あれから半月くらいが経過した。
結果的に某国は政府機関が再起不能にまで破壊された上、Nジャマーの影響により戦闘不能となり降伏。
管理権限を米国に譲渡することでこの粛清戦争は終結した。
そこからは国連加盟国の大多数から褒賞金8000万ドルを受け取り、この世界での資産がまた増えたことにより、
そして・・・
「それじゃあお前ら。こっちのことは任せたぞ。」
「はい。出来るだけ僕たちだけで片付けられるようにします。」
「お前と小毬、佳奈多と美魚に関しては問題ないだろうが・・・」
「・・・理樹、頑張りなさい。私も出来るだけ補佐するわ。」
「おい、悠飛。私はどうなんだ?」
「お前はまあ、小毬と理樹のサポートをしっかりな?」
「わかった。」
「それじゃあ、頼むな?本当に・・・」
「余程心配なんですね、あの馬鹿共が。」
「・・・《飛雷神の術》」バシュン!
「あっ、無言で行った。」
「あの馬鹿共は理樹にしか制御できないな。」
六課隊舎
バシュン!
「おっ、お疲れっす、悠飛さん・・・てどうしたんですか?凄い疲れた顔してますぜ?」
「・・・聞くな、ヴァイス。向こうで馬鹿共の面倒見てきて疲れてんだ・・・。」
「・・・お疲れ様です。」
「ところでお前は何やってたんだ?」
「・・・その事で総大将に相談が。」
「・・・言ってみろ。」
「なるほど、周りの成長が速すぎる上に自分の周りの才能が分かってるからこそ卑屈になってるわけだな。」
「一応フォローは入れてるんですがねぇ。」
「・・・少し心配だな。訓練場見てくる。」
「お願いします。」
フッ
フッ
俺は影から模擬戦を見ていたが、ティアナの奴、あんなのは一切教えてねぇぞ。
スバルもスバルで教えたこと全然出来てねぇし・・・
なのはも何やってんだよ・・・昨日からイライラしてんのにこんなん見せられたら我慢できねぇよ・・・
《飛雷神の術》バシュン!
バシュン!
バシィ!
ズブッ!
「!?」
「っ!」
「悠・・・君?」
「おまえら、模擬戦は喧嘩じゃあねぇぞ。」ギン!
「あっ、ああ・・・」
「こんなん一切教えてねぇ。ド基礎が出来てねぇのに無理ばかりしやがって・・・何のためになのはがメニュー組んでると思ってんだ・・・!」
「私は・・・、もう失いたくないから!無くしたくないから!」
「・・・連帯責任だ。おまえら2人、いっぺん死ね。死んで、やり直せ・・・!」
「うわぁああああああ!ファントム・ブレイ・・・」
「バースト・テンペスト・・・!」
ドドドドドドドドドドドドドド!!!!!!
「「はっ!」」
ズドドドドドドドドドドドドドドドド!!!!
ドサッ
ドサッ
「なのは、始末書書いておけよ。」
「・・・うん。」
「・・・ドタマ冷やせ、このバカ共が・・・!」
フッ
フッ
「フェイト、ヴィータ。今日の模擬戦は中止だ。」
「わかった。」
「ちょ、悠飛!」
「言うな!」
「っ!」
「何も言うな。俺がキレた理由も、ここまでする原因も・・・
「・・・うん。」
「やはり、少し帰るのが遅かったか・・・」
カツ、カツ、カツ
バシュン!
