どうしてこうなった? アイシャIF   作:たいらんと

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第百五十六章

 

 腹立ちまぎれに、カウンター席のにゃんこの脇を時々ズビシッズビシッと貫手で突いてやる。私の怒りが伝わってるのか、嫌がりはするものの防いだり避けたりしないウラヌス。

 

 調子に乗って脇腹を摘まんだり、ぽんぽんむにゅったりすると、流石に身をくねらせて抗議してきた。

 

 素直に謝った後、隙をついてヘソを親指で刺してあげたら、むせて飲み物をこぼした。オレンジジュースで口許べたべたにした涙目の小動物に満足したので許してあげることにする。ごち。

 

「けふ、けふんっ……ひどぃょー……謝ったのにぃ」

 

 タオルで顔を拭くにゃんこの鳴き声をスルーし、

 

「さて、この後どうします? まだ誰も来ませんし」

「んー……

 4人とも手こずっ、て、けほっ。意外に手こずってる……かも。

 ん、ん。……もう少し遅いようなら『交信』使うけど、まだ時間潰した方がいいかな」

「でも、スロットします?」

「それもねぇ」

 

 ぽふ、と彼がカウンターに置いたタオルを、バーテンダーが回収する。

 

「プレイヤーが結構いますからね」

 

 ウラヌスが変な顔してポンポンを手の平でさすさすしつつ、

 

「とにかく当たんないから、虫の居所が悪いヤツもいるし。

 それを警戒して、アレするのもねぇ」

「変ですもんね……」

 

 例の『周』は、私自身によるオーラ量の加減が利かない。スロットしながら臨戦態勢を取り続けるようなもので、不自然極まりない。かと言って『絶』のままもなぁ。

 

 まだ10日目なんだよな。念の復活が待ち遠しいよ。……そりゃ今は今で楽しいけどね。オーラのありがたみがよく分かるよ、この期間は。

 

 私が物思いに耽っていると、隣のにゃんこが小首を傾げ、

 

「んで、どうしよ?」

「うーん……

 ここって確か、ポーカーとスロット以外に」

「目当てのアイテムって意味なら、ルーレットがあるね。

 行ってみる?」

 

 

 

 興味はあったし、ルール的に難しいはずもないのでルーレットフロアへ。

 

 ルーレットのチップは100ジェニーが最高額ということで、それを100枚確保して、2人でカードを50枚ずつ分担して運ぶ。

 

「どこでもいいんですか?」

「100ジェニーのトコならね」

 

 というわけで、他のプレイヤーや仲間が来たら分かる位置のルーレットテーブルへ。

 

 椅子はあるけど座ることはせず、2人立ち並んで回転盤とボードを見下ろす。

 

「10連勝目指すってことでいいんですかね?」

「うーん。どうせ無理だろうけどね。

 好きに賭けていいよ」

 

 そうこうしてるうち、テーブル上に積み重ねておいたカードの束が煙になり、チップの山に置き換わる。

 

「あ、賭けられるチップは1ゲーム10枚までだよ。

 1箇所に賭けてもいいし、10箇所バラバラに賭けてもいい」

 

 ふぅん。どうしようかな。

 

「あなたはどうするんです? あなたも賭けるんですよね」

「別々にやっても時間の無駄だから、俺も賭けるよ。

 アイシャが賭けてないトコにしようかなって」

「……さっきみたいな作戦じゃないでしょうね?」

「違う違う。

 このルーレットに勝ちやすい負けやすいとかないから。……多分」

 

 胡散くさげに見る。この人、ちゃんと情報を渡さないからな。

 

「しいて言えば、0・00・1・2・3の5点ベットは勧めない。

 ここだけ倍率と的中率が離れてて、ソンしやすい」

 

 言ってウラヌスは、ボード上の0と1のカド境目を指先でトントン叩く。さいですか。

 

「じゃあオススメは?」

「悩んでるなら、2倍でいいと思うよ。

 どうせダブルアップするんでしょ?」

 

 あわよくばアイテム取りたいわけだし、そりゃね。

 

 少し考え、奇数にチップを1枚置く。

 

 ウラヌスはすぐ動き、偶数と、0・00の間にチップを1枚ずつ置いた。

 

「こうすれば2人とも負けることはない」

 

 なるほどね。でも……

 

 私達が動かないのを見て、ディーラーがボールを入れて回転盤が回りだす。

 

「それだったら、2人ともこの3箇所に1枚ずつ賭ければ効率よかったんじゃ?

