幼女極東戦記   作:信濃氷海

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すごいペース!!だが、内容アレだし、そもそも幕間だが………


それでは幕間どうぞ!!


幕間 辺境左遷録ジョウボウⅡ

統一暦1926年5月20日

南洋諸島 ロタ島

 

 

 暑い熱風吹き荒れる砂浜で、彼はいつもの如く呑んだくれていた。

 

「ああ〜、海が青いんじゃあ〜〜」

 

 ……………実に哀れなことに、彼は未だ左遷中であった。例の報告で階級は元に戻ったものの、それだけだ。陸軍中央どころか皇国本土にすら帰れなかった。

 

 ……………まぁ、極寒の北方から脱出できたのは助かったが、それでもやはり………

 

「砂粒がひとーつ!ふたーつ!みーっつ!かぞえきれーーーん!!」

 

 皇国領南洋諸島。そのほぼ中心部に位置するロタ島こそが、彼の次の左遷先だった。非常に小さな島だが、近くに街があり、人口も数千人程度いるため前の任地に比べたら数億倍もマシだが、それでも最大の難敵“暇”はどうにもならない。

 

 彼にとって救いなのが、この島は綺麗な清水が豊富で、米もそこそこ作っていたため日本酒製造が盛んなことだった。このため給料を貰うたびに全額使って買い占め、こうして砂浜で一人飲みまくる………

 

 もはやその姿はまったくもって軍人には見えない。と言うか、軍服脱ぎ捨てアロハシャツと短パンを着、髪はオールバックでグラサンかけている時点で彼を軍人だと思う人間は居ないだろう。

 

 現地の皇国人や、原住民からは『子供と遊んでくれる気の良いおっちゃん』と呼ばれなかなか好評であったが…………

 

「大尉ーーー!ちょっと来てくださいよーーー!!」

 

 と、そこに彼の唯一の部下がやってくる。なんと、この島にいる皇国軍人は彼とその部下二人だけなのだ。時折海軍の巡視艇が来るっちゃ来るが、酒飲んで泳いですぐ帰るだけだし……………

 

「なーんだー??あ、お前も泳ぐかーー?」

 

 酒瓶を頭に乗せ、バランスを取りながら酔っ払いもとい上坊は尋ねる。すると、呼んでも来ねーなと早々に諦めた部下が走り寄ってきた。

 

「泳ぎませんよ…………そんなことよりちょっと妙です。船が多すぎる」

 

「あー??」

 

 ……………船が多い。それは、確かに異常なことだった。

 

「こんなクソ小島の周りに船だー??……………いや待てよ、グアムか?」

 

「恐らくは……………って、何してるんですか?」

 

 声は真剣そのものだが、しかし上坊はその場を頑なに動こうとしない。

 

「何って、この後ガキどもに水泳教えにゃならんのよ」

 

「酔いながら泳ぐと死にますよ……………」

 

「はっはっは、それが不思議と大丈夫なもんでなー」

 

 のらりくらりと躱し続ける上坊に、ついに部下がキレた。

 

「取り敢えず!!見に行くぐらいはしておきましょうよ!」

 

「……………ったく、怒鳴るなっての。お前さん顔はキレーなのにもったいねーぜ」

 

「なっ?!」

 

 途端に顔を真っ赤にして固まる部下。それに気付いているのかいないのか、上坊はようやく立ち上がる。

 

「まぁ、そーだなー。一応、見るぐらいはしておくかー」

 

 

 

 

 

 

 

 

同年同日

合衆国領グアム島 沖合上空

 

 

 国境ギリギリのところで、二人は浮かんでいた。その視線の先にあるのは

 

 合州国の要衝、グアム島だ。

 

「………………確かに、なんか作ってんなー」

 

 双眼鏡を覗き込み、上坊は呟いた。彼の言う通り、その島では大規模な工事が、至る所で行われていた。

 

 ここグアム島は、皇国領南洋諸島の中に食い込むように位置する唯一の合州国領だ。それ故に、以前からかなり整備され、装備も増強されていたが……

 

「今日は異常なほど船が多いですね。……………何を、企んでいるんでしょうか」

 

 部下も続けて言う。それに対し、上坊は少し考えた後ポツリと言った。

 

