あらすじだけならもうほぼ最後まで思いついているんだが…………文章が書けへん。
き、気長に………どうか気長にお待ちくだされ土下座
それでは本編ですどうぞよろしくお願いします今後とも
第二十九話 海戦前夜
統一暦1927年2月7日 午前5時
南シナ海
静けさが染み込む午前5時。暗闇に覆われた熱帯の海が、ゆっくりと東の彼方より明るみ始める。
その夜明けの海上を、一隻の軍艦が突き進んでいた。
「…………………夜明け、か」
艦首甲板に一人立ち、静かに前を見つめる一つの小さな人影。そっと溢すように呟くと、
カツ、カツ、カツ、と板張りの甲板を踏みしめ、艦橋へと向かう。かつて幾度もの激戦を潜り抜けてきた彼女にとっても、今回は————————
「—————しかし終わらせねば。秩序と平和を、取り戻す時だ」
…………………開戦から約3ヶ月。大戦の行く末を決める“
幕を、開ける———————
※
統一暦1927年2月5日 17時
連合王国領海峡連邦 首都シンガポール
港湾に、無数の群衆が押し寄せている。人々の見る先、そこには—————
「いやはや、全く壮観だな」
港湾の軍施設から、それらを眺めつつ連合王国軍情報局長サー・アイザック・ダスティン・ドレイク大佐が感心したように、しかしどこか呆れたように呟く。
「おいおい呑気な感想だなドレイク」
と、その後ろから小馬鹿にしたように笑いつつ、もう一人の男がやってきた。
「……………ウィンゲート、貴様いいのかそんな態度で?本来ならば抗命罪でしょっ引かれるはずだったんだぞ」
「ふん、あんな訳のわからん命令など従う必要性を感じん。全く、素晴らしき祖国と共和国がどう頑張っても倒せなかった『ラインの悪魔』を一人で暗殺しろだと?寝言は寝て言え」
「上の命令には従うのが軍人だろう。………が、そんなことは今はどうでもいい。貴様
全く悪びれない……どころか上層部を暗に批判しだした男——元皇国駐留武官ルイス・ウィンゲート大佐を横目で睨みつつも、しかし特にそれについては何も言わずにドレイクは、かねてから懸念事項であった事を尋ねた。
が………………
「…………はっ!はっきり言おう無理だ。本国がこんな
———————眼前をゆっくりと進む
……………1926年末の一連の皇国の軍事行動により、太平洋の勢力図はがらりと変わった。合州国西海岸からじわじわとその武力の手を西へ伸ばしていたフィラデルフィア合州国太平洋艦隊は、そのほぼ全てを一夜にして喪い壊滅。最重要拠点たるハワイ諸島すらも奪い取られ、あまつさえ西海岸の海岸拠点のほぼ全てを破壊されてしまったのだ。
戦艦8隻、空母3隻、重巡2隻、軽巡6隻、駆逐艦30隻航空機損失400。そして、太平洋—大西洋を結ぶ大動脈たるパナマ運河の崩壊。
対し皇国艦隊の損失はごく僅か。そして、彼らの目は、南へと向けられた。
となれば、“レンドリース”という莫大な借りを合州国に作ってしまった連合王国も動き出さざるを得ない。………のだが、せっかく動員するのだからとその計画は実に壮大なものであった。
『…………幸いにして、帝国艦隊はフィヨルドに篭りほぼ無力化されております。故に今こそ、わが王立海軍の総力を結集し、極東の“悪魔”を打ち倒すべきなのであります!』
なんと、連合王国は——————
「戦艦10隻、巡洋戦艦8隻、空母6隻………………チャーブルめ、よほど合州国に恩を売っておきたいらしい。だがな……………艦隊だけで戦争ができるか!!」
ほぼ全艦隊を投入。その規模は、皇国の連合艦隊を結集したのとほぼ互角、いや、主力艦だけなら優に凌駕していた。しかし、それほどの大艦隊を送りながらも、防衛戦に必要な物質、食糧そして人員そのものについては少しも送られてこなかった。
“制海権”という実にあやふやなもののみを目標とした下らない政治の茶番劇。が、それを実行する側にしてみれば「ふざけるな」と言わざるを得ない。
「せめて噂の『多国籍部隊』あたりでいいから欲しかったが……そういえばドレイク、貴様その編成に関わっていたらしいな。なんでこっちに寄越さないんだ?」
「馬鹿を言え。あれは連邦との協調をアピールするための政治の道具だ。私はともかく上層部の頑固爺どもが即座の転用なぞ許すはずがない」
くそったれが、とウィンゲートは吐き捨て眼前の艦隊を睨みつけた。
……………くそっ!!!
天を仰ぎ心中で呪う。—————願わくば、連合王国そして皇国、それからついでにラインの悪魔に災いあれ!!
