幼女極東戦記   作:信濃氷海

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もう20時余裕で過ぎてるよ…………

内容は考えてあるんだが、文字に起こすと全然書けないどうも私です。遅れてごめんね土下座

それでは、(久々の)本編どうぞ!!


第三章 踊る謀略、嗤う幼女
第十四話 開幕は笑みと共に


統一暦1968年10月8日

アルビオン連合王国首都 ロンディニウム

 

 

 ……………彼は行き詰まっていた。昨年より始めた“大戦の真実”を調べる取材、それが、最近どうも鈍りつつあった。

 

「…………共和国陥落までは、掴めた。しかし、その後は…………」

 

 真実の鍵となる、“プルッツェン帝国陸軍第203航空魔道大隊”の足跡は、困ったことにそこで完全に途絶えている。辛うじて掴めたのが、この大隊が逃走寸前の共和国軍残存兵力を捉え、ブレスト軍港で奇襲殲滅したこと。だが、それ以降は全く分からない。

 

 当時の兵士や将校に話を聞いても、解散したとか、その後も存在するなど、その回想は余りアテになるとは言い難い。

 

 …………が、一つだけ、有益な情報を得る事はできた。それは、かの203大隊の指揮官の名前。

 

「………………ターニャ・フォン・デグレチャフ、か」

 

 当時…………1925年時の階級は少佐。当時極めて珍しかった女性士官の一人であり、しかも“ラインの悪魔”と称されたネームドというエリート中のエリートだ。年齢は不明だが、最前線部隊の指揮官であるからにはかなりの若さだろう。恐らく20代後半あたりか………………?

 

 目下、彼女について調べるほかあるまい……………ワールド・トゥデイズ・ニュース記者、アンドリューはそう言ってタバコを灰皿に投げ込んだ。

 

 …………………一ヶ月後、ようやくアンドリューは、彼女についての情報に辿り着いた。しかし、その場所は…………

 

「……………なんで、秋津洲に?そしてこれは………」

 

 ほぼ散逸した秋津洲皇国の機密文書。数少ない残存書類の一つに、彼女はいた。

 

「……………『東南事変対策会議 議事録』?だが、出席者のこれは………」

 

 帝国大使館附陸軍武官 ターニャ・フォン・デグレチャフ少佐

 

 ……………彼は、震える手でページをめくる。そこには——————

 

 

 想像を超える謀略が、記されていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

統一暦1926年3月20日

皇都東京 陸軍参謀本部

 

 

 そこは、異様な静けさを保っていた。

 

「すなわちこれは正しく天啓!神が我々に、連邦を滅ぼせと指し示しているのであります!」

 

 全ての部長と、次長、総長が臨席する最重要会議。そこでは、特別に臨席を許された一人の男が、熱弁を奮っていた。

 

「連邦は今!帝国への侵攻のため極東の兵力を尽く西方へと向けている!好機、正しく好機!!」

 

 と、恐る恐る声を出す一人の参謀。

 

「………そ、それは分かった。対連邦戦については、私も納得しているし、賛成もする。……………だ、だが何故、それで“()()()()”の話になるのだ?!」

 

 “(連邦)”の話のはずなのに、配布された機密計画文書に書かれていたのは“南”のことだ。参謀らが混乱するのも無理はない。

 

 が、()は薄ら笑いでそれを一蹴する。

 

「おや、お分かりになりませんか!陽動に決まっているではありませんか!!連邦の目を、欺くための!!」

 

 そもそも、と彼、辻本信政中佐は詰る。こんな事になったのは、()()()()()()()()、と。

 

「侵攻以前に、その情報が掴めていれば…………………いえ、もう掴んでいたはずなのですがな!!嗚呼、やはり上坊()()は極めて有能だ。自ら敵地を偵察し、さらに各監視所の情報をつなぎ合わせ、見事真実を見つけ出したのだから!!」

 

 だが、それは握り潰された。他ならぬ参謀本部によって。

 

「…………()()()()()()の副官が、小官に教えてくれました。彼の罪は、重い。しかし!その罪はもはや雪がれた!!」

 

 ?!……………参謀らに動揺が広がる。それは、まさか…………ッ!

