死ねないからだとは言え死の苦しみは味わう。
意識を失った彼は己の過去を見る・・・・・・
────────夢を見ている。
嘗ての忌まわしき過去の夢を・・・・・・
「ぐぅ、貴様ら今まで育ててやった恩を忘れたか!」
「そんなものはない。先代よ、あんたは席を譲っても俺達に圧政を強いてきた。その結果、俺達の家族を殺す羽目になった。
俺達の家族は、あんたに殺されたんた!」
「フン!そんなのはあやつらが貴様らより弱かったからだ。あやつらが強ければ生きていたものを。」
「その考えが間違っているのだ。それに、あんたがこの国を支配しようとしていたのも知っている。互いを食い合う恐怖政治など、いずれ滅びる。故に俺達が、この怨嗟を断ち切る・・・・・・あんたと、あんたの忠臣全員殺してな!」
「おのれ!」
「飛天御剣流奥義・・・」
ズン!!
「
スバァアアア!!!!
そうして一族は滅び、圧政に苦しんでいた非戦闘員は皆各地に散り、決して自身が龍の一族であることを明かさずに生涯を閉じていった。
夢はそこから4年前に飛ぶ
「ひ、ヒヒヒヒヒヒ。お、お前らのせいだぞ?
先代の政策こそがこ、この国をつ、強くしたのに。だ、だからこれはて、天罰だ。ヒヒヒ、ヒ。」
「悠飛くん、君は生きて、はやてを助けてくれ・・・」
「私たちはもうダメだけど、あなたがあの子を守ったげてね・・・」
「そんな、義父さん、義母さん・・・」
そして2人は二度と目を開けることはなかった・・・
「うわぁあああああああああああああああああ!!!!!!!!
ふざけるな!ふざけるな!馬鹿野郎!!!!!」
そして自分に施していた封印が壊れた。
「・・・・・・許さねぇ・・・・・・絶対に、赦さねぇ!!!」
ゴォオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!
「うわぁあああああああああああああああああ!!!!!!!!
」ガバァ!!
「はぁ、はぁ、ゆ、夢か・・・・・・」
ふと気付いたが、俺の身体には治療した痕が残っていて包帯も巻かれていた。
ガチャ!
「どうしたん!?」
「ッ、はやて・・・?」
「良かった、目覚めたんやね。酷かったんよ?身体中ボロボロやし、魘されてるしで。うちの子が拾ってこんかったらもっと酷なってたんやで?」
「・・・・・・そうか。」
・・・・・・ん?
「うちの子?」
「ああ、そういえばまだ紹介してなかったな。皆、来てくれへんか?」
そう言われて来たのは俺を襲った4人だった。
はやて曰くある日本がはやてを事故から守ってくれたけど、そこから出てきたのが彼女達守護騎士・・・ヴォルケン・リッターということだった。
となるとこいつらは──────
「・・・・・・はやて、少しこいつらと話をさせてくれ。」
「うん。ほんなら私はご飯作ってるな?」
そう言って部屋から出ていった。
「・・・・・・さて、怪我の具合はどうだ?」
「お陰さまでな。」
「何であんなことをしたんですか?」
「そうだ!あたしらは命を奪うつもりは無かったんだ。それを・・・」
「待てヴィータ。彼にも事情があるのだろう。」
「仮にも主はやての許嫁と聞いている。・・・話してはくれないだろうか?」
「・・・・・・そうさな。強いて言えば、俺達の力を悪用されないようにするための奥の手とでもいおうか。・・・はやてから俺のことは聞いているのだろう?」
「ああ、君の体質のことも、主はやてのご両親のことも・・・」
「ならわかるだろう?俺達の肉体はテロリスト共からすれば宝の山だ。奪っても意味がないと思わせなければいけないのさ。」
そうして俺は事情を話していた。
なぜあのような時間にフラフラの状態でいたのか。どうして戦い続けるのか・・・
「そうか・・・そういうことだったのか。」
「はやての大事な人だったら、お前からは蒐集しねぇよ。そんなことしたらはやてに怒られるしな。」
「そもそも、蒐集は主はやてには秘密だ。主はやては今回の事はご存知ではない。」
「ということは、はやてはもう・・・」
「ええ。既に侵食が進んでるわ。」
「そうか。」
「君は暫く休んでるといい。シャマルの見立てでは全治3週間だそうだ。」
「絶対安静です。」
「どのみちこの体じゃあ仕事も出来んしな。」
こうして俺は八神家に再び身を寄せることになった。
続く
悠飛の始まりにして呪いの日で何が起きたのかを知った守護騎士達。
はやての許嫁と聞いて悠飛から蒐集をしないと誓うのであったが、運命の日は着実に近付いていた。
次回
療養の天帝