どうしてこうなった? アイシャIF   作:たいらんと

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アントキバ編5 2000/9/25
第百七十章


 

 マサドラのトレードショップで不要カードを処分し、『同行』でアントキバへ。

 

 そのまま6人でぞろぞろとモタリケさん宅に。

 

「愛しの我が家ー♪」

「名義上はオレのなんだけど……」

「マイホームならともかく、借家の名義なんてどうでもいいよ」

 

 ウラヌスの辛辣な発言に、2人とも消沈しながら家に入っていく。……もう少しこう、何というか手心というか……うん。

 

 

 

 なんと夫婦から、家の中では自由にしていいとお墨付きをもらった。「えッ!?」と驚くウラヌスを置いて、ベルさんは食材の買い出しに、モタリケさんは職場へ退職することを伝えに出かけた。

 

「なに考えてんだ、あいつら……」

「ははは……」

 

 とは言え、ありがたい申し出なのは間違いない。遠慮なく地下室へ行き、荷物の整理を始める。流石に何もかも預けたままにはできないので、不要な衣類は置いていくにしても、何を持っていき何を預けるか取捨選択をしていく。

 

 必要な物をリュック2つ分にまとめ直し、ここに預ける物は袋に入れてひとまとめに。全く不要な物はゴミ袋に詰めておく。姉弟はリュックを持ってダイニングへ行ってもらい、私とウラヌスで玄関口にゴミ袋を持っていく。

 そのタイミングで、ベルさんとモタリケさんが2人揃って帰ってきた。

 

「お帰りなさい」

「ただいま♪

 これから急いでお料理するわ。待っててねー♪」

「約束通り、仕事やめてきてやったぞ……」

「お疲れさん。……そう睨むなよ、悪かったって。

 つかオマエラ、了承する前にさっさと出かけるんじゃねーよ。

 客ほったらかして、いきなり家の人間消えたらビビるだろうが」

「気にしない、気にしない♪

 信用してるってことよ」

「ったく……」

「申し訳ないですけど、私達の荷物を整理して出たゴミを、これにまとめたんで」

「あっハイハイー♪

 モリー、捨ててきてくれる?」

「あいよ。

 ……2人とも、モデルの約束忘れないでくれよ」

「あはは……はーい」

「くそっ!

 もたもたしてないで、さっさと捨ててこいや」

「……お前、その口の悪さホント直した方がいいぞ。

 見た目と全然合ってないから」

「ぅるせぇッ!」

「アハハハハ♪

 モリー、ちゃんと素直に褒めてあげないと。

 モデルにしたいぐらい可愛いんだよって♪」

「おい、やめろよっ!?」

「……ベル、それだと口説いてるみたいだろ。

 オレは純粋に、コイツの繊細さや可憐さを絵にどう塗りこんでいくかをだな」

「モタリケ、オマエもう黙れやッ!!」

 

 この夫婦相手だと、ウラヌスどうしようもないな……にゃんこ真っ赤っ赤だよ。

 

 

 

 キッチンで夫婦が食事の用意をする間に、私達はダイニングで今後の予定を話し合う。今日の午後は修行だけど、明日以降の予定はまだ全然決まってない。

 

 で、相談してるわけだけど……

 

 あー、いい匂い漂ってくるなぁ。お腹すいたよ。食卓に着いてるからか、やたらと待ち遠しい。

 

「……アイシャ」

「あ、はい。なんでしょう?」

「お腹すいてるなら、相談は食後にしよっか。

 俺、カード整理してるよ。ブック」

「えっと、はい……」

 

 うーん。気が散ってると取られたらしい。そんなつもりなかったんだけど、まぁいいか。

 メレオロンがやや身を乗り出し、

 

「じゃあ、お喋りしましょうよ。

 さっき廊下で面白そうな話、してなかった?」

「あー……

 絵のモデルですかね?」

「そうそう!

