どうしてこうなった? アイシャIF   作:たいらんと

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オータニア編12  2000/10/4
第百九十八章


 

 ドタバタ気味に、私達の拠点とも言える時雨紅葉へと帰ってきた。

 

「へぇー……いい雰囲気の旅館じゃない。

 よく見つけたわね」

「その代わり、高いけどな」

「まぁ、そうみたいね……」

 

 仕方なしに四人部屋と二人部屋を取ったしな。ユリさんだけ一人部屋を取ってくれればよかったんだけど、私とウラヌスが二人部屋に泊まろうとしたことにやたら超反応して、割り込まれた……

 

 ともあれ、四人部屋にいったん全員集合する。荷物を降ろし、楽な格好で座り込む私達5人。

 

 馴染んだ場所にいるおかげか、シームは落ち着いてるように見えた。けど、表情はまだ強張ってるから、今すぐムドラに戻ると言われたら嫌がるだろう。

 

「シーム。怖い怖いと思いこんでいると、余計に怖くなりますよ?

 映画を見に行った時もそうでしたが」

「……ごめんなさい」

「いえ、謝ってほしいわけではありません。

 どうしてそこまで怖がるんですか? アレは本物の死体ではなく──」

「アイシャ、ちょっとゴメン」

 

 ウラヌスが私の言葉を遮る。言いたいことはあるけど、ひとまず口を噤む。

 

「シーム。

 俺が見てる限り、ちょっと普通の怖がり方じゃないぞ。なにか理由があるのか?」

「……」

「俺、怖いのなんてすぐ慣れるって前に言ったろ?

 怖いってのは、2種類あってだな。

 1つは、知らないから怖いんだ。なにがあるか、なにをしてくるか分からないから怖い。こういう恐怖は、知ってしまえば大したことなくなるんだ。

 あのゾンビも街中でたくさん出てくるけど、注意深く見てると同じ姿のゾンビが何度も出てきてるのが分かっちゃうんだよ。作り物だから、そんなにたくさんの種類がいるわけじゃないんだ。

 そのことに気づいたら、全然怖くなくなる。……アイシャもさっき言いかけてたけど、出てくるゾンビは全部真っ赤な偽物だよ。

 死んだ人の身体なんかじゃない。ただの人形と同じだ」

 

 ……そこまで言われたら、私から言うことはもうないな。

 

「もう1つは──

 昔イヤな目に遭って、それを思い出すから怖い、かな。

 何かあったのか?」

「……」

 

 シームがちらりと、ユリさんに目を向ける。あー、これは……

 

「あ。もしかして、私がお邪魔?

 ごめんなさい、そういうことね」

 

 気が付いたユリさんが立ち上がり、自分の荷物を手にして部屋を出て行こうとする。

 

「おい、姉貴……」

「いいの、いいの。

 私はもう1個の部屋で忍装束に着替えてくるから、その辺の話終わらせといて」

 

 そう告げて、あっさりとユリさんは部屋を出て行った。……ということは、手早く話を終わらせてシームが動けるようにしないといけないわけか。

 

「迷惑かけてごめんなさい……」

 

 うつむいて、落ち込むシーム。

 

「シーム、ホントに何があったんですか?」

「……」

 

 マズイな……どうしても話したくないパターンか。これ、どうやっても長引きそうだぞ。

 

 

 

 あれこれ説得したものの、シームは重い口を開いてくれない。ウラヌスはお茶を煎れに、部屋の外へ出た。しばらく沈黙する室内。

 

 ……こうなったら仕方ない。気は進まないけど、ウラヌスがいない今のうちに……

 

 私はシームのそばに行き、正座で向かい合う。

 

「シーム。

 これではいつまで経っても、私達はムドラへ向かうことができません。

 いま決断してください。

 ムドラへ行くか、行かないか」

「……っ」

「ちょっと、アイシャ……」

 

 メレオロンが声をかけてくるのを、私は手で制する。

 

「あなたが行かないと判断すれば、私達はあなたと一緒に残る組、ムドラを攻略する組に分かれます。そうしないと時間の無駄ですから」

「……ぼくだけ置いていっていいよ」

「ダメです。あなた1人を置いていって、何かあったらどうするんですか?

