どうしてこうなった? アイシャIF   作:たいらんと

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第八十五章

 

「んー……」

 

 特に意識せず、自然と伸びをする。……んっ、朝だな。

 

 むくりと起き上がる。お隣の布団は、っと。……寝てるな。やっぱり疲れてたか。

 もう7時になるし、可哀想だけど起こさないとな。

 髪の毛を軽く整えながら、ウラヌスのそばまで這っていく。

 

 ウラヌスの髪の毛は、見事に爆発していた。あらら、ちっちゃな女の子みたいだな……似たようなもんだけど。

 なんとなく桜色の頭に触れ、わしゃわしゃと撫でこする。

 

「……ぇ。

 え、なに?

 あいしゃなに? なんで朝から俺なでてるの……?」

 

 目をショボショボさせながらパニクるウラヌス。面白い面白い。

 

「いい夢見れたかなー? と思いまして」

「へ?

 い、いや、なんでまだその話引っ張るの? 今朝は見てない──あ」

「ほーう。

 昨日の朝は、見ていたと」

「……ぁぅぁぅぁぅ」

 

 口をぱくぱくするウラヌス。ふふ、朝から面白いの連発だな。これだからお泊まり会はやめられないのだよ。

 

 

 

「おや?

 メレオロン、お箸を使うようになったんですか?」

 

 4人で朝食を摂る中、いつもならナイフとフォークとスプーンで食事するメレオロンが、器用に3本指で箸を摘み持っていた。

 

「そんな急に上手くはならないけどね。

 昨日お箸の持ち方が書いてある本見つけて、ちょっと参考にしたの」

 

 ふーむ。メレオロンなりに気にしてたのか。ここのところジャポン食が多いし、お箸で食べてみたくなったのかな。

 

「あ、そうだ。思い出した。

 おねーちゃん。あの映画の続き、見るの忘れてたね」

「……あ、確かにそうだわ。

 ごめーん。今日忘れないようにしとくわ」

「ううん。ぼくも忘れてたし」

 

 映画……ああ、昨日話してた格闘技のやつか。昨日はウラヌスだけでなく、2人も余力なかったんだな。

 私も回復こそしてるけど、疲れてなかったわけじゃない。それでもこの3人に比べれば全然余裕ある方だな。……オーラもないし、無茶なんかできないんだけど。

 

 

 

 食事と入浴を終えて、私達は宿を発つ。

 

 オータニアでの散歩にもすっかり慣れたけど、こういう空気はやっぱりいいな。実った作物の薫りがうっすらと漂い、鼻をくすぐる。これだけで朝から気分が良くなる。

 

 千秋都市オータニアの入口へと到着。

 

「さて、なんとなくいつものノリでここに来ちゃったけど……」

 

 おや? ウラヌス、どうしたんだろ。いつもみたいに『漂流』で飛ばないのかな?

 

「いま、手持ちの予算が少ないんだよね。6万弱しかない。

 行き先によっては足りなくなるから、まずアントキバでお金下ろしてこないと」

 

 あー、そうだった……

 プーハットさんと鉢合わせしたら気まずいし、マサドラのトレードショップに行かないままだったんだよな。まずは予算の確保からか。

 

「とりあえず『漂流』は使おうと思う。

 俺が移動スペルで飛んで1分くらい経ったら、3人ともアントキバへ『再来』で飛んできてくれる? 俺もそのくらいのタイミングでアントキバに飛ぶから」

「分かりました」

 

 なるほど、それで『再来』を節約するのか。

 うん……その方法を採るなら、オータニアの入口に来る意味はなかったね。食後の散歩には良かったけど。

 

 

 

 ウラヌスが『漂流』で飛んでいき、残った私達も1分ほど経ってから『再来』で飛ぶ。

 

 空の旅を終え、アントキバの入口へ到着。

 あー、まだウラヌスは来てないな……少し早すぎたか。

 

 改めて都市の入口を見渡す。変わらない、やたら貼り出された懸賞の告知。

 街路樹に括りつけられた幕に『ようこそアントキバへ!』の文字。

 なんだかんだで、ここってよく来るよな。……私、なんで前回ここに来なかったんだか。そりゃウラヌスも不思議がるよ。

 

