幼女極東戦記   作:信濃氷海

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二連続セーフ!!これは良いペースです。しかし内容の方が依然あまり濃くない!それでいいのか!!

…………………^o^

それではどうぞ!!


第六話 不吉な知らせと新たな任務

統一暦1925年11月16日 午前

皇都東京 帝国大使館

 

 

 そのニュースは、世界を揺るがした。

 

 

 

『………………繰り返します。先月31日、南方大陸に派遣されていた帝国軍部隊が、旧共和国および連合王国軍の攻撃により、壊滅したとの事です。

 

 

『旧共和国勢力は、6月の共和国降伏の際行方不明となっていたド=ルーゴ将軍による声明を発表。

 

『“世界侵略という極悪非道を謀議する帝国の尖兵は駆逐された。我々はアレーヌ自由共和国である。帝国を撃滅するその日まで、我々は断固闘争をやめない”

 

『各国の報道によると、この攻撃で南方派遣軍司令官ロメール将軍以下多数の幕僚が戦死したとの事です。帝国政府は、これはテロリストによる攻撃であるとして、国際法の適用外とすると発表。欧州情勢は、依然混迷状態です…………

 

 信じられない情報だった。少なくともターニャにとっては、予想外にも程がある出来事だった。

 

「………馬鹿なッ!我々はド=ルーゴを仕留めたはずだ!あの奇襲で生きていただと!?くそっ……………」

 

 そう言えば、前にもあったな、とターニャは不機嫌に考える。あれは確か、斬首作戦成功後の事だった。

 

 オース・フィヨルドで海に叩き込んだはずの協商軍人が、何故かライン上空に現れ襲いかかってきたのだ。ヴィーシャの機転でなんとか助かったが………

 

(…………アレは、十中八九存在Xの差し金だった。もしや、今回(ド=ルーゴ)もそうなのか?クソッ、存在Xに災いあれ!!)

 

 しかし、それ以前に、ターニャが最も気に食わないのが…………

 

「そもそもなんで我々はこれをラジオで聴いているんだ?!他ならぬ()()がッッ!!」

 

「別に良いじゃないですか。ラジオで聞いたって」

 

 と、そこに現れるオットー。その投げやりな言動に、思わずターニャは反発する。

 

「良い訳ないでしょう!大使閣下、我々は帝国大使館なのですよ。何故この情報がもっと早く入ってこないのですか!」

 

「もっと早く?必要ないですね。………逆に聞きますが、本当にそれで良いんですか?」

 

 ジッと、オットーがターニャを見据える。その眼光は、何故か不気味なほど鋭い。

 

「………………ま、まさか」

 

「……そう。少佐、私はね………………帝国の暗号を、信用していない」

 

 

 

 

 

 

 

 

同年同日 午後

皇都東京 陸軍省

 

 

 珍しく、ターニャはヴィーシャを伴っていた。これまでは、ほとんどたいした事ない仕事ばかりだったため、203時代の分も含めた“有給休暇”として自由にさせていたが、今回は陸軍省の方から二人で、と指定されたためこうなっている。

 

 もっとも、来る道中ターニャの心中は一貫して先程のことで占められていた。

 

(……………暗号の危険性、か。確かにそうだ。逆に何故今まで気付かなかった………!)

 

 なにせターニャは知っていた筈なのだ。前世で、エニグマの末路がどうなっていたか。本気になった連合王国の恐ろしさを、知っていた筈だったのに………………

 

 しかし、それではどこでオットーは気付いたのだろうか。外交官の天性の勘か?

 

「やあ少佐。それから晩餐会ぶりですなセレブリャコーフ少尉。まぁ、お掛けなさい」

 

 やがて、到着した次官室で、ターニャらはその言葉に促され用意されてきた椅子に座る。それを見て、山脇が話を始めた。

 

「着任から約一ヶ月、どうです?皇国には慣れましたかな?」

 

 にこやかに、滑らかに山脇は尋ねてくる。どうやら、慣れてきたのはむしろ彼の方のようだ。

 

 一ヶ月経ち、ようやく陸軍省の面々は、ターニャの姿に慣れてきたらしい。もう玄関で目を剥かれる事も、話すときにしどろもどろになる事も、本人かどうか疑われる事も無くなってきていた。無論ターニャの方も、ようやく、なんとか、耐え難きを忍び、この年相応の服装に慣れてきたところだった。

 

「ええ、実に充実した日々を過ごさせていただいています」

 

「それは良かった。……………ところで、今日来てもらったのは、貴官たちにある提案があるからなんだが」

 

 ……………はて、提案?一体なんだ…………と若干警戒し始めるターニャ。

 

 それを察したのか、山脇は苦笑いして手を振る。

 

「別に大したことではないさ。………どうかね?我が皇国の士官学校に、行ってはみないかね?」

 

 はい?士官学校??

