違うんだ溜まってたハーメルンの更新作品読んでたらまたもタイムワープしてて…………
それでは!本編どうぞ!!(強引)
統一暦1926年6月10日 午後
皇都東京 麹町
実に、腹立たしかった。
「…………くそ、
ターニャは思わず、そう吐き捨てた。まったく、とんだ戦闘狂どもだ。そのくせ帝国や皇国を“悪魔”だの“侵略国家”だの呼んでくるのは、もはや呆れてものも言えない。どれだけ面の皮が厚いんだ奴らは……………
だが、なんとも悲しい事に貿易のほぼ全てを連合王国・合州国に依存する皇国は、その横暴に逆らえない。故に、皇国の道は二つとなってしまった。
————————一か八かの
————————全てを諦めての
……………かつてターニャは、国内の“北方派”のみがノータリンにも戦争を望む勢力だと考えていた。それなら、話は簡単だ。そいつらだけを粉砕すれば、戦争は回避され、ターニャの平穏も保たれる。それ故にターニャは山野らに近づき、協力した。
結果、見事“北方派”の企みは打破され、皇国は“平和”を選択した。ターニャの勝利のはず、だった!
「そのはずが、どうしてこうなった………………!」
だが、その他にも、戦争を望む奴らは居たのだ!しかも、今度のは外国?!なんという事だろう!それでは
(……皇国内の話であれば、駐在武官として働きかけも出来たし、色々画策することも出来た。だが!合州国の話などどうしようも無いではないか!!!!)
これで全ての努力も水泡となった…………よしんば戦争を回避したとしても、その時には皇国は既に“独立国”では無くなっているだろう。良くて、合州国の傀儡国家あたりか…………………
ターニャが歩きながらそう悲観していた、その時
「…………………おや、君は」
突然、向こうからやってきた一人の男に、声をかけられた。
よれよれの羽織袴を纏い、無骨なライカを首から下げた彼は、お世辞にも人相の良い人物には見えない。…………………が、その正体は
「!!……………石渡、閣下ですか?」
————————偶然が生み出した、数奇な出会い。それは、世界に何をもたらすのか………………?
※
同年同日 午後
皇都東京 麹町 石渡邸
「どれ、ちょっと待っていたまえ。今茶を淹れるからな」
……………あの後、何故か彼の家に招かれたターニャは、まぁ多少のコネにはなるだろうとそれを了承。なんと殺しにかかってきた(正確には違うが)人物にのこのことついて行ったのだった。まぁ、流石にここで直接害をなそうとして来る訳は無いし、待ち伏せか何かをされたとしてもこんな衆人環視の住宅街では…………第一、その程度撒けなくてラインで生き残る事など不可能であるし……………
彼の家は、がっしりとした木造住宅だった。が、その中は…………
「…………………随分、整頓されていますな」
と、言うよりむしろ
「ああ、何にも無いだろう?じきに引っ越すのでな、元々あったものは粗方捨てたのだ」
そして、新居についてからまた新しく一から揃えるのだと言う。しかし、引越し?
「そうだ。来月京都の私学で、国防学が新設されるが、その講師になってくれと頼まれたのでな」
“北方派”のドンは、そう言ってからからと笑う。そして、慣れた手つきで点てた抹茶を、ターニャに渡した。
「まぁ、取り敢えず飲め」
「…………では、頂きます」
茶碗をグイッと傾けて、濃い緑の抹茶を口に流し込む。…………口中に広がる苦味、だが
「………………良いものですな、茶道も」
それが、良い。健康的かつ実に美味い——コーヒーには劣るが——茶を飲む文化を、ターニャは前世より好意的に見ていた。
その、なんの躊躇いも無く飲み干す様子を、石渡は実に興味深そうに見ている。そして、呟くように言った。
「……………茶の湯にも精通しているとは、成る程、知れば知るほどとんでもない傑物だ」
—————故に、以前より話したいと思っていた。
…………茶碗を置き、ターニャは姿勢を正す。何となく、彼女はかつての軍大学図書館での“会話”を想起していた。もっとも、今回は別に上官というわけでも無いのでかなり気は楽だが。
「まず、君は戦争を望んでいなかったようだが…………その君から見て、今の状況をどう思う」
今の状況—————即ち合州国の暴挙。それは、無論ターニャにとっては理解不能のことだ。だが、それを馬鹿正直に言う奴は無能だ。口八丁の出鱈目を言う奴はもっと救い難い無能だが。
故にターニャは、前世での知識を踏まえ、無能と思われぬ範囲で自分の所見を述べる。
「あくまで、自分の主観に過ぎませんが——————言語道断です。
彼女の言う“アレ”。それは、なんとか期限引き延ばしに成功した陸軍に、グルースが突き付けた『要求』である。それが、全て守られなければ条約破棄は撤回しない、と。
その内容は、三つ。一つは『ヴィエットからの即時撤兵』。二つ目は『相互の領土(
「敗戦国、か。言い得て妙だな、確かに、合州国は既に皇国を
「恐らくは、そうではないかと。彼らは自らを“正義の国”と称していますので、他国の利権を害した皇国を、例え謝罪したとはいえ見過ごせなかったのではないか、と自分は推察します」
………そう。前世で米帝が、中国を仏印を侵略した日本を断固許さなかったように…………ただ、それらはほぼ100%日本側の非であり、しかもそれを止めなかった故に戦争へと突入した。
しかし、この世界では違う。ターニャらの尽力によりヴィエットからは撤退し、そもそも支那大陸は遥か昔に連合王国により植民地化されてしまっており、そこに武力介入した事実は無い。それなのに何故、合州国は難癖をつけ戦争に持っていきたいのだろうか…………?
