どうしてこうなった? アイシャIF   作:たいらんと

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第十七章

 

 メレオロンが、パンッパンッと膝を叩いた。

 

「よーし! フレーンド、フレーンド、たーのしぃー!

 ってなわけで、もっと盛り上げてきましょー!

 シーム! お菓子と飲み物追加ぁー!!」

「らじゃー!」

 

 飛行船備え付けの冷蔵庫へ走ってくシーム。

 

「ちょっと、2人とも勝手に……」

 

 アイシャが制止しかけるものの、ウラヌスは気弱な声で、

 

「……え、うん、別にいいけど……

 どうせ食料は残さないつもりだったし」

 

 ゴンが面白そうな顔で、2人がしたままの握手を見る。

 

「ぅえっ!?」

「ひゃあっ!?」

 

 それに気づき、びっくりして手を離す2人。ちなみにウラヌスの方が悲鳴は可愛かった。

 

 

 

 

 

 指定ポケットカードの話も終わり、なぜか能力の暴露大会を始める5人。それもこれも、ゴンの素直に尋ねる性格がきっかけである。

 

 当人達の意思に関わらず秘密が洩れることもある為、できるだけ自身の念能力は他人に伝えないことが望ましいとされる。

 ──が、それでは連携を取る際に上手くいかない。

 

 その観点からも、信用できる間柄であれば逆に伝え合った方が円滑にコトは運びやすい。特に戦闘技術であれば、向上や維持に相手を要することが多く、隠し続けるデメリットも小さくない。

 

 ……まぁアレである。みんな自慢の能力について、話したくて仕方ない一面もあるのだ。『使用する能力について相手へ説明しなければならない』という制約が選ばれやすいのも、こういった理由だったりする。そこから相手をミスリードする話術もあるので、要は工夫次第だろう。

 

 

 

 

 

 操作系は早い者勝ちについて話している時、

 

「そういえば、アイシャって操作されてたんだね」

 

 ゴンが確認してくる内容に、アイシャは渋々うなずき、

 

「……そうなんですよね。

 その、母さんのしつけがきびしくて……

 なんか刷り込まれたというか」

 

 ごにょごにょ言うアイシャ。

 あまり詳しく話すわけにもいかないので、この辺が限界だろう。

 

「しつけの為に操作してくるとか、すごいお母さんだね……」

 

 ウラヌスの感想にも「アハハー」と誤魔化すしかないアイシャ。……事実だし、否定もできない。

 

 

 

「メレオロンの能力って、誰かと組んだらすっげぇ強いよね」

「まぁその為の【神の共犯者】だから……

 どうしたって、アタシが能力使って息止めながら殴っても、たかが知れてるもの。

 ゴンの【ジャンケン】となら、相性バツグンでしょうけど」

 

 メレオロンの言葉に、首を振って否定するゴン。

 

「オレよりアイシャの方が絶対強いと思うよ」

「あー……ゴン。

 私に【神の共犯者】は多分効かないです。打ち消しちゃいます」

「あっ、そか」

 

 そのやりとりに、メレオロンは首を傾げつつ、

 

「……アイシャの打ち消す能力、確か【ボス属性】って言ったっけ?

 そのネーミング、良く分かんないんだけど」

「え、あ、ぅ……」

 

 ウラヌスが「くっくっ」と笑いながら、

 

「もう一つの能力が【天使のヴェール】なだけに、ギャップがね」

 

 メレオロンもおかしそうに、

 

「今の格好は天使のヴェールっぽいのに、ボス属性とはこれ如何に」

「ぅうー。ネーミングをからかわないでくださいよぉ」

「おねーちゃんの【神の不在証明/パーフェクトプラン】とか、かっこいいじゃん」

「……いやーねぇー。

 絶対誰にも認識されないのがウリなのに、全く効かないのがここに2人もいるからねー。

 いったい【神の不在証明】とは何だったのか」

 

『はっはっは』

 

 アイシャとウラヌスが誤魔化し笑い。……正直すまんかった。

 

「あ。

 でもウラヌスさん、じゃなくてウラヌスになら【神の共犯者】が効くから、きっと強いですよ」

 

 アイシャがそう言うと、ウラヌスも首肯し、

 

「多分、ここぞというところで役に立つだろうね。

 俺の能力は、威力あげようとするほど当てにくいから、かなり相性は良いと思う」

「ただ、息止めてる間っていうのがねぇ。

 アタシが仮に動かなくても息止めるの1分が限界だし、吸うのも吐くのもダメって結構キツくて」

「……メレオロン。風間流の呼吸法、少し修めてみませんか?