 

 何故……………?

 

「………視察、ということですか?」

 

「いや、まぁその意味もあるが。それよりは、特別聴講生、という方が近いだろう。帝国と皇国の友好の一環として、まずは士官学校の交換留学………みたいな事をしたいと、我々は考えているのだ。もっとも昨今の国際情勢を考えると、帝国から士官学校学生をお呼びするわけにも、こちらから送り出すことも難しい」

 

 そこで、ターニャたちに白羽の矢が立った訳である。年齢の面では、むしろかなり低いぐらいだが、どうにか混ざり込める。さらに

 

「聞けば、デグレチャフ少佐。貴官は実戦を一年以上経験していて、しかもその中でも極めて優秀なエースと聞いている。その時の戦訓でも、学生に話してもらえれば、と………」

 

 ……………成る程、それが狙いか。まぁ、それぐらいなら別に、構わないか…………

 

 すごく暇だし。……………既にターニャは、あまりに平和すぎ、しかも大してやる事もない武官生活を、持て余しつつあった。

 

「大前提として、当方の上官たる大使殿に確認しなくてはなりませんが…………おそらく大丈夫でしょう。小官も、他国の士官教育には以前より興味がありましたので」

 

「少佐が行かれるのであれば、小官が言うことはありません」

 

 ターニャ、ヴィーシャ共に好意的な返事。それに気を良くした山脇は、嬉しそうに礼を言った。

 

「それは良かった!!では確定したらまた連絡をお願いしたい。おそらく受け入れは、来月初めから始められるだろう。では、詳細はいずれ」

 

 そして、ターニャたちは退出。そのまま大使館へと戻る。

 

 …………しかし、士官学校、か。二度目だな………

 

 ああ、跳ねっ返りを“教育”してやったのが懐かしい………まぁ、流石に他国の外交官に喧嘩売ってくる輩は流石にいないだろうが………

 

 

 

 

 

 

 

 

同年同日 同刻

皇都東京 陸軍参謀本部 

 

 

「嬉しそうだな、辻本中佐」

 

 ()()()残業に突入している参謀たち。その中でも特に機嫌の良さそうな一人の男に、声が掛けられる。

 

「おや、次長閣下ではないですか!無論嬉しいですとも。ついに、我々の、我が“北方派”の悲願が叶うのですから!!———————閣下も、そうでしょう?」

 

 その問いに、“次長閣下”と呼ばれた男は、無表情のままだ。だが、その眼光は、まるで光を発しているかの如き鋭さだった。

 

「…………………嬉しい?そんなものは無い。これは我々の責務だからだ。故に、絶対に、成就させなくてはならない。————————全ては」

 

 

 

「「皇国のために」」

 

 

 

 

 ……………彼の名は石渡寛二。皇国陸軍中将である彼は、畏敬と共にこう呼ばれる。————————“異端の鬼才”と。

 

 

 

 彼らの暗躍と共に、

 

 歯車が、回り出す。

 

 

 第一章 完

 

 

 

 

〜第二章予告〜

 

「———————なんだあのクソチビ。舐めてんのか」

 

「———————別に私個人はどうでも良いのだがな、しかし立場というものがある。故に帝国の侮辱は許さん」

 

「———————こ、これが……………“ラインの悪魔”」

 

『———————帝国は、連邦と交戦状態に入れり』

 

「———————くそっ、存在Xめ……………ッ!」

 

「———————自惚れるな、人間。貴様にそんな価値などない」

 

「———————さぁ、いよいよだ。宴が始まるぞ!」

 

 

 第二章、近日開始予定———————!

 

 

 

 

 




《(久々の)変更点》
・帝国南方派遣軍壊滅
 ド=ルーゴ将軍の渾身のとつげきが決まり、見事帝国軍は敗走。ロメール将軍もダウンした模様。なお関係者のターニャ氏によると、ド=ルーゴは以前確かに殺した筈とのこと。


ロメール閣下すまん。正直ターニャのいる、いないでそこまで大層な変化あるとも思えないけど、しかしこれは運命なのです………原作の方でのさらなる活躍願います…………

そして、今話で第一章終了!“章”を名乗る割には少々、いや大分内容少ない気もするけど、区切りなんでね。すいませんね。ごめん土下座

と、言うわけで次回からはいよいよ第二章………にはなりません許して。

ちょっと幕間一話挟むつもりです。でもその次からは本当に第二章入るので!どうかよろしくお願いします。

次話は…………明日の昼?かなぁ………

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