Side/Fate
「・・・やっぱり、悠飛はあの事が忘れられないんだね。」
「しょうがないと思うぞ?あれが根っこにあるから今の悠飛があるんだと思う。」
「ヴィータもそう思うんだ。」
「ま、今はアイツらを医務室に運んでやらねぇとな。」
「そうだね。ごめんね、エリオ、キャロ。今度また模擬戦はすると思うから、今日はもう待機してようか。」
「「・・・はい。」」
Side out
「全く、あまり無茶してはいけません!」
「面目ない。それに、少し大人気無かったかもな。」
「まあ、分からなくも無いですけどね。悠飛君の根っこにあれが残ってるからそうしちゃったんだろうけど、どうして何も話さないの?」
「俺達一族の話は、あの子達にとっては過酷すぎる。俺の眼のことも、俺が怒る原因も。何より、
「やっぱり悠飛君は優しいのね。」
「ひねくれてるだけだ。素直になれねぇんだよ。」
「どこに行くの?」
「帰ってきたばっかりだからな。部屋に戻って荷物を整理してから仮眠を取る。」
「ならしっかり寝てね?はやてちゃんには私から言っておくから。」
「すまない。」
それから俺は部屋に戻って、荷物を整理してから寝た。
Side/Hayate
「そうか、わかったよ。ありがとうな、シャマル。」
「ティアナも、疲労が溜まってたみたいだから今は医務室でぐっすり眠ってるわ。」
「悠君には悪いことさせたな。」
「なのはちゃんも少し思うところがあったみたいで、さっき始末書を作成してたわ。」
「うちら隊長陣とアリサちゃんとすずかちゃん、それからアリシアちゃんと管理局上層部のごく一部だけが理由を知ってるからな。それに、悠君は誰にも弱音吐かへんし。」
「そこも問題ですね。何でうちの人たちは頑固な人ばっかりなんですかね?」
私はシャマルの言葉に何も言えなくなった。
Side out
ビーッ!ビーッ!ビーッ!
「ッ!」ガバッ!
タッタッタッ
ウィーン
「はやて、状況は!」
「海上に航空機型ガジェットが出現したんやけど、動きが気になるんや。」
「動きが?」
「何するわけでもなく、ただ同じところを飛んでるだけ。」
「そうなんです。まるで、撃ち落としてくれと言わんばかりに・・・」
「どう見る?悠君。」
「明らかにデータ取りだろうな。撃ち落とされるまでの。」
「なら、作戦は決まりだね。」
「出撃は俺となのはとフェイトとヴィータで行くか。」
「というわけでフォワードメンバーは待機。俺達だけで落としてくる。」
「「「了解!」」」
「・・・了解。」
「・・・ティアナ、お前は待機から外れていろ。」
「っ!今の私は、足手まといですか?」
「ちょ、ティア!」
「・・・分かってるなら言うな。今のお前ははっきり言って邪魔だ。そんな奴が戦場に居ると、
「悠飛!」
「だったら・・・うっ!」
「シグナム!」
「申し訳ありません。しかし主悠飛のお気持ちを考えたらどうにも・・・」
「・・・気持ちは有りがたいが、今はよしてくれ。」
「はい。」
「行くぞ、なのは、フェイト、ヴィータ。ヴァイス、ヘリを出せ。」
「了解!」
Side/Eins
「お前たちの言いたいことも分かるが、主悠飛はお前たちの事を大事に思っているからこそ、あそこまで非情になれるんだ。」
「そうですね、アインスさん。」
「アインスさん、シャーリーさん・・・」
「あなたたちに話すわ。あの人が、何であそこまで非情に徹するのか・・・その代わり、あなたたちにトラウマを植え付けるかも知れないけど、その覚悟はある?」
「・・・教えてください。私たちはあの人達の事を何も知りません。知ろうともしなかった・・・」
「これから話すことは本来口止めされてたんだけど、皆のためにもはなすね。昔々、古代ベルカの聖王期に最強と謳われた伝説の人が居たんだ。その人は聖王と覇王と仲が良くて一緒に行動することが多かった。でも時代は3人の絆をいとも容易く断ち切って、その人は友を亡くした悲しみから戦場で覇王と共に駆けた。その人の戦い振りから人々は龍王、または