 動いてる時の無呼吸時間、いくらか延ばせるかもしれませんよ」

 

 アイシャの提案に、メレオロンはやはり首を傾げ、

 

「呼吸法なのに、無呼吸って関係あるの?」

「ありますよ。みだりに呼気吸気をしては自在に身体を動かせませんし、動き始めの意を容易く読まれてしまいます。

 そもそも、あまり酸素を消費しない動きというのがあって──」

 

 こそこそと言葉をかわすウラヌスとゴン。

 

「……ゴン。

 こうなると彼女、話長い?」

「うん。

 風間流と修行のこと語り出したら、長引きやすいよ」

「別にいいんだけど、見た目とのギャップがなぁ……」

「ウラヌスだって可愛い格好してるじゃん」

「……

 ゴンがどういうつもりで言ってるか分からんから、オレ反応に困る」

「ウラヌスはホルモンクッキー使うんでしょ?

 可愛いんだから、自信持っていいよ」

「ああ、そう? ……ありがと」

 

 男の娘、ちょっと照れてる。

 

 メレオロンは修行うんぬんについて、とりあえず返答を保留にしたようだ。

 ゴンは一つ気になっていたことを尋ねる。

 

「アイシャって、やっぱり今回も最初1ヵ月『絶』なの?」

「それはもう、どうしようもないですからね……

 ウラヌスに無理を言ってるのは分かってるんですけど」

「ああ、それは別にいいよ。

 ……気になってたんだけど、前回はその期間どうしてたの?」

「えっと……

 修行ですね」

「ほぅん。

 ……なんか俺バカなこと聞いた気がするんだけど、気のせいか?」

「ウラヌスも、アイシャのことがよく分かってきたね!」

「ゴン?」

 

 剣呑な気配を見せるアイシャに、ウラヌスが制止をかけ、

 

「あ、えっと。

 修行の内容、差し障りがないなら聞きたいんだけど」

「んー。

 私自身、オーラが出せないなりに、身体能力を伸ばす修行をしてたんですけど。

 私の仲間、ゴン達の修行を見てあげた時間が一番長かったですね」

「……キミのその修行漬けって、仲間にも適用されんの?」

「む、無理やりじゃないですよ。

 ちゃんとお互い了承の上で……」

「……ゲンスルーさん達、結構しぶしぶやってたけど」

「ちょっと、ゴン!」

 

 ウラヌスはその名前を聞いて、

 

「ゲンスルー? んー……」

「……おねーちゃん、どう思う?」

「保留にしておいて良かったと思ってるわ」

 

 そのやりとりを聞き流しつつ、1人得心するウラヌス。

 

「……あぁ。ゲンスルーって、ハメ組の主力メンバーか。

 いたな、なんか怪しげなメガネのが。

 やけにエネルギー多かったから、何で徒党組んでんのか不思議に思ってたけど」

「ゲンスルーさん達も、オレ達と一緒にクリアしたんだよ」

「ほぉぉ。

 ハメ組で見かけなくなったと思ったら鞍替えしてたんだ。知らんかった」

 

 ウラヌスは腕を組み、

 

「なんか聞いてる感じだと、キミら結構な大所帯でプレイしてたんだね。

 今回4人だから、攻略と居残りで分散するとキツいな……」

「仕方ないんじゃない?

 アタシとウラヌスはいいにしても、シームも『練』だけじゃキツいだろうし」

「せめて、目の『凝』は覚えてほしいかな……

 敵のオーラ見落とすようじゃ、逃げるのも難しい」

「私がシームを鍛えようと思ってますけど。

 1ヵ月動けないんで、いい機会かなと」

「えぇぇぇぇ……」

「あっはっは! シームおつ」

 

 弟にぷぎゃーしてるメレオロンを横目に、ウラヌスは呆れ顔で、

 

「いや、アイシャもまず相手の同意確認しなよ……」

「あ……

 はい、すいませんでした……

 えっと改めて、よかったらメレオロンとシーム一緒に──」

 

 息を止めるメレオロン。アイシャのオーラが減っていく。

 

「……だから効かないですって。

 私のオーラ削らないでください」

「かみのふざいしょーめーっ!!」

 

 謎の叫び声を上げながら、バンバン床を叩くメレオロン。

 

「んー。

 しっかし、1ヵ月も攻略に参加しないってどうなんだろうね。

 いっそアイシャも、最初っから普通にゲームすればいいんじゃないか?」

 

 ウラヌスの提案に、アイシャは少し身を引きつつ、

 

「その……アレですよ?

 私はウラヌスと違って、目の精孔も閉じた状態だと、相手のオーラも何も見えなくなるんですよ? そんな状態で……」

「身体鍛えるのもいいけど、ぶっちゃけそういう実戦も、いい修行になるんじゃないかなって」

「ぅう?」

 

 あ、この方向から攻めると弱いんだな、と理解するウラヌス。

 

「危ないっていうのは、もちろん分かってるんだ。

 でもそれは、チームをバラけさせて、キミが身体能力伸ばす修行してたって同じだろ?

