陽炎は煌めけり   作:etis

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夜、海の近くにあるこの港には、ざわざわとした海の音と、うごめいている街の音が聴こえる。

陽炎は、その音を聞くのが好きだった。

夜の音は、真っ黒な月の出ない夜でも、まん丸とした月の夜でも、同じように聴こえる。

海の上には敵がいるに違いない。アイツラはどこで寝るのだろう?

目を凝らしてみても敵の姿はどこにもない。

街の中に生きる人達の姿を想像し、敵の姿とオーバーラップする。

居酒屋を飛び出す殴りあう男たち、囃し立てる女、仲裁に入ろうとして殴られる店主、殴られ、吹き飛ぶ瞬間の笑った顔がアイツラの顔と重なる。ネオンの光がまるで砲火のように光り輝いて、血に濡れた頬を拭いながら立ち上がる店主の顔はゆがんでいる。女はくるくると周りながら踊っている。片手に酒瓶を持ち、皆で飲み交わしながら。笑いながら、彼らはただ店ののれんに享楽を投げかけながら街に消えていく。後にはただ一人、鼻から血を流し続ける男が、拭った右手をエプロンの内側に入れて、鬱蒼(うっそう)と笑みを浮かべている。

どうして深海棲艦と人間は殺しあっているんだろう?

艦娘として生きているうちに忘れていったその疑問。

薄れていく普通の女の子としての、普通の人間としての感覚。

たくさん、たくさん、たくさん殺してきた。

化物どもを殺してきた。

水底は死体でいっぱいだ。

陽炎の後ろには死者の列ができている。

それはとても暗い(こん)の、まるで月も星もない夜の海のような色の服を着た死者の列。

死臭が漂う。木片が飛び散る。砲塔が破裂する。水面に叩きつけられる。

訓練の合間に、海に横たわると、ふと思い出す。

この前に殺したあれ、なんか言ってたなあ。

何かを伝えようと震える口らしきもの。

私は、無感情に連装砲を向けて頭を撃ち抜く。

はじけ飛んだ肉が、血が、薄れていく。

自壊していく。

艤装がすべて剥がれて、中から真白な、人間の肌が見える。

顔を覆っていた醜悪な化物がずるり、と落ちる。

その途端に見えたもの。

それは無二の親友、不知火の、額を穿(うが)たれた顔だった。

 

 

ばっ、と体を起こした陽炎は、荒い息をする。

鎮守府に帰ってきた陽炎は、疲れきってしまい、部屋に戻るとすぐに眠りに落ちていたのだった。

ベッドのカーテンを開ける。二段ベッドの上から狭苦しい部屋の中央に降りると、窓を開ける。涼しい夜風がほてった体を撫でる。悪寒が止まらない。

さあっと木々を風が震わせる。

机に置かれた鏡を見ると、土気色をした顔がある。

ふっと笑うと、壁にかけられた時計を見る。二一四五。

リボンを取って、顔を洗いに部屋を出る。

洗面所に向かう。鎮守府は静かだ。

まだみんな談話室にいるのだろう。

そのまま建物を出て提督の部屋に向かう。

廊下の、鏡のようになったガラスで、髪の毛を整える。タイがよれていたので、これも結び直す。

ふぅ、と息をついて、歩き出す。

部屋の前に立って、深呼吸を数回。

意を決してノックをする。

「提督、陽炎です」

入れ、という言葉を受けて、陽炎は扉を開けて部屋に入り、まず敬礼をする。

提督はこちらを向いている。服装はラフな、ただの白いシャツだ。

「いや、いい。今はプライベートだ」

「はぁ……」

生返事をして陽炎は体を休める。そう言われても困る。

提督は立ち上がり、壁に置かれた戸棚を開けてごそごそとなにやらグラスと瓶を取り出す。

どうやら酒のようだ。

「飲むか?」

陽炎は躊躇(ちゅうちょ)しながらも、「……少しなら」

彼は嬉しそうに頷くと、控えめながらも、ダイアモンドのように光を乱反射する細工があるそのグラスに、琥珀色の液体を注ぐ。

「ウイスキーだ。飲兵衛の軽空母連中からかっぱら……もとい。没収したんだ」

飲んだことがないわけではない。なんだかんだと飲みたがるような奴はどこにでもいて、それに流される場というのも存在する。自分自身、そこまで強いと思っているわけではないから、よくよく抑えて飲むようにせねばなるまい。不知火のような醜態……痴態を晒すのは御免だ。

