どうしてこうなった? アイシャIF   作:たいらんと

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第五十七章

 

 トラリアのトレードショップで怪物カードと鉱石カードを売却、デパートで食料を補充して、再度坑道前に来る私達。

 

「さぁて。……照明を出さないとな」

 

 ふぅー、と溜め息を吐くウラヌス。今から例の神字の能力を使うようだ。

 

 内心ちょっと楽しみだったりする。ウラヌスが空を駆け上がっていった時は、離れてたせいで何を言ってたのか良く聞き取れなかったけど、今度は至近距離だからちゃんと聞き取れるだろう。

 メレオロンとシームも私と同じ考えのようで、ウラヌスのそばに来ている。

 

 私達を見回し、ウラヌスは半分あきらめ顔で自身の頭上を指し、

 

「頭の上に出すから、すぐ直視しない方がいいよ。まぶしくて目を焼かれるかもしれない。

 照明を出した後、光量を調整するから」

 

 頭上に照明を出すのか。まぁ何かで支えないと、明かりとして運べないだろうしな。

 

 黙りこむウラヌス。

 

 私達が見ていると、なんでかじわじわと顔が赤くなっていく。なんだなんだ。

 彼は覚悟を決めるように、パンパンッと頬を張った。

 

 すっと人差し指を伸ばした右手を上げ、

 

 

 

(よ )(しら)ませる にゃんこの気紛(き まぐ)れ──」

 

 

 

 光を放つ指先で、本当に何もない宙に神字を──

 

 え、ちょっと待て。この人、今なんつった?

 

 

 

「──【日向猫/バステト】──」

 

 

 

 もにゅん。

 

 という音が聴こえそうな風情で、ウラヌスの頭に何かがだらりと乗っかった。

 

 ……ネコ?

 

 だった。ややまぶしく光を放つ、白い猫。

 

 やっぱり! 聞き間違いじゃなかった、このひと今にゃんこって言った! 今のは呪文詠唱とかそういうのかっ!? ──なんか恥ずかしい! 聞いたこっちが恥ずかしいぞ!

 

 い、いや。そんなの別にいいや。私の考えたものじゃあるまいし……

 

 ……黒の書にそんなの書いてなかったよな、私? 覚えないし。……ないよね?

 

 顔をまっかっかにするウラヌス。震える手を伸ばし、頭に乗った猫の背をぽんぽん叩く。徐々に光が弱まり、白い光がやや黄色くなる。

 

「えっと……」

 

 言葉が続かない。……まさかウラヌス、その状態で坑道に突入するの?

 

 頭に猫装備したまま? やばいよ、その猫ぜんぜん緊張感ないよ、なごむよ。ていうか、あなたいま見た目大変なことになってるから。なんだこの可愛い生き物は。

 

「えぇぇ……。アンタ正気?」

 

「正気とか聞くなァァァッッ!!」

 

 メレオロンの無慈悲な問いに、顔を覆うウラヌス。ああ、うん……そりゃ出すの嫌がるわけだ。にしても猫の照明とかどういう発想なんだろ。うはぁ。

 

 ウラヌスの桜色の髪に乗った猫は、身体を伸ばして眠そうに目を閉じてる。……ぴょこぴょこシッポが揺れてるから、起きてはいるんだろう。念獣なんだろうなぁ。なんという愛玩動物。

 

「ウラヌス、抱っこしていい?」

 

 両手を伸ばして、甘えるように尋ねるシーム。ウラヌスは「うっ」と身を引いた後、

 

「いいけど……

 俺から離してると、だんだん光が弱まるからな?」

 

 両手で持ち上げ、シームへ猫を差し出すウラヌス。シームが受け取ろうとして、猫自らシームへ抱きついた。シームに抱っこされて、機嫌よさそうにシッポをふりふりしてる。

 

「へえぇー、全然軽いね。

 この子、自分で考えて動いてるの?」

「んっと……

 ほとんど自律して動いてるな。俺の意思は届くけど、嫌がると無視したりするし。

 俺が意識して動かしたりはしてないし、できない」

 

 半自動の念獣か……まるっきり猫みたいだけど。「にゃあー」あ、鳴いた。完全にネコですね。

 

「まぁこいつを出してりゃ、明かりには充分なるだろ。

 定位置が俺の頭の上ってのが、最大の問題だけど……」

 

 吹き出しそうになるのをこらえる。ダメ、猫乗っけて真面目な顔で怪物と戦うウラヌスとか、想像しただけで草生える。

 

「ぼくの頭の上とかは?」

「いや、だから俺から離れてると光量がだんだん落ちるんだって。

 照明維持する為に俺のオーラがいるから。俺が触れてれば満タンに戻るけど」

「んー。

 じゃあ普段ぼくが持ってて、光量が減ってきたらウラヌスに返すのは?」

「……俺は携帯の充電器か」

「ぶふぅっ!」

 

 思わず吹き出した。あかん、面白すぎる。想像させないでってば……

 

 私が笑ってると、ウラヌスの顔がまた真っ赤に点火する。

 

「……もう坑道入るのやめね?