 ゲームの中に完全な安全地帯はないんだから。それならいっそ、全員で固まって一緒にゲームしてた方が安全かなって。

 それにボス属性が切れてる状態なら、移動スペルだって有効なんだろ?」

「んんー……」

 

 腕を組んで考え込むアイシャ。移動スペルが有効というのは、確かに魅力的ではある。が、

 

「でも、その……

 念を使えない状態でモンスターとか倒せないでしょうし」

「倒せなくたって、逃げればいいさ」

「あの……ぅ……」

「……ああ。そりゃ不安だよね。

 まず、これを言わなきゃいけなかったか」

 

 すー、はー、すー、と一呼吸半するウラヌス。桜色の髪を軽く一束ねし、

 

「信用してほしい。

 オレがキミを──必ず守るから。……これでいい?」

 

 ちょっと、ウラヌス顔赤い。

 

「……ふ?

 へぇ? はぅぅぅ……」

 

 なんかおかしな反応してるアイシャ。

 

「ひゅーひゅー♪」

「ヒューヒュー♪」

 

 ここぞとばかりに冷やかす姉弟。苦笑するゴン。

 

「……ここまで言ってダメなら、もう最初の1ヵ月は攻略を捨てるさ。

 それはそれで──」

 

「ぁ、ぅ、その……

 ……わかりました、分かりましたよ! 一緒に動きます!」

 

 なかばヤケになって、そう返答するアイシャ。ウラヌスは笑いをこらえながら、

 

「ごめんね、アイシャ。

 ……守るっていう約束はちゃんと果たすから。ま、1ヵ月の辛抱だよ」

「は、はひ……」

 

 そう何度も守る守るって言わないでほしい……とぶつぶつ言うアイシャ。実際グリードアイランドで前回も1ヵ月守られていたが、それとはまた別の感覚である。なんというか、距離が近い。

 

「ひゅーひゅー♪」

「ヒューヒュー♪」

 

 まだやってる姉弟。そちらをじーっとウラヌスは見た後、

 

「アイシャ。

 その代わり、お願いがあるんだ」

「は、はい。

 なんでしょう?」

 

「────最初の1ヵ月、俺達3人を鍛えてくれ」

 

 どこかで2人分、こきーんと固まる音が聞こえたが、無視。

 

「あ……!

 はい、もちろんです!

 念が使えなくたって、修行を見るくらいお安い御用です!」

 

 むしろご褒美です。

 

 やたら喜んでるアイシャに、一抹の不安を感じつつもウラヌスは、

 

「うん……

 ゲーム攻略と同時に、かつキミを守りながらだから、タイトなスケジュールになりそうだけど、アイシャほどの達人なら俺も学べることは多いと思う。よろしく頼む」

「こちらこそ、1ヵ月お世話になります!

 なんなら1ヵ月経った後も修行見ますよ!」

「あ、それはちょっと考えさせて……」

 

 どんどん進んでいく話に、

 

「ちょっと! アタシまだ了承してない!」

「そうだそうだ!」

「あきらめなよ、2人とも……

 こうなったアイシャは、もう誰にも止められないから」

 

 抗議する姉弟に、遠い目で語るゴン。

 強くなることに一途(いちず )なゴンですらコレである。常人の神経でアイシャの修行を受ければどうなるか、推して知るべし。

 

 ……まぁなんだ。イ㌔。

 

 

 

「そういえば、指定ポケットの話はしたけど、ゲーム攻略って相談しなくていいの?」

 

 ゴンの質問に、メレオロンとシームが、腕を組むウラヌスの方を見やる。

 

「……正直、あんまり意味が無いと思ってる。

 状況が流動的すぎるから、具体的にこれといったプランを立てようがない。

 いつ動けるようになるかで、最初全然変わってくるし……」

 

 ちょっと小首を傾げてアイシャが、

 

「その感じだと、ノープランというわけでもなさそうですけど。

 動くタイミングって重要なんですか?」

「ああ、まぁ……

 そりゃタイミングや状況に応じて色々考えちゃいるけど、やるかどうか分かんないこと話して、混乱させたくないんだよな……

 ……たとえば、今日が何月何日か分かる?」

「うーんと。9月14日だね……

 あっ、もしかして月例大会?」

 

 ゴンがそう言うと、ウラヌスは「ピンポン♪」と返し、

 

「9月15日は、懸賞都市アントキバで月例大会がある。

 今は変わってるかもしれないけど、クリア前はジャンケン大会で、景品は『真実の剣』だね。できれば取っておきたいんだけど……」

「あーでも……

 防御スペルが充分ないと盗られちゃうんじゃないですか? 目立ちすぎるみたいですし。

 それに無理しなくても、ランクBの指定ポケットカードは」

 

 アイシャの指摘に、ウラヌスはいくらか考え、

 

「盗られるのに関しちゃ、いちおうスペルカードなしでも防げなくは無い。

 確かに店でランクBの指定は買えるんだけどね。でも月例のは他のに比べて販売価格が高いし、そもそも指定ポケットカードとして欲しいわけでもない」

 

 ゴンとアイシャが首を傾げる。どーゆー意味?