 今の様子じゃ、誰かに襲われたりしたら逃げることすら満足にできるかどうか」

「……」

「最悪、ユリさん1人にムドラ攻略を任せるしかありませんね。

 本来なら、あなた達2人の修行も兼ねてムドラを攻略したかったんですが……

 まだあなたには早かったのかもしれません」

「ごめん……」

「謝られても困ります。

 理由を話してくれない以上、私達にはどうすることもできません。

 ……そこまで話したくないことなんですか?」

 

 シームが私から顔を逸らす。……今までと違って、悩んでいる様子が窺える。

 

「……シーム。どうしても話したくないなら、そう言えばいいのよ?

 何があったか、ある程度予想はつくから……」

「メレオロン。

 今後、シーム1人で窮地を脱しなければいけない事態が起きるかもしれません。

 甘やかしたツケがそういう時に回ってきたら、どうするんですか」

「そうは言うけど、まだこの子は……」

「年齢は関係ありません」

 

 メレオロンが険しい表情を返す。厳しい言い方だとは思うけどね。シームの年齢は考慮すべきだけど、いつまでも無理をさせないわけにもいかない。いざという時、泣くことになるのはシーム自身だ。

 

 ずいぶん悩んでいる様子のシームに、私も一緒に悩みながら尋ねる。

 

「……そんなに、私達は信用できませんか?」

 

 私の言葉に驚き、泣きそうな顔で首を横に振るシーム。

 

 部屋の戸の向こうへ、私はちらりと目を向ける。……まったく。

 

 向き直り、シームの肩を支えるようにそっと手を添える。

 

「信じてくれるのなら──

 あなたがそこまで恐れる理由を、教えてください。……必ず力になりますから」

 

 シームが困惑した顔でメレオロンの方を見る。小さく頷くメレオロン。

 

 少しの間、シームはぎゅっと目をつぶり、

 

「……わかった。

 話す……うまく言えないかもしれないけど……」

「大丈夫です。落ち着いて話してください」

「うん……あのね。

 ぼく、しばらく捕まってたって言ってたでしょ?」

「ええ」

「その時に色々されたんだけど……

 ……ぼくみたいな人が、他にもいたの」

 

 ──! ……そう、か。言われてみれば、むしろ居ない方がおかしいかもな。シームが捕まっていた実験施設は、想像以上に大規模で悪質な組織なのかもしれない。

 

「あなたみたいな人、と言うと半獣人ですか?」

「うん……だと思う。

 でも、その……おねーちゃんみたいな身体の人もいた」

 

 ……。キメラアント寄り、と解釈すればいいか。シームはほとんど人間のままだけど、メレオロンは完全にキメラアントだもんな……

 

「ぼくと違って、具合悪そうにしてる人が多かったんだけど……

 死んじゃった人もいて」

「……それで?」

「アレも実験だったんだと思うけど……

 その……死んだ人の身体を、操れるヒトがいて。

 ぼくにその、死んだ人と戦えって命令された。

 ……どれぐらい耐えられるか、試したいからって……」

 

 知らず、噛み締めた奥歯が小さく軋む。死んだキメラアントの肉体にどれだけ耐久力があるか──それをシーム相手に確かめたのか……

 

 およそ人間とは比べ物にならないほど、巨大キメラアントの肉体は強い。さほど年月を経ていない、生まれて間もないキメラアントですらそうだった。

 

 逆にメレオロンの肉体は、かなり脆い方だろう。それはキメラアント達と戦った私が、身をもって知っている。

 その彼女ですら、しばらく鍛えただけでみるみるうちに成長してみせている。おそらくゴン達にも迫る成長速度だ。

 