「……………………………少し、違うな。アレは、あくまで口実に過ぎん。奴らの真意はもっと別にある。——————経済だ」
理解不能な合州国の行動原理を、石渡はそう結論付けた。曰く、彼らは経済………貿易面において、皇国を憎む理由を持っていると言う。
「以前から、一貫して皇国ー合州国間の貿易は………合州国が資源と工業製品を売り、皇国がそれを買う。対し皇国は生糸を売り、合州国がそれを買う、というものだ。が、それではあまりに貿易不均衡なので、皇国はこう考えた……ならば、人を
人を売る………即ち、移民である。安く膨大な人材を抱える皇国にとってそれは、ローコストで高収益を期待できる実に良い方法であった。
…………が、合州国はどうも面白くなかったらしい。まぁ、安い人件費を武器に合州国の労働者を駆逐していったので分からなくは無いが……
「だが、それを他でも無い“移民の国”が言うとは説得力も何もあったものではない。……が、皇国はそれを承知して、合衆国ではなく別の所に移民を送り込むことにした。それが、南コロンビカ大陸だった訳だが………」
ところが、合州国はそれも反対した。何故か?国防上の理由だ。合州国の目と鼻の先の南コロンビカ大陸に、数万数十万と送り込まれる移民。それは
「もはや理論とも言えん暴論だ。なにしろその根底にあるのは“黄禍論”あたりの人種差別………故に皇国はそれを無視し、移民政策を奨励し続けた。これが、まず一つ」
そして次は…………市場の拡大。
「これまで合州国は、“モンロー主義”なんかを唱えてお高く止まっていたが、しかし急激な経済成長に需要が追いつかなかった。そこで、海外にその分の市場を求めた訳だが………」
遅かった。既に世界の大部分は連合王国を筆頭とする列強諸国に分割されており、合州国の参入できる隙間はほとんど残っていなかったのだ。
なら、どうする?戦争でも仕掛けるか?いや、それは出来ない。欧州の列強と正面から敵対することは、勝敗はともかくとしても体面上大いに良くなかった。第一そもそも国民が猛反対するだろう。
……………故に、彼らが考え出したのは———————皇国を、合州国の走狗とする事であった。
「まず、経済的に皇国を締め上げる。それで屈服すればまぁ良し、皇国領全てを新市場とできる。だが、もし………と言うかそっちが本命だろうが………皇国が忍耐限界に達し蜂起すれば——————」
彼らが、侵略国の汚名を被りアジアのいくつかの植民地を獲るだろう。そこへ、“正義の国”合州国がヒーローよろしく現れ、間抜けな
さらに、今こそがその好機であるのだ!何故か?
「欧州の目は今、帝国という国ただ一つに釘付けだ。それと戦うため、連合王国以下はアジア植民地より駐留兵の多くを呼び戻している。故に、合州国はこう考える訳だ…………これなら、“
そして、石渡は立ち上がり問う。これで良いのか、と。
「デグレチャフ少佐。これでもなお、戦争を避けるか?成る程君は帝国人であるから無関係だ、故に巻き込まれるかもしれない戦争などお断りだろう。だが!友邦としてこれがどれ程の屈辱が分かるだろう!!」
……………熱弁を振るう石渡に、ターニャは———————
「——————ええ、状況がこうなってしまった以上、最早
かつての目的を諦め、遂に戦争を決断したターニャ。その真意は、果たして————————
過去最多クラスの文字数!!しかしあまり進まず!!ターニャの真意次回持ち越しだよ困るなぁ君、進度遅過ぎちゃう?
石渡のキャラががが………山野と被る…………口調が書き分けられんぞどないしよう…………
次回は最後の引きの通りターニャの真意編+αです。そして多分そこも今回と同じぐらいの量になるんだよなぁ………
つーわけで次話は………あ、言い忘れてましたがって言うかもう察してる人も居そうですが、遂に私は毎日二回投稿を断念しました…………どんどん執筆速度落ちてるよ……………でも毎日投稿だけは!死守するので!!なので明日のどこかで次話は放流します。よろしくお願いしまぁぁぁぁぁぁす!!!!
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