どうしてこうなった? アイシャIF   作:たいらんと

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第百二十七章

 

「んもぅ!」

 

 スパーンと、ウラヌスのお尻を引っぱたくシーム。避けようとしたのを、私がさりげに邪魔してやった。

 

「アイターッ!? オマエ、ケツ叩くな!」

「フン!」

 

 猫をはねてしまい、怒ってゲームをやめたシーム。ウラヌスを攻撃した後、売店へズカズカ歩いていった。サクラが好きなシームにあんなことさせたら、そりゃ怒るよ。

 

「お遊びはここまででいいんじゃない?

 今日はまだ攻略進めるんでしょ?」

「そうですね。

 あんまり遊びすぎて疲れてもいけませんし」

 

 私達がそう話すと、ウラヌスはお尻をさすりながら、

 

「うーん。俺、まだ本調子じゃないんだけどな……

 遊びは別に終わりでいいけどさ」

 

 シームの後を歩きながら追う私達。売店で食べる物を探している様子のシーム。

 

「なんか食いたいモンある?」

 

 ウラヌスがぶっきらぼうに尋ねると、まだ不機嫌そうにシームは、

 

「……なんか美味しそうなの食べる。あっち行ってよ」

「悪かったって、シーム。ごめん。

 んー、俺もちょっと気晴らししたいかな」

「私も卓球勝負でうっぷん溜まったんで、なにか食べたいですね」

「アイシャは、ちゃんと俺にやり返したじゃないか……」

「なに言ってるんですか。

 仕返しは今夜が本番ですよ」

「おーい、アンタ達。

 不穏な会話してるけど、今日は四人部屋に泊まるって、ちゃんと分かってる?」

「え? ……分かってますけど」

「……俺はむしろ助かったと思うべきか」

 

 む。別に人目を憚るようなことするつもりないのに、メレオロンもウラヌスも誤解してないか? 私はウラヌスに全身マッサージするだけだぞ。

 

「何の話?」

 

 シームが食いついてくる。……なんか話が大きくなりそうだな。

 

「アタシもちゃんと聴こえなかったけど、卓球で負けたらマッサージじゃなかった?」

「……そうですよ。

 私が今晩、ウラヌスに全身マッサージします」

「あ。それ、ボクもしたい」

「ほ?

 アンタ、マッサージされる方じゃなくて、マッサージしたいの?」

「うん。

 ウラヌスを揉み揉みするんでしょ?」

 

 私に同意を求めるなシーム。その通りだけど、言い方。揉む手つき。

 

「よかったわねー。モテモテで」

「俺がこんな扱いされて、喜ぶと思うのか」

 

 ぶすっとするウラヌス。シームに向かって手を振り、

 

「言っとくけど、お断りだぞ。

 マッサージなんて素人がするもんじゃない。ヘタしたら、かえって痛めちまう」

「ああ、心配しなくても私がシームに教えますよ。

 誰でも出来る安全なマッサージの仕方なら心得てますから」

「ホント!?」

「ちょっと!?」

「ええ、今晩教えますね」

「やったー!」

「アイシャー……」

 

 にゃんこがヘタれてるけど、知りませんな! シームにも償っていただかないと、私も気分が良くない。

 

「丸く収まったところで、なに食べる?」

「収まってねーよ!

 くそっ……なんか思いっきり甘いモン食いてーな」

 

 メレオロンに対し、いらいらウラヌス。ふふ、なんだかんだでシームには甘いんだよね。

 

 

 

「あんまー。これ、すんごい甘いな」

 

 まったり顔のウラヌス。4人とも同じ生クリーム抹茶プリンを注文して食べてるけど、生クリームから抹茶、プリンに到るまで全て甘い。私的にはつぶ餡入りなのが高得点だよ。

 

「ちょっと甘すぎるけど、美味しいわねコレ。

 修行の後とかに食べられたら最高じゃない?」

「あー、そうかも。

 でもオータニアで食べるデザートも美味しいと思うけど」

「まあねぇ。

 いっつもへとへとになってから食べるし、余計そう思うわ」

 

 私はくじら島で食べた、ミトさんの手作りプリン思い出すな。アレも最高だったよ。

 

「俺的には、アイシャの食ってた山プリン思い出して、ちょっとげんなりするけど」

 

 おおぃ、やめろ! それは私も思い出したくないよ!

