悠飛は七海と対する為に戦場へ向かう
目紛しく変わる景色
それは縮地で疾走する特有の景色
そして七海が待つ戦場へ駆け抜ける
「遂にこの日が来ましたね」
「望み通り来てやったぞ。七海」
「胸をお借りします!」
「やってみろ。お前が俺に力を使わせることができるかな!」
そこからはただひたすらに七海が攻撃を打ち込んでいき、俺はその攻撃を軽々と捌いていく
その間俺は刀も抜かず、素手で全てをいなしていく
「さすが世界最強、攻撃が全く通らない・・・!」
「どうした?シンクならばもう既にこの領域はクリアしてるんだがな?
お前の欠点はそいつを完全に使いこなせていないことだ」
そう、七海はまだこの世界に来て日が浅い
シンクは春に一度来ている上にその柔らかい発想で二槍スタイルもやっていた
「そろそろ次の幕へいくか・・・!」
そう言って俺は徐に刀を抜き放つ
「こうなったら・・・!」
そう言って七海は輝力でできた水の砲撃を放ってきた
「その程度、目眩しにもならん」
一閃、それを薙ぎ払い霧散させる俺だったが
「リンク生成!」
「成程、今のは足場を凍らす為の布石か。
悪くない手だが、俺に対しては悪手だったな」
そう、七海は足場を凍らせてアイススケートのように滑って攻撃してきたが、俺の得意な性質変化でもある氷は自分の首を絞める形になった
「俺の得意な性質変化は炎と氷。この程度の氷なら俺の炎で簡単に溶かせる」
ガギンと鈍い音が響き、七海は吹き飛ばされたが
「一撃必殺!!!」
特大の輝力砲をぶっ放してきた
「ほう・・・」
俺は全身に力を漲らせて、万華鏡を解放した
「・・・・・・・・へ?」
「中々面白かったぞ。
だがそれもここまでだ。
──────完成体須佐能乎」
俺は七海の攻撃を絶対防御の須佐能乎で防ぎ、完成体須佐能乎で攻撃態勢に入った
「一閃!!!!!!」
その攻撃の余波は半径3キロにも及んだ
「俺に須佐能乎を使わせたのは褒めてやる。
だが、最後まで詰めが甘いな」
カツンと須佐能乎に七海が最後に投げたブーメランが当たるも絶対防御でダメージは0。
七海との対決は最後以外殆ど戯れ程度で俺の完封となった
「さてと、圭吾が待ってるしさっさと行くか」
そう呟き、俺は飛雷神で圭吾の元に飛んだ
「さて、待たせたな」
「できればやりたくはないけど、ここは唯一何の縛りもなく暴れられる世界やからな。
こっちも、真の卍解がどこまで通じるのか確認しときたかったし」
ここまで幾度も模擬戦はしてきた。
しかし、今回は違う。
今まではお互い制限ないしDSAAの規格でしか戦えなかった
それは俺たちの力が強過ぎて周りへの被害を考えて出力を落とさざるを得なかったからだ
だがこの守護力が満ちているフロニャルドでは互いに全力を出せる
最早互いに交わす言葉はない
一陣の風が吹く
「喰い殺せ、『双頭龍』!!」
「うねろ、『蛟』!!」
互いに相棒の名前を解号と共に叫ぶ
蛟の剛剣を双頭龍は軽々と耐え抜く
蛟も刃毀れせずに尚も因果を捻じ曲げて二撃目を入れようとする
「しゃらくせぇ!!」
二振りの刀の剣戟の音が周囲にこだまする
互いに譲らず、しかし少しずつ互いにダメージが入っていく
「すごい・・・悠飛さんと圭吾さん、一歩も引かずに切り結んでる・・・!!」
コロナが驚嘆の表情で見つめる
「私もパパと戦ったことがあるけど、あの時より更に疾くて強くなってる!」
JS事件で聖王として対峙したことがあるヴィヴィオですら、養父の強さに驚いている
それははやて達も同様である
「あの二人、本気になったらここまで凄いんや」
「私達も二人の本気の戦いは見てこなかったからね」
「うん。多分あれが龍の一族同士の本当の闘いなんだと思う。
私達が見てきたのは、ただのじゃれあいだったんだなって思うよね」
どれほどの時間が経っただろうか
5分?10分?
────否、実際には3分も経っていない
そんな錯覚を起こさせるほど、俺達の剣戟は濃密な時間だった
アスリートが体験する周りの動きや時間がゆっくり感じる状態
────即ちゾーンに入っているからこそ、そう錯覚させられる
これこそが壁を超えたマスタークラス同士の闘い。
そして龍の一族同士の殺し合いでもある
互いに技を撃ち合い、捌き、返していく
だがこれでは互いにジリ貧とも分かっていた
お互い間合いを取り、構え直す
「─────そろそろ、全力でいくか」
圭吾がそう呟く
「───そうだな」
俺はそう呟き、返す
圭吾は右薙の構えを取り、俺は刀の殆どを鞘に納め微かに刀身を出した状態で抜刀の構えを取る
そして満を持して叫ぶ
「「──────卍 解 ! ! ! ! ! ! 」」
解放の瞬間、俺達の周囲には凄まじい魔力の奔流が起こり、その奔流は各陣営の砦にまで及んでいた
「ちょっと!?あの二人どんなバカ魔力してんのよ!?」
「これはもう巻き込まれない場所なんでないんじゃないかな?」
「すずかが平然とした顔で怖いこと言ってるんですけど!?」
「隼斗達は城で王様達に任せてよかったわ。悠君はこのことも分かってたからヴィヴィオ達だけ同行許可したんや・・・」
「この魔力・・・リュウキと同じ・・・!」
「そうそう、パパの魔力ってすっごく重くて怖いんだよね・・・」
「あ!ヴィヴィオがあの時のこと思い出して虚無の顔になってる!?」
魔力の奔流が収まると二人の姿がようやく見えてきた
「あれは・・・!」
「嘘やろ・・・」
「悠飛の奴、とんでもない姿になっとるな・・・!」
「卍解。『極・蛟龍』!!」
圭吾の姿は右腕に翼を持った蛇のような姿の龍がうねりながら巻き付いており、刀身は圭吾の魔力光である翠緑の光を纏っている
対して俺は
「卍解。
────
氷の鎧から炎の翼が出ており、装甲の隙間からは絶え間なく冷気と熱気が交互に噴き出している
悠久の時を超え、今ここに伝説の龍王が降臨した瞬間であった
悠飛と圭吾、二人の本気の闘いは最終局面へ突入しようとしていた
続く
何とか続きを書きましたが、やっぱり体が痛いので時間がかかりますね。
オデノカラダハボドボドダ!
次回
「決着の時」