 空から飛行音。

 ふわりとウラヌスが着地する。主にふわふわしてるのは、ワンピースの裾だけど……

 

「お待たせ。

 それじゃまず、お金下ろしに行こうか」

 

 4人でそのまま歩き出す。

 

「ここって、こんなにヒト少なかったっけ?」

 

 シームが首を傾げながら尋ねる。……ふむ、言われてみれば少ないかも。でもモタリケさんと待ち合わせた時も、これぐらいだった気がするけど。

 

「時間帯によって、NPCの配置も変わるからな。

 いちおう毎日同じキャラじゃなくて、日毎にいるキャラいないキャラがまばらだったりするから、多少の変動はあるよ」

 

 うん、ソウフラビもそんな感じだったな。……何かあるのかなと思って探ってみたけど、全く無駄な努力だったよ……

 

 

 

 アントキバのトレードショップまで歩き、シームが貯金を下ろす。

 所持金を20万にして、お店の外へ。少し歩いて、人通りの少ない場所で立ち止まる。

 

「さて、今日の行き先なんだけど。

 まず俺がさっき行った3ヵ所の説明するね。

 年中無休で夏を満喫、(あつ)(なつ)(あつ)い常夏都市ソルロンド。

 今日からあなたも名探偵、犯罪者の巣窟なのかと疑いたくなる推理都市ミステリオ。

 どいつもこいつもイチャコラうぜー、恋愛都市アイアイ」

 

「あんた、その恋愛都市に恨みでもあんの?」

「いや、別に……

 うっとうしいとは思うけど」

 

 うむ。なんとなく理由は分かるけど、複雑な気分だな。

 

「そういえば、四季の街って全部行けるようになったんだね」

「うん。

 春のエリル、秋のオータニア、冬のスノーフレイ、夏のソルロンド。

 いつでも行けるようになった」

 

 シームとウラヌスの会話を聞いて、またエリルも行ってみたいなと思い返す。いずれにしろ『死者への往復葉書』を取る為に行かないといけないだろうしな。

 

「残りは、昨日から行けるけどまだ行ってない街が11個。……今日も名前だけ。

 城下都市リーメイロ。

 廃墟都市ムドラ。

 漁業都市ソウフラビ。

 酒蔵都市バルカン。

 幻想都市ファンタズム。

 賭博都市ドリアス。

 飽食都市グルセル。

 湖底都市アクエリア。

 城塞都市ジャロ。

 白雪都市スノーフレイ。

 牧農都市ハイループ。

 ──さて皆様、どこへ行きたい?」

 

 選択肢が多すぎるな……絞り込みにくいぞ。『漂流』濫用の弊害だな。

 

「どこ行きたいって言われても、数が多すぎない?

 あらかじめ話し合ってたなら分かるけど、急にこの場で選ばされてもさぁ」

「全部で14だもんね。多すぎて迷っちゃうかな」

 

 苦言を呈する姉弟に、「うっ」と呻くウラヌス。

 

「えっと……

 ああ、そっか。ごめん。

 行ったこともないのに、これだけの数の中から選びづらいよな」

 

 うぅ、私もほとんど行ったことない場所ばっかりだからな。役に立てないなぁ……

 シームが何か思いついたように指を1本立て、

 

「でも、そろそろ全部行けるんじゃないの?