 なんで俺、こんな罰ゲームみたいな目に遭ってんの?」

「い、いえ。ごめんなさい。

 そんなこと言わずに入りま──あはははっ」

「……俺いますぐ布団にもぐりたい」

「ぶっ、あははははっ!」

 

 恥ずかしさのあまり猫乗っけたまま布団に潜り込むウラヌスを想像して、また吹き出す。あははは、ダメだツボった!

 

 シームが抱っこした猫を撫でながら、

 

「ご主人さま、キミのこと恥ずかしいんだって。失礼だよねぇ」

「にゃあー」

 

 シームやめて、ぽんぽイタイ! 猫までアシストしないでっ!

 

 

 

 私の笑いの衝動が収まるまで待ってもらい、ようやくウラヌスが頭に猫を乗せていても平常心を保てるようになった。

 

 ……たぶん。なんか気を抜くと笑いそうになるけど。

 

「……さて、アイシャも落ち着いたみたいだし。

 そろそろ出発するぞ」

「にゃー」

『ぶふっ!』

 

 ウラヌスの声掛けに、真っ先に頭上の猫が反応。3人とも吹き出す。今鳴く時に、前脚かたっぽ上げたよ、こんなんズルイ!

 猫を乗っけたウラヌスはぷるぷる震えながら、

 

「あーもう!

 いつまで待てばいいんだよ!」

「ごめんなさい……

 ホントおかしくって」

「分かったよ、ずっと笑ってろよ! もう行く!

 ほらアイシャ、後ろ向いて! オーラ纏わせるから!」

「あ、はい……」

 

 上書きされた笑いの衝動が抜けないまま、ウラヌスに背を向ける。見てたらヤバイよ、ほんと。猫がのほほんとしすぎて、緊張感ぶっ壊しまくってる。ぴかーって光ってるもんだから、余計ギャグにしかなってない。また恥ずかしくて怒るウラヌスが対比でおかしく見えて仕方ないんだよな。

 

 オーラに包み込まれ、ようやく少しピリッとした感覚になる。これから戦うんだから、気合い入れないとな。……ねこ直視しないようにして。

 

「じゃあ行くよ。

 さっき到達した深さまでは速めに行く。そこからまた慎重に進んで、鉱石探しする」

「にゃ」

「オメーに言ってねぇよ」

「あはははははっ!」

 

 またそのコントで笑いが止まらなくなり、出発が更に遅れた。

 

 

 

 遅れた分を取り戻すように、坑道を足早に進む私達。

 

 ウラヌスの頭の上で、ふらふらとしっぽを振る猫。すいません……癒されます。申し訳ないけど、彼とセットで癒し系です。時々「にゃー」って鳴くし。

 にしても、あっかるいなー。暗い坑道で戦うのも良い修行にはなったんだけど、ずっと明かりがちょっとしかなく、気が滅入っていたのも事実だ。お互いの姿がしっかり見えるのも助かる。

 

 皓々(こうこう)と照らしてくれるにゃんこは、マジで癒しです。ありがたやー。

 

「うにゃ?」

 

 猫が壁際に顔を向ける。え、なに? うにゃって鳴いたよ。なんか見つけたの?

 

「あ、なんかあるね」

 

 シームが目敏く見つけたようだ。指を差し、少しゆっくりそちらへ歩いて行く。私達も付いて歩く。

 壁際に1つだけ、青々とした石が転がっている。さっき来た時は見落としたんだろう。端っこまで懐中電灯の明かりはほとんど届かないしな。

 

 拾いあげるシーム。ぼん! とカード化し。

 

 

『1072:サファイヤの原石』

 ランクC カード化限度枚数38

 蒼玉の原石 最も美しい青色を示す鉱石

 矢車草の花と称される色を示すものは

 最高級品として珍重される

 

 

「ぅわっ当てやがった!?」

 

 ぎょっとするウラヌス。アタリだね、どう見ても。

 ウラヌスの驚きようにシームもぎょっとして、バタバタと急いでバインダーに収める。そりゃ慌てるよな。

 

「え、これいくらすんの?」

 

 メレオロンが尋ねると、ウラヌスは少し考え、

 

「えーと……70000だったかな。

 前回拾ったMAXがクリスタルの原石で、あれでも10000だから」

 

 ほぉー、へぇー。でもサファイヤで70000なのか。もっと高いのかと思った。原石だとそんなもんなのかな。

 でも露店の原石屋は、もうちょっとお高めだったような……売り買いの価格差か?

