サトシ達と話しているとサトシが
サトシ「俺、これからシンオウリーグを目指すためにジムを巡るんだ。ハチマンさんは?」
嘆く俺の心情を察してかどうかしらないがサトシが話題を変えてきた。
ハチマン「俺もそのつもりだ。ポケモンを鍛えなおして、ジムを巡る」
サトシ「そうなんですか!じゃあ、俺たちライバルですね!」
ハチマン「そうなるな」
ヒカリ「なんか良いな~ライバルって」
ハチマン「ヒカリもコンテストに出続ければ、ライバルに出会うことになるかもな」
ヒカリ「だったら良いな」
ナナカマド「うむ、互いに実力を高めあうライバルとはトレーナーにおいて必ず現れる。負けぬように頑張りたまえ」
ハチマン「そうですね」
サトシ「そうだ、ハチマンさんも俺たちと旅をしないか?」
サトシは不意にそう提案してきた。
けど、俺の答えは決まっていた。
ハチマン「せっかくのお誘いだけど、遠慮しておく」
ヒカリ「どうして?」
ナナカマド「うむ、先ほどサトシ君はハチマン君を『ライバル』と言っていたな。私が思うにライバルとはずっと近くにいるよりも、互いに違う道を歩み、ある地点にて再会し、互いをぶつけ合うことで成長に繋がるものだと思う。無論、近くにいることで互いを強く意識し合うということもあるがな」
サトシ「わかりました。別々の旅をしましょう。また会ったときはどんな冒険をしたのか聞かせてください」
サトシの言葉はとても熱く、眼はとても力強い
ハチマン「ああ」
サトシ「ハチマンさん、俺とポケモンバトルしましょう!」
ハチマン「シンオウ地方に来て最初のバトルか……ああ、いいぞ」
-
ナナカマド「うむ、では裏庭に行きたまえ」
ハチマン、サトシ「「はい」」
サトシたちはポケモンをモンスターボールに戻した。
しかし、サトシのピカチュウだけは、彼の肩に乗ったままだ。
ヒカリ「あれ?ピカチュウはモンスターボールに入れないの?」
俺の代わりに疑問を口にしたのはヒカリだった。
サトシ「俺のピカチュウはモンスターボールに入るの嫌いなんですよ」
ピカチュウ「ピカピカ」
ヒカリ「へぇー珍しいのね」
ピカチュウ「チャー」
ナナカマド「ポケモンにも人間同様、様々な性格があるものなのだよ」
モンスターボールを嫌がるとは、そんなポケモンは初めて見たな。
ハチマン「それじゃあ、博士、裏庭をお借りします」
ナナカマド「うむ、互いにベストを尽くすのだぞ」
5人が研究所から出ると、近くの木に人がいた。
紺色のジャージに灰色のズボンを着た、紫の髪の少年だ。
その目は鋭く。不適な笑みでサトシを見ていた。
ナナカマド「む、君は?」
シンジ「ナナカマド博士ですね。俺はトバリシティのシンジといいます。彼を待っていました」
シンジと名乗った男はサトシを見ていた。
どこか嘲笑っているようにも見えた。
サトシ「俺を?」
シンジ「3体揃ったんだろ。バトルしないか?」
サトシ「あ……」
サトシがハッとした顔になった。
ナナカマド「うむ、シンジ君。サトシ君はこれからそこにいる彼、ハチマン君とバトルをすることになっているのだが」
シンジ「なんだ、俺のことは忘れていたのか?」
サトシ「ああ、いや、そういうわけじゃ……」
どうやら先約があったようだ。しかし、サトシの様子を見る限り今思い出したのだろう。
サトシの説明を聞くと、目の前の少年シンジに3vs3のバトルを申し込まれたのだが、先ほどのサトシは手持ちが2体しかいなかったためできなかったようだ。シンジはそのまま立ち去ったため、もう会うことはなかったのだろうと思ったそうだ。
今はピカチュウも入れて3体揃っている。シンジとのバトルは可能だ。
サトシ「ハチマンさん、誘っておいて悪いですけど、先にあいつとのバトルをした後で良いですか?」
両手を合わせて俺に謝罪するサトシ。
まあ、誰が悪いということでもないし、
ハチマン「構わない。先に約束してたんだろ?」
サトシ「ありがとうございます」
ハチマン「いいさ、俺はいつでも問題ないから」
ナナカマド「うむ、ではシンジ君も裏庭まで来たまえ」
シンジ「はい、ありがとうございます」
ナナカマド博士に頭を下げて礼を言うシンジはそのままついて行った。
シンジを加えた6人が裏庭に向かう。
シンジ「……ありがとうございます」
シンジは俺の横を通り過ぎようとしたときそう言った。話し方や態度からドライな性格だと思っていたが、悪い奴ではないみたいだな。離れてくシンジはもう一度俺を一瞥すると、なにかを言おうとしたようだがそのまま歩いて行った。
ハチマン「(あいつの目は俺を知っている目だな……全くサトシの次はあいつとバトルになりそうだな)」
ハチマンはそんな事を思いながら二人のバトルを見ることにした。