※
同日同刻
シンガポール軍港内 東洋艦隊旗艦『プリンス・オブ・ウェールズ』
「壮観だな」
ウィンゲートが愚痴っていた頃、海上の旗艦では、艦橋で悠然と艦隊を眺めていた艦隊司令長官トニー・フィリス中将が、彼と似たようなことを呟いていた。もっとも、怨嗟と皮肉に満ちたウィンゲートとは違い、フィリスはただ
純粋な感銘のようだった。
「無論そうでありましょう。なにしろこれだけの大艦隊は史上空前でありますからな」
すると、傍で計器を見ていた艦長ジョニー・リーチ大佐が当然ですと言わんばかりに頷いた。
「史上空前、か。…………対し、皇国が用意できるのは」
「多く見積もっても数隻でしょう。なにしろ合州国牽制の為にほぼ全艦隊をハワイに回しているんですからな」
ウィンゲートら陸軍関係者はともかく、しかし艦隊の側は今回の派兵にそう反感を抱いてはいなかった。理由は簡単。もしこれが成功すれば皇国は非常に高い確率で降伏するからだ。
「そのまま南シナ海を北進し、皇国首都を直撃する、か。………まったく、帝国が好きそうな戦法だが、しかし確実だ」
戦線における数的優位を確立し敵を磨り潰す。それが完璧に遂行できれば、勝利など実に容易い。…………というより、これほどの大艦隊を擁している癖に、高々第二線級程度の小艦隊を相手に勝利できなければ確実に連合王国の権威は失墜するだろうが。
もっとも、フィリスはそれを十も承知であった上、それでも浮つく事のない、階級と年齢に相応しい思慮と冷静さを兼ね備えていたため、過剰に侮ることも極度に恐れることもなかった。堅実に戦えば、結果は自ずとついてくるのだと、彼はそう信じていた。今も昔も、そして恐らく、これからも。
「…………それで、
………………しかし、それでも一抹の不安要素が彼の脳内にあった。
「そ、それは……………」
「……………未だ、不明か」
開戦直後、偵察のために皇国領海内に侵入していた連合王国潜水艦が、突如泡を喰ったように全世界にばらまいた一つの通信文があった。内容は———
『——————“敵新型戦艦見ユ。全長260m以上、推定排水量7万t、搭載主砲—————————18インチ級”』
………電文を発した後、その潜水艦は消息を絶ったが、その衝撃は凄まじいものだった。なにしろ、世界に未だ存在しない18インチ級戦艦を皇国が既に保有しているとすっぱ抜いたのだから。
「しかし、本当に存在すると確定したわけではありません。…………第一、そのような怪物が存在したとしても、それでもたった一隻ではどうにもなりますまい」
「…………………うむ。確かに、な」
だとしても、その巨大戦艦がガセであれ、本当であれ————————艦隊決戦は数なのだ。気を引き締めこの艦隊の全力をもって叩けば、勝利は————————
———————統一暦1927年2月7日、『マレー沖海戦』勃発せり
海戦名で盛大なネタバレ感ありますが、しかし史実と違い本作ではなんと王立海軍ほぼ全力出撃じゃァァァァ!!!!
あ、この世界線ではネルソン級じゃなくてN3型戦艦とG3型巡洋戦艦が竣工してます。流石に457ミリ砲じゃなく406ミリ砲ですが。
さぁ皇国はこの大ピンチどうするのか!そしてターニャは一体何に乗っているのか?!次回以降を待て!!!!
………いや、ほんと全力で頑張りますんでどうかご寛容下され土下座
一応………というか私の趣味として連合王国艦隊の編成載せときます。………軽巡と駆逐艦の艦級は御勘弁を…………
艦級はほぼ全て事実準拠です。そこを変えるとマジで訳分からなくなるので(私が)。
《連合王国東洋艦隊編成 1927.2》
戦艦10
セント・アンドリュー級2 (N3型)
セント・アンドリュー、セント・パトリック
キングジョージ 5世級2
プリンスオブウェールズ、デュークオブヨーク
クイーンエリザベス級4
クイーンエリザベス、ウォースパイト、バーラム、ヴァリアント
ダンケルク級2(自由共和国から供出)
ダンケルク、ストラスブール
巡洋戦艦8
ネルソン級2(G3型)
ネルソン、ロドニー
フッド級1
フッド
レナウン級2
レナウン、レパルス
タイガー級1
タイガー
ライオン級2
ライオン、クイーンメリー
空母6
ハーミーズ級1
ハーミーズ
イーグル級1
イーグル
イラストリアス級3
イラストリアス、フォーミダブル、ヴィクトリアス
インドミタブル級1
インドミタブル
重巡洋艦6
ロンドン級4
ロンドン、デヴォンシャー、シュロップシャー、サセックス
ノーフォーク級2
ノーフォーク、ドーセットシャー
軽巡洋艦10
駆逐艦40
その他20
総数100
…………と、とんでもねぇ大艦隊だぁ(白目)
《追記》
バーラムがパーラムになっているというアホみたいなミスを読者様に発見していただきました。修正しておくのでどうか無かったことに…………ですが知らせてくださった方本当にありがとうございます感謝感激です!
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