 

「ちょっとウラヌス、今はやめてよ」

「そうよ。時と場合を考えなさい」

 

 姉弟がプリンをかかえて、私から顔を逸らしてる。おい、どういうことだ。こっち見ろ。

 

「ごめんごめん。

 ……えっと、アイシャもそんな睨まないでよ。悪かったってば」

「睨んでなんかいません」

「そう?

 ……ともかく、これ食べたら部屋でちょっと休憩して、そのあと釣りに行こっか。

 あんまり遅くなってもいけないし」

「むしろ釣りが今日の攻略メインですね。

 どういう釣りイベントなんです?」

「その辺の話は、部屋でゆっくりしよ。

 お茶とみかん用意して」

 

 

 

 というわけで、泊まっている部屋に戻ってきた私達。

 

 早速3人でこたつに入り、そんな私達に苦笑しながらお茶を煎れるウラヌス。ああー、ぬくいぬくい。浴衣でこたつに入るのも、また格別だな。ふふ。

 

「もうさー。今日はこのままオフにしない?」

「ダメですよ、ちょっとでも攻略を進めないと。

 それに今日は全然修行してないじゃないですか」

 

 私の言葉に、ふてくされるメレオロン。気持ちは分かるけど、まだ3時だしな。やれることは早めにやっておかないと。私も修行してないから、身体がなまって仕方ない。

 

「これからやる釣りは重労働だから、修行にはなると思うよ。

 ……できれば桜で、オーラ無駄使いさせてほしくなかったけど」

「アハハハ。

 今のうちに少しでもオーラ回復させてくださいね」

「分かってるよ。

 ……温泉入って、かえって疲れちゃったよ」

 

 湯飲みを傾け、「はぁー」と息吐くウラヌス。雪山に行かない分、今日はマシだと思うけどね。この後の釣りを加味しても、明日の方がずっと疲れるだろう。

 

 しばらくウラヌスが手持ちのスペルカードを消費して、カード整理を進める。その間、私達はぬくぬくさせてもらう。気持ちが少し緩んできた頃に、ウラヌスが整理を終えた。

 

「さて、釣りのことだけど。

 まず必要な道具は、この街の釣具店で専用装備が一式売ってるから、それを買う。

 で、肝心の川は街の北東にある雪山から麓に(ふもと )流れてて、そこへ行って釣る。

 特別な技術が必要ってわけでもなくて、川辺から釣糸を垂らしてればそのうち釣れる。専用装備で釣りを始めると、釣りイベント判定になるからだと思う」

 

 ……うん。その辺、仲間うちでも話題になってた気がするな。ゴンの自前の釣竿で釣りしても、全然釣れないとかなんとか。川に入って直接獲った方が早かったらしい。

 

「必要アイテムを全部釣り上げたら、イベントのクリア条件を達成できるんだけど……

 このイベントは、厳密には指定ポケットカードのイベントじゃないんだ。

 例の『ブループラネット』入手に必要な、宝石を取る為のイベント。

 一手間だけど、アイテムを集め終わったらルビキュータへ行かないといけない」

 

 メレオロンがよく分かってない顔で、首を傾げる。……私はなんとなく分かったけど。前に少し話してたしな。ウラヌスがやろうとしてるのは、正規の手順じゃないんだろう。

 

「本当は、ルビキュータでアイテムを集めてくる依頼を受けるのがスタートってことですよね? 宝石と交換してもらう為に釣りをする必要がある──でいいですか?」

 

 私が確認すると、ウラヌスは静かに頷く。

 

「そういうこと。

 ルビキュータにある教会の1つに資産家の娘が参拝してて、話しかけると依頼されるんだよ。

 『黄金イクラ』『白銀サーモン』『黒曜タイガー』の3つを持ってきてほしいって。

 それと交換で、宝石アイテム『夜天のルリ星』が手に入る」

 

 得心した表情でメレオロンは指をくるんと回し、

 

