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それでは、本編どうぞ!
統一暦1925年10月20日 午前
秋津洲皇国 皇都東京 市街地
幼女は憤慨していた。必ずや、この邪智暴虐の命令を…………だが、それは出来ない。だって彼女は軍人だから。
「くっ……………これ程までに抗命したいと思ったのは生まれて初めてだ…………」
呪詛を垂れ流し、時間よ止まれとなんと
「着きました。ここが皇都で一番デカいデパートです。それでは済んだら大使館に連絡下さい。迎えに来るんで」
そう言って、大使館付きの運転手はターニャを投げ捨て、非道にもそのまま走り去ってしまう。
畜生………畜生ッ!
「いらっしゃいま……………えー、お連れの方は?」
またかよ!とターニャはキレた。皇都を歩いているとすぐこれだ!大体軍服着てるだろ!!
「いませんが。私一人です」
せめてもの反抗として、冷たく蛆虫を見るかのように睥睨する。が、どうもあまり効いているようには見えない。むしろ…………
「おやおやおや!ではお一人で?!偉いねぇ、それで、今日はどうしたのかな?」
こ、子供が精一杯背伸びしていると思われとる!なんたる屈辱!!ターニャは心の中で喀血した。ぶっちゃけ現実でも出せそうだった。
「…………ふ、服を、買いに」
「服か!そりゃあいい、お嬢ちゃん綺麗だし……というか、よく見てみると君、外国の人かい?こりゃあビックリだ、お嬢ちゃん皇国語上手いねぇ」
親戚のおっさんかよ!それでいいのか
メーデー!メーデーーーーーーー!!!!
……………………約2時間後
「素晴らしいッ!流石だよ江川くん!!」
「いえいえ………元々の素材が最高でしたので、最低限で十分でしたよ」
「確かに………いやぁお嬢ちゃん、すごい綺麗だよ!さっすが外国人の娘は段違いだなぁ」
…………………遥か地球の裏にいる上司、ゼートゥーア閣下へ。
「ちょっと写真撮ろう!誰か四階の写真屋の爺さん呼んで!こいつぁ入り口に飾っとかなきゃな!!」
「肌も綺麗だし、髪も美しい金髪……………スゲェなぁ」
……………………一つ、お願いがあります。
「………よーし爺さんよく来てくれた!早速だが頼み—————」
「こッ!これは!!とんでもない逸材じゃッ!!滾る、滾るぞ儂の写真魂がァァァ!!!!」
……………………自決許可をッッッッッッッッ!!頂きたい早急に今すぐ!!!!
「それじゃあ撮るぞ撮るぞォ!お、お嬢ちゃんすまんがそそそそこの椅子に、座っては……いやしかし!最初は違うやはり立ち姿こそ至高!!」
「…………………………ハイ、ワカリマシタ」
「……うーんいいよいいよじつにいいぞぉぉぉぉ!!もう一枚、いやもう二枚いってみよう!」
…………このあと無茶苦茶写真撮った。広報でも何でもない、しかし逆らえない命令に、ターニャは死んだ。というか死にたかった……
※
同年同日 早朝
皇都東京 帝国大使館
そもそもの発端は、とある仕事だった。
「デグレチャフ少佐、来月初めに宮城で特別な観兵式があるのを知っていますか?」
オットー大使はそう尋ねた。無論知っている。
「はい、建国2600年記念の大観兵式とか。確か各国の外交官も招かれると聞いておりますが」
「ええ、そうです。ですので、その打ち合わせに行ってきてください。陸軍省です」
ターニャは首肯し、ではとその場を去ろうとする。が、その背中に大使の声が掛かる。
「少佐、まさかとは思いますが
………………?何を言っているんだこの人は。
「ええ、公務ですので、当たり前では………?」
「………………はぁ、いいですか少佐。ここは戦場では有りません。戦争もしていません。そんな所で、しかも“帝国の軍服”を着た幼女が歩いていたら、目立つどころの話ではないですよ。公務?それよりTPOです。………丁度いいですね、
ふ、服を……………買う?ターニャの思考は停止した。が、構わずオットーは続ける。
「場所は…………銀座の三越辺りでいいでしょう。くれぐれも言いますが、スーツなんぞ論外ですよ。もっと目立ちますからね。貴方の年齢に合った服ですよ!予算は出します。いいですね?これは
!!め、命令————————ッ!電撃の如きそれは、ターニャの頭上に落ちてきた。ターニャは、軍人である。軍人である以上、命令には………従わなくては…………
「り、了解致しました………では……………」
そして、数時間後。
「ううう………………もうだめだぁ」
すっかり心が折れていた。プロパガンダの時も酷い目にあったが………今回はさらに…………
そこに、さらなる追い討ち
「あー、時間がちょっとやばいですね。このまま陸軍省へ向かいましょう」
「えっ」
「そいじゃ、ちょっと飛ばすんで、気をつけてください」
「ちょ、待っ————せめて、せめて少しでいいから落ち着く時間を………………」
駄目だった。ターニャは死んだ(数分ぶり二回目)
※
同年同日 午後
皇都東京 陸軍省
「ようこそ、お待ちしておりましたデグレチャフしょっ?!…………え、ええと、デグレチャフ少佐、ですよね…………………?」
目が死んでいく。多分今鏡を見たら自分でも驚くに違いない。
くっ………これほどの屈辱を………ッ!おのれ存在X!!よくも、よくもこんな辱めをッッッッッッ!!
初日なぞ目じゃ無いぐらいザワめく陸軍省。通り過ぎるもの皆二度見してくる。ターニャは、まるでV1に乗る時の様に精神力を総動員し、にこやかに笑う。
「ええ、ターニャ・フォン・デグレチャフ少佐です。観兵式の打ち合わせにやって参りました」
「!?ええ、わ、分かりました。ご案内いたしますので、少々、お待ちを……………」
なので、待った。数分後、えらい勢いで山脇次官が走ってきた。そして、ターニャを見ると顎が落ち、目を見開いて震え始めた。
「…………………で、デグレチャフ、少佐か………………?」
「ええ、そうですが?何か?」
すると、山脇の顔が
「何か??」
「いや!何でもない!!…………しかし念のため聞いておきますが………そ、その格好は?」
全く、何をほざいているんだこの次官殿は…………
白くふわふわのベレー帽
青いフリル
パールホワイトのふんわりとしたドレス
白く艶のある肌
柔らかな長い金髪
………ほーら、どこもおかしくない(白目)
「そ、そうですか……………?い、いえその…………実に、えー、よく、似合って、おりますよ…………」
脂汗を垂らし、絞り出す様に褒めてくれたぞわーいやったー(棒)
「そ、それでは行きましょうか。会議室を、取ってありますので…………」
そして、ターニャたちは歩き出す。きらびやかな服装の幼女と、参謀服の壮年の男たち。その光景は、実に滑稽なものだったとか…………
一応、ですがターニャの服はあるモデルがあります。今季アニメ『虚構推理』の岩永琴子氏です。ターニャっぽくね?と思ったし、アレ着てるターニャとか何それかわいすぎやろと僕は考えたのです。
ターニャたんまじかわゆす
……その代償として、今回話は全然進みませんでしたね。その分早く次話をお届け………したいと………
多分今日の夕方までには……?
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