 キメラアントの肉体のポテンシャルを知りたい、という気持ちは私にもある。けれど、死んだ者の肉体を操作して、シームのような子供を実験台に戦わせるなんて……。虫唾が走る悪行だ。どんな目的か知らないが、そんな連中絶対に放置しておくわけにはいかない。

 

 シームが重く閉ざしていた口を、再び開く。

 

「ぼく、イヤだイヤだって言ったんだけど……

 何度も何度も、死んだ人の身体で攻撃されて……

 ぼくが嫌がって抵抗するだけで、その人の身体が……ぅ……どんどん壊れてって……」

 

 メレオロンがシームを抱きすくめる。すすり泣くシーム。

 

「アイシャ、もういいでしょ?」

「ええ……

 すいませんでした、シーム。話してくれてありがとうございます。

 本当に嫌なことを思い出させてしまって、ごめんなさい……」

「ぅー……」

 

 作り物のゾンビどころの騒ぎではない。実際シームは死者と戦った経験があったわけか。……そんなのトラウマになって当然だ。むごいことをする……

 

 それがどれほどツライことか、死後の念で甦った護衛軍と戦ったことがある私にも理解できる。あんなおぞましいモノも、そうそうないだろう。……二度と戦いたくはない。

 

 まいったな……。シームの気持ちが分かるだけに、私も無理強いをさせたくなくなってしまった。ムドラ行きは諦めた方がいいかもな……

 

 私は再び戸の外へ目を向け、

 

「……お2人とも。

 話は終わりましたから、入ってきてください」

 

 そう告げると、戸が開いてバツの悪い顔をした姉弟が入ってくる。やっぱり、盗み聞きしてたか。

 

 ユリさんは申し訳なさそうな様子でシームを見て、

 

「えっと……ごめんなさい、シーム君。

 着替えて戻ってきたら、まだ話が終わってなくて……

 中に入りづらかったから、つい立ち聞きしちゃった……」

「ごめんな、シーム。

 お茶煎れて戻ってきたら、姉貴が突っ立っててさ。

 廊下で姉貴と立ち話してるうちに、盗み聞きする形になっちまった」

「別にいいよ。

 ぼく、怒ってないから」

 

 ウラヌスが手にした盆を床に置きながらシームのそばに腰を下ろし、忍装束を着込んだユリさんが戸を閉めてぺたりと座る。

 

「シーム、ムドラへ行くのやめとくか?

 宿に残ってても構わないぞ」

「……。

 ううん。ぼくも行く」

「……大丈夫か?」

「大丈夫じゃないけど……

 ずっと怖がってるままも良くないでしょ? ……また念能力で同じことされたら、ボク怖くて戦えないもん」

「……。姉貴、死体を操る能力者って遭ったことあるか?」

「うーん……

 普通は生きてる人を操作するわね。操作系能力者って、他人の意識に干渉して操作するのが基本らしいし」

「それはむかし俺が説明したの、そのまんまじゃねーか」

「うるさいわね。

 ……実際に遭ったことなら、一度だけあるわ。別に強いわけじゃないのよ。死んだ人の身体なんて、大して頑丈でもないし。

 けど、操られてる身体の生前を知ってると、想像以上にクルわね。仲間だったり自分が殺した相手だったりすると……」

「やっぱり動揺を誘うのが狙いか……

 普通に考えりゃ、生きてる人間を操作した方が遥かに合理的だもんな」

 

 ……元操作系能力としては、何とも居心地の悪い話題だ。けれど、言いたいことは理解できる。死んだ人間は自発的に身体を固くすることがない。脱力した身体をいくら操ったところで戦闘力に限界があるのだろう。死者自身のオーラが失われていれば、なおさらだ。

 

 動揺を誘う、か。ヒトを操る操作系能力って、ほんと良いイメージないな……

 

「可能性がある以上、経験を積んだ方がいいのは事実だけどな……

 けど、シーム」

「行くから。……ぼくは戦わなくてもいいんでしょ?」

 

 ウラヌスは少し考え、私の方へ目を向ける。

 

