ベルカの天帝の末裔   作:龍神悠飛

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悠飛の日常

あれから1年が経って俺達は中学に上がった。

 

ただ、中学からは別の学校に通っている。

もともと聖祥中学は女子校なので必然的に別の学校に変わっただけだが・・・

 

そんな俺達の日常の一部

 

 

 

カチャカチャ

 

「マスター、こちらの部品は何処へ置けば宜しいかな?」

 

「ああ、それはこっちに持ってきてくれ。」

 

「了解した。」

 

カチャカチャ

 

 

今俺は自作のバイクを製造しているところだ。

 

俺達は中学に上がってから一気に背が伸びたからそろそろ乗っても大丈夫だろう。

 

それにこのバイクにはある機構が搭載されている。

 

 

「エジソン、そのパーツはこっちにくれ。」

 

「了解したぞ、圭吾。」

 

今バイクの製造を補佐しているのはニコラ・テスラとトーマス・エジソンの2騎の英霊、そして圭吾である。

 

テスラとエジソンはこういうのには優秀だが、直流か交流かで直ぐにケンカするから扱いが難しい。

 

「マスター、そろそろ休憩にしなさい?」

 

「ああ、ありがとうエレナ。」

 

エレナ・ブラヴァツキー

 

十九世紀のオカルティストで通称ブラヴァツキー夫人

 

この2人とは旧知の仲らしく有り体に言えばこのバカ2人の保護者である。

 

「悠飛、お菓子持ってきたわよ?」

 

「ありがとう、アリサ。」

 

ここ最近はアリサとすずかがうちに泊まることが多くなった。

親公認とはいえ少し気恥ずかしさがあるが。

 

「いやはや申し訳ない、レディ。」

 

「かたじけない、アリサ嬢。」

 

「サンキュー、アリサ。」

 

ん?この羊羮・・・

 

「これ、結構高いやつじゃなかったっけ?」

 

「いいのよ。パパが持っていけって言ってたから。」

 

「デビットさんもジョディさんも結構日本に馴染んでるよな?」

 

「アリサも純アメリカ人なのに日本に暮らしてるしな。」

 

「まあ、日本のほうがいいと思ったからじゃない?」

 

「確かに、アメリカだと銃社会やから日本のほうが遥かに安心できるか。」

 

「それより、あんたたちは良くこんな複雑なマシン造れるわね?」

 

「造ってて面白いってのも有るけどな。」

 

「たまにはこうして機械と向き合って黙々と作業したくなるしな。」

 

「ここ最近は私達の修行もつけてくれてたもんね。」

 

「それに、最近は何かと物騒だからな。コイツがあれば、皇居への移動も楽だし、防衛機能も備わってる。」カタカタカタ

 

そう言ってから、アリサに今造ってる多機能バイクのスペックを見せた。

 

「これはまたとんでもないものを造ってるわね・・・」

 

「この世界の人間には後100年待たなきゃ造れない代物だからな。」

 

「今度ミッドでの移動手段でお前らのも造ってやるよ。」

 

「その前に免許とれなきゃ意味ないわよ!?」

 

「ああ、ミッドでもバイクの免許は15からだったか?」

 

「それよりもミッド文字教えなさいよ。」プイッ

 

あ、この反応はしばらく構ってもらえなかった時の反応だな。

 

トンッ

 

「許せアリサ、また今度な?」

 

「~///」

 

「さて、休憩も終えたし続きやるか。」

 

 

ガチャガチャ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数時間後

 

 

 

ギュイイイイイイイイイガルルルルルルル!!!

 

 

ガチャ

 

カキッカキッ

 

「ふむ、こうしてみるとジャパニーズのこの技法は素晴らしいな。」

 

「機械で締めても完全に締まってるか分からんからな。最後にボックスラチェットで締めて確認する。そして組上がったらハンマーで打音検査してゆるみがないかを確認して、大丈夫ならそこで初めて完成だ。」

 

「全部機械でやろうとすると必ず綻びが生じるからな。やから一つ一つ丁寧な作業が必要なんだ。ただ大量に造ればいいって訳じゃない。乗り手の安全も守ってこそ、良いマシンと言える。」

 

「ううむ・・・耳の痛い話であるな。」

 

「反省するのだぞ?凡骨。」

 

「貴様もであろう、このすっとんきょう!」

 

バチ!

 

「おい、お前ら・・・」ギロ!

 

「「!!」」

 

「こんな火気厳禁な場所で電流流してんじゃねぇぞ。危険物に引火したらどうすんだ?」ギロ!

 

「こりゃあ仕置きだな。お前ら2人今日の晩飯は激辛麻婆豆腐5皿な?」

 

「「申し訳ない、反省しておりますマスター!!」」

 

「あなたたち・・・またやったのね?マスターに迷惑かけちゃダメじゃない!」

 

「さて、後は塗装だけだから今日はここで終いやな。」

 

 

 

 

 

 

 

こうして色々あったもののこの日の製造は終わった。

 

後日、プロトタイプの試乗をして企画していた以上の性能を発揮して5人全員分採用が決まった。

 

 

 

みんなの感想は「超高性能多機能バイク最高」だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                         続く

 

 

 


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