 そういう賭け方したり、ダブルアップに2人で挑戦できるなら、ですけど」

「できるし、そういう戦術もあるね。

 うまくやれば、9連勝した後にほぼほぼ勝利確定できる。

 でもそれ、毎回同じ賭け方になるわけじゃん? ワリとつまんないと思うよ」

 

 あー。つまりコレ、私とウラヌスの勝負になってるわけか。粋狂だなぁ。

 

 ボールが止まる。黒の15。とりあえず私の勝ちか。

 

 ディーラーがチップを1枚置き、2枚一緒に私の手元へ。

 

「ダブルアップって宣言してから、2倍のところへ置き直せばいいよ」

「……ダブルアップ」

 

 黒にチップ2枚をそのまま置く。ウラヌスが赤と、0・00の間にチップを1枚ずつ置く。

 

 ディーラーが再び回し始める。

 

「アイシャがそういう賭け方したいなら別に構わないけどね」

 

 ん? さっきの話の続きか。

 

「それだと、あなたはつまらないんですよね?

 あなたが私と勝負したいのなら、受けて立ちますよ。

 どっちがダブルアップ最高何回成功させるか、勝負しましょうか?」

「お、いいね。面白い。

 何か賭ける?」

「……」

 

 どうしようか考えてるうち、ボールが止まった。黒の20。また勝ったよ。

 

 4枚になったチップを「ダブルアップ」と告げて、黒に置き直す。先ほどと同じ場所に賭けるウラヌス。

 

 ルーレットが回りだし、

 

「……私が勝ったら、あなたを全身マッサージで」

「またぁ?

 いや、けどさぁ。それ、俺が勝ったらキミを全身マッサージするの?」

「したけりゃすればいいじゃないですか」

「なんかソレもなぁ。

 うーん……」

 

 よからぬことを言ってきそうだな。別にウラヌスが全身マッサージしてきたって、私は構わないよ。どうせ変なことしないだろうし。

 

 ……げ。緑の0だ。

 

 私のチップが取り上げられ、ウラヌスの手元にチップ18枚が来る。

 ちゃっかり、そのチップを確保するウラヌス。大きいのが当たった時は、ダブルアップせずに元手を増やす作戦か。ちょこざいな。

 あれ、私の方にもチップ2枚あるな。こんなとこ置いてたっけ?

 

「そうだね。

 俺が勝ったら、次に水中へ潜るイベントが来た時、アイシャがやってくれる?」

 

 ん?

 

「まぁそれくらいなら……」

「スク水でね」

「……はい?」

 

 すく、みず?

 

「──ハィィィィッッ!?

 ななな、なに言ってんですかッ!?」

「いやー。スク水、似合ってたじゃん?

 アイシャのスク水姿、もう一度見てみたいなーって」

「は、はぁ? ほんとナニ言ってるんです?

 ……その、違うのにしてくださいよぉ……」

「やーだ。

 全身マッサージとか、俺すっごい屈辱だったもん。

 それぐらいじゃないとフェアじゃありませんー」

 

 こ、の……! 私がどれだけハズカシイか、分かってて!

 

「どうするー?

 じゃないと俺、ぜったい全身マッサージとかお断りですー。不っ公平、不っ公平」

 

 パンパン手を叩いて煽ってくる。おのれ、にゃんこの分際で!

 

「ぃ……

 いいでしょう。その勝負、受けて立ちます」

「お、言ったね?