「なーるほど。

 行ったり来たりの手間を省く為に、先回りして釣っとくわけね」

「うん。まぁただ、全部は釣れないんだけどな。

 スノーフレイ近くの川の上流で釣れるのは、『黄金イクラ』と『白銀サーモン』だけ。

 『黒曜タイガー』は別のトコで釣らないといけない」

 

 おや、面倒だな。いっぺんに終わらせられないのか。

 

「そのタイガーとやらを釣るアテはあるんですか?」

「ソルロンドで磯釣りするのが、一番手間がないかな。あそこならすぐ釣れる。

 それに比べて『黄金イクラ』は入手確率が低いから、優先して狙うべきだと思う。取り損ねたら一度仕切り直すよ。フリーポケットを無駄に圧迫したくないから」

 

 みかんを食べながら眉根をひそめたシームが、

 

「すぐソルロンドにも行くの? 暑いじゃん、あそこ」

 

 尋ねられたウラヌスは思案顔。……まぁスノーフレイの直後に行きたくはないな。

 

「状況次第かな……

 イクラとサーモン持ち歩くのも邪魔だから、そんなに先延ばしにはできないけど。

 少なくともすぐ行ったりはしないよ。体調崩しそうだし」

 

 にしてもソルロンドか。食べ物運ぶお使いイベントが途中だったから、また行かなきゃいけない場所ではあるんだけど。

 

「それはさておき、釣りの話な。

 釣るだけならどうとでもなるんだけど、問題は釣りの最中に怪物が来た時。

 当然、釣りを中断してすぐに対処しないといけない。

 怪物は、子熊・熊・大熊の3種類。子熊は注意すればシームでも勝てる。

 大熊は俺かアイシャじゃないと無理。で、中間サイズの熊なんだけど……」

 

 ウラヌスは言葉を切り、みかんを手に取る。細い指で皮を剥きながら、

 

「俺とアイシャで基本対処する、でいいと思う。

 シームは多分キツイ。体格差があるしな。メレオロンでどうかってトコ」

「アタシでも勝てそうなの?」

「顕在オーラ的に、勝てない方がおかしい。

 戦い方は熊と同じだから、爪と噛み付きが危険で、両腕で締め付けてきたり、後は伸し掛かりかな。単純に腕をブン回してくるのもヤバイけど。

 多分、必死で戦えば9割強勝てる代わりに、どっかケガするだろうなって。

 だから無理して戦うことはないと思う」

 

 溜め息を吐くメレオロン。

 

「今のアタシは、熊にも後れを取るってことね……」

「そりゃ正面から戦えばな。念獣だから生物的な弱点が少ないし。

 無傷で勝つだけならいくらでも方法あるけど、修行として戦うにはちと重い。

 戦闘技術は素人だし、オーラの身体能力強化も弱いし、身体の基礎も出来てない」

「おねーちゃん、ボロくそー」

「うっさいシーム。アンタだってそうでしょうが。

 そりゃ元が素人なんだから仕方ないわよ。……正面から戦ってこなかったのはアタシの責任だけど」

「んー、でもさ。

 おねーちゃんなら、【神の不在証明】使えば勝てるんじゃないの?」

 

 シームの素朴な疑問に、私達3人とも思案顔。……そんな単純な話じゃないんだよな。

 

「メレオロンの能力は、相手から逃げたり一撃で仕留める分には文句なしですが、戦いが長引くとマズイですね」

「だよね。呼吸止めながらだし、一発で倒せなかったら怪物が適当に暴れ出しかねない。なんせ反撃しようにも、相手が居ないわけだから。

 たとえばメレオロンが消えてる状態で熊を攻撃したとして、その熊どうすると思う? 多分手近な獲物に反撃すると思うぜ。位置関係にもよるけど、シームが狙われたりな。

 シームに襲いかかる熊を、メレオロンは背後から追撃するわけだ。……そうそう上手くいくかね?」

「ウラヌスはともかく、私とシームも能力発動中のメレオロンは見えなくなりますから、連携が取れませんし。

 作戦を立てて戦うのであれば、メレオロンの能力は破格です。

 けれど、突発的な事態に対処するには、それだけでは不十分ですね」

 