 

「そんなもんなの?

 もっとするかと思ったんだけど。さっきカード売った時も16万ぐらいだったでしょ?」

「そりゃアレはカードを70枚ぐらい売った合計だからだよ。

 鉱石より怪物カードがメインだったし。

 ……まぁ宝石に研磨すれば売り値は跳ね上がるけど、俺はイヤかな」

 

 あー、なるほど。原石を宝石に変えられるわけか。それでお値段控え目なんだな。

 

「ゲームのイベントで、宝石にしたりできるんですか?」

 

 いちおう確認すると、頭に猫乗っけたウラヌスは渋そうな顔でコクンと頷き、

 

「トラリアの宝石工房に持っていけばね。やってくれる。

 ただし失敗することも多い。……実際に原石を加工するのって難しいらしいしな」

「へぇー、そうなんですか」

「俺は原石のままの方が、自然って感じで好きだけどね。

 ……宝石もいいんだけど、気合い入れて原石加工しました、割れました、じゃショックだしさ」

 

 聞いていて『うっ』と呻きそうになる。そうか……。ゴン達を最高の原石と見立てて、頑張って鍛えてあげたけど、失敗する可能性もあったんだよな。我ながら怖いことをしたもんだ。

 この話聞いたら、ビスケならどう思うかな……

 

 ん? なんかウラヌスの頭上から不機嫌な気配が。

 

 白猫さん、私達を見て怒ってる? 桜色の髪を前脚でタシタシしてる。

 ウラヌスが疲れたように目線だけ上げ、

 

「あー……

 褒めてもらえなくて、ぷりぷり怒ってんな」

 

 ちょっ。この子、無駄に高性能。え、なに? オコなの?

 

「とりあえず俺に八つ当たりすんのはヤメロ。髪の毛が傷むだろが」

「にゃ、にゃ」

「こいつ……」

 

 自分が具現化した念獣とケンカとか面白すぎるんだけど。どうしてこうなった? ……いやまぁ父さんと母さんもたまーにケンカしてますけどね。

 

「ウラヌス、貸して」

「ん……」

 

 渋々といった感じのウラヌスから白猫を受け取るシーム。優しく抱っこして頭をいい子いい子してあげてる。

 

「えらいね、キミ」

「にゃーん」

 

 なごむ……顔が自然とニヤついてくるんだけど、緊張感も抜けていく……

 

「シームとはかなり相性良いみたいね……アンタとは相性悪いけど。なんで?」

「うるせー」

「この子って名前あるの?」

 

 メレオロンが名前を尋ねると、ウラヌスはますます渋そうな顔で、

 

「うん、まぁ……

 桜って呼んでるけど」

 

「サクラ?」

 

 私が聞き返すと、ウラヌスは少し考えた後、

 

「うーん……

 合ってるけど、ちょっと違う。桜」

 

 ん? 何が違うんだろ。……まぁいっか。

 

「キミ、桜って言うんだ」

「なーぉ」

 

 するりとシームの腕から抜け、シームの頭の上にノシっと乗っかる。

 私は何か言いたそうにしているウラヌスの方を見て、

 

「ウラヌス、そろそろ先に進みましょう」

「えぇぇぇ……それ、そいつ……」

「ほら、出発しんこー」

「にゃーん」

 

 シームとサクラに押され、ウラヌスの首をかくんと垂れた。

 

 

 

 前回来た地点まで到達。そこからは、怪物退治と石拾いをしながら奥へと進んでいく。

 

「お、これなんか良さげじゃない?」

 

 ほんのちょっと、金色にキラキラする石を拾い上げるメレオロン。カード化したそれを覗き込むと、

 

 

『1049:ネイティブゴールド』

 ランクE カード化限度枚数96

 自然金 ごく少量算出される主要金鉱石

 

 