「アイシャ。

 シームは見てるだけでもいいよね?」

「ええ。恐怖を克服するなら直接戦うのが一番でしょうけど、本来は敵の動きを良く観察して、怪我をしない動き方を学ぶのが最大の狙いです。

 まぁゾンビ以外とは戦ってほしいですけどね」

「……」

 

 シームの反応は色よくない。まだ怖いままだから当然か。

 

 ユリさんがシームの方へ近づき、

 

「シーム君。どうしてもイヤなら、私が全部引き受けるから。

 ムドラの攻略ぐらいなら、私1人でも出来そうだし。

 そうよね?」

「まぁな……

 ある程度の実力者であれば、まず問題ないよ。そもそもあのゾンビ、シームでも1発で倒せるはずだしな」

「……ホントに?」

「急所に当てればな。

 腹、胸、首、頭のどこかにオーラが集中してるから、そこに当てれば一撃で倒せる。

 当てそこねると、部位破損状態でまだ襲ってくるけど。いちおう耐久力は結構あるから。……あいつ街中だと、どっからでも際限なく湧くからな。戦わずに逃げた方が本当はいいくらいだよ」

「……。

 分かった。ぼく、ムドラに行く。……ちょっとだけなら、ゾンビとも戦う」

「繰り返しになるけど、大丈夫か?」

「その代わり──」

「ん?」

「桜のこと、抱っこして寝ていい?」

「うぅん?

 ……アレか。次寝る時、桜と一緒に寝たいってことか?」

「うん」

「……まぁいいけど。

 シームがゾンビと戦うなら、それぐらい構わないよ」

「うん!

 ぼく、ゾンビやっつける!」

 

 シームが大喜びでウラヌスに抱きつく。……なんだこれ。どうしてこうなった?

 

「おいコラ、シーム」

「ぷにぷにー♪」

「まー。現金ねー」

「あはは……」

 

 ユリさんの呆れた表情に、私は乾いた笑いを返す。メレオロンは苦笑いするばかりだ。ハナっから、こうしておけばよかったんじゃないか。もう。

 

 

 

 お茶を飲んで、それぞれが心の準備をする中、ウラヌスが立ち上がり、私を手招きする。

 

「アイシャ、ちょっと話が……」

「あ、はい」

 

 お呼びなので、私も腰を上げる。ユリさんがお茶を飲みかけた手を止め、

 

「ん? 桜、長話?」

「いや、すぐ終わるよ。

 ……言っとくけど姉貴。さっきシームが言ってた桜は、俺のことじゃないからな?」

「分かってるわよ、あの猫のことでしょ。

 アンタ、なに言ってんの」

 

 顔を真っ赤にして、そそくさと部屋の外へ逃げるウラヌス。くすくすと笑うユリさんを見つつ、私も廊下へ出る。

 

 廊下を歩きながら、両手で顔を覆うウラヌス。

 

「ぁー……ぅー……」

「アハハハ。ユリさんも、からかっただけですってば。

 サクラ、大活躍ですね」

「やらかしたぁー……

 ハズイはずいハズイ……」

「それで、話ってなんです?」

 

 足を止めるウラヌス。合わせて私も足を止め、向かい合わせに立つ。

 

「えっと……

 さっき姉貴にも、廊下で怒られたんだけど……」

「?」

 

 なんのことか分からないので、首を傾げる。ウラヌスは難しい顔をして、

 

「……ちゃんと説明するよ。

 さっきお茶を煎れに部屋を出た後、まだ夕食の時間帯だったからNPCに頼んで、すぐお茶は用意できたんだよ。

 で、早いトコ戻ってきたんだけど、姉貴が部屋の外でうろちょろしててさ。

 何してるか聞いたら、着替え終わったけどまだ話してる最中みたいだから入れないって。

 そうこうしてたら、部屋の中から声が聞こえてきてさ」

「……」

「アイシャ、話したがらないシームから無理に聞きだしてくれたんだろ?