 

 まぁそういう反応するだろうなと思いつつ、ウラヌスは両手を合わせ、

 

「そもそもあのゲームのカードは、同じ番号のカードでも入手方法によって、店での売却価格が変わるんだ。

 例えば変身した『複製』のカードが、指定ポケットカードのオリジナルと同額で売れるはず無いだろ?」

「……それはそうでしょうね」

「月例大会のオリジナルカードは、奇数月のなら1000万以上で売れるんだよ。

 入手が年1回だから。

 いきなりこれで金を稼げると、かなり楽になる」

「へぇー」

「そんなに高いんだ。すごいね」

 

 アイシャとゴンが交互に納得する。

 それに気をよくしたのかウラヌスは続けて、

 

「懸賞都市アントキバは、かなり金を稼ぎやすい場所だしな。積極的にバトルするなら、他にもあるけど。

 指定ポケットカード以外でも売れば良い金になるカードが多いから、戦闘に自信のないプレイヤーが根城にしてることも多い」

 

「その……ウラヌスさん。

 あっ、じゃないじゃない、ウラヌス……

 もしかして」

 

 アイシャの問いかけに、意味深な視線だけ返すウラヌス。

 

「私のせいで……

 9月の月例大会に、行きたくても行けない、とか?」

 

 用意していたように、ウラヌスは肩をすくめた。

 

「別に取れなくても構わないさ。

 ……急かしたくないから、黙ってたんだよ」

 

 話を聞いていたメレオロンは、ようやく納得した。ゲームの攻略を事前に相談したがらなかったのは、そういう理由だったのかと。

 

「慌てて入っても、別にいいことないからさ。

 いずれにしろ流動的な要素が多いから、あまり事前の相談は意味ないかなと思ってる」

 

 そう言われても、アイシャの顔色は冴えない。

 

「みんな、ごめんなさい……」

「謝らなくていいよ。その辺は俺の方で調整するから。

 ま、早ければ今日中にはゲームへ入るだろうし、それなら間に合わなくも無い」

 

 ウラヌスの言葉に、アイシャは一つ頷き返す。

 

「……あ、そうだ。一つ気になってたことがあって。

 さっき、『リサイクルーム』で傷んだ写真を直せるって言ってたじゃないですか」

 

 ウラヌスは「んー」とうなじをかきながら、

 

「確かに言ったね。

 カードには、壊れた物を修理し、新品同様にするって書いてある」

「ですよね。……その」

 

 妙な話の流れに、メレオロンが不安そうな顔をする。

 

「仮に、傷んだ写真を入れた場合、新品ってどの状態を指すのか?

 ……だろ。気になってるのは」

 

「はい。

 場合によっては、写真を撮影する前の状態に戻るんじゃないかなって」

 

「えっ!?」

 

 シャレにならない疑惑に、メレオロンが目を剥く。

 

「さっきシームが言ってた、家族の写真アルバムを入れたとしても……

 本当にまっさら新品な、写真が入ってないアルバムに戻るかもしれないねぇ」

 

 疑惑を後押しするウラヌス。

 

「ちょっとちょっと!

 それって!?」

 

 慌てまくるメレオロンを、苦笑の気配を見せたウラヌスが手で制する。

 

「それはもう検証済みなんだ。写真で試したわけじゃないけど、色々な物でね。

 正解は──1個前の状態に戻る」

 

 全員がその言葉に首を傾げ、ゴンがパンと膝を打った。

 

「そっか!

 傷んだ写真を入れたら、撮った時の写真になって。

 それをもう1回入れたら……」

 

 ゴンの言葉に、ウラヌスが2本指を立ててみせる。

 

「撮影前の写真──画像を焼く前の状態に戻る。

 新品と見なしうる状態が2段階以上ある場合は、1個手前に戻るんだ。

 壊れた物、新品の解釈がブレる以上、そりゃそうだわなって話」

 

「なるほど……

 だとすれば、結構使い道ありそうなアイテムですね」

 

 アイシャの言葉に、ちょっと渋い顔をするウラヌス。

 

「……部屋じゃなければ良かったんだけどね。

 持ち運びできないのが痛い」

「ちょっと、ビックリさせないでよぉ……」

「よかったね、おねーちゃん」

 

 安心する姉弟に、ウラヌスは忠告を飛ばす。

 

「あーでも、今のは写真を入れた場合の想定であって、アルバムは入れない方がいいかも。

 アルバム自体で判定されて、写真が全部消えるかもだから」

「つまり、アルバムから写真を抜いて、写真だけ入れればいいわけね」

「うん」

 

 一連のやりとりを聞きながら、アイシャは内心舌を巻いていた。

 

