せっかくだから皆を連れていこうと思っていたが?
『というわけで貴方にはしばらく休暇を与えます。ゆっくりとお体を休ませてください。』
「ありがとうございます、陛下。皆喜ぶと思います。」
『それでは、お元気で。』
プツン
「ふぅ。まさか纏まった休暇を頂けるとはな。」
「悠君。どうしたの?」
「ああ、なのは。いや実はな、陛下からしばらく休暇を頂いてな。お前達も連れて異世界旅行に行こうかと思うんだが・・・」
「あ~、皆タイミングが悪いのか仕事だねぇ。私もこれから局の仕事だし。」
「そうか、では仕方がない。俺だけで行ってくるか。」
「あ、でもユーリはしばらくオフだって言ってたかな?」
「ふむ。ではユーリを誘ってやるか。40年前の約束果たさなきゃいけないしな。」
「約束は守らないとだね。」
「異世界旅行ですか?」
「ああ。陛下からしばらく休暇を頂いてな。どうせなら皆もと思ったんだが、生憎ユーリ以外仕事でな。だから40年前の約束を果たしに来た。」
「そういうことでしたら私も行きます。ではこれから準備してきますね。」
「俺もこれから準備するから焦らなくてもいいぞ。」
「わかりました。」
1時間後
「お待たせしました。」
「よし、じゃあ行くか。」
《輪廻写輪眼》ギン!!
ズズッ
「こいつを使えばあっという間に着く。結構魔力を使うがな。」
「それでは皆さん、行ってきます。」
「留守中は任せた。ギル、ベディ。」
「任せておけ。貴様はゆるりと休んでこい。過労死だけは御免だがな!」
過労死とか・・・お前在位中に何があったんだよ
「マスター、どうぞごゆっくり。」
「行ってくる。」
バッ
シュウウウ
ズズッ
バサッ
ザッ!
「ここが?」
「ここが異世界フロニャルド。ここに来るのは140年ぶり位か?」
「来たことがあるんですか?」
「あるからこうして左目の瞳術で来れるんだ。エルトリアもこうして移動できるが、あそこは飛雷神で跳べるから圧倒的にそっちの方が早い。」
「そういうことでしたか。」
「こっちには飛雷神のマーキングが無いからな。」
それから俺達は街道を歩いて、ビスコッティの旧友のところへ向かっていた。
「ん?あれは・・・」
「ん?おお!悠飛ではないか!久し振りでござる!」
「お前、ヒナか!見違えたな!随分でかくなって!」
「そう言うお主は若返っておらぬか?」
「転生したんだよ。14年程前にな。」
「そうでござったか。」
「てかお前、そんな喋り方だったか?140年前はそんな喋り方してなかったろ?」
「今はビスコッティの騎士をしているでござるからこの話し方になっているでござるよ。」
「あの、お館様。其方の方は?」
「そう言えばユキカゼは初めてでござったな。この御仁は龍神悠飛。異世界の住人で140年前に拙者達と魔物退治をしていた仲間にござるよ。」
「お初にお目にかかります。ユキカゼ・パネトーネと申します。」
「龍神悠飛だ、よろしくな。こっちは今回の旅のお供のユーリだ。」
「ユーリ・エーベルヴァインです。よろしくお願いします。」
なんかこの二人声と雰囲気が似てるなぁ(メタァ!!)
「それと悠飛。拙者は今ビスコッティの領主からブリオッシュ・ダルキアンという名を与えられてそちらを名乗っているから、人前ではそっちで呼んでほしいでござる。」
「無理だな。今さら呼び名を変えるなんて違和感しかねぇよ。」
「だろうと思ったでごさるよ。お主は相変わらずでござるな。」
「人の在り方なんてそうそう変わるもんじゃねぇよ。特に根っこの部分はな。」
「そうでごさろうな。」
「そう言えばあの2人は?」
「今はあの人の眠る場所で一緒に眠っているよ。」
「・・・そうか。」
「思えば140年前にお主とヴァレリーはケンカ別れしたようなものだったな。」
「まあ、あいつのことを一番よく知ってるから余計に腹が立ったんだけどな。」
「と、話をしながら歩いていたがようやく到着でござるよ。」
「着いたな。フィリアンノ城。」
「やあ、ダルキアン卿。其方の御仁は?」
「拙者の古い友人にござるよ。」
「龍神悠飛だ、よろしくな。」
「ビスコッティ騎士団のロラン・マルティノッジです。まさか貴方は伝説の?」
「ま、こいつと同じパーティーに居たのは事実だな。」
「悠飛は封印術に長けた力も持っているから、魔物の封印ではかなり助かったでござるよ。」
「本領は剣術による殲滅だけどな。」
「未だに一度も勝てたことがなかったでござるからな。」
「ダルキアン卿以上の剣の使い手とは・・・!」
「本当はあまり力を使いたくはないが、平和のためにやむ無しって感じだったのさ。」
「昔からこういう人にござる。」
「ま、今回は休暇のためにこっちに来たようなもんだ。これからゆっくりしていくさ。」
「それならこの国でゆっくりとしていくと宜しいでしょう。」
そこから俺はヒナに領主を紹介されたり、ロランの計らいで騎士団の訓練を見学したりした。
やはりこの国は平和だな。
そんなこんなで1日目が終わった。
「あ"ぁ"疲れた~。」
「あはは・・・」
「でもまさか領主が城の一室を貸してくれるとはな。」
「優しい領主さんでしたね。」
「ま、何にしても今日は疲れたからゆっくりしよう。」
そうして俺とユーリは風呂に入って、ゆっくりしてその日を終えた。
さすがのユーリも歩き疲れたのだろう、翌朝までぐっすりと寝ていた。
続く
ユーリとフロニャルド旅行1日目でした。
長くなるので分割します。
ゆっくりとこの先の展開への伏線を作っていきます。