 甘やかすメレオロンを叱ったりとか」

「……ええ」

「それを聞いてた姉貴が……

 アンタ、このチームのリーダーじゃないの? なんであの子に、あんなこと言わせてるのよって……自分が言わなきゃダメでしょ、って……」

 

 んー、どう反応したものか。

 私が頬をぽりぽりしてると、ぺこりとウラヌスが頭を下げた。

 

「ごめん、アイシャ。損な役回りさせて」

「……まぁいいですよ。

 私もお姉さんの言う通りだとは思いますが──」

「ぅぅ……」

 

 私の軽い皮肉に、うめくウラヌス。私は苦笑してみせ、

 

「あなたにリーダーを押し付けたのは私ですからね。

 ……私こそ、普段負担をかけてばかりですいません。ですがこんな時ぐらい、あなたの負担を私にも背負わせてください」

「アイシャ……」

「シームに嫌われたくないから、キツイこと言わずに良い顔したいですもんね。

 嫌われ役は私に押し付ければいいですよ。フン」

「えぇぇぇ……

 アイシャ、俺そんなこと言われたら、どうすればいいのさ……?」

「知りません。

 自分で考えてください」

 

 ウラヌスを置いて、私は部屋へ戻る為に歩き出す。もちろん彼に見せない顔は笑ってる。ウラヌス優しいもんね。厳しくしたくない気持ちは分かるよ。

 

 でもシームも成長してきたんだから、そろそろ飴と鞭を使い分けないと非効率だ。……あまり鍛えてあげられる時間は、残ってないかもしれないからな。杞憂だといいんだけど……

 

 部屋の戸を開けると、ユリさんとシームとメレオロンが普通に談笑していた。

 

「アイシャちゃん、おかえりー。

 桜は?」

「もう来ますよ」

「はぁー……

 ん? なんか和気藹々としてた感じだけど、なにしてたんだ?」

「喋ってただけよ。

 ほら、桜の抱き心地とか」

「……待て、姉貴。

 その桜はどっちの桜だ?」

「もちろん私が知ってるのはアンタの抱き心地よ?」

「ちょ待てコラ」

「ウラヌスでもいいよー♪

 ぼく、ウラヌス抱っこして寝てみたい♪」

「桜ってば、最高の抱き枕なのよね。

 一度知ったら病み付きよ?」

「姉貴ィィィィィィーッ!!

 余計なこと吹き込んでじゃねーぞコラァァァッ!!」

「ねぇーウラヌスぅー♪」

「ちょっと待てシーム! オマエも姉貴の妄言本気にすんなッ!!」

「なによ、真実じゃない」

「そこんトコどうなの、アイシャ?」

 

 突然メレオロンが私に話を振ってくる。や、やめろこの修羅場で。火に油を注ぐ気か!

 

「ん? どゆこと?」

「アイシャも、抱き心地知ってるから。

 一緒の布団で寝てるところを見たことが──」

「──えッッ!?

 えぇぇぇぇぇぇーッ!? まじィィーッ!?」

「マジまじ」

「メレオロン、テメェェェェェェッッ!!」

「抱き枕は黙ってなさい。

 ねぇ、アイシャ? そうよねぇー?」

 

 お、おのれメレオロン! シームに変なトコ見せたの、まだ根に持ってたか。ここぞとばかりに……!

 

 一同から浴びせられる興味津々な視線に、私は何も言葉を返せず、くるりと180度回って背を向けた。

 

「ぅわあ、ぅわあ……

 ねぇ……桜。

 ……私、ショック」

「うるっせぇぇぇぇ姉貴ィィィッッッ!!

 別になんもなかったわッ!! なにショック受けてやがるッッ!!」

 

 ぐぬぬ……恥ずかしい。ウラヌスがヘタな弁明する度に、私まで変な目で見られるぞ。だからって、私も言い訳思いつかないしな……

 

「ねぇ、桜。正直に答えて? ……どうだった?」

 

「────何がだ、コラァァァァァァァッッッ!!」

 

 もうやめてライフゼロよッッ!!

 

 

 

 

 

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