 ────グリードアイランドのアイテムを信用していない。

 

 あのウラヌスの言葉は、本物だと。目的そのものではない指定ポケットカードですら、ここまで検証しておく疑いぶり。研究して改変を目指す、その本気の度合いが窺える。

 

 

 

「あっ、そういえばジャンケンの必勝法って知ってる?」

 

 ゴンの質問に、4人ともが「?」という反応。

 

「月例大会に出るんだったら、ジャンケンで絶対勝てる方法、知ってた方がいいって」

 

 ウラヌスは少し考えた後、

 

「えっと……まず今も9月の月例がジャンケン大会とは限らないんだよなぁ。

 もちろん、ジャンケン大会かもしれないけど。

 で……それ多分、絶対勝てるってことはないよね?」

「え?」

 

 ゴンは不思議そうに返す。

 

「だって、相手もその方法知ってたら」

 

 ウラヌスの指摘に、ゴンが「あー」と言い、

 

「うん、そうだね。

 キルアに教えたら、決勝でオレ負けちゃったんだよね……」

「そういえば、ジャンケン大会でキルアが優勝したと言ってましたね」

 

 アイシャが思い出しながら、そう確認する。カードを盗られてくやしそうにしてたのを、よく覚えてる。

 

「そうそう。

 ……ところでウラヌス、ホントに勝ち方知ってるの?」

「相手の手を見る。

 ぎりぎりで手を変える、だろ?」

「うん!」

「相手も同じことしてきたら、五分五分だしなぁ……

 まぁ、後はオーラを見るとかかな。

 ハンター専用ゲームなんだし、ジャンケン大会だからって単なる運ゲーなワケがない」

 

 単なる運ゲーだと思ってました! などとアイシャはちょっぴり恥じたが、大会の場にいたわけでもないので、それは仕方ない。ゴンとキルアは詳細を教えてくれなかったのだ。

 

「アタシ、それ言われても、やれる自信ないんだけど」

「ジャンケンでズルするのは、なんかやだな……」

 

 メレオロンが渋げに、シームが素直にそう言う。

 ウラヌスは少し考え、

 

「シーム。老婆心ながら言っとくけど、勝負事ってのは基本フェアじゃないぞ。

 不公平な上で、どう確実に勝つか、どう引っくり返すかがキモなんだから。

 純粋な五分の勝負なんて、現実には夢物語だからな」

「うーん……」

 

 それを聞いてアイシャは、なんかこの人ほんと苦労人なんだな……と感じていた。

 もちろん念能力者としては間違っていない。念能力はいくら警戒してもキリがないからこそ、それぐらい疑り(うたぐ )深い方がいい。こういう指摘をしてしまう人の良さは気になったが。

 

「しかし、ゴンの【ジャンケン】を必殺技にするってのは、いい発想だよな。

 単純すぎて、逆に思いつかない」

「そうかな」

「ジャンケンの勝ち方と同じだろ?

 相手の手を見る、ぎりぎりで手を変える。戦闘の駆け引きそのものだ。

 殴る、斬る、放つの基本攻撃を『発』で威力を跳ね上げるってのは、真っ当かつ上手い考えだしな。……本当は、グーチョキパー以外にも奥の手があるといいんだけど」

 

 ウラヌスの指摘に、ゴンは笑顔だけ返す。

 

「お? その分だとちゃんと考えてるか。

 これは余計なお世話だったな」

 

 そんなやりとりをアイシャは微笑ましく見守っていた。自分達だけでなく、こうやって外から刺激を受けるのはいいことだ。広い発想は、戦術をゆたかにする。

 

 強化系は純粋戦闘に特化しやすい分、他系統のように片寄った能力に振り回されることなく、汎用的な思考を持つ余裕がある。安定した強さは、かなりのアドバンテージとなるだろう。

 

「俺とゴンじゃ、オーラ量にもそう差はないしな。

 実際ゲンコで殴り合ったら、俺もやばそうだ。……つか多分負けるな」

「?

 ウラヌスって、オレのオーラ分かるの?」

「まぁね。今も自然にやってる『纏』と生命力精神力から見て、潜在オーラは50000前後ってとこかな。ハンターとしちゃ、充分一流クラスのオーラ量だよ」

「ふぅん。オーラって数字にできるんだ。……そう言えば、さっきも言ってたね。

 ウラヌスの目って、そういうのが分かるの?」

「さっきも話したけど、念能力じゃない生まれつき見えるもんで、『絶』状態の相手でも体内の生命力と精神力が見える。

 ……近くで目を凝らせばほぼ正確に分かるし、意識するのをやめれば分からなくなる」

 

 ゴンは、クラピカの緋の眼みたいだなと考えていた。……が、それを軽々に口にしない程度には戒めている。他言無用とは、そういうことだ。

 

