FAIRYTAIL~大地を統べる騎士~   作:時時雨 あいか

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少しばかしルーターが逝ってしまっていて更新が遅れました!すみません!(涙目


No.5 エルザの本意

 

 さぁ皆様おはようございます。今日はいつにもまして良い天気であり、晴天であります。

 こんな日には、そよ風吹く草原の下で昼寝でもしていた気持ちです。

 

 ですが現実は虚しく、俺がいるテントは晴天とはいう爽やかな空気とはまったくの別物。なんとも言えないとげとげしく重い空気が流れています。

 

 

 今回の騒動の原因となった馬鹿どもと爆走したエルザを追う経由で発見した盗賊共。そいつ等を無力化した後、情報を聞き出そうと一人をたたき起こしているところどうやら、俺に気付いたエルザさんが迎えに来てくれた模様。確保された新人さんらしき金髪の美女と青猫を拘束して現れた時はどこぞやの評議員の使者かと思いましたようん。

 兎にも角にもなんとか合流を果たし、ハッピーの力と言う名のエルザの武力行使によりなんとか村らしき集団テントを見つけ、日が昇ることにはたどり着いたというわけだ。

 

 村人は俺達を快く受け入れてくれたが、”呪いの島”という噂は本当なのだろうか。村人の体の一部は悪魔そのものだった。

 それ事体にインパクトは受けたものの、この世界には摩訶不思議なことが山ほどある。その現象があっても不思議じゃないと捕える俺やエルザは受け入れが早かった。

 空気が理由はそうではないのだ。

 

 そう、この鬼神のようなオーラを発し、どっしり座るエルザが原因である。

 

 お怒りに触れた二名を確保。ぼろぼろで気絶し寝込んでいるグレイを村で発見したは良いが、残りの一名のナツが見つかっていない。エルザの怒りは収るところを知らず、絶賛放出状態。

 

 そのオーラに恐怖を感じ、確保された新人さん改めルーシィとハッピーは涙を流し、タスケテ…と目線を向けてくるものをこうなってしまったエルザは如何にもできないので、ははは…と乾いた苦笑いを返すしかできない。

 

 と余裕の表情を浮かべるものを俺、冷や汗やばいです。あぁ、早くミラの天使スマイルをみたい。

 拝啓ミラジェーンさん。私グラン早くあなたの胸元に飛び込みたいです。

 

 

 

 とテントの柱にもたれかけ、軽くトリップ状態の俺だったが、どうやら時間はそう待ってくれないらしい、いやぜひとも進んでほしいんですが。

 

「エルザ!!それにグラン!?」

「っよグレイ」

 

 テントの入り口であるカーテンがめくれ、見知った顔が入ってきたからだ。

 そう、体中包帯にまかれ現れた彼が、ナツ達を止める側だったはずの、露出魔こと脱ぎ癖という変な癖を持つ、”グレイ=フルバスター”。気絶していた彼がここへ訪れてきたからだ。

 

 彼がテントに入る際に俺達を見て驚いたのは当然だろう。気絶から意識を取り戻した時にいなかったはずの俺達がいたのだから。 

 

「ルーシィ!!ハッピー!!」

「だいたいの事情はルーシィから聞いた。おまえはナツたちを止める側ではなかったのか?グレイ」

 

 エルザの追い討ちに言葉を返せないだろうグレイが目線を逸らし黙る。

 

「あきれて物も言えんぞ」

 

 ごもっともですエルザさん。

 

「ナ…ナツは?」

「それは私が聞きたい」

 

 とまぁナツはテントにも現れず、どこかをさまよっている可能性が高いわけで。

 

「つまりナツはこの場所がわからなくて、フラフラしている訳だな」

 

 いつまでも現状待っている訳にはいかない。そういうように彼女は立ち上がる。そう、彼女には、ギルドにはこの案件は関係がない。彼女はこの馬鹿どもを連れ戻しに来ただけだ。だから事情を知っているのにもかかわらずこんな残酷なことも言えるのだ。

 

「グレイ、グラン。ナツを探しにいくぞ」

「へいへーい」

「お、おう」

 

「見つけ次第、ギルドに戻る」

 

 その言葉にグレイは驚愕な表情を貼り付け振り返った。

 

「な、何を言ってんだエルザ…。事情を聞いたなら今、この島で何が起こっているのか知ってんだろ」

「それが何か?」

 

 グレイの顔が凍り付いた。なんとか事情をとルーシィに視線を送るも、彼女もエルザに掛けより蹴られた一人。

 無理だよと首を横に振っている。

 

「私とグランは、ギルドの掟を破った者をつれ戻しに来た。残るはナツ一人、それ以外の事には一切の興味が無い」

「まぁそういうことだな、まっ俺はこの案件を片付k」

「この島の人たちの姿みたんじゃねーのかよ」

「見たさ」

「それを放っておけというのか!?」

 