 難しい顔のメレオロン。不機嫌なシーム。こんなこと言われて気分は悪いだろうけど、はっきり言っておかないとな。何かあってからじゃ遅い。

 

「……だからアタシはバラしたくなかったわけよ。

 ひどく脆い能力なのは分かってたから。弱点つかれたらどうしようもないし」

「んー……おねーちゃんの能力が初見殺しなのは分かるけどさ。

 何か良い方法無いの?」

 

 私とウラヌスは顔を見合わせる。そう言われてもなぁ。

 

「毎日の修行が一番の近道だと思います」

「息止めて、鍛えた力で急所を一撃すりゃ大抵の怪物は倒せるだろうしな。

 そもそも能力を頻繁に使うのはマズいし、普通に戦って勝てるようになった方がいい。使うにしても、透明化までかな。

 ともあれ、メレオロンはむしろ課題が少ない方さ。軽くもないけど」

「へいへい。

 毎日キリキリ荷物運びと修行こなせばいいんでしょ?

 よごザンス、よごザンス」

「もちろんシームもですよ」

「分かってるってばー……」

 

 姉弟そろって、ぶすーっとする。同時にみかんを手に取って、皮を剥きだす。

 私達も苦笑しながらみかんを手に取り、

 

「私は釣りの間、『周』してもらうってことでいいんですよね?」

「もちろん。

 怪物と戦う役は、俺とアイシャメインだからね。釣り役をどうしようかなと思ってる」

 

 それは私も気になってた。そもそも釣りと一口に言っても色々種類があるだろうから、その辺も打ち合わせしないとな。ゴンは釣り竿一本で工夫して釣ってみせてたけど、そのせいで参考にしづらい。

 

「釣り自体はどういうやり方なんです?

 やったことはあるんですけど、私もあまり詳しいわけではなくて」

「んー。

 細かい説明は実際やる時にするけど、そんな身構える必要はないよ。

 なんていうか、釣りイベントの条件を満たせば勝手に釣れるっていうか。技術や知識がないと全然魚が食いつかないとか、そういうんじゃないんだ。

 本格的な釣りじゃないから、釣竿・釣糸・釣針・エサが揃ってれば問題ない。

 魚の種類を問わなければ大した時間もかからないんだけど、食いついてから釣り上げるのが厄介。そっちはむしろ普通の釣りよりキツイかもしれない。念能力者を対象にしてるだけあって、相応のパワーを要求される」

「勝負は食いついてから、ですね」

「そ。エサだけ取られるならまだしも、釣針を取られる、釣糸を切られる、ひどいケースだと釣竿ごと持ってかれたり、ヘタすりゃ折れる。

 最悪、水に引きずり込まれるかもね。釣竿を手放すのが遅ければだけど」

 

 ……。釣竿が折れる、か。それって……

 

「もしかして、釣竿に『周』しないといけないんですか?」

「折られたり、糸を切られたくないならその通り。

 大物相手にしてると、どうしたってその心配がある。釣糸はもちろん釣竿も消耗品だし、使ってりゃそのうち壊れるよ。

 だから道具の損耗を嫌うなら、普段はともかく、魚が食いつく度に『周』をするべき。道具を強化してやれば遥かに釣りやすくなるし」

「でもそれだと、アンタしか釣れないじゃない」

 

 メレオロンが当然の指摘をする。だよね。シームは当然無理、私も強制『絶』で無理、メレオロンもまだ『周』は教えていない。すぐ覚えられるものでもない──多分。

 

「それを踏まえて、俺のプランを言うよ。

 同時に釣りをするのは多くても2人。釣具セット自体は、予備含めて3つ買うけど。

 釣り自体は誰がやってもいいと思う。シームもね。

 実際魚が食いついたのが俺以外の釣竿だった場合、俺がその釣竿に触れて『周』するよ。それしかないと思うし。

 2本同時に食いつかれると俺の手に余るから、1人が魚と格闘し始めたら、もう1人は即座に針を引き上げて釣りを中断してほしい」

 

 プランを聞いて、私達は考え込む。

 