「
「そう。これが悠飛さんの先祖、初代天帝の話よ。そして初代天帝は一族に二度と同じ悲しみを背負わせないように一族を導いて亡くなったそうよ。でも、二代目はその初代の想いとは真逆で、力で他者を従える考えを持っていて、初代の願いは呪いに変わってしまったの。それから時代は300年程前になって悠飛さんが生まれた。そして3歳になる頃にはもう戦闘訓練をうけさせられていたそうよ。」
「3歳で!?」
「そんな・・・」
「そんな中悠飛さんが10歳になった頃、ある事件が起きたの。」
「ある事件?」
「主悠飛の兄君が、先々代によって目の前で殺されたのだ。」
「ッ!」
「それにより主は一族秘伝の最強の眼、『万華鏡写輪眼』を開眼したんだ。」
「『万華鏡写輪眼』・・・」
「昼間お前達が見た主の眼。それが万華鏡写輪眼だ。開眼条件は自身よりも大切な者の死を体験すること。それにより写輪眼は万華鏡に変化する。」
「写輪眼は心の闇と同調して個人を急速に強くさせる。闇が深ければ深いほど、瞳力が増して手がつけられなくなる。」
「悠飛さんは開眼した後、お兄さんの眼を移植してお兄さんの写輪眼と模様が重なったような眼に変化したの。悠飛さんはそれを『永遠の万華鏡写輪眼』といっていたわ。」
「話を戻すと、それをきっかけに主は自分と同じ意志の同士を集めて160年程前に力を持たない者以外の
「そんな・・・」
「それからはあらゆる世界を渡り歩いて、20年程前に地球で転生してからも、悠飛君は戦い続けて、10年前に私たちと出会った時に一度壊れているの。」
「そのときのアイツはまさに脱け殻のようだった。死んだ魚のような眼をして自問自答の日々だったな。」
「来てたの?圭吾君。」
「頼まれていたものを渡しに来たんやけど、出撃中やったな。
・・・本局大将の出河圭吾や。途中から話しは聞かせてもろてたで。
あのときのアイツは半年間テロ組織を壊滅させるために一人で戦い続けていて堕ちる寸前やったんや。」
「テロ組織の壊滅を一人でですか?」
「ああ。しかも
「っ!」
「お前らは魔法文化に染まってて、人の命を奪う感覚は分からんやろな。でもな・・・奪った命の重みで己が奈落へ堕ちる剣それが俺らが使う殺人剣や。アイツは本来戦いに向いた性格じゃないんや。でも、アイツが置かれた状況は嫌が応でも戦わないといけないところだった。だからアイツは自分の心を殺してまで戦い続けて壊れたんや。」
「そして闇の書事件で悠飛君は暴走して本に取り込まれたの。」
「そこからは主は夢の中で主はやての御両親に会い、自分のせいで殺された2人に生きて主はやてを守って欲しいと言う願いを思い出して私の所に来て、きれいな名前を授けてくださった。」
「そして8年前、ユーリ達が深く関わったエルトリア事件では左足と左腕を欠損する程の大怪我で、本当に死にかけた。俺達は普段呪いで戦闘では死ねない体なんだが、ある技を使ったことでアイツは瀕死の状態になった。」
「ある技・・・ですか?」
「一族の中でも初代と俺達にしか出来ない技、画竜点睛。それを極めた悠飛にだけ使える究極奥義・・・真・臥龍天征。己の中にあるすべての力を一撃に込めるもので、その技を使ったら最後、すべての魔力と龍の気を使い果たして戦闘不能になる。」
「あれ以降、主はその技を禁術として封印している。」
「六課設立の日に主悠飛が言っていただろ?
「っ!」
「あの人は、皆に同じ目にあって欲しくないから・・・悲しんで欲しくないからあそこまで非情になって怒ってくれるの・・・なのはさんも、自分と同じ目にあって欲しくないから、本当に一生懸命になって、考えてくれてるんだよ・・・」
Side out
その頃海上では
ゴォオオオオ!
「ヴィータ、ラスト一機任せたぞ。」
「おう!アイゼン、フォルム
《exploration》
ガシャ!ガシャ!