「ねぇ、アタシはアタシは?」

「……今『絶』してるから、ちょっと自信ない。

 潜在オーラ鍛えてるなら分かってるだろうけど、『堅』でどれぐらいの時間(も )つ?」

「あ、そっか。じゃあ今だけ『纏』する。

 ……えっと『堅』は10時間保ったことないわね。最高9時間40分だったかな?」

 

 メレオロンの『纏』を眺めて、『わぉっ……』と思うアイシャ。透き通るような美しいオーラだ。これが鍛えられた師団長の素質かと、改めてキメラアントの末恐ろしさを知る。

 

「そうだな……

 なら70000だと思う。完全に一流クラスだよ。オーラ量だけはね」

「引っかかる物言いね……」

「オーラの多寡で勝負が決まるなら、苦労ないよ。

 ……彼女くらい別格なら話は変わるけど」

 

 アイシャを見やるウラヌス。「あははー……」とだけ返すアイシャ。

 

「ねえ、ボクはボクは?」

「まず『纏』やってみ。ああ、もうメレオロンは『絶』してくれ。割とキツイ。

 シームは『堅』っていうか、『練』のままでどんだけ保つ?」

「30分保たないかなー」

「いや、うん……30分は何とか保たせた方がいいぞ。

 そんなんで戦ったら、5分でオーラ切れるぞ」

「うぅん。

 ……それでいくつなの?」

「んー……

 まあ、3000かな。

 お世辞を言わなきゃ三流すわ」

「うぇーん」

 

 じわーっと背に冷や汗をかくアイシャ。この潜在オーラ量発表会は、凄く嫌な予感しかしない。

 

 

 

【潜在オーラ量】

 メレオロン:70000

 ゴン:50000

 ウラヌス:45000

 シーム:3000

 

 

 

 じっとアイシャを見る4人。

 目を凝らしながらウラヌスは、

 

「はい、アイシャ。

 ……キミの『堅』が保つお時間は?」

 

 この場にゴンがいなければ、たぶん誤魔化しただろう。……戦いを教える立場として、念に関する嘘はつきたくない。

 

 ウラヌスの目がなければ、いくらか誤魔化せただろう。制御できない体内エネルギーを直視されては、ぼかしようがない。体内オーラであれば、まだ何とかなるのだが。

 

「えー、うん。まぁその……」

 

 アイシャが口ごもってると、

 

「3人とも、アイシャのオーラって見たことあるの?」

 

 ゴンの質問。ウラヌス、メレオロン、シームがうなずき返す。

 

「アレは有り得ないよね……

 ぼく、近くにも居られなかったよ」

「アタシ、護衛軍より上のオーラ感じたの初めてだったけど……」

「初めてアイシャの生命力感じ取った時、オレ背筋めっちゃ凍ったからな」

 

 ゴンがメレオロンの方を見ながら、

 

「護衛軍って、あいつらのこと?

 あの猫みたいなのとか……」

「それはネフェルピトーのことね。

 そうよ。あとシャウアプフと……なんとかユピーだったかしら。

 どいつもこいつも、必死でアタシがオーラ量増やしたのに、余裕で今の10倍以上あったみたいだけど……」

「え? 70万てなにソレこわい」

 

 ……あげく、護衛軍の圧倒的オーラを知る者が2人もいたのでは……

 

「ところでウラヌス、オーラってどうやって計算してるの?」

 

 ゴンの質問。ウラヌスは少し頭をひねり、

 

「潜在オーラっていうか、全オーラ量の計り方だよな?

 まず戦闘中に『纏』だけしてる状態で、1秒1オーラ消費する。これが基準だな。

 で、戦闘していない平時の『堅』だと1秒2オーラ。

 よく潜在オーラ量の比較基準にされる『堅』の持続時間はこれだね」

「うん。オレも『堅』がどれだけ保つかが基本だって教わったよ」

「……ただ、この『堅』の消費計算は言うほどアテにならないんだ。『練』で練り上げたオーラ量が大きいと、どうしても消費量が増えてくから。『纏』がヘタクソだと尚更」

 

 ぐ……とアイシャは歯噛みする。『堅』にも段階があるとバレてる。

 

 アイシャがオーラ量を増やす修行時にしている全開の『堅』だと、基本の『堅』の倍は消費する。そもそも10倍を抜きにしても、【天使のヴェール】使用中の『纏』は『練』と同等に消費する。当然『纏』と『練』の複合である『堅』も影響を受けてしまう。

 

「で、アイシャ。

 ……キミの『堅』が保つお時間は?」

 

 アイシャはそっぽを向きつつ、

 

「ええっと……

 大体8時間くらいですかねぇー」

 

 いちおう嘘は言ってない。直近、全開の『堅』でオーラ修行をした結果はそうだった。

 

「ほうん。

 それは【天使のヴェール】ありで、だね」

 

 ……あぁぁぁぁ! やっぱり10倍とか言うんじゃなかった!!