(きん)、金だって! おいくら?」

「あーまぁ、原石じゃない拾い物としては一番いいヤツだな。

 実際は大した量含有してないんだろうけど、売り値は15000だったと思う」

「ふーん、そんなもんかぁ……

 でもこういうのって、よくある砂金とかじゃないのね?」

「坑道で砂金狙いは普通しないかな。

 ああいうのは川金(かわきん)って言うらしい。砂金は川底の砂をさらって集めるのが定番だから。

 逆にこういう坑道なんかで採れるのは山金(やまきん)って言われてる」

「にゃー」

「……」

 

 ウラヌスが頑張って語ってるのに、すごい勢いで雰囲気ぶち壊してくるなサクラ。

 

 不機嫌な顔で、シームの頭上からサクラを取り上げるウラヌス。

 

「あっ」

「……そろそろオーラ補充しないとな。暗くなったら困るから」

「うー。また後でサクラ貸してね?」

「はいはい」

 

 ウラヌスの頭にサクラが鎮座する。ちらりとシームを見るサクラ。こういう機微を理解してる念獣って結構すごい気がする。

 

 

 

 強力な怪物も混じって出現するようになり、ウラヌスがこまめに戦闘指示を飛ばす。

 

「アイシャ、そいつは首筋!」

 

 紫の(もや)を纏う黒い猟犬。こいつは鼻頭が弱点ではないらしく、へたに攻撃すると毒息で逆襲されるとのこと。飛びかかってきたところを体捌きで避けながら、首筋に肘を落とす。やや硬い手応えだったが、一撃でカード化させられた。

 すぐさま他の猟犬に目をやり、そちらは蹴りを一閃して2匹同時に仕留める。

 

 ──戦闘終了。怪物のカードを拾い集める。

 

 

『540:ボーゲスト』

 ランクD カード化限度枚数72

 毒気から生まれたとされる 闇の猛犬

 鉱毒を滋養とするためか 爪と牙に毒を有し

 吐く臭気にすらも毒性がある

 

 

 本来なら闇に乗じてハウンドドッグのフリをし、対処法を間違えさせる狙いなわけか。おまけに蛇と同じで毒を持ってるから、初見だと面白い結果にはならないだろうな。

 通常であれば『凝』で見破るんだろうけど、サクラのおかげで今の私でも目視で容易く見分けがつく。

 

 ……まぁアレだな。正直に言うと、充分な明かりを確保した状況なら、ここの怪物達は全然手強くなかった。

 

 やはりあの暗闇こそが最大の敵だったのだろう。なんせ怪物は夜目が利く。僅かな光とオーラでの察知を頼りにした戦いが、本来の想定難度なんだろう。サクラの後光(ご こう)さまさまだな……どこぞの観音よりよっぽどご利益(り やく)あるよ。

 

 足下も見えてさえいれば歩きやすく、石の発見も楽々。結構な速さで探索を進めている。

 

 サクラも、ウラヌスとシームの頭を行ったり来たりしてた。色々な仕草を見せてくれて、なんというか見てて飽きない。シームの頭上で顔をこするサクラを微笑ましく眺めてると、

 

「アイシャ、そこの足元のやつ拾って」

 

 おっと、石が落ちてるな。

 

 

『1063:ヒスイの原石』

 ランクF カード化限度枚数138

 翡翠の原石 深い緑色を示す鉱石

 硬度が高く 武器の素材として用いられることもある

 

 

 ふむ……

 

「ヒスイの原石でした」

「7500だから取っといて」

「はい。

 ……そういえばこれって、『闇のヒスイ』と関係あったりします?」

「あー、無いとも言えないかな。

 『闇のヒスイ』が取れる『魔の坑道』で──」

「にゃー」

「にゃーじゃねぇよ、邪魔すんな」

「ウラヌス、怒っちゃダメだよ。サクラだって悪気ないんだから」

「にゃーぉ」

「いや、絶対そいつ悪気あるから。シーム、騙されるな」

「えぇー……」

「ふふ、サクラって面白いですよね」

「面白くないよ、俺は……

 えっと、『魔の坑道』で『闇のヒスイ』のハズレアイテムとして落ちてたりする。

 逆に言えば、それが良く見つかるなら『闇のヒスイ』が近いとも言える」

「ああ、なるほど」

 

 つまりコレ自体が役に立つわけじゃないと。でも『魔の坑道』ってところなら、『闇のヒスイ』の近くにあるヒントアイテムなわけか。ここでは意味ないんだろうけどね。

 