提督からグラスを受け取ると、一口飲み、腔内で揺らす。強いアルコホルが鼻の奥をつつきまわし、ほんの少しだけえづきそうになる。ぐっとこらえて飲み干すと、とたんに喉が、臓腑(ぞうふ)が日に焼けた装甲を触ったときのように焼ける感じがする。

勧められて、木製の椅子に座る。机を間に挟んで、陽炎は右手にグラスを持っている。窓から月のひかりが差し込んで棚の近くに立つ彼の横顔に影を作る。

そういえば、不知火は酒が嫌いだった。ずいぶん昔、醜態を晒したとき以来、彼女は酒をどんなに進められても飲まなくなった。

あのときは大変だった。絡み酒、というのだろうか。いつぞやの忘年会、羽目を外したどこかの馬鹿が火酒(かしゅ)を持ち込んで、しかもそのことを言わずに誰かれ構わず勧めたり、飲み物に混ぜたりした。運悪く林檎ジュースに混ぜられた火酒を一息に飲み干した不知火は、気づいた時にはグラスを握り、顔を俯け、なにやら不穏な雰囲気を醸していた。心配に思って声をかけると、その途端陽炎は不知火に押し倒されていた。タイを外し、ボタンを外し、スカートを脱ぎ捨て、紅潮した頬、ぞくぞくとするようななまめかしい吐息を耳に吹きかける不知火。ふと気づくと、陽炎のシャツもボタンを外されている。不知火の、意外と少女趣味なブラジャーに包まれた、これも羨ましいくらいに真っ白な胸の周りのほくろが何故か色っぽく見えてしまった。周りのやつらは揃いも揃って火酒にやられて前後不覚なのが恨めしいが、逆にこんな姿を見られなくてよかったかもしれないとも思う。あ、なんか別にこれはこれでいいかも。別に不知火のことは嫌いじゃないし、それどころか……なんて思ってしまったのは一生の秘密だ。さておき、見目麗しい少女2人(断じて2人だと主張しよう)が絡み合っているのだ。それも、淫猥な雰囲気をくゆらせ、濡れたような瞳をした少女が、もう一人のいたいけな少女の唇を奪おうとしているのだ。実に不知火が陽炎に迫ってくるあの図は耽美なものだったに違いない。

その一瞬後に不知火が吐かなければ、だが。

途端に狂宴は地獄絵図へと変化し、陽炎は、不知火のみならず、それに感化されて吐きまくる馬鹿どもを介抱する側に回らざるをえなかった。陽炎は、ひと通り終わった後に、年嵩(としかさ)の、飲むことに慣れた者達とまだ残っていた火酒を処理する場になぜか飲み込まれた。そして、不本意ながらもアルコホルとのつきあいかたを教わったのだった。

そんな四方山事(よもやまごと)を考えているうちに瓶をしまった提督が、机にグラスを置いていた。

「さて……」

提督は椅子に座り直すとそう言って、グラスを傾ける。

「何から話すか……」

深く座った彼は、陽炎とは違いやはり飲み慣れている様子でグラスを置く。

身を乗り出して両手を顎の下で組むと、彼は話しだした。

「深海棲艦について、陽炎はどれだけ知っている?」

「は?」

深海棲艦?

