とあるオタク女の受難(刃牙シリーズ編)。   作:SUN'S

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第5話

Ρ月ゑ日

 

なぜか神心会総本部へと招かれた。

 

とりあえず、門下生や愚地さんの邪魔にならない道場内の隅っこに座ることにした。門下生の打つ正拳を受け流す愚地さんの動きの繊細さに驚きを隠せない。あんな分厚い胸板を持ってるのに、回し受けや手刀受けのような基本技を重視している。

 

よく観察すれば分かることだけど。

 

同僚の正拳や足刀は相手を倒すために特化しているから速い。その代償として愚地さんのような繊細さを失っているわけだ。

 

私はアギト「特注」を使えば愚地さんの精密機械のような空手を八手まで防ぐことは出来るだろうけど。その後は抵抗できずに殴り殺される未来しか思い浮かばない。

 

汗だくの同僚へタオルを渡せば「サンキュッ」と頭を撫でてきた。んんっ、整えた髪の毛を混ぜるのはやめてほしいな。

 

突如、私へ向かって飛んできた2リットルのペットボトルを弾くことが出来ず切り裂いてしまった。なんか「紐切り」とか囁いてる人が居るけど。

 

これはこそぎ落とす十指(レイザーズ・エッジ)だからね?

 

Ρ月∠日

 

あの少年、範馬刃牙君の仕合を観戦しようと同僚が誘ってきた。もっと安全な場所はないのだろうか?なんて考えながら危険人物を避けるために同僚の背中を付いて回る。

 

私は同僚曰く、特等席という出入口付近にて闘技場を見下ろす。華々しい声援を受けながら入場してきた範馬君を眺め、挑戦者を見れば「巨人」としか表現しようのない人が入場してきた。

 

たぶん、どこかで見たことがあるんだよ。

 

ダメだ、思い出せない。

 

ただ、アナウンサーの言葉は範馬君への大きすぎる声援のせいで聴こえない。あんなヤツと戦うのは無謀なんじゃないかな?そんなことを思っていると同僚の「レスラーの出る幕じゃねえっての…」という声が聴こえた。

 

たしかに現代社会ではプロレスは子供騙しの御遊戯格闘技なんて呼ばれてるけど。

 

実際のプロレスは「受け」ることに関しては他流との追随を許さないほど完成している武術系統の一つだったりする。

 

まあ、範馬君は身長差を補うために飛び技を多用するつもりみたいだけど。レスリングやサンボみたいな未完の格闘技と違って部位破壊を前提とした掴み技や絞め技を使ってくる相手には餌でしかない。

 

Ρ月℃日

 

昨晩、会場の熱気でクラクラする頭を落ち着かせるために地下闘技場の通路を歩いていると範馬君に似たような雰囲気の男の人と遭遇した。

 

なぜかヨダレを垂れ流しており、大きな声で「最高の御馳走だアァァッ!!」と叫んでいた。あんな男の人でも好きなご飯が出るって分かると子供みたいに喜ぶんだなぁ…。

 

あと、愚地さんが闘技場で戦うそうだ。そこまで深い理由は知らないけど。ずっと探し求めていた宿敵と再会したらしい。

 

愚地さん、わりと一途な人なのかな?

 

相手の使用する流儀は無形とのことだ。

 

それゆえに今まで戦ったことのない臥王流二虎流、同僚の喋ってしまった怪腕流と戦いたそうだけど。私は格闘技の有段者じゃないし、そこまで強くないよ?

 

まあ、手伝えることは手伝いますけど。

 

私が無理だと思ったら止めますからね?ぜったいに私のことを引き止めようとしないでくださいよ?その条件を飲んでくれないと組手しませんからね?

 

 

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