 いつモデルするとか決まったわけ?」

「いえ、まだなにも……」

 

 バインダーを眺めるウラヌスの顔がみるみる赤くなってく。めっちゃ気が散ってるな。

 

「どんな服着るとかは?」

「だから何も決まってませんってば」

「希望の衣装って無いの?」

「えーと……ん?

 もしかして、私の希望ですか?」

「そう。

 そっちのかわい子ちゃんもだけど」

「……俺に話しかけんな」

「ぶー。

 そんで、アイシャは希望あるの?」

「別にありませんよ……」

「えー、なんでよ?

 絵に残すのよ? なんかあるでしょ」

 

 んー……。私の思いつくような衣装は、もうビスケに撮影されちゃってるんだよなぁ。今さら絵に残したい衣装なんて言われても……なんかあったっけな?

 

「ワリとアイシャって、なに着ても似合いそうじゃない」

「……そう言われたことはありますけど」

「でしょ? 元がいいもんねぇ」

「いえ、そんなふうにおだてられただけで……

 私はそう思ってませんよ」

 

 ウラヌスが私にちらりと目を向け、何も言わずバインダーに視線を戻す。うぅ……

 

 

 

 あれはこれは、と質問攻めしてくる変態をのらりくらりとかわし、ようやくテーブルに食事が運ばれてきた。

 

「おまたせー♪」

「はい、お話は終わりですよ。食事にしましょう」

「えー……」

「ブック。

 メレオロン、オマエしつけーんだよ……

 アイシャが嫌がってるの、見りゃ分かるだろ」

「そうなの?」

「んー。イヤがってはいないですけど、困っちゃいますね。

 ウラヌスはこういうのイヤでしょうけど」

 

 ぷいっとそっぽ向くウラヌス。よっぽど絵のモデル嫌なんだな……そうやってほっぺたふくらませた顔、描いてもらえばいいのに。

 

「ほっぺたぷにぷにー♪」

 

 シームがウラヌスのほっぺを楽しそうに突っつく。

 

「……シーム、オマエな」

「あっははは♪ かーわいい」

「楽しそうだよな、お前ら」

 

 料理の皿を運ぶ夫婦が、笑いながらそう言ってくる。ですよねー。ふふ。

 

 

 

 炒め物中心の美味しい昼食を御馳走になった後、モタリケさんに珈琲を淹れてもらい、雑談をまじえて今後どうするか相談していく。

 

「ほれ、モタリケ。忘れないうちにコレ返しとく」

 

 そう言って、カードを渡そうとするウラヌス。あ、『窃盗』か。

 

「……。いや、いい」

「ん?」

 

 受け取りを拒否するモタリケさん。私もだけど、みんな不思議そうな顔をする。

 

「いいよ。もうそのカードに固執する理由もないしな。

 いずれゲームから出るなら、それは持っていけないだろ。だからいい」

「……預かっとくつもりはないぞ。

 持っててもポケットの邪魔だから、後で気が変わっても渡せないぞ?」

「いい。

 だから必ず、ゲームをクリアしたらベルと2人で外へ出してくれ」

「……分かった。

 クリアできなくても、ケリがついたら出してやるよ。それまで待ってろ」

「後、絵のモデルもな」

「ぐ。

 ……分かってるから、そう何度も言うなよ」

「どうだか。

 攻略のどさくさで、わざとすっぽかされそうだからな。

 いつまでに1回描かせてくれるか、約束してくれよ」

「おー。モリー強気ぃ♪」

 

 ウラヌスぷるぷるしてはる。うーん、私も無視できないんだけど、どうしようか……。こうやって強気に出られるとウラヌス弱いんだよな。

 

「ぼくも描いてもらってるトコ、見てみたいなぁ」

「シーム、そういうのやめて……」

 

 両手で顔を覆ってイヤイヤするウラヌス。……うむ。こんなんじゃ交渉なんて出来ないよね。

 

