幼女極東戦記   作:信濃氷海

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昼までに………?いや、まだ明るいからセーフ

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これからも、なんとか頑張って書いていきます故、今後もどうかよろしくお願いします……!

それでは、本編どうぞ!


第四話 借りてきた猫、再び

統一暦1925年10月20日 午前

秋津洲皇国 皇都東京 市街地

 

 

 幼女は憤慨していた。必ずや、この邪智暴虐の命令を…………だが、それは出来ない。だって彼女は軍人だから。

 

「くっ……………これ程までに抗命したいと思ったのは生まれて初めてだ…………」

 

 呪詛を垂れ流し、時間よ止まれとなんと()()()()もした。が、現実は非情だ。

 

「着きました。ここが皇都で一番デカいデパートです。それでは済んだら大使館に連絡下さい。迎えに来るんで」

 

 そう言って、大使館付きの運転手はターニャを投げ捨て、非道にもそのまま走り去ってしまう。

 

 畜生………畜生ッ!

 

「いらっしゃいま……………えー、お連れの方は?」

 

 またかよ!とターニャはキレた。皇都を歩いているとすぐこれだ!大体軍服着てるだろ!!

 

「いませんが。私一人です」

 

 せめてもの反抗として、冷たく蛆虫を見るかのように睥睨する。が、どうもあまり効いているようには見えない。むしろ…………

 

「おやおやおや!ではお一人で?!偉いねぇ、それで、今日はどうしたのかな?」

 

 こ、子供が精一杯背伸びしていると思われとる!なんたる屈辱!!ターニャは心の中で喀血した。ぶっちゃけ現実でも出せそうだった。

 

「…………ふ、服を、買いに」

 

「服か!そりゃあいい、お嬢ちゃん綺麗だし……というか、よく見てみると君、外国の人かい?こりゃあビックリだ、お嬢ちゃん皇国語上手いねぇ」

 

 親戚のおっさんかよ!それでいいのか店員(クラーク)!!って、あ、ちょ、腕を掴むな手を握るな———————!

 

 メーデー!メーデーーーーーーー!!!!

 

 ……………………約2時間後

 

「素晴らしいッ!流石だよ江川くん!!」

 

「いえいえ………元々の素材が最高でしたので、最低限で十分でしたよ」

 

「確かに………いやぁお嬢ちゃん、すごい綺麗だよ!さっすが外国人の娘は段違いだなぁ」

 

 …………………遥か地球の裏にいる上司、ゼートゥーア閣下へ。

 

「ちょっと写真撮ろう!誰か四階の写真屋の爺さん呼んで!こいつぁ入り口に飾っとかなきゃな!!」

 

「肌も綺麗だし、髪も美しい金髪……………スゲェなぁ」

 

 ……………………一つ、お願いがあります。

 

「………よーし爺さんよく来てくれた!早速だが頼み—————」

 

「こッ!これは!!とんでもない逸材じゃッ!!滾る、滾るぞ儂の写真魂がァァァ!!!!」

 

 ……………………自決許可をッッッッッッッッ!!頂きたい早急に今すぐ!!!!

 

「それじゃあ撮るぞ撮るぞォ!お、お嬢ちゃんすまんがそそそそこの椅子に、座っては……いやしかし!最初は違うやはり立ち姿こそ至高!!」

 

「…………………………ハイ、ワカリマシタ」

 

「……うーんいいよいいよじつにいいぞぉぉぉぉ!!もう一枚、いやもう二枚いってみよう!」

 

 …………このあと無茶苦茶写真撮った。広報でも何でもない、しかし逆らえない命令に、ターニャは死んだ。というか死にたかった……

 

 

 

 

 

 

 

 

同年同日 早朝

皇都東京 帝国大使館

 

 

 そもそもの発端は、とある仕事だった。

 

「デグレチャフ少佐、来月初めに宮城で特別な観兵式があるのを知っていますか?」

 

 オットー大使はそう尋ねた。無論知っている。

 

「はい、建国2600年記念の大観兵式とか。確か各国の外交官も招かれると聞いておりますが」

 

「ええ、そうです。ですので、その打ち合わせに行ってきてください。陸軍省です」

 

 ターニャは首肯し、ではとその場を去ろうとする。が、その背中に大使の声が掛かる。

 