 分かった、俺も受けるよ。

 アイシャが勝ったら全身マッサージ、俺が勝ったらスク水ね」

「……はぃ……」

 

 なんだろ。またやってしまった気がする。……いや、負けなきゃいいだけの話だ。うむ。

 

 

 

「はぁい♪ お2人さーん」

 

 私達がルーレット勝負に興じていると、喧騒に混じって弾むような声が聴こえてきた。

 声の方に目をやると、照明にブレスレットをキラキラさせながら手を振るベルさんと、モタリケさんの姿。……そういえばモタリケさん、普段着のままだな。私達もだけどさ。

 

「お待たせ♪ いまルーレット中?」

「見ての通りだよ。

 ダブルアップ7回までは成功したんだけどな」

「わ、結構やるじゃない。

 ……でも、そこからが大変なのよね」

「まぁな」

 

 ……くそ。私はまだ5回なんだよな。ウラヌスは私の逆に張ってるだけなのに。なんか理不尽だぞ。

 

「あの2人は?」

「まだ来てないよ。……ちと遅いか」

「絶対わたし達の方が遅いと思ってたのに」

「そういや、お前らも遅かったな。んな手こずったのか?」

「うぅん、ちょっと遊んでたの。休憩もしてたし」

「そっか。

 まぁ俺達も休憩ぐらいしてたから、全然構わないよ」

「飲み食いしてそれなりに手持ち減ったけど、大丈夫だった?」

「うん。経費はコッチ持ちって約束だしな」

 

 なんだかんだで楽しんでたようだ。特にベルさんは遊び慣れてるんだろうな。

 

 ……ん? なんか遠くからバタバタ気配がするな。

 

「言ってたら来たみたいだな。

 ベル、悪いけど迎えに行ってもらっていいか? 俺達すぐ離れられないし」

「いいわよ。

 モリー、一緒に行きましょ」

「ああ」

 

 引き受けてくれた夫婦が、気配のする方へ歩いていく。

 

「アイシャー。早く次賭けて。

 俺のダブルアップ消えちゃうから」

「分かってますよ。

 ……だったら先に賭ければいいのに」

 

 ぶつぶつ言いながら賭けると、ウラヌスも賭けながら、

 

「全員来たみたいだし、今のダブルアップが途切れたら終わりにする?」

「はぁっ!?

 私の負け確じゃないですか!」

「そうだねぇ」

 

 そうだねぇ、じゃねぇ! くそっ、イヤだイヤだ!

 

 ……向こうはまだ合流してないな。今なら間に合う!

 

「……まだです。

 まだ来てませんから、みんな来るまでにあなたがダブルアップ外して私が当たれば!」

「あーうん。

 みんながここに来てから、ダブルアップが途切れた時点で終了ね。

 ……あ、外れた」

 

 コロン、とボールが止まる。緑の00。っしゃあ!

 

「ダブルアップ!」

 

 選択の余地がないので、18枚のチップをまとめて黒に全賭け。

 

「まぁいいけどね。

 焦っても欲張っても、ロクなことないと思うけど」

 

 ちまちま、赤と緑の0・00に賭けるウラヌス。く、負けるなんて全然思ってないな。

 

「勝負はまだ終わってませんよ?

 そうやって、余裕こいてられるのも今のうちですからね」

 

 肘でウラヌスの腕を小突いてやると、彼は困ったような表情を浮かべ、

 

「……別にさぁ。

 やる気出そうが出すまいが、アタリハズレが変わるとは思えないけど。

 そうやって賭け事で前のめりになると、しょうもないミスするよ?」

「ふん! せいぜい気をつけますよ」

「機嫌わるいなぁ……」

 

 当たり前じゃないか。こっちは今にも負けそうなんだから。

 

 ──しっ。黒の11。

 

「ダブルアップ!」

 

 また黒に全賭けする。のんきに、さっきと同じ賭け方をするウラヌス。

 

 ……よし、4人がこのフロアに来たぞ。これで私のダブルアップがラストで確定した。

 

「ウラヌス、いいですね?」

「いいよ。キミがあと6回当てたら引き分け。7回以上当てればキミの勝ち。

 そのかくりつはぁ」

「黙っててください!」

 

 分かってるよ、ほぼ無いことは! でもゼロじゃないんだ、望みは捨てない!