「モタリケさん。

 私達もまだしばらくは忙しいので、1週間以内は無理だと思います。

 なので、いったん2週間程度を目処にしてもらえますか? それならスケジュール調整できると思いますから」

「うーん……分かったよ。

 モデルの時間は、1人3時間程度かかると思ってほしい。

 どっちか1人だけでも、今日から2週間以内に。それならいいよ」

「ええ、分かりました」

「アイシャ、俺抜きで話進めないでよ……」

「今のあなたに任せても、ロクなことになりません」

 

 場の数人が『ぶーっ』と吹く。いや、ギャグじゃないよ。真面目な話だよ?

 

「ぶひゃひゃひゃ。これはアイシャの1本勝ちねぇ」

「ぅぐぅー……」

 

 爆笑するメレオロンに、真っ赤なにゃんこが身悶えしてる。もうどうしようもねーな。

 

「後はモデルの時の衣装だけど……

 とりあえずは今着てる服でいいよ。最初だからね」

「私は最初ですけど、2度目になるウラヌスの衣装はどうするんです?」

「んー……」

「もたりけぇ……

 せめて、せめてこの服にしてくれぇ……」

「……そうだな。

 それでいいよ。次の1枚はな」

「モリー♪ わたしは?」

「ベルは好きにすればいいじゃないか。いつでも描けるんだし。

 おっと、でもあの白猫付きでだぞ。

 ウラヌス、その時は頼んだ」

「あーっ、もう!

 分かったよ、メンドくせぇな!」

 

 このやけっぱちである。うむ、任せなくて正解だった。

 

 

 

 しばらくして、珈琲のおかわりを淹れてもらった後、ようやくウラヌスが落ち着く。

 

「そろそろランキングの確認をしないとね」

「言ってましたね、そんなこと。

 ドリアスもひとまず終わりましたから、全体の状況は知りたいです」

「今あなた達って、何枚集めてるんだっけ?」

「……15種だな。

 アイシャ1人に13種預けてるし、そろそろ分散した方がいいかもね」

 

 レインボーダイヤはウラヌスが、美肌温泉はシームが持ってる。それ以外のダブついてない指定ポケットカードは私が預かってるから、13種で合ってるはずだ。

 ベルさんが小首を傾げながら、

 

「ランキングって上位30人までだっけ?

 ゲームが再開してまだ20日でしょ。カード集めてる人、そんなに居ないんじゃない?」

「それを確かめる為にランキングを、ってことだよ。

 つっても、大抵は分散して持ってるだろうから、ほとんどダンゴ状態だろうけど。

 誰が誰と組んでるか正確に把握してないと、あんま意味ないんだよな」

 

 私達は今日で11日目。ボス属性の強制『絶』が解けるまで、3分の2残ってる。けど、移動スペルの恩恵にあずかれるタイムリミットも20日を切ったということだ。……本当のこと言うと、今の状態の方が攻略スムーズなんじゃないかなとすら思う。いや、もちろん解けてほしいけどね。

 

 そんなことを考えてると、ウラヌスが席を立ち、ダイニングに置いたリュックを開ける。ごそごそ漁った後、何かを取り出した。

 

「あ、地図見るの?」

 

 シームが反応する。……実は今の今まで、全くと言っていいほど見てなかったんだよな。ウラヌスが地理に詳しすぎて、初日以外お世話になってない。

 

「どれぐらい回ってるの?」

「『漂流』が効かなくなるまで使ったから、都市全部だよ。都市以外は全然だけどな」

 

 ベルさんにそう答えるウラヌス。……私の為に、観光メインにしてもらってるんだよね。攻略を最適化できてないだろうし、ホント申し訳ないよ。

 

 ウラヌスが地図を広げ、テーブルに敷く。

 

「わぁーっ」

 

 感嘆するシーム。地図上の島のあちこちに、地名が表示されてる。なかなか壮観──

 