 そしたらどこに行くか予定決められるようになるじゃん」

 

 それを聞いて、ウラヌスは少し考える。

 

「……確かにな。

 今まで行った街が8つ。

 行こうと思えば行ける街が14。

 街は全部で25だから、『漂流』を後3枚取れたら事前に計画を立てられるようになる」

 

 そっか、もうそこまで来てたか。……今日って6日目だっけ。はぇー。4人で固まって動いてるのに、何でこんな攻略スピードなんだ。しかも観光メインだったのに。

 

「まぁでも、それは明日からの話だな。今日だけはここで決めちゃわないと。

 さて、どうするかな……」

 

 再び考え出すウラヌス。私もちょっと考えがまとまらないな。どうしようか。

 

 

 

 ──要は数が多すぎて選びにくいのが問題なんだから、消去法でいこう。

 

 そうウラヌスが提案し、ひとまず行きたくないところをそれぞれ挙げていく。

 

「ソウフラビだけはイヤです」

「う、うん……」

「お酒の街は絶対ヤメてね?」

「まぁ俺も行きたくはないしな」

「えー。じゃあアタシもグルセルは無しー」

「ちょっ、私バルカンは反対してないじゃないですか」

「ふぅん。じゃあアンタ、お酒飲むんだ? 未成年のクセに」

「の……のむとは言ってません……」

「ふーん……」

「話が脱線しそうだから、その辺にしてくれよ?

 とりあえず、ソウフラビ・バルカン・グルセルは消去な。

 あと11」

「そう言えば、城下町が確かツマらないんだっけ?」

「リーメイロな。娯楽がないわけじゃないけど、このメンバーが楽しめるか微妙。

 まぁこれも消しとくか」

「……危ない街があるって言ってなかった?」

「んー。筆頭がムドラで、その次がジャロだな。

 危険性は圧倒的にムドラが上だけど」

「いずれは行くにしても、もう少し2人が強くなってからにしたいですね。

 私もあの状態で戦う技術を磨き終えたとは言い難いですし」

「アンタ、あれでまだ不十分なんだ……?」

「正直まだまだですよ。状況が許すなら、後半年ぐらいはみっちりと──」

「えっと、とりあえずムドラとジャロも消すね? ……あと8つか」

 

 

 

 ──そんなこんなで削りに削って、残りの選択肢は3つ。

 

 賭博都市ドリアス。湖底都市アクエリア。常夏都市ソルロンド。

 

「そもそも、今日って2つ行くの?

 それとも1つだけ?」

 

 メレオロンがそう尋ね、私達は沈黙する。

 どれぐらい時間かかるか分かんないからな……ここはウラヌスに判断してもらおう。

 

「うーん……

 まずドリアスだけど、ここは半日仕事になるな。

 遊ぶだけなら別にいいけど、指定ポケットカードを狙おうとすると結構時間取られる」

「あと2つはどうなの?」

「ソルロンドも、今から行って昼には食い込むな。

 そこから次の街へ行くと修行時間が削れる。

 アクエリアは、ちょっと行ってみないと分かんないんだよな……

 雨天だと時間取られるけど、晴天ならそんなにかかんない」

 

 ふむ。それだったら……

 

「無理せず、今日は1箇所だけにしましょう。

 焦って観光しても楽しくないでしょうし」

「うん。

 ならドリアスかソルロンドだね」

「観光ってぐらいだし、常夏でいいんじゃないの?」

「そりゃ、ソルロンドってまるっきりリゾート地ではあるんだけど……」

 

 ウラヌスは少し眉をひそめて、私達を見る。

 

「……。

 まずアイシャとシーム。そのカッコじゃダメ」

 

『えっ!?』

 

 なんだと。ドレスコードでもあるのか。

 

「シームはそのボロっちくなったツナギじゃダメ。昨日のイナゴで傷んだところが(ほつ)れてきてるしな。手足と頭以外で、強い日差しを直接浴びるのはオススメしない。

 だいたいオマエ、腕と足さえ隠せば全身隠す必要なんて無いだろ?」

「え……

 で、でも、顔を隠さなくてだいじょうぶかな……?」

「アタシもちょっとそれは不安かなー」

「まぁ普段は隠した方がいいんだろうけどな。

 でもこれから数時間くらい顔を見せてる間に、来るかどうかも分からない追っ手と偶然鉢合わせる可能性ってとんでもなく低くないか?」

「あー……そう言われるとねぇ……」

「手足の鱗は誰が見ても分かっちまうからアレだけど、シームの顔を知ってるヤツがもし来たら、逆にブチのめして取っ捕まえるチャンスでもあるだろ? 俺は普段からこの目で周囲を警戒してるんだし、変なヤツがいたらすぐ分かるよ」