 

 ──しゃあっ! 黒の26。来てる、これは来てるよ!

 

「ダブルアップ!」

「まぁ楽しんでるならいいけどね」

 

 平気そうな顔で、坦々と賭けるにゃんこがまた小憎たらしい。

 

「……ていうか、当ててもダブルアップしないなら、もう逆に張らなくてもいいじゃないですか。ルーレットやめるんですよね? 喧嘩売ってます?」

「いや、そこまで怒んなくても。

 単にモノの流れじゃん。いちおう勝負なんだから」

「ふん。好きにしてください」

「実際問題、俺が賭けなくなったら落ち着かないと思うよ?

 流れ変わる方がイヤかなって思ったんだけど」

「……」

 

 それはまぁその通りだけどさ。……ああもう、賭け事はダメだなぁ私。

 

「お待たせ♪ 見つけてきたわよ」

「ゴメン、遅くなって」

 

 ベルさんとメレオロン、後ろに付いてモタリケさんとシームが近くまで来た。

 

「すいません、みなさんちょっと待っててくださいね」

 

 ころん。黒の6。……来た、来た。現実的な確率になってきた!

 

「当てるなぁ。ちょっと怖くなってきた」

 

 手元に山のような緑チップが押し寄せ、目で追うウラヌスが気弱な発言をする。

 

「わっ、なにこれ?」

「つっても全部100チップだから、14400ジェニー分だけどな」

「あ、そうなんだ」

 

 メレオロンが不思議そうにしてるけど、私は気にせず、

 

「ダブルアップ」

 

 ざぁっとチップ144枚を黒へ乗せる。

 

「え? あんた、なにしてんの?」

「勝ったチップを2倍賭けし続けて、9回成功させたらアイテムゲット。

 だから実質10連勝しなきゃいけない」

「あ、あ。なるほど。

 それでこれ、何回目なの?」

「まだダブルアップ3回成功したトコだよ」

「ふぅん……

 へ? でも2倍を3回だから8倍でしょ? だから、えっと」

 

 うぅん、今やめてくんないかな……。ウラヌスに相手してもらうけどさ。ルーレットが回りだしたから意識を割きたくない。

 

「最初に18倍当てたからだよ。

 1枚賭けが18倍になってその8倍、だから144枚」

「ひゃー。怖いことしてるわねぇ」

「アイシャ、大丈夫?」

 

 シームがなぜか私に尋ねてくる。どういう意味だろ。

 

「シーム、なんか顔色悪くないか?」

「えぅ……」

「あー。この子、ちょっとブラックジャックで負けこんでたのよ。

 それで」

「あ、そっか。

 アレ5000だもんな。初めてのギャンブルにしちゃ、額がデカすぎたか」

 

 片耳で聞きながら、ボールが止まるのを見る。黒の13。

 

 なぜかディーラーがチップを引っ張っていってギョッとするけど、銀色のチップが4枚追加されて、やや少なくなった緑のチップが返ってくる。銀チップに5000って書いてあるから、替えてくれたのか。びっくりした。

 

 ウラヌスが落ち着かなさげに鼻息を吐き、

 

「ダブルアップ4回目成功だね」

「当然。まだまだいきますよ」

「え、アイシャまだやるの?」

 

 シームが不安そうに言ってくる。うん、まぁやらないわけには。

 

「アイシャ、途中でやめるのも選択肢の1つだからね?