 ていうかウラヌスの目がある以上、誤魔化しても絶対補正される……アレ反則すぎるょ。

 

「天使のヴェール10倍×28800秒×堅2倍……

 だと576000だから、護衛軍とやらの70万より低いし、全然違うな。えっと、仮に戦闘時の堅6倍消費の方だとして……

 172万か。

 は? なにこれ、オレ計算おかしい?」

 

 ゴンとメレオロンが嫌そうな顔を返す。聞かれたって困る。判断材料がない。

 シームはよく分からないのか首を捻りながら、

 

「ウラヌスの目で見た場合はどうなの?」

 

 ちょっと渋い顔をしながら、ウラヌスはアイシャをじっと見る。身を引くアイシャ。

 

「んー……

 オレの目か頭がおかしいんじゃなかったら……

 精神力が50万近くで、生命力……100? ……140万、近い?

 いや、ちょっと待て。計算より多い。うわ、もう見てると色々込み上げて来てツライ」

 

「あはははは。そんなわけないじゃないですかー」

 

 もしかしたら誤魔化せそうなので、笑っておくアイシャ。

 ウラヌスは腕を組み、首を傾げながら、

 

「でも、俺が念をかけられる前の精神力が25万以上だったから、確かにその倍ぐらいには感じるんだよな……

 で、アイシャの場合、生命力と精神力の比率が大体3:1だから……」

 

 残念。誤魔化せなかった。

 

「……でもアイシャ。

 戦ってたキメラアントの王って、もっとすごかったよね?」

 

 うぅぅ……ゴンがトドメ刺しにきたよ。とアイシャはがっくりする。

 

「……ええ、まぁそうですね。私よりオーラが多い相手は、彼ぐらいでしたよ。

 多分、私の倍以上はありましたね」

 

「えっ!? なにソレこわい。

 

 ────えッ!? しかもアイシャそれに勝ったのッッ!?」

 

「あははー……」

 

 

 

 

 




 
 
 
 
 
 ※目が滑る内容ですので、以下の後書きは無理せず読み飛ばしていいです



・『纏』と『練』と『堅』

 多分、原作を読んでる人でも『練』と『堅』って同じじゃないの? と思っている方も居るでしょう。私もその認識でとりあえず問題ないと思う1人ですが。

 ただ、厳密には異なります。

 『纏』とは、体外へ常日頃垂れ流しているオーラを、身体の周囲へと留める技術です。個人差はあれど、意識しない垂れ流し状態と異なり、オーラそのものの体外放出量は増加します。
 強制的に精孔を開かれたことによるオーラ大量流出の状態に限り、『纏』をすることでオーラの放出量を抑えられますが、基本的にオーラの放出を抑えるのは『絶』に相当する技術です。

 『練』とは、意図的にオーラを練り上げ、通常より多く体外へと放出する技術です。

 『堅』とは、『練』によって放出したオーラを『纏』で身体へと留め、かつその状態を維持する技術です。

 その違いが、『練』が基本であり、『堅』が応用であるとされる理由です。

 『練』ができれば『堅』もできるわけではないのです。過剰に『練』でオーラを練ったところで、『纏』でオーラを留められないのならば、それは『堅』たりえないからです。



・生命力+精神力=オーラ量?

 ウラヌス自身の説明で、オーラの枯渇→生命力+精神力の枯渇→死と語っていますが、基本的にオーラの枯渇は死と直結しません。
 (オーラを過剰放出した結果、衰弱して死ぬことはありますが)

 死なない理由は単純で、生命力と精神力が不十分ならオーラを練れない為です。無理をしたところで、先に気絶します。そもそも生命力が0になる前に人は死んでしまう(甦生不可能な生命力帯域になる)為、生命力と精神力を全てオーラ化するのは通常不可能です。死者の念は、理論上全てオーラ化可能ですが。

 原作のドッジボール対決で、ゴンは限界を越えてオーラを練っていました。が、本来であれば生命維持に影響しない範囲で、オーラが練れなくなります。これは生存本能により無意識的なブレーキが働くことによるもので、この制動を無視してオーラを消費すると、それこそ『百式の零を放った後』のネテロや『もうどうなってもいい』ゴンさんの末期のような状態となります。

 また無能力者が強制的に精孔を開かれた場合も、まだブレーキシステムが身体にできていない為、精孔からオーラが過剰放出されてしまい、通常のオーラ枯渇より深刻な著しい衰弱を招きます。無理なく精孔を開いた場合は流出も穏やかでしょうが、念による攻撃を受けた場合は精孔が過剰に開いてしまい、生命維持できないほどオーラが大量流出して、死に至る現象が起きます。