 言葉のキャッチボールができていないとはまさにこのことだろうが、俺が最後まで意見を述べれなかったことが解せぬ。 

 

「依頼書は各ギルドに発行されている。正式に受理されたギルドの魔導士にまかせるのが筋ではないのか?」

 

 一瞬の沈黙。だがその言葉を聞き、歯を噛みしめいたグレイは一歩進んだ。

 

「見損なったぞ…お前等」

 

「へぇ見損なったね」

「何だと?」

 

 この言葉を聞き、エルザの怒りゲージが枠を飛び越え、噴火する火山のごとく爆発したのは確かだろう。規律を誰よりも守ろうとする彼女に向けられた敵意。掟を破ろうとするものに鉄槌を。

 彼女はあろうことか仲間であるものに剣を向ける。

 

ーーーシャキンッ

 

「おまえまでギルドの掟を破るつもりか!ただでは、すまさんぞ」

 

 その圧力に息をのみ、見守るルーシィとハッピーだが、グレイはそんなことでは意志を曲げようとしない。盗賊から得た情報とルーシィから得た情報。二つを合わせれば、彼がここまで引かないのにも理由があるというわけだ。

 

 そう、きっと彼は必ず曲げない。

 刃があろうが関係ない。意志を示すにはこれしかないだろうとグレイが出した答えはその向けられる剣先を握ることだ。

 

 握る剣先からは真っ赤な血がぽたぽたと滴り落ちる。

 

「勝手にしやがれ!!!これはオレが選んだ道だ!!!やらなきゃいけねぇ事なんだ」

「ッ!」

「最後までやらせてもらう。斬りたきゃ斬れよ」

 

 この行動にさすがのエルザも度胆を抜かれ、目を見開いている。彼女の心が動くのもあともうひと押しというところだろう。

 だがグレイはテントを出て行ってしまった。その言葉を残して。なら後は俺の仕事だろう。

 

「確かに掟は大事だろうが、俺達妖精の尻尾は意志が固い奴らばかりだ。何かあればこうする。自分の意見を曲げたりしないような奴らばかりだが、何より家族《仲間》想いだ。お前だって掟なしで考えれば、今の状況を知れば助けたいんだろ?この島の人。それに家族《仲間》の力にもなりたいはずだ。なぁ、エルザ?」

 

 俺がにんまりと笑顔を見せる。エルザは寄った眉をさらに強張らせ、ルーシィ達に視線を向ける。その際に悲鳴が聞こえたので相当な顔だったのだろうが、彼女は彼女らしい態度をとったのだろう。

 

 ルーシィとハッピーを拘束していた縄を切断し、こう告げた。

 

「行くぞ」

「え?」

「これでは話にならん。まずは仕事を片付けてからだ」

 

 笑顔を見せるルーシィとハッピーに念押しというものだろう。

 

「勘違いうるなよ罰は受けてもらうぞ」

 

 だが俺にはどうみても”ツンデレ”っていう東洋で使われる突き放すような態度を見せるのだが結局はその人のために尽くすという意味を持つ言語がとても適切だろうと心の中でそっと思う。

 まさか不意打ちを食らうとは思わなかったけどな。

 

「グラン」

「っへ?」

「最初から手伝うつもりだっただろう?」

「あっ、ばれた?あははは…」

「どこまでお人よしなんだか…」

 

 そう溜息まじりに呆れられたのは言うまでもなかった。

 

ΘΘΘΘΘ

 

 「んでそのウルっていうお前の師匠がデリオラっていう悪魔を氷の中に封じたがお前の兄弟子である”零帝”と名乗るリオンっていうやつがこの遺跡の地下でそれを溶かす儀式を行っているであってるか?」

「あぁ…」

 

 テントから出発し、追いついた俺達にグレイは自分の過去を語ってくれた。

 自身がガルナ島の騒動の元となっている”デリオラ”という悪魔に両親を殺されこと。

 ”ウル”という自身が使う”氷の造形魔法”を教えてくれた師匠に助けられ、一命を取り留めたが修行の最中聞いたデリオラの情報により、自身を葛藤させ無謀にも悪魔に挑んだこと。

 そして再び、師匠であるウルが自身の身を犠牲にする”絶対氷結《アイスドシエル》”により、デリオラを封じ、助けられたこと。

 

 すべてをだ。思い出すのも苦になる記憶を掘り起し、説明してくれた彼は、過去を語る前にこう述べていた。

 

「ウルはまだ生きている」と。

 

 




シリアスの雰囲気でも心の中でその空気感をぶち壊すグランさんさすがです。
とまぁこういうことでガルナ島編着々と少々場面ぶっ飛ばしたりして進んでるんですが。
何より。



ミラさん早く出したい。

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