 ウラヌスの釣竿に魚が食いついた場合は問題ない。──もう1人はすぐ釣りを中断し、ウラヌスの釣りを見守るだけだ。

 

 ウラヌスが釣りをしていない時に、誰かの釣竿に魚が食いついた場合も問題ない。──ウラヌスがその釣りを『周』で補助し、もう1人はやはり釣りを中断するだけだ。

 

「……あなたが釣りをしていて、もう1人の釣竿にアタリが来た場合は?」

「その時は俺が即座に釣りを中断して、すぐ『周』で補助する。俺が補助するまでに若干タイムラグがあるだろうけど、補助する前は無理に釣ろうとせず粘る感じで」

 

 だよね。釣りだけなら、どういうケースでも特に問題はないか。

 厄介なのは、怪物の襲撃と釣竿のアタリが重なった時だな。

 

「怪物が来たら釣りを中断すればいいと思うけど、魚とやりあってる最中だったら?」

 

 メレオロンが当然の疑問を呈する。ウラヌスは少し悩ましげな顔をし、

 

「その辺が、同時に釣る人数を2人に絞る理由だな。

 釣りの最中に襲われた場合、当然俺が釣竿に『周』をしてたら手が空かない。

 この場合の迎撃役はアイシャにお願いしたい」

 

 私は首肯する。そこは予想通りだな。問題は……

 

「ちょっと待って。

 アイシャも釣りはするんでしょ? その時に怪物が来たら?」

「いくつかパターンがあるから、順に説明するよ。

 まず俺とアイシャは同時に釣りをしない。怪物の襲撃にどっちか備えてないといけないから、これは当然だな。

 アイシャが釣竿を持ってる時に、アイシャ以外の釣竿にアタリが来て、俺がその補助をしてる時に怪物が来たら、釣りを中断したアイシャが怪物を迎撃する。

 逆にアイシャの釣竿にアタリが来て、俺がその補助をしてる時に怪物が襲ってきたら、ちょっと際どいけど俺が『周』の補助を中断して怪物を仕留めに行く。

 その間、アイシャの釣竿には『周』が出来ないわけだけど、俺が戻るまで無理をせずに粘ってほしい。アイシャ自身にも『周』はかかってるから、持久戦に持ち込んでくれればそうそう釣竿も傷まないと思う。

 って、感じに考えてたんだけど。なんか質問ある?」

 

 シームが早速手を上げる。ウラヌスは首肯して促す。

 

「アイシャとウラヌスが同時に釣りしないってことは、誰と誰が一緒に釣りするか、もう決まってるの?」

「消去法だな。

 俺とメレオロン、アイシャとシームだよ。この2組が交代で釣りをする。

 いま話した通り、アイシャが釣りをしてる時が一番防衛に不備が出やすいから、自分の身を守れるメレオロンがフリーで動ける状態がベストかな。

 俺とメレオロンが釣りの真っ最中、仮にシームに向かって怪物が襲ってきたとしても、アイシャなら余裕で迎撃できるだろうし」

 

 どうだろうなぁ。オーラの見えない私が余裕、って考えるのも怖い気がするんだけど。シームを守るのは出来るだろうけどさ。

 

「他に質問ある?」

 

 気軽にみかんをもきゅもきゅ口にしながら尋ねるウラヌス。

 

 ……色々考えてはみたものの、現場で聞けばいいような些細なことばかりだな。

 

「無いようなら、そろそろ釣りに行こうと思うけど」

「ちょっと、ちょっと待って。

 ボクも子熊と戦うんだよね? なんか注意することとか無いの?」

「相手の動きを良く見る。

 特に攻撃には注意を払う。

 自分の『練』を乱さないようにする。

 ぶっちゃけ、イナゴと基本は変わらないさ。後は慣れだよ。

 そこまで心配しなくても、シームが子熊と戦う時は俺かアイシャがすぐ近くにいるから、フォローにはすぐ入るさ。怪我しないようにだけ注意してくれ」

 

 不安そうなシーム。落ち着かない様子のメレオロン。こういう荒事にもどんどん慣れてもらわないとな。グリードアイランドは良い実戦経験の場だ。私にとっても良い修行場になりそうだよ。

 

 

 

 

 

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