今回なんか………構成が、おかしい気が………
それではどうぞ!
統一暦1925年12月28日 午後
陸軍航空士官学校 第三講義室
その教室は、多くの学生でごった返していた。そこに、幼女と少女が入ってくる。
「……………ふむ、ふむ。よろしい、では講義を始めようか」
そう言って、ターニャは黒板の前に立った。その脇、邪魔にならぬ位置にヴィーシャが控える。
「世間は年末の休みに入った頃だが、諸君らは講義という任務ご苦労。だがまぁ、諸君らも明日から休暇だ。今年最後の講義であるから、皆頑張りたまえ」
さらに、とターニャは学生らの後ろに座る人々を見やる。
「そして、本日の講義は何名かの聴講者をお迎えしている。まぁ、だから何か変わるわけでも無いがな。それでは、講義内容に入ろう」
この講義では、参考書等は一切用いない。それは、ターニャの仕事ではない。彼女の職務は、即ち
「私の担当は、と言うより求められているのは『魔導師の運用法』について、だ。諸君らは魔導科の一号生および二号生である。士官候補生たる諸君らは、いずれ魔導師部隊を率い、作戦を立案するようになるが、その時に必要な事柄を知らなくてはならない。知識が不要となる事はない!それをよく覚えておきたまえ——————
「そもそも魔導師という兵科がある理由は何か?よく、魔導師はこう評される。“航空機に準ずる速さ、快速戦車並みの装甲、歩兵並みの万能性”と。
「だが…………それは
「ならば何故、近代戦においてこれ程までに魔導師が重宝されるか?それは魔導師が、あらゆる兵科を代用可能だからだ。本物に一歩譲る性能とは言え、それは戦場では凄まじいメリットとなる。
「だが、その運用法を誤ると宝の持ち腐れも良いところとなる。ではどう使うべきか?私の祖国、プルッツェン帝国は“集中運用”という道を選んだ。帝国以外でも、協商連合や共和国、連合王国などもそういった方式を採っていた。この方式のメリットは…………
「作戦における柔軟性が上がる、部隊運用が容易になる、だろう。そして、帝国では更に一歩進み、ある実験的部隊を創設した」
ここで、ターニャは一瞬だけ回想する。あの、軍大学での対談を。ああ、思えば随分と、遠くまで来たものだ…………
「参謀本部直属のその部隊の目的、それは主戦線における敵勢力の駆逐。攪乱。そして、突破浸透襲撃である。これにより、敵を疲弊させる。そして、誤認させるのだ。何が本命なのか。何が目的なのかを
「これが、協商連合、そして共和国撃滅の要となった訳だ。我々は主戦力ではない。が、敵にはこれが本命と、そう思わせる事が、あの部隊の目的だった
「少数の精鋭を集中運用し、敵を攪乱する。その隙に、友軍主力が不意をつく。帝国にとっては、これが最適解であった。
「さて、しかし諸君は帝国軍人ではなく、皇国軍人である。そこで、皇国の状況を鑑みた上で、これを多少改変してみよう
「現在、皇国は四方を仮想敵国に囲まれている。これは、開戦前の帝国と実によく似ている。北は連邦、西・南は連合王国植民地、そして東には、合州国。それではどうするか?
結論、無理。米帝にボコボコにされるのが関の山。ターニャは内心そう考えていた。が、無論そんな事を言えば国際問題だ。まぁ、この世界ではもはや他国。自分の事ではないし、ターニャはあくまで自分の妄想を、それっぽく語ってみる。
「帝国と同じだ。
「私が考えるのは、これもやはり集中運用だ。魔導師の機動力で戦場を駆け巡り、敵戦線を掻き乱す部隊を創設。そして…………これは私の戦訓であるが、一部隊ではやはりどんな精鋭でも消耗が早い。本来ならば補充兵を拡充すべきだが、運用上練度のばらつきは避けたいし、最低限の能力は欲しい。ならばどうするか?やはりここでも運用法だ。
「使うべき所で使い、要らぬ所では別部隊に任せる。無論出し惜しみは論外であるが、しかし無意味な酷使は部隊損耗を早めるだけだ。特に、物量に優れる相手との戦争では、劣勢側は余りの損耗を許容できないからな。
これまでの所、帝国はそこまで物量差のある相手とは戦っていない為、203はそこまで酷くはなかったが……
もし対連邦、対合州国となった場合、少しの損耗でもこちら側は致命的となる。独ソ戦、ソロモン海戦線あたりががいい例だ。もっとも、そうなった場合損耗云々関係なしに勝ち目が全く見えないが………
「あと、すべきなのはやはり海軍との連携だ。我々も海軍とはよく合同作戦をしていた。皇国は強大な海軍を持っているのだから、やはり彼らと協力すべきだ。対立は何の利益にもならんからな
貴重なリソースの無駄遣いなど、あまりに無意味、無能、不合理にすぎる。日帝はここを最後まで理解しきれなかった。
「………おや、そろそろ時間か。では本日はここまでとする。次回講義は来年になるが、そこからは各戦線における運用具体例について………まぁ軍機に触れない程度に解説していく。質疑応答、何か………………」
少佐!少佐殿!と質問者が相次いで挙手する。かなり暑苦しいその状態に、ターニャは若干うんざりした顔になるものの、丁寧に一人づつ聞いていった。
……………そして、後ろの席では
「………………ほう、なるほど。魔導師の集中運用、敵勢力の攪乱、か」
一人の聴講者が、目を細めしきりに頷いていた。ターニャを真剣に見つめ、ぶつぶつ独り言を言っているその男。
彼の名は、陸軍参謀鈴本倉作少将。参謀本部第3部部長という超エリートである。この講義に感銘を受けた彼の手により、後に魔導師運用の大改革が試みられる事となる………………
「………………そして、海軍との、連携ねぇ………」
…………ただし、その方向性は、帝国とは違う、かなりな独創性を含むことになるが…………………
※
統一暦1926年1月10日
帝国大使館
「ほう、そんな事が……………」
その日、オットー大使は公務室で将棋を指していた。相手は
「ええ………ふふふ、彼女も実に有能ですよ。我らに戦う術を教えてくれているのですから」
怪参謀、辻本中佐。その瞳は、丸眼鏡に隠れ窺い知れない。二人は、“計画”について密談する時こうして、将棋を指す事が多かった。
「しかも、学生の間から絶大な支持を集めているとか。これで、また一歩動きましたな」
「そうですなぁ。……………聞けば、南方大陸の
「ええ…………これで皇国という仲間ができれば、もはやこの世界に敵など居なくなりますよ」
二人は、実に上機嫌だった。新たな
ただ、気がかりなのが一つ…………
「しかしあの男も実に強情ですな。…………いや、あの組織そのものが、かな?」
「……………いえ、一枚岩の組織などありませんよ。かならず、切り崩せる場所がある。————————例えそれが、世界第3位の大海軍であっても」
にやりと、辻本はそう言って嗤う。あの分からず屋の海軍次官、山野四六中将を、思い浮かべながら………………
地の文少なすぎィ!いかんでしょこれは。でもこれ以上ましに書けない………
ターニャの講義内容は、概ね幼女戦記原作の内容に………というか、第一巻でゼートゥーアに語りまくっていた所に沿っています。それ以外は、ターニャが実戦を経て考えてそうな事をいくつかブレンド………
さぁそして、いろいろ動き出していますよぉ!第二章いよいよ後半張り切っていきましょう!
次話!明日の昼!多分!!(長くは語らん!)
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