《Rakaten form》
「ラケーテン・ハンマァァァァァ!!」
ズドン!
pppppppppp
「残存なし、応援もないな。ロングアーチ。こっちの状況は終了だ。これより帰投する。」
『うん。迅速に状況終了やね。それから悠君、圭吾君から預かりものあるから後で渡すな?』
「あいよ。ヴァイス、帰投するぞ。」
「了解。」
「何!?俺達の事を話しただとぉ!?」
「ごめんなさい!なんか見てられなくて。」
「お前なぁ、何のために隠してたと思ってるんだよ?」
「ダメだぜ?口の軽い女はよ。」
「まあ、過ぎたことはしゃあないやろ。」
「お前が一番とめろや!何で混ざって全部吐くねん!?」
「いずれバレることやろ。早いか遅いかの違いやん。」
「早すぎるわアホ!特にエリオとキャロの教育によろしくないやろうが!!このど阿呆!!」
「あはは・・・」
「なんだか懐かしい光景だね。」
「なのはさん、フェイトさん、ヴィータさん。悠飛さんってあれが素なんですか?」
「そうだね。」
「圭吾達一族の出身者はああなるよね。」
「ったく。それで、ティアナはどこに居る?」
「それなら多分・・・」
俺となのははティアナの所に向かっていった。
カツ、カツ
「やはりここに居たか。」
「・・・なのはさん、悠飛さん。」
「よっこらせっと。」
「・・・シャーリーさんから聞きました。」
「なのはさんの失敗の記録?」
「それとも俺の散り様か?」
「い、いえっ!?」
「冗談だよ。」
「無茶すると危ないんだよってことだよね。」
「・・・すみませんでした。」
「まあ、ちゃんと反省はしてるからあまりとやかくは言わんが、もうひとつお説教だな。」
「ティアナは自分の事を凡人だと思っているけど、ティアナも皆も今は原石の状態で、今は分かりにくいだけなんだよ?」
「まず、スバルはクロスレンジの爆発力、エリオはそのスピード、キャロの優しい支援魔法、そして4人を指揮するティアナは幻術を使って仲間を守りながら戦うガンマンってところなんやけど、まずはお前には基礎体力を上げておいて、そこからいろんな幻術や俺となのはの射撃術を教えて行くつもりだったんだ。」
「でも、ティアナの考えは間違ってもなかったんだよね。」
「そうだな。」
そうしてクロスミラージュのテストモードをリリースする。
「ほら、命じてみろ、モードIIって。」
「モード II。」
《Duggar mode》
「え、これって!」
「お前は執務官志望だから、どうしても凶悪犯罪に関わってくるからそれに備えてな。」
「でも、私の教導って地味だし。」
「ずっと基礎練習ばっかりで、成果を感じられなかったんだな。一番大事なときに居てやれなくてごめんな?」
「うぅ、うわぁああああああ!ごめんなさい!ごめんなさい、ごめんなさい!」
「今は泣け。そして今度からはちゃんと俺達に相談に来い。強くなるためにいくらでも協力してやる。」ポンポン
こうしてティアナの劣等感をぬぐい去ることが出来た。大事なときに居れなかった分、居るときは出来るだけ力になってやろうと思った。
この一件からフォワードメンバーの結束力が向上してコンビネーションが上手くなっていった。そして今までよりも俺の経験を頼りにしてくれているので教え甲斐が出来た。このことで、過去を教えて良かったのかもなと思った。
おまけ
「圭吾、止めなかった罰として3日間三食激辛麻婆豆腐決定な?」
「ひでぇ!」
「・・・あのぉ、私はどうなるんですか?」
「今回だけは見逃してやるが、次はないと思えよ?」
「なんで俺だけ!?」
「お前は確信犯やろが!!」
「それの何が悪い!」
「・・・一週間三食愉悦麻婆豆腐決定。」
「ぎゃあああああああ!!」
(もう二度と喋らないでおこう・・・)
続く
結構長くなりました・・・
一気に書くものでは無いですね。
4/11加筆修正しました。
次回
六課の休日