「少佐、まさかとは思いますが()()で行くつもりですか?」

 

 ………………?何を言っているんだこの人は。

 

「ええ、公務ですので、当たり前では………?」

 

「………………はぁ、いいですか少佐。ここは戦場では有りません。戦争もしていません。そんな所で、しかも“帝国の軍服”を着た幼女が歩いていたら、目立つどころの話ではないですよ。公務?それよりTPOです。………丁度いいですね、先方(陸軍省)からは午後1時と言われていますので、それまでの間服を買いなさい。いいですね?」

 

 ふ、服を……………買う?ターニャの思考は停止した。が、構わずオットーは続ける。

 

「場所は…………銀座の三越辺りでいいでしょう。くれぐれも言いますが、スーツなんぞ論外ですよ。もっと目立ちますからね。貴方の年齢に合った服ですよ!予算は出します。いいですね?これは()()です」

 

 !!め、命令————————ッ!電撃の如きそれは、ターニャの頭上に落ちてきた。ターニャは、軍人である。軍人である以上、命令には………従わなくては…………

 

「り、了解致しました………では……………」

 

 そして、数時間後。

 

「ううう………………もうだめだぁ」

 

 すっかり心が折れていた。プロパガンダの時も酷い目にあったが………今回はさらに…………

 

 そこに、さらなる追い討ち

 

「あー、時間がちょっとやばいですね。このまま陸軍省へ向かいましょう」

 

「えっ」

 

「そいじゃ、ちょっと飛ばすんで、気をつけてください」

 

「ちょ、待っ————せめて、せめて少しでいいから落ち着く時間を………………」

 

 駄目だった。ターニャは死んだ(数分ぶり二回目)

 

 

 

 

 

 

 

 

同年同日 午後

皇都東京 陸軍省

 

 

「ようこそ、お待ちしておりましたデグレチャフしょっ?!…………え、ええと、デグレチャフ少佐、ですよね…………………?」

 

 目が死んでいく。多分今鏡を見たら自分でも驚くに違いない。

 

 くっ………これほどの屈辱を………ッ!おのれ存在X!!よくも、よくもこんな辱めをッッッッッッ!!

 

 初日なぞ目じゃ無いぐらいザワめく陸軍省。通り過ぎるもの皆二度見してくる。ターニャは、まるでV1に乗る時の様に精神力を総動員し、にこやかに笑う。

 

「ええ、ターニャ・フォン・デグレチャフ少佐です。観兵式の打ち合わせにやって参りました」

 

「!?ええ、わ、分かりました。ご案内いたしますので、少々、お待ちを……………」

 

 なので、待った。数分後、えらい勢いで山脇次官が走ってきた。そして、ターニャを見ると顎が落ち、目を見開いて震え始めた。

 

「…………………で、デグレチャフ、少佐か………………?」

 

「ええ、そうですが?何か?」

 

 すると、山脇の顔が()()()青ざめていく。それに比例して、ターニャの機嫌もどんどん最悪になっていく。

 

「何か??」

 

「いや!何でもない!!…………しかし念のため聞いておきますが………そ、その格好は?」

 

 全く、何をほざいているんだこの次官殿は…………

 

 

 白くふわふわのベレー帽

 

 青いフリル

 

 パールホワイトのふんわりとしたドレス

 

 白く艶のある肌

 

 柔らかな長い金髪

 

 

 ………ほーら、どこもおかしくない(白目)

 

「そ、そうですか……………?い、いえその…………実に、えー、よく、似合って、おりますよ…………」

 

 脂汗を垂らし、絞り出す様に褒めてくれたぞわーいやったー(棒)

 

「そ、それでは行きましょうか。会議室を、取ってありますので…………」

 

 そして、ターニャたちは歩き出す。きらびやかな服装の幼女と、参謀服の壮年の男たち。その光景は、実に滑稽なものだったとか…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




一応、ですがターニャの服はあるモデルがあります。今季アニメ『虚構推理』の岩永琴子氏です。ターニャっぽくね?と思ったし、アレ着てるターニャとか何それかわいすぎやろと僕は考えたのです。

ターニャたんまじかわゆす

……その代償として、今回話は全然進みませんでしたね。その分早く次話をお届け………したいと………

多分今日の夕方までには……?

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