 つまり、生命力+精神力の総量と、潜在オーラ量は、厳密にはイコールとなりません。

 そもそもオーラへの変換ロスがどうしても発生する為、オーラ制御の練度が低いと更に潜在オーラ量は低下することになります。ゆえにウラヌスは『纏』も見ないとオーラ量を判断できないと語っています。『纏』状態で分かるオーラ制御の練度と、生命力精神力の消費──変換ロスを加味して、彼は潜在オーラ量を見積もっています。

 アイシャとウラヌスに関しては、それぞれの特殊な事情もあり、ほぼロスなくオーラを練り上げる制御レベルに達しています。人が生命維持に必要とする基本生命力と精神力はそれほど多くない為、この2人について言えば『生命力+精神力≒潜在オーラ量』という図式が成立します。コンディションによって増減することも多く、厳密な潜在オーラ量の値というのは存在しないとも言えます。なので、あくまでも目安です。



・オーラの数値について

 原作でナックルがした説明は非常に分かりにくいと言うか、疑問が残る説明でしたので、いくらかまとめなおしています。原作及びとんぱさんの解釈とは異なる可能性がありますので、ご了承のほどを。

 臨戦態勢の『纏』=1秒1オーラ消費。ナックルが臨戦態勢時は基本的に1秒1オーラ消費と言っている為、最低限行う『纏』の基本消費量を示していると思われます。

 通常時の『纏』は個人や状態によるところが大きく、戦闘を意識した『纏』でなければ、1秒1オーラを下回ると思われます。いずれにしろ基準にはしづらいです。
 そもそも立って構えている状態の『纏』と、座って落ち着いている状態の『纏』が同じ消費であるはずがないですから。

 通常時の『堅』の維持=1秒2オーラ消費。こちらは原作で通常時3時間『堅』を維持したゴンのオーラが、ナックルに21500と推測されていたことから(実際はもう少し上か)。基本的に念能力者が自分のオーラ量を測る場合、この通常時の『堅』で測るのが一般的かと推測されます。でないと、『堅』の維持時間の比較に意味がないですからね。アイシャはね、うん……天使のヴェールが絡むと消費量が複雑怪奇なんで。。

 戦闘時にはオーラ消費が6倍~10倍という解説がありますが、おそらく実際は上ブレも下ブレも相当激しく、『発』が絡むなどするとほぼ意味が無い倍率でしょう。ほら、ほぼ『絶』で戦う人もいますし……ユピーとか8分で20万ものオーラ消費してましたし……



・天使のヴェールのオーラ消費

 まず天使のヴェールの<制約>がこちら。

①この能力の発動時、『纏』の状態でも通常時の『練』と同じ量のオーラを消耗する。
②天使のヴェール発動中、念を使用するのに必要なオーラ量は10倍になる。
③体から離れたオーラには、この能力の効果は及ばない。

 ①の制約における、『纏』=通常時の『練』、この部分をまず読み解いていきます。

 通常時の『堅』は1秒2オーラ消費です。
 通常時の『纏』は、臨戦態勢時の『纏』よりは少ないでしょうから、単純に半分の1秒0.5オーラ消費と見積もります。

 『堅』は『纏』『練』の複合技なので、通常時の『纏』1秒0.5オーラ+通常時の『練』1秒1.5オーラで、通常時の『堅』1秒2オーラ消費と解釈します。

 天使のヴェール中は、『纏』が通常時の『練』と同じ消費になる為、通常時の『堅』の消費量は1秒3オーラになります。
 更にアイシャは『堅』の全開モードがある為、単純に2倍消費として全開の『堅』1秒6オーラ。
 これに天使のヴェール10倍が乗り、1秒60オーラ消費となります。

 あのアイシャが、オーラ量を増加させる修行をダラダラとするはずもなく、それを自己申告で約8時間(ボス属性のせいでオーラ切れまで粘れないので、正味は8時間40分)耐え抜く潜在オーラ量は、31200秒×60オーラ=1872000となります。





・潜在オーラ量比較リスト(絶対値ではないので、あくまで参考程度に※特に高い値)

3000:シーム(今作十七章時点)
22000:ゴン(ナックル最終戦※原作)
45000:ウラヌス(17歳半/今作十七章時点)
50000:ゴン(今作十七章時点)
70000:モラウ
70000:メレオロン(今作十七章時点)
190000:ネテロ(メルエム戦※原作)
250000:ネテロ(アイシャ戦)
310000:リュウショウ(全盛期)
320000:ネテロ(全盛期)
400000:アイシャ(0歳/誕生時)
710000:シャウアプフ
720000:ネフェルピトー
730000:モントゥトゥユピー
960000:ネフェルピトー(死者の念)
1250000:ゴンさん(ネフェルピトー戦※原作)
1300000:アイシャ(11歳/天空闘技場)
1810000:アイシャ(14歳/メルエム戦)
1870000:アイシャ(14歳/今作十七章時点)
2800000:メルエム(ネテロ戦※原作)
3780000:メルエム(アイシャ戦)
5200000:メルエム(復活覚醒※原作)





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