 ん? そういえば私、ある程度埋まってる地図見るのは初めてじゃないか? 全然見た覚えがない。……みんな私に気を使って、見せないようにしてたんだろうか。

 

「とりあえずおさらいしようか。

 今までに行ったのは──

 懸賞都市アントキバ。魔法都市マサドラ。

 桜花都市エリル。千秋都市オータニア。

 鉱山都市トラリア。礼拝都市ルビキュータ。

 水路都市キャナリア。芸術都市ブンゼン。

 常夏都市ソルロンド。恋愛都市アイアイ。

 白雪都市スノーフレイ。賭博都市ドリアス」

 

 言いながら、地図上の場所を指差していくウラヌス。……うん。なんだかんだで色んなところへ行ったね。楽しかったよ。

 

「で、まだ行ってないのが──

 飽食都市グルセル。城下都市リーメイロ。

 酒蔵都市バルカン。密林都市チャンタ。

 湖底都市アクエリア。漁業都市ソウフラビ。

 廃墟都市ムドラ。幻想都市ファンタズム。

 城塞都市ジャロ。迷宮都市クロワーゼ。

 牧農都市ハイループ。結晶都市リスタール。

 推理都市ミステリオ。

 以上、13都市。

 いずれは『同行』で1度行くよ。観光だの攻略だのをしようとしまいと」

 

「約半分かぁ……」

 

 ぼんやりとつぶやくメレオロン。しかもこれ、都市だけだもんな。都市以外の部分は、ほとんど埋まってない。

 

「ちなみに行ったことがある場所なら、都市以外の場所でもこういう地名のあるところは表示できる」

 

 ウラヌスが、アントキバとマサドラの間にある岩石地帯、その中の印がある場所に直接指を触れる。

 

 すると、新たな名前が地図上に表示された。テーワイキャンプ、マサドラサウスロック。……あの岩石地帯、名前あったんだ。このテーワイキャンプって……確か水だけもらって休憩した村だったかな。そんな名前だったんだ。

 

「都市以外でも、シソの木は名前出てるじゃない」

「ああ、シソの木はな。スタート地点だし。

 でもそれだけだよ。現にシソの木と都市名以外は初期表示されてないだろ?」

「そもそもほとんど都市の外に出てないじゃない」

「ああ、まぁ……うん。その通りだけどさ」

 

 うーん。珍しくこの手の話題でメレオロンに押されてるな、ウラヌス。

 

「じゃあ、ここは?」

 

 シームが手を伸ばし、ウラヌスが「あっ」と口にしたタイミングで地図に触れた。

 

 すると地図上から半分ほど都市名が消え、代わりにシームが触れたところに地名が出た。

 

「アレっ!?

 いっぱい消えちゃったんだけど……」

 

 不安そうにおろおろするシームに、ウラヌスは頬をかき、

 

「あー、ごめん。先に言っとくべきだった……

 その地図って、最後に触れたプレイヤーの進捗が表示されるんだよ。

 だから、俺の情報からシームの情報に表示が切り替わったんだ」

「あっ……そっかぁ」

「まぁ説明の手間は省けたかな。こういうことだよ。

 この表示格差をなくす為にも、『同行』で一緒に行っとかないとな」

 

 なるほどね……ウラヌスは先に『漂流』で全部回ったから、より多く情報を表示させるには、地図へ最後に触れたのがウラヌスのままにしておかなきゃいけないわけか。

 

「シームが今表示させたイノセント川は、スノーフレイから釣りに行ったトコな。

 で、こっちが山登りしたトコ」

 

 ウラヌスが地図に触れ、全ての都市名が再表示。加えてスノーフレイ山脈の文字が表示される。

 

「ま、地図の使い方はこれくらいにして。

 肝心の攻略をどうするかだな」

「観光もするんだよね?」

 

 シームの問いかけに、ウラヌスは小さく笑む。

 