「………………完全に孤立した時のための、籠城設備か」

 

「…………!で、では」

 

「ああ、恐らく、な」

 

 彼らの心中に、ある共通した単語が浮かぶ。それは

 

 ——————戦争

 

「……………戻るぞ」

 

「は、はい!」

 

 いくら魔導師が見つかりにくいとはいえ、それも限度がある。バレて面倒な事になる前に、上坊らはロタ島へと帰還した。

 

 ………………………が

 

「た、大尉!」

 

「うーん、なんだぁ?」

 

 なんと彼は、ロタ島に降り立つとそのまま砂浜へ向けて歩いていったのだ。

 

「報告は、しなくて良いんですか!!」

 

 部下の驚愕した声に、しかし上坊は

 

「…………意味ねぇよ、そんなもん」

 

 深い諦観とともに、そう溢した。

 

「前北方でもな、似たような事あって、んでそれを中央に報告したわけだ。結果は最悪、なんと送った報告書の3倍以上の罵倒文が送られて来やがった。…………報告したって無駄だ、俺は嫌われてんだよ。そんなもん送られてきたらここのボロ電信機ぶっ壊れちまう」

 

 ………肩を落とし、全てを諦めた哀しい男は、そう言ってとぼとぼと歩き去—————————

 

 

 

 

「チェストぉぉぉぉぉぉぉぉぉっっ!!」

 

「そげぶッッッッ!!!!」

 

 背後から飛んできた強烈な蹴りに、盛大に吹っ飛ばされた。

 

 彼は砂に頭をめり込ませるも、すぐに起き上がって怒鳴る。なにしやがる、と。

 

 だが、部下はもっと怒っていた。猫のようにフシャーッ!と肩を怒らせ、部下は言う。

 

「何しょぼくれたこと言っているんですか!!大尉、貴方は皇国唯一の“撃墜王”でしょう!?そりゃあ、酒癖最悪だし、酔うと性格悪くなるし、だらしないし、初対面の人に暴言吐くしで駄目なところばっかりですが、それでも!!『諦める』のだけはやめて下さい!!」

 

「…………お、お前」

 

「私は!!」

 

 そのまま部下は上坊に馬乗りになり、その胸ぐらを掴んで続けた。

 

「貴方に憧れて軍に入りました!魔導師適性があると聞いて、すごく嬉しかった!!貴方が上司になるって聞いて、もっと嬉しかった!!!だから!!」

 

 

 

 

 

「“後ろ向き”にはなるなッッッッ!!!!」

 

 

 

 

 ………………その“説教”に、思わず呆然とする上坊。だが、しばらくすると

 

 

 

 笑い出した

 

「…………………くくく、あーはっはっは!!なるほどお前の言う通りだ。だが、酒癖だのだらしねぇのなんかは良いのか?」

 

「別に。だってそれは、“後ろ向き”ではないでしょう?」

 

 あっけらかんと、そう言い放つ部下に、再び大笑いする上坊。そして、笑いが収まると立ち上がった。

 

「そんじゃ、言われた通りにしますか。だが、もし電信機がぶっ壊れたら海に投げ捨てて漁礁にすんぜ」

 

「!………………あはは!ええ、どうぞ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ……………その数日後、参謀本部に一つの電報が届いた。それは、合州国が、本格的に戦争準備を始めていることへの警告であった。

 

 それは、直ちに審議され、参謀本部で急遽対策会議が開かれることとなった。

 

 

 

 ……………合州国が対皇国通商条約破棄を通達する、2日前のことであった。

 

 

 彼は、今度は間に合った。たかが2日、されど2日。

 

 

 

 それが、後にどんな影響をもたらすのか……………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 今はまだ、分からない。が………………

 

 

 

 

 

 

 

 少なくとも、無意味とは、ならないだろう。

 

 

 

 

 




ヴィーシャの方は、うん、まだ書けてないんすよ…………

こっちは書けました。内容?うーん…………

こう言う内容にするのであれば、上坊さんの過去編もやりたいですね。でも、需要あるのか?

あと、部下は部下であって部下以上ではないですからね!そこんとこ注意。

次回!ヴィーシャ書かねば!!

つーわけで次話の投稿は未定です!!遅くとも明日には……?

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