 この場合は額が大きいから、無理してアイテム取らなくてもいいんだし」

 

 余計なこと言って揺らしてくるウラヌス。私も10連勝できるとは流石に思ってないよ。でも最低あと3回は勝たないとな。

 

「ダブルアップ」

 

 迷わず黒に全賭けする。ウラヌスは、やれやれといった顔でチップを置き、

 

「ウラヌス、これで10連勝したらどうなるの?

 最初の枚数が多い分、アイテムってもらえるの?」

「んにゃ。アイテムは1つだけで、余剰分はチップ払いだな。

 ドリアスのギャンブルは大体そうだよ」

 

 そっか。アイテムが欲しいだけなら、2倍に賭け続けるのが基本ってことか。道理で、ウラヌスが18倍当てた時に降りるわけだ。

 

「あんまり無茶しちゃダメだよ」

 

 なんだか諭すように言ってくるシーム。……今の私、そんなに不安与えてるのか。

 

 メレオロンが怪訝そうな顔をウラヌスに向け、

 

「アンタ達、なんかしてるの?

 やけにアイシャ必死だけど」

「あー。ちょっとしたゲームだよ。

 別にたいしたこっちゃない」

 

 た・い・し・た・こ・と・だ・よッ!! どんだけ私イヤだと思ってるんだッ! 二度と着ないぞ、あんなもんッ!! くそっ、こんなことならさっさと処分しとくんだった!

 

 誰ともなしに全員が沈黙し、ルーレットのボールがコトンとハマる。

 

 黒の、35。

 

「おぉぉぉー……」

 

 メレオロンの感嘆の声。うむうむ、これで自己最高記録に並んだぞ。ここまでは来れる予感はあった。こっからが未知の領域だな……最低でも後2回。

 

 ディーラーがチップをやりくりし、私の元に銀チップ10枚と緑チップの山。

 

「これ、いくらになるっけ?」

「100チップの18倍、2、4、8、16、32倍だから、57600ジェニー」

「……ダブルアップ」

 

 ズッと。チップの山を黒へと押し戻す。

 

「……」

 

 敗北の可能性が迫ってきたからか、ウラヌスも難しい顔でチップを賭ける。

 

 誰も一言も発しないまま、ルーレットが回りだす。……いや。みんな、なんか喋ってよ。ヘンに緊張するじゃないか。

 

 赤に入りかけたボールが勢いよくスリ抜け、跳ね回って黒の28。ひぃぃ、ひやっとした。

 

 これで自己最高記録更新、6回! アイテムゲットまでは残り3回だけど、ウラヌスとタイになるなら後1回だ! うぅ、軽く身震いしてきたぞ。

 

「……ダブルアップ」

 

 手元に来た銀と緑のチップ山を、ズズズと黒へ押し……

 

 バシャあっ、とチップが倒れた! あああっ、しまったッ!? めっちゃチラばったッ!!

 

「アイシャ、落ち着いて。

 ダブルアップを宣言済みだから、ノワールに全部って言えば通る」

 

 焦る私に、ウラヌスがそう耳打ちしてくる。ホントだな? 信じるぞ。

 

「……ノワールに全部」

「オーケー」

 

 ダンディなヒゲのディーラーが、渋い声でうなずく。このNPC、こんな声だったのか。

 

「ルージュに1枚」

「オーケー」

 

 言いながらウラヌスは、私のチップが雪崩れ込んだ赤の辺りに1枚重ね、毎度のように0・00の間にも1枚置く。ほんと律儀だな。

 

「ノワールとかルージュってなに?」

「ノワールは黒、ルージュは赤だよ。共通語じゃないんだよな」

「緑もあるけど、これは?」

「あー。ルーレットは緑を指定して賭けられないけど、確か……

 ヴェールだっけな」

「へぇー」

 

 ウラヌスがそんなマメ知識をシームに披露する中、運命のルーレットが回りだす。

 

 さあ、これさえ当たればスク水は回避だ! 来い、黒来いッッ!!

 

 回るボールはやがて勢いを失い、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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