 

「ま、まさか殺したのですか?!」

 

「ハッ、そんな訳ないでしょう。あくまで彼本人が、自ら、自発的にやったのです!!故に彼にもはや責任はない!!あるとすればそれは——————あなた方に、だ」

 

 静寂。恐怖。動揺。今やこの会議室は、完全に辻本の支配下にあった。そして、彼は続ける。

 

「本来であれば彼と同様、あなた方も“そう(自決)”すべきですが、しかし!あなた方にはすべき事がある!!…………………それが、これです」

 

 …………………もはや、彼等は逆らえない。この、たかが中佐に過ぎぬ男に、従わざるを得ない。

 

 かくして、世界は動く。動いて、しまう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 そもそも南方進駐とは何か?これはしかし、実は辻本が考えたわけではない。それ以前より、正式に決定していた物だった。

 

 そもそも皇国は、必要な資源のほとんどを海外からの輸入に頼っている。だが、1924年の欧州戦線本格化以降、主要輸入先である列強各国は非常時であるとして海外輸出量を大幅に削減。特に石油は、その総需要の三分の二を連合王国の中東・東南植民地から輸入していたが、連合王国は輸出量を半分以下にまで強制的に減らしてしまった。

 

 これは皇国にとって致命的だった。石油は、皇国領内ではほとんど産出しない。そのため代替として、中立国たる合州国を頼ろうとするも……………

 

 労働者問題等で悪化する合州国の世論は、それを好ましく思わない。さらに、連合王国支援のためとして、結局合州国からの輸入量は僅かに増えた程度だった。

 

 このままでは、皇国は崩壊する。真っ先にそう考えた陸軍は、ならばとある作戦を立てる。それが、南方進駐だった。

 

 が、これはあくまで合法的に、が大前提であった。そのため1925年夏に帝国と協議の上、共和国の南東植民地にある皇国利権の油田に、治安維持用の小部隊を派遣するという事で、正式に条約が交わされていたのだ。それに基づき1926年初めに進駐開始する予定であったが………

 

 連邦の帝国侵攻によって、ある組織が暗躍を始める。“北方派”である。彼等はこれに乗じ、“情報を握りつぶした”として総務課長を更迭。さらに彼に自決を強い、それを見せつける事で参謀本部の実権を握る事に成功した。

 

 彼等の計画は、まず南方に大部隊を派遣し、連邦の目を欺く。その上で油断しきり、帝国との戦争にかかり切りの連邦を背後から撃つ!というものだった。

 

 もっとも、そんな事をすればいくら条約があるとは言え列強……特に連合王国や合州国の非難は避けられないだろう。故に

 

 これは、進駐完了まで極秘機密にしなくてはならない。

 

 突然来襲し、何がなんだかわからぬうちに居座る。そしてその後は条約に基づく行為だと強弁すれば良い。辻本はそう考えていた。

 

 そのため出来る限り早く出撃する事が進められ、半月後の4月10日に先遣隊の派遣を行う事が決まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 …………………が、その前日、とんでもない事が起こる

 

 

 

 

 

 

 

 

統一暦1926年4月9日

皇都東京 参謀本部

 

 

「馬鹿なッッッッ!!!!」

 

 思わず叫んだ。辻本は、顔面蒼白で棒立ちになる。

 

「何故、なぜ…………………()()()()()()()()?!」

 

 その日、朝から外務省には来客が大勢来ていた。彼ら————列強各国の大使たち————は、異口同音に言う。主張する。()()()()

 

 ——————駐留部隊の派遣は最小限に、かつ査察を受け入れよ

 

 ——————さもなくば、武力制裁も辞さない

 

 ………………大戦で疲弊しているはずの連合王国が、中立至上主義の合州国が、大使を通じ通達してくる。断行1日前に、ドンピシャの“忠告”。これは、誰がどう考えても

 

 機密情報が漏洩していた。だが、()()()()()()()()()()()

 

「機密を知る者は全て憲兵にマークさせた…………………結果は全て白だった!!何故だ、何故だ!!誰が、どうやって—————————ッッ?!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「——————先手は、取れた」

 

 士官学校の廊下で、幼女は嗤う。

 

「さぁ、かかってこい愛国者。だが私は、戦争なぞ断固容認しないッッ!!」

 

 

 

 

 —————————暗く、非道な謀略合戦が

 

 

 

 

 

 

 華麗に、はじまる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




つじーん大失態……………?!次回幼女のはなし。

主人公が最後にちょびっとしか出てこない…………その代わりに大量のつじーん、誰得

ここから一気にきな臭くなります。特にこの南方進駐は、モチーフの仏印進駐からして相当ヤバい事件ですし………

幼女は陰謀を打破できるのか!?陰謀には陰謀で対抗だ!!

次話は、なんかもう無理な気しかしないが………一応日付変わるぐらいまでには………でも1時越えて投稿されなかったらお察し下さい………

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