 

 ふーむ……なるほどね。手足の鱗がある部分だけはどうしても隠さないとマズイけど、それ以外の見た目は普通の子供だからな、シームは。

 もちろん追っ手とやらが来たらバレてしまうわけだけど、そんなの返り討ちにしてやるからね。……ウラヌスのオーラさえ纏えば。

 

「うーん……

 まぁアンタがいいって言うなら、これ以上反対しないけど……」

「シームは?」

「……別にいいよ。この服は着替えないとダメだし」

「おし、決まり」

 

 うん。シームはそれでいいとして、

 

「私、この服装じゃダメですかね?」

 

 運動着だし、ワリといけそうな気もするんだけどな。

 

「アイシャの場合、下はそれで良くても、上がちょっとね……

 もう少し涼しいカッコしないと汗だくになるよ。

 夏用の衣類は持ってる?」

「え……えっと、あるにはありますけど」

「じゃあ着替えてね。向こうに行ってから」

 

 んー……あれか。あれを着なくちゃダメか。ふぅ……別にイヤじゃないんだけど。

 

「あんたは今のカッコでいいんでしょうけど、アタシはどうすんのよ?」

「そりゃ……

 そのままで行って、暑いのを我慢するしかないな。だって隠さないとダメなんだし」

「分かってるけど、腹立つわー」

 

 それはどうしようもないね。どうせ下には何も着てないんだし、別にいいじゃないかと思うけど。

 

「あとまぁ……

 泳ぐ、必要がある」

 

 ん?

 

「泳がないといけない。指定ポケットカードを取る為に。

 ……そうすると、専用の衣類が、いるわけだけど」

 

 お、おぅ……そうですね。

 それはアレか……

 

 水、着。……着ないといけないわけか。

 

 メレオロンはそもそもツナギを脱げない。

 

 シームは手足を隠せば何とかなるけど、カードを入手する実力に欠ける。

 

 そうすると、泳ぐのは私かウラヌスになるわけですね。……すんごいヤダ。

 

 メレオロンが細目でウラヌスをじろじろと眺め、

 

「アンタまさか、裸で泳がないわよね?」

「想像すんな、確認されることすら腹立たしい」

 

 あはは……流石にウラヌスもそんなことしないよねぇ。

 

「下着を穿きたくないのは知ってるけど、水着だったら穿くわけ?」

「は……

 ……穿きたく、ない」

「あっきれた。じゃあどうすんのよ」

 

 ウラヌスは……うん。非常にマズイな。いや、穿いて欲しい。ホントに。今日だけでも。

 

 メレオロンが、ウラヌスから私へと視線を移す。

 

「どうする? アンタしか居ないみたいだけど」

「え、その……」

 

 いや、でもだからって私は、ぁぅぅ……

 

 ウラヌスは頬をぽりぽりかきながら、

 

「アイシャもイヤなんだよね? 水着で泳ぐのは」

「……できれば、お任せしたいです」

「まいったな……」

 

 前ならそんな気にはしなかったんだけど、選挙ポスターの件で引っ掻き回されたからな……水着はトラウマになりかかってる。

 多分ウラヌスも、私のポスターの件を気にしてくれてるんだろうけど……

 

「いずれにしても避けては通れないんだよね。

 泳がないと取れないカード、そこそこあるから。イベント難度も当然高くなるし」

「泳ぐイベントって、そんなにヤバイの?」

 

 聞いてくるメレオロンに、私とウラヌスは顔を見合わせる。

 

「泳ぐにしろ潜るにしろ、水の中は相当戦力が落ちますね。

 人が相手なら条件は同じですが、水に棲む怪物が相手だと……」

「俺は発声できなくなると問題あるしな。

 それに1個、かなり面倒なことがあって」

 

 人差し指を立てるウラヌスに注目する私達。

 

「水中にあるアイテムを取った時。

 当然その場でアイテムはカード化する。だから1分経つ前にバインダーへ収める必要がある。

 ──けれど、水中で『ブック』は唱えられない」

『あっ』

 

 見てる前で、ウラヌスの声に反応してバインダーが現れた。……いや、それどころじゃないよ。

 え? そんなのどうするんだ?