「俺達人類の敵、深海棲艦について、陽炎はどれくらい知っているか? 奴らの目的、総数、生息地、行動範囲、速度、大きさ、生命か否か、武装の性能、装甲の強度、機動性、艦隊運動の巧拙(こうせつ)、なんでもいい。知っていることを改めて考えてみてくれ。どれだけのことを知っている? いや………………どれだけのことを知らない?」

「……それは」

「誰も奴らがどこから来るかも、何のために俺たちを目の敵にするのか、あるいはそもそも本当に俺達の敵なのか、ただたんに他に目的があって、それに邪魔だから俺たちと戦うのか、俺達を皆殺しにすることが目的なのか、どこで活動に必要なエネルギーを補給しているのか、奴らが放つ砲弾の出処は、死んだときに奴らが崩壊していくのはなぜか、やつらは生きているのか、知能を持っているのか、ただの機械なのか、誰かに指示されているのか、本能に付き従う下等生物なのか…………わからないことばかりだ。だが、わかっていることが一つだけある。そして……、艦娘には知らされていない事実」

提督は、重々しく言葉を切った。

陽炎は息を飲む。

「…………薄々は気づいているかもしれない。けれど、これを伝えることで、たぶんお前らは俺に失望してくれる。そう思うから、俺は伝える。お前たちに対する絶対的な裏切りだからだ」

彼はグラスを大きく傾けて、残っていた酒を飲み干した。

たん、とグラスを机に力強く置くと、大きな音が響く。

「艦娘が沈んだ後、何になるか、知っているか?」

陽炎ははっと目を見開いて、黙っている。

「そうだ。深海棲艦だ。お前らは死んだ後、そのまま安らかに眠ることはできない。深海棲艦となりかつての仲間達に牙をむかねばならない」

「けど! それは噂だと、根も葉もない信憑性のない流言だと」

「それもまた、軍令部が出した真実をもみ消すための噂だ。このことを知っているのは艦娘に関わるような高級軍人の、そのまた一部くらいだ。なぜそうなるのかは誰もわかっていない。ただ、わかっているのはそういうことがあったという事実だけだ。艦娘の一部に識別票が付けられているのは知っているな?」

「はい」

ドクドクと血液が流れる音がうるさい。

「あれはその実験の一貫だ。提督の作為、軍令部の無作為によって選ばれた艦娘に付けられたその識別票は、ただ単なる提督のお気に入りを表すだけじゃない。あれは、その艦娘が死んだ後にどうなったかを追跡し、探るためのものでもある。……あれを付けた艦娘、戦艦だった娘がいたらしい。彼女は彼女の提督のために戦い、国のために戦い、民のために戦い、そして、死んだ。けれど、彼女の御霊(みたま)も肉体ですら休息を得ることはできなかった。数カ月後、彼女の識別表を首に下げた戦艦ル級が観測された。……遭遇した艦隊は、彼女のいた艦隊だった。もう一度彼女を殺したのは、その艦娘の姉であり、その命令を下したのは彼女に識別票を渡した提督だった……」

悲劇だ、と陽炎は思った。途方も無い悲劇だ。そして、喜劇でもあると思った。神様やあるいは仏様というのがいたとして、どこまでそれは無慈悲で、冷徹で、そして、愛も憎もない無関心を人に向けているのだろうと想像した。艦娘が、ただの人間ではないということは知っていた。知っていたし、深海棲艦に変化するという噂を聞いたときに、嫌な想像をしたことだってある。

不知火を殺すか、不知火に殺されるか。あるいは提督に殺されるか、提督の愛する艦娘を殺すか。

あれこれ考えてみたところで、陽炎自身がどうしたいのかは全く見えてこなかった。どうしようもないのだろう、と嘆き、涙を流しかけることもあった。しかし、艦娘であるという性質に怖気(おじけ)を抱いて、逃げ出すことは全く持って、赫々(かくかく)たる意志を持って認めることはできない。誇りある駆逐艦娘として、提督からの信頼、仲間からの信頼、そして自らの持つみなへの信頼を貶める(おとしめる)ことはできない。いや、したくない。

