
「食いながらだがちょいと聞いてくれるか?」
「ええんやな、悠君」
「ああ。何の因果かこの時代、この場所に因縁があるものが集った。
『黒のエレミア』の末裔ジークリンデ、『覇王イングヴァルト』の末裔アインハルト、その二人を繋ぐ『聖王オリヴィエ』、ベルカ最強と謳われた『天帝』の末裔たる俺と四天王」
「かつて戦乱の時代を一緒に生きたベルカの末裔が、今この時代にまた集まってる」
「さらに言えばこの場には雷帝ダールグリュンの血統のヴィクトーリアがいるし、この場にはいないが旧ベルカ王家直系の子もいる。
故に俺はこのメンツでこそ話すべきだと思う。古代ベルカ、『聖王オリヴィエ』達に何が起きたのかを・・・」
「頼める?」
「ああ。しかし書蔵にあったのは回顧録みたいなもので大まかなことしかわからなかった・・・
初代と覇王は共に高め合う存在で親友と呼べる人物だったらしい。」
「はい。確かにクラウスはリュウキととても仲がよかった記憶があります」
「そしてエレミア・・・ジークの祖先だが掴みどころがなく、いつもどこかへふらっと行く放浪癖があって方向音痴であったと記されていた・・・
名はヴィルフリッド・エレミア━━━━三人からは『リッド』と呼ばれていたそうだ。
そして『聖王オリヴィエ』からは兄のようにまたは父のように慕われていたようだ
皆笑顔で、そんな時間が永遠に続くと思っていた」
「そですね・・・」
「うちにあった回顧録はまだ解読が進んでおらんから全容が見えぬ。
何か他に方法があればいいんだが・・・」
「ねぇパパ」
「ん?どうしたんだ?」
「確か無限書庫でエレミアの手記を見かけたよ?」
「何?
そうかその手があったか。あそこなら確実にあるだろうな」
「でもあそこ、一般人は立入禁止ですわよね?
あなたがたも入ったことが?」
「社会科見学とかか?」
「ありえるッスね!」
「それならご夫妻から無限書庫での調査許可をいただくことは可能でしょうか?」
「確かに俺らが申請してもいいんだが」
「もっと手っ取り早い方法があるよ」
「わたし無限書庫の司書資格持ってます!」
『えぇ━━━━━━っ!?』
「確かリオとコロナも持ってたよな」
「お前らあらためてどんな小学生だ!?」
「えへへ」
「いろいろありまして〜」
「ということだ。明日、一緒に行きたいものは行くぞ。
ただし、無限書庫には未整理区画もあるから決して勝手な行動は控えること」
こうして無限書庫での調査が決定した
「おいルーテシア。気付いてるな?」
「ええ。覗き見してる輩がいますね」
「牽制しとけ」
「はい」
こりゃあ楽な作業ではなくなりそうだな
一応回顧録も持っていっとくか
続く
次回は無限書庫での探索と追憶の導入になります