「もちろんするよ。修行との折り合い、金稼ぎも視野に入れる。今まで通りね。

 ただ、新しく進めるにしろ何にしろ、そろそろフリーポケットの圧迫が気になってる」

 

 ウラヌスがメモをテーブルに置く。

 

「今はいいにしても、これ以上必要カードを中途半端な集め方すると確実に支障が出ると思う。

 だから手元で集めかけになってるものを、早めに解消していきたい」

 

 全員が沈黙で返し、ウラヌスは1つうなずく。メモを地図の横に置き、指で差す。

 

「じゃあ1個ずつ説明してくよ。

 まずランクSS『大天使の息吹』。

 これは急いで集めたいところだけど、『堅牢』が異常に引けなくてどうしようもない。無理にスペルを買いまくると、メリットよりデメリットの方が大きいから、今はランクC以上のスペルを残すだけにしとく。『堅牢』が引けたら、一気に仕掛けるけどね」

 

 ウラヌスは指を下にずらし、

 

「次にランクSS『ブループラネット』。

 入手イベントを発生させるのに必要な宝石9種のうち、まだ手元にあるのは3種。

 観光がてらのんびり集めるつもりだったし、これは急がなくていいと思う。6種以上になったらポケットを圧迫されたくないから急ぐけど、入手イベントが発生する鉱山の最奥まで行くだけでもしんどいから」

「道中、怪物が出るんですか?」

「出るね。罠もある。

 そもそもまともな道じゃないところも多くて、険しく迷いやすい。

 だから行くにしても、2人が充分修行を積んでからの方がいいと思う」

「ですって。がんばりましょうね」

『ぅぇーぃ……』

 

 姉弟が分かりやすく呻き、夫婦が奇妙そうな目を向ける。

 

「次行くよ。ランクS『豊作の樹』。

 ドリアスで集めた果物カード6種、これに密林都市チャンタで取れる1種と合わせれば、グルセルで入手イベントが発生する。

 現状で6枚圧迫してるから、できれば済ませたいんだけど……」

 

 ウラヌスが地図上のチャンタに、トントンと指で触れる。すると、都市を囲む歪な(いびつ )円が表示される。

 

「都市機能があるのはこの中央部だけなんだけど、密林都市チャンタは大森林に囲まれた場所全域を指す。外側は普通の森だけど、中央に近いところは密林が形成されてる。その密林部分がチャンタ。

 その密林にヤシの木が複数(は )えていて、どれか1本で最後の果物が手に入る。ヤシの木自体は場所固定みたいだけど、どのヤシの木に(な )ってるかはランダム」

「わー。面倒ねぇ……」

 

 ベルさんがボヤく。ウラヌスは肩をすくめ、

 

「他の果物があるドリアスと全然関係ないしな。

 おまけに生ってる木を発見すると、必ず強力な怪物とセットで遭遇するらしい。

 入手難度はランクAだし、ヘタな指定ポケットカードよりキツいよ」

「他に取れるカードってあるんですか?

 密林の中で」

「換金カードはもちろんあるし、指定ポケットカードもあるね。

 ランクA『トラエモン』、同じくランクA『千里眼の蛇』。も1つランクS『カメレオンキャット』。当然、一緒に探すのがセオリー。ヤシの木巡りしてたらトラエモンが何枚も取れたなんて笑い話もある」

 

 パンと手を叩くベルさん。

 

「そうそう、そのトラエモン。

 前から気になってたのよ。カードには、腹の袋に超貴重なアイテムが複数入ってるって書いてあるじゃない♪ これって調べたことないの?」

 

 ウラヌスは「んー」と唸りながら後ろ頭をかき、

 

「あるけど……

 いまいち芳し(かんば )い結果じゃなかったんだよな」

「あ、やっぱり検証はしたんですね」

「やっぱりよねー♪」

「……そのやっぱりってのが引っかかるけど、そりゃ調べないわけないよ。

 えっと……

 トラエモンってゲインすると、ポケットから平均2枚のカードを出してくれるんだけど。

 基本的にランクB以下のカードしかくれないんだよ」

「ふぅん。

 思ったよりしょぼいんだ?」

「元がランクAだし、当然っちゃ当然かな。

 がんばればランクBの指定ポケットカードが数枚取れるかもって、その程度だよ。

 俺はトラエモン5匹捕まえたけど、指定はAとB1枚ずつだけだったし」

「えっ?