 

 

 ──コボルトの集団と戦闘に入る私達。

 

 私の目前には、ファイター1体を前衛にしたコボルトキング。鈍重な装備ゆえか始動の遅さが見て取れたので、動き出したファイターの胴を蹴り足で突き押してやる。

 倒れこむ前衛のファイターに巻き込まれ、更に始動を遅らせるキング。詰め寄り、容赦なく鼻先を手刀で薙ぐ。返す刀で、体勢を崩したファイターの鼻頭を薙ぎ払った。

 

 2体のカード化を目の端に、振り向く。──ちょうどウラヌスが、コボルトファイター1体の鼻を握り砕いたところだった。あと1体。

 

 私達の側面に出現していたファイターが、最早意味のない黒塗りの短剣を構えて突きに来る。頭にサクラを乗せたシームへと。

 タイミングを合わせ、メレオロンが蹴りを胴に叩き込む。土の上に倒れるファイター。

 

 迫った私の靴底が──

 

 ファイターの頭を踏み抜く。煙と共にカード化した。ウラヌスは鼻息を吐き、

 

「……ま、明るけりゃここの最強クラスでもどうってことないわな」

 

 ありゃ、今のがここの最強なのか。うーん……岩石地帯の方が手強いかもな。こっちは暗闇と毒の存在が厄介だけど。……いや、じっとしてても怪物が出る分、やっぱりここの方が危険度は上か。

 

「さて。カードも捨てるやつが増えてきたし、そろそろ戻る?

 あと30分足らずで切れるし」

 

 ウラヌスが提案してくる。30分とは、私に纏わせた『周』のことだろう。カードを拾い集めながら返答を考える。

 

 

『520:コボルトキング』

 ランクC カード化限度枚数45

 コボルトの長 豪壮な剣と鎧で武装しており

 かなりのパワーとスピードを誇る

 

 

 結局ここって、鉱石より怪物の方がお金になるんだよね。鉱石はまぁ、おまけというか。確かに実入りはいいんだろうけど、フリーポケットが満杯じゃ効率も悪い。

 

「そうですね……

 無理して道中なにかあってもいけませんし、そろそろ引き返すべきだと思います」

「さんせー」

「うん、ぼくも疲れてきた……」

 

 もしかしたらこんなところで他プレイヤーが襲撃してくることも有り得るからな。まず負けないとは思うけど、未知の念能力者を侮っていいことなど1つもない。後20分経てば私のオーラが低下し始めるし、頃合いではあるか。『周』は掛け直してもらえばいいけど、その分ウラヌスの負担が増すからね。

 

 シームからサクラを受け取ったウラヌスが、頭に猫乗っけ状態で1つうなずく。

 

「ん、じゃあ戻ろう。

 リュックを取ってこなくちゃいけないし、移動スペルは使わずに徒歩で戻るよ。

 さっきと同じで、アイシャが先駆けて」

「はい。しんがりはお願いします」

「引き受けた」

 

 うーん。会話でいくら真面目ぶっても、頭の猫が……気ぃ抜ける。

 

 それにしても……サクラを乗せてる時でもウラヌスは全く苦もなく動いてたな。見た目以上にしっかりくっついてるんだろうか。それともウラヌスの動きが猫を乗せたままでも振り落とさないくらい洗練されているか。どっちもありそうだな。

 

 

 

 

 




 
 
 
 
 
・トラリア坑道探索2回目リザルト



・購入カード
 『10453:カロリーフレンド』4枚

 購入額合計:800ジェニー



・入手カード(売却額3000ジェニー未満のカードは全て捨て)
 『519:コボルトファイター』53枚
 『520:コボルトキング』4枚
 『540:ボーゲスト』3枚
 『690:ダークローパー』6枚
 『1049:ネイティブゴールド』2枚
 『1055:ムーンストーンの原石』4枚
 『1056:アメジストの原石』5枚
 『1057:トパーズの原石』3枚
 『1058:トルマリンの原石』2枚
 『1059:ジルコンの原石』4枚
 『1060:サンストーンの原石』2枚
 『1062:ラピスラズリの原石』1枚
 『1063:ヒスイの原石』3枚
 『1065:オパールの原石』5枚
 『1067:スピネルの原石』1枚
 『1070:タンザナイトの原石』1枚
 『1072:サファイヤの原石』1枚

 トレードショップ売却額合計:601100ジェニー



 所要タイム(坑道突入~脱出):50分11秒






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