 1分以内に、カード持って水中から出る? 息継ぎ考えてもそうするべきだと思うけど、1つ取る度に水中から出るの? 複数取ったら、バインダーに収め損なうかもしれないし。

 

「だから……バインダーを出したまま、潜る必要がある。

 これがまた邪魔なんだよね」

 

 なるほど、そういうことか……

 泳ぎづらいなー。その上、怪物と戦うこともあるのか? 戦いづれー。

 

「無理やり水中で『ブック』って言えないの?

 あああ、うっとうしい。ブック!」

 

 現れたバインダーを、メレオロンが煩わしそうに消す。ウラヌスは難しい顔で、

 

「まぁ大声で1回だけならいけるかもな。

 指輪が音を拾いさえすればいいから、指輪を口に近づけた状態で。

 その代わり、身体の中の空気とサヨナラだけど」

 

 だよねぇ。溺れちゃうよ、そんなの。

 いかに身体能力が高い念能力者といえど、窒息はお手上げだからなぁ。

 なるほど、これは難しい。専用の能力でもないと……

 

「……ウラヌスは、水中用の念能力ってあります?」

 

 あまり期待はしてないけど。確か水中の能力は持ってないとか言ってた気がするし。

 視線をあちこちに彷徨わせるウラヌス。

 

「……。

 なくもない、けど」

「へ?

 あんた、無いとか言ってなかった?」

 

 だよね。あれ、記憶違いか? メレオロンもそう言ってるし、合ってるよね?

 

「いや、水中用ならある。

 水中戦向きの念能力はない、って言っただけ。別に水中でも戦えはする」

 

 ほぉー、抜け目ないなぁ。

 水中だと詠唱できないから、かなりヤバそうなんだけど。……あ、いや。確かウラヌス、詠唱は破棄できるのか。相応のオーラ消費と引き換えに。

 そりゃそっか……じゃなきゃ、昨日あんなに無理してノドつぶすわけないもんな。危なすぎる。

 

「でも、言うほど便利なもんでもなくてね。

 それに、ちと練習がいる」

「どんなのですか?」

「……使う時が来れば説明するよ」

 

 ふむ。まぁいっか。あんまり能力のこと気軽にやりとりするのもなんだしな。感覚麻痺してるけど。

 

「で、ソルロンドでいいの?

 俺はドリアスでも構わないんだけど」

「いいわよ、ソルロンドで。

 大体4人で賭け事するなら、予算足りないんじゃないの?」

「あーまぁ……それは正論だな。

 アイシャ、シーム。

 2人がいいなら、今日はソルロンドへ行くよ」

「ぼくは別にいいけど」

 

 私は返答を少し躊躇う。

 ……水着を着るかもしれない。というか、着るつもりじゃないとダメか。うーん……

 

「アイシャ。

 別に無理しなくても……」

「ウラヌスも……水着、着るんですよね?」

「え?」

 

 うん? なに、その反応。まさか私任せにして、自分は着ないつもりだったのか?

 

「着るんですよね?」

「え、えっとぉ。

 俺はその……」

「着・る・ん・で・す・よ・ね?

 あなたが着るなら、私も水着を着ますよ。ええ、着ますとも」

 

 たじろぐウラヌス。この交換条件なら私的にはOKだ。彼がどうするか見ものすぎる。

 

「ぃ……いいけど?

 水着を着りゃいいんだろ? あー、着てやるとも。

 その代わり、アイシャも絶対着なよ?」

 

 お、マジか。あれだけ穿くの嫌がってたのに、ホントに水着なら着るんだな?

 

「交渉成立ですね。

 それじゃ行きましょうか?」

「うん、いいよ?」

 

「……あのさぁ。あんた達」

 

 呆れた様子で腕を組むメレオロンを見る。

 

「お互い顔真っ赤にして、なに言い合ってんの?」

 

 

 

 

 

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