 ランクAも引けたんですか」

「1枚だけね。

 まぁクジ引きの為に、トラエモンばっかり追う気にはなれないけど……」

「『複製』は使ってみたのか?」

 

 モタリケさんが尋ねると、すっごい不機嫌な顔になるウラヌス。ん?

 

「……やったよ。『複製』10枚使って増やしたトラエモンのポケットから、19枚。

 D3枚、E5枚、あと全部ランクF!」

 

 投げやりに言い捨てるウラヌス、楽しそうに手を叩くベルさん。

 

「アッハハハ♪

 見透かされてるぅー♪」

「うっせーよ!

 そりゃそうだろうけど、腹立つわー」

 

 ぶちぶち言うウラヌス。分かる分かる。妙にきっちり対策されてるよね、そういうトコ。がっつり確認するウラヌスも大概だけどさ。

 

 

 

 

 




 
 
 
 
 
 安い地図ですが|-ω)っ□

【挿絵表示】






・『トラエモン』解説



『22:トラエモン』
 ランクA カード化限度枚数22
 絶滅寸前の猛獣 腹の袋にモノをつめ込む習性があり
 超貴重なアイテムが複数入っているケースも少なくない



 トレードショップで売却した時の価格は、129300ジェニー。

 ポケットの中には、アイテムではなくカードが入っている。

 トラエモンをゲインしてカード化を解除すると、トラエモンが自分でカードを取り出す。ポケットから出たカードはその場で一旦アイテム化する。尚、プレイヤーがトラエモンのポケットに直接手を突っ込んでも、何も入っていない。

 トラエモンが自主的にカードを出した後、トラエモンは消える。

 トラエモン自体がゲイン待ちのアイテム状態だった場合は、カードを出さない。
 カード化限度枚数に達しているカードは出てこない。

 ポケットの中には、カードが1~3枚入っている。



 トラエモンから抽選されるカード枚数の確率は以下の通り。

 1枚:25%
 2枚:50%
 3枚:25%



 トラエモンから抽選されるカードのランクは以下の通り。
 但しトラリアの密林で発見、もしくは『宝籤』か『擬態』で入手したモノの場合。

 ランクD:40%
 ランクC:34%
 ランクB:24%
 ランクA:2%



 『複製』したトラエモンから抽選されるカードのランクは以下の通り。

 ランクF:52%
 ランクE:30%
 ランクD:16%
 ランクC:2%



 トラエモンのポケットから出たカードを売却した場合のトレードショップ買取価格は、以下の通り。

 ランクF:500ジェニー
 ランクE:2000ジェニー
 ランクD:5000ジェニー
 ランクC:5万0000ジェニー
 ランクB:8万0000ジェニー
 ランクA:129万3000ジェニー



 リスキーダイスを振ってからトラエモンをゲインした場合は3枚確定、全てランクBの指定ポケットカードを出す。このケースでは、トラエモンの入手方法は問わない。

 まずありえないケースだが、抽選結果のランクのカードが全てカード化限度枚数MAXだった場合、再抽選される。

 抽選結果の全ランクが限度枚数MAXだった場合、トラエモンはカードを出さなくなる。限度枚数に猶予が発生次第、カードを出す。

 リスキーダイスを振って抽選していた場合、ランクBの指定ポケットカードが全て限度枚数MAXなら、トラエモンはカードを出さなくなる。ランクBの限度枚数に猶予が発生するか、大吉の効果がなくなった時点でカードを出す。




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