そして、陽炎は、彼の先ほどいったことが全く的はずれであると思った。

ゆっくりと顔を上げたあと、陽炎は立ち上がると提督の机に近づいて、グラスを静かに置いた。

「提督、私はあなたに裏切られたとは、ちっとも思わないです。あなたは何も言わなかった。嘘をつくこともなく、だますこともなく、ただ何も言わなかった。そうしなければならなかったからそうした。そのことを理解できないわけではありません。ですが……」

陽炎が口を閉じたのを不審に思ってか、提督が呼びかける。

「陽炎……?」

その瞬間陽炎が、バンッと大きな音を立てながら机を両手で叩く。

振動で書類が吹き飛ぶ。ひらひらと床に撒き散らされた。

「ですが! 提督!? 感情的には全くもって気に食わないのよ! なんで言ってくれないのよ! いや、言ってくれるはずがないってわかってる! 提督はそういう人だから、そう、そのとおりよ! けれどね、私たちはそんな柔い女じゃないわ。絶望してしまわないか、なんて心配はおせっかいよ! 提督、これだけは言っておくわ。私達を、艦娘を、いや、『女の子を舐めるな』!」

一息に言い放つと、陽炎は大きく肩を上下させながら、ふぅふぅと息をつく。

提督はあっけにとられたように陽炎を見つめている。

そう思っていると、じわりじわりと彼は笑い出した。

「はっ、ははっ……」

「……なによ! なにかおかしいかしら!?」

しだいに大笑いになっていく提督にうろたえる。提督はひとしきり笑いこけると、目尻の涙を指でぬぐう。

「陽炎」

「な、なに?」

「ありがとう」

にっこりと、つきものがとれたような提督の笑顔と、その言葉に陽炎は顔を赤くする。

かろうじて、こくこくとうなづく。

笑いを抑えながら、提督は立ち上がるともう一度瓶を持ってきて自分のと陽炎のグラスに酒を注いだ。

「馬鹿な話だ。女のほうが強いっていうのは本当なんだな」

「と、当然よ」

陽炎、と提督がグラスを持ちながら呼ぶ。陽炎もグラスを持ち、グラスをぶつからせる。

きん、と、高く透き通った音が部屋に反響する。

酒がゆれているのを口に運ぶ。ちびりちびりと飲んでいる陽炎を、やはり笑顔で提督がじっと眺めている。

それが恥ずかしくって、顔をそむけながら聞いた。「……どうしたのよ」

「いや、なに。陽炎」

提督の頬が少し赤いような気がするが、アルコホルのせいだろうか。

「好きだよ」

聞いた途端、酒を吹き出した。

「うぉっ!? 陽炎、大丈夫か?」

運良く吹き出した方向は机の上じゃなくてよかったが、むせた陽炎は体を丸めて咳をする。

その背中を提督がさする。

背中を大きな手が撫で擦っている。

咳がひと通り収まっても、陽炎は背筋を正さずに、擦られるままにしている。

アルコホルの熱とは違う熱を、あったかさを、心地よさを、背中に感じる。

なんともないようにしている陽炎が起きないのを見て、提督が、陽炎? と呼びかけた。

陽炎はよし、と気合を入れて、机の上に置かれたグラスを取り、一気に飲み干す。

けっこうな量の酒が一気に頭を焼き付かせる。

「お、おい、一気飲み!?」

陽炎はそれに答えず、いや、答えられない。

好きだ。好きだ。好きだ。それだけが頭の中で発動機の音を響かせながら飛び回っている。迎撃する側すらもその言葉に魅了されている。頭のタガが外れている。好きだ好きだ好きだ。好きだと言われた。そのことが、さっきの言葉の抑揚、調子が、またよみがえる。笑顔が見える。

