その時彼は・・・・・・
動き出す運命
ジュエルシードの一件から数ヶ月後
俺は今単独で任務を行っていた。
近年世間を恐怖に陥れている国際テロ組織を殲滅するために、この3ヶ月間テロリスト共を斬り続けていた。
最初の10日間は血の臭いが気になっていたが、1ヶ月立った頃には感覚が麻痺してきた。
来る日も来る日も人を斬り続けている俺の心は疲弊しきっていた。
「・・・次の場所は・・・」フラッ
現地では祿な休息は出来ず、乾燥地帯な為昼は凄く暑く、夜は凄く冷える。そんな極地での活動なので誰もが嫌気がさす。
暫く歩き続けていると、とある場所に流れ着いた──────
「ここは・・・ライオンの像に城塞の門?」
俺が今居る場所・・・イラクの某所である。そこから導かれるとすれば・・・・・・
「バビロニア遺跡か・・・・・・」
メソポタミア文明・・・人類最古の文明で人類最古の城塞都市の生まれた文明でもある。
メソポタミアとはふたつの川の間という意味であり、チグリス川とユーフラテス川の間にこの文明が栄えた跡がある。
そして、人類最古の英雄王・・・ギルガメッシュが治めた王国でもある。
「こんな歴史的遺跡の近くでテロや戦争なぞしおって・・・人の欲とは醜いものだな・・・」
俺は歴史や神話の研究・探索も行っているので、このような歴史的価値のある遺跡の破壊などの行為を許せないのだ。
「ここで戦うのはギルやエルキドゥに悪い。」
鑑賞に耽っていると、周りに気配を感じるので戦闘準備に入る。
「ここで銃撃戦をさせるわけにはいかんからな。
ズバババババババババババッ!!!!!!!!!
俺は縮地を最大限に活かして周りにいたテロリストを一瞬で斬り伏せた。
「名付けるなら〝縮地乱舞〟とでも言おうか・・・」
そうして俺はジグラットに向かい、嘗ての王達の冥福を祈ってその地を跡にした。
それから更に1ヶ月後、川神の九鬼家の嫡男を狙ったテロリスト達の始末を最後に国際テロ組織を壊滅させることに成功し、俺は体を清めて海鳴に戻った。
海鳴に戻る頃には心身共に疲弊しており、後ろから来ていた者に
「お前は魔導師か?」
「ッ!参ったな・・・声をかけられるまで気付けなかったとは・・・」
「もう一度問う。お前は魔導師か?」
「一応な。それを聞くってことは・・・」
「お前の魔力を奪わせて貰う。」チャキッ
「させると思うか?」キン
ダッ!
カン!カン!キン!
「ハァ!」
ガギン!
(くっ、こんな時に!)フラッ
そう。この数ヶ月の戦いで俺の体は限界に達していた。
ドゴォ
「ごふっ!」
ドゴォッ!
ガラガラッ!
「ハァッ、ハァッ・・・」
「終わりか。こちらも仲間が到着した。」
そう言われて始めて気付いたが、気配が3つ増えていた。
「・・・ここまでか・・・魔力を奪われるくらいなら・・・!」ブォン!
ザシュッ!
「「「「!?」」」」
「ゴボッ!」
「お前、一体何を!?」
俺は自らの心臓に魔力刃を突き立て、それから意識を失った・・・
決して死ぬことができない体であろうとも、死ぬ痛みは味わう──────────
続く
不意を突かれて教われた悠飛。
そして、彼を襲った4人。
斯くて運命は動き出す。
次回
闇の書の守護騎士