ハチマンは旅を再開するためにナナカマド博士にあいさつをしようと研究所に戻った。研究員にナナカマド博士が奥にいることを聞いて行ってみると、ナナカマド博士の他に研究員ではない3人の人間がいた。
一人は黒いシャツに青のズボン、そしてキャップを被った少年、肩にはピカチュウが乗っていた。
一人は黒のノースリーブにピンクのミニスカート、そして白いニット帽を被った少女。
一人は深い緑のシャツに黒とオレンジの半袖のジャケット、灰色のズボンの糸目の青年。
見たことのない3人だ。
ナナカマド「おお、ハチマン君戻っていたのか」
ハチマン「どうも」
ナナカマド博士が俺に顔を向けると、謎の3人もハチマンの方に振り返りハチマンを見る。そんな中、最初に口を開いたのはキャップの少年だった。
サトシ「あの、博士、こちらは誰ですか?」
ナナカマド「うむ、彼はハチマン君といって、これからシンオウを旅するトレーナーだよ。彼の故郷はソウブ地方の出身なのだよ。そして彼は君たちの先輩になる」
ハチマン「よろしく」
サトシ「そうなんですか!?俺、サトシ、ポケモンマスターを目指してます。こいつは相棒のピカチュウ。」
ピカチュウ「ピカピカチュウ!」
ハチマン「よろしく、サトシ。ナナカマド博士が言ったが改めてハチマンだ」
すると糸目の青年も話しかけてくる。
タケシ「ああ、思い出した。貴方はニビジムに挑戦しに来たことありましたよね」
ハチマン「……ニビジムのジムリーダーの?」
カントーを旅していたころを思い出した。
初めてのジム戦はニビジムで、その対戦相手がこの青年だ。
タケシ「ああ、ニビシティのタケシだ。そっか、あの時の貴方が。ここまで旅をしていたんですね」
ハチマン「俺もまさかここでカントーのジムリーダーに会えるとは思わなかった」
タケシ「俺は一流のブリーダーを目指しているんだ。そのための旅の真っ最中さ。ジムは家族に任せています」
ハチマン「へえ、ジムリーダーはただジムで挑戦者とバトルするのが主だと思っていたが、こんな風に自分の夢を追う人もいるんだな」
タケシ「はは、そうだね。家族も応援してくれるから、絶対に達成したいんだ」
ハチマン「そうか……」
それほどタケシが家族から信頼されているということなのだろうな。
あと、今まで顔を忘れていて本当にすいません。
すると、少女も話しかけてくる。
ヒカリ「あたしはヒカリ。昨日フタバタウンから旅に出たんです」
ヒカリと名乗った少女の足元にはポッチャマがいた。
ハチマン「よろしく……もしかして、昨日研究所に来たのは君か?」
ヒカリ「うん!いろいろあったけど、万事解決で大丈夫大丈夫」
ハチマン「そっか、ポケモンはポッチャマにしたんだな」
ヒカリ「はい」
ポッチャマ「ポチャマ!」
ポッチャマは胸を張り、力強さをアピールした。
ヒカリ「あたし、一流のコーディネーターを目指してるの。ポッチャマと一緒に頑張るんです!」
ポッチャマ「ポチャポチャ!」
ポケモンはトレーナーに似るとは言うが、早くも似てきたんじゃないかこの二人は。それほど相性が良いということか。
ハチマン「ハハハ」
ヒカリ「あのどうかしたんですか」
ハチマン「いや、ヒカリとポッチャマは似ているなと思ってな」
ハチマンは疑問に思ったことを言った
ハチマン「そう言えば昨日旅に出たのに、なんでまだ研究所にいるんだ?」
すると、ナナカマド博士が口を開く。
ナナカマド「うむ、それは私が説明しよう」
ナナカマド博士はそれまでの経緯を語ってくれた。
サトシのピカチュウがロケット団という集団に強奪されたこと。
ヒカリが逃げるピカチュウを見つけて保護したこと。
再びロケット団が追って来たが、サトシたちが撃退したこと。
ハチマン「……なるほど、ロケット団ですか」
ナナカマド「ハチマン君も知っているのかね?」
ハチマン「ええ、カントーとジョウトで何度か接触したことがあります。かなり大きな組織らしいです」
ヒカリ「ポケモンを盗むなんて許せないよ」
ポッチャマ「ポチャポチャ!」
ヒカリとポッチャマはロケット団の所業に怒りを覚えているようだ。
ハチマン「けど、ピカチュウがこうして戻ってきてくれて良かったぜ」
ピカチュウ「チャ~」
サトシの言葉に彼の肩に乗っているピカチュウは笑顔で頬擦りをしていた。ここまで信頼関係が深いトレーナーとポケモンもなかなかいないよな。ハチマンはそんなことを思いながら見ていた。