ふと、陽炎は彼の首に勢い良く抱きついていた。

ほてった顔を、彼の横顔に合わせて、囁いた。

大好き。

途端、狼狽する彼がバランスを崩し、倒れこむ。

胸を押し当て、彼の体を感じる。倒れこんだ彼の両足の間に体を入れる。

膝立ちになった陽炎が、提督を見つめる。

後ろに手をやって座り込んでいる提督が、陽炎を見つめる。

月光が陽炎の横顔を照らしている。

とろん、と酒に酔った顔をして、濡れた瞳をした陽炎は、ゆっくりと顔を彼に近づけてゆく。

両手を提督の肩について膝を曲げていくと、彼が陽炎の両手にを手をそっと添えて、彼も膝立ちになる。

提督は勢いを殺された陽炎の手を、自らの手で握り、指を絡ませる。

その動作が、とてもゆっくりなので、陽炎はなぜか恥ずかしく思って、顔を赤らめて、そっぽを向いた。

「陽炎」

そう呼ばれて、顔を向けると、真面目な顔で提督が陽炎を見つめている。

「……いつもそんな顔してればカッコイイのに」

「……悪かったな」

提督は憮然として眉をしかめるが、すぐに笑みに変わる。

陽炎も、くすりと笑った。

「……いいですよ」

陽炎は、ただ、それから先のことを誰にも語りはしない。

一つだけ陽炎が言えることは、とても幸せな気分だった、ということだけだ。

 

 

後日、提督は結局陽炎にこう話した。

あの葛藤はどうなったのか、という顛末だ。

「まあ、なんとかなるさ」

「はあ?」

「俺は刹那の快楽に生きる!」

あっけらかんといいのけた提督に陽炎は青筋を立てる。

「…………艦娘の握力って、知ってる?」

陽炎は青筋を立てて、白手袋をはめた右手を握りしめる。ギチギチと手袋が悲鳴を上げる。

「待て待て待て! 考えた末の結論なんだから待ってくれ!」

「……ほう。言い訳を聞きましょうか」

「考えても仕方ないって、諦めることにしたのさ。それに、俺が失敗しなきゃいいんだろ? そうすりゃお前が深海棲艦になることもないし、みんなも幸せ俺も幸せだ」

「………………あのねぇ」

眉間にしわを寄せて、指を頭に当てて、陽炎は嘆息する。

「それに、だ」

「ん?」

「好きな気持に嘘は付けんだろう」

陽炎は満面の笑みの提督に悪態を付くように言い返すことしかできない。

「……ええ、そうですね! ふん!」

提督を意地でも見るまいと腕組をしながら顔をそらす陽炎だった。

もちろん、何も解決していないことは明らかで、刹那の快楽に生きる、未来への不安はそこに堆積しているが、提督はそれを見つめた上でそう言っているのだろう。そのことがわかっている陽炎は、なにもいうことはない。ただ、陽炎も前を見つめて、そして、絶望しながらも、毎日に希望を持って生きるのみだ。ただ単に、絶望を前に尻込みしているのは、やる前に負けを決めるのはいやだ、そういうことだ。そう心に決めたのだ。

今日の絶望と明日の希望。

今日の希望と明日の絶望。

それは背反であり、排反ではない。矛盾であり、恒真である。

ごたまぜになったそれが途方もなく愛おしい。

ただ、日々を漫然とではなく、ぴんと張った帆が潮風に吹かれるように、昨日を追い抜き、今日を捉えて、明日を目指す。

それが、生きるということなのだと思う。

ふと、提督が陽炎を呼んだ。

「陽炎」

「ん、なあに?」

「これからも、よろしく頼む」

提督の言葉に、陽炎はにやりと笑うと、こう答えた。

「やっと会えた! 『私の提督!』 よろしくねっ!」

彼女のいたずら気な笑顔はまさしく春の陽炎を思わせる暖かなものだった。

そして、陽炎の髪は真新しい、刺繍の美しいリボンでくくられていたということを記して、筆を置くことにする。




陽炎さん可愛い。

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