幼女戦記 ターニャの優雅なる後方勤務   作:ダス・ライヒ

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ここで一気に二日目を終わらせるつもりでしたが、一万字以上になるので、丁度いいところで区切ります。


幼女の休暇その二

 ターニャの二日目の休暇が始まろうとする中、東部戦線では敵の攻勢に気付いたルーシーの赤軍の爆撃機の大編隊が護衛の戦闘機を伴い、集結中に帝国軍を爆撃しようと接近しつつあった。

 レーダーを配置してこれに気付いた帝国空軍は、直ちに迎撃機を発進させていたが、間に合わない。

 そこで集結を終え、直ぐに動けるように戦闘開始準備を済ませていたフリードリヒ・アドルフ・ラインハルト・フォン・シェーンハウゼンが率いる航空魔導突撃旅団が迎撃を担当する。

 

「皇太子殿下、いや、大佐殿! なにも貴方が出陣なさることはありますまい!」

 

「あのような雑魚、我らで十分!」

 

 旅団の幹部らがフリードリヒが迎撃に出ることに反対する中、彼は作戦前のウォーミングアップとして出るつもりであるようだ。

 

「これはウォーミングアップだ。大事な作戦前だ、身体を慣らしておかなくてはな」

 

「案ずるな、シェーンハウゼン大佐殿の背中は我らが守る! 貴官らは作戦に備えて装備点検でもしておけ!」

 

 フリードリヒの出撃に反対する幹部らに対し、元近衛兵連中らが追い返した。

 彼らの行動にフリードリヒは感謝して、魔導士用の装備を身に着け始める。

 

「助かる。そんなに私を死なせるなと、父上からしつこく言われているのか、奴らは?」

 

「えぇ、貴方様は皇太子殿下。次期皇帝陛下であられる兄上に何かあれば、貴方様が次の皇帝の椅子に座らねばならんのです。その為にも、貴方様には死なれては困りまする」

 

「ふん、次の皇帝は姉上でも良いと俺は思うのだがな」

 

 装備を身に着けながら世継ぎ問題を挙げて自分の身を案じる元近衛兵らの言葉を聞いたフリードリヒは、自分が皇帝の座に着くことを少し不安に思ってか、自分より統率力が優れる姉が適任ではないかと口にする。

 

「はぁ、姉上殿のございますか。確かに歴代の皇帝の中には、女性皇帝も居たそうですが…」

 

「特に問題は無いだろう。では、私は先に共産主義者(コミュニスト)共を撃ち落とす。後に続け!」

 

「はっ!」

 

 これに元近衛兵はかつてライヒの地を収めていた帝国の皇帝の中に、女性が居る事を思い出して確かに良いと思い始める。

 全員の準備が出来れば、フリードリヒは先に出撃すると言えば、元近衛兵らはその後に続いた。対爆撃機用なのか、使い捨ての対戦車火器であるパンツァーファウストに似た使い捨てのロケット無反動砲を、二本ほどフリードリヒは背負っている。

 普通に出撃しては間に合わないので、魔導士用を素早く空に上げるための設備であるカタパルトにフリードリヒは両足のブーツに着け、心の準備を済ませる。

 

「固定完了! 出撃する!!」

 

『了解、カタパルト発進! ご武運を!!』

 

 準備が出来たことを知らせれば、カタパルトは勢いよく発射され、フリードリヒは空に向けて打ち上げられた。

 この後を、元近衛兵らもカタパルトから打ち出されて彼の後へ続て行く。

 既に迎撃戦は開始されており、対空砲火と味方の戦闘機、魔導士が敵航空部隊と交戦していた。敵は社会主義国の為に爆撃機か護衛の戦闘機、あるいは他国からの義勇兵である魔導士だと思っていたが、魔導師にしては装備が古かった。

 

「ん、旧式の演算宝珠? 何所の義勇兵だ?」

 

 短時間で前線へと到達しようとするフリードリヒは、旧式の演算宝珠で友軍の魔導師と交戦する敵魔導師を目撃し、無線機で味方に何所の国の魔導師なのかを問う。

 

『こちら第八一魔導大隊本部、敵は帝国時代の魔導師だと思われます!』

 

「なんだ、連中は魔法を禁じていたんじゃなかったのか? それとも兵力不足か? まぁ良い、ちょうどいい肩慣らしだ!」

 

 味方からの報告で敵魔導師の正体がルーシー帝国時代の魔導師であると分かれば、フリードリヒは彼らを哀れむも、非情となって排除に回った。

 敵魔導師は帝国時代の装備を使っているらしく、連射できるライフルは持っていない。その旧式さ故、次々と撃ち落とされていく。

 

「そんな装備で前線に投入した党を恨むんだな!」

 

 フリードリヒも容赦なく、旧式な装備で自軍に歯向かって来る敵魔導師に向け、自身が持つFG42に似た自動小銃を撃ち込んで次々と撃破する。

 彼らもただやられるだけでなく、魔法障壁などを張って防御を試みるが、フリードリヒの術式を込めた弾丸の前ではベニヤ板同然であり、身体を引き裂かれて死亡する魔導士も続出した。

 そんな彼に、敵戦闘機が味方諸とも機銃掃射を浴びせて来るが、ターニャ以上の魔導師であるフリードリヒは回避し、何機かを撃ち落としてから一機のコクピットに張り付き、パイロットを引き摺り出そうと手を伸ばす。

 

「うわぁぁぁ!!」

 

 張り付いたフリードリヒを殺そうと、錯乱したパイロットは拳銃を抜いて撃つが、一発撃った後に避けられ、腕を掴まれてコクピットから引きずり出され、空中に放り出される。

 あの放り出されようからして、落下傘は開けないだろうと、彼を放り出した本人であるフリードリヒは思いながらコクピットへ座り、操縦桿を握って動かし方の分からない戦闘機を動かし始める。

 

「うーむ、少々慣れたぞ」

 

 少し動かして勘で操縦の感覚を覚えれば、集結中の味方を爆撃しようとする爆撃機の編隊に向かう。

 敵の爆撃機体は味方だと思っていたが、フリードリヒが機銃を撃って一機を不意打ちで撃墜すれば、直ぐに搭載機銃による弾幕を浴びせて来る。

 奪った戦闘機は直ぐにハチの巣となって火を噴き始める。もう使えない戦闘機をフリードリヒは棄て、再び空を舞って爆撃機の編隊に襲い掛かる。

 まずは背中に背負っている二本の内、一本を取り出してそれの安全装置を外し、手近な爆撃に照準を定め、発射ボタンを押す。

 排出口からガスが噴き出し、放たれた弾頭は爆撃機に命中、対装甲車両用であるために爆撃機は一撃で撃墜された。

 続けざまに二機目も使い捨ての無反動砲を放てば、発射器を棄てて砲撃術式による掃討に移る。

 

『近付けるな! 撃ち落とせ!!』

 

「数が多いな。作戦に響くかもしれんが、やもえんか」

 

 爆撃機は味方を誤射する勢いで対空弾幕を張るが、フリードリヒの魔法障壁を貫通することは出来ず、撃墜されるばかりだ。

 倒しきれない程に数が多いので、フリードリヒは自分の固有魔法を使うことにする。モスコー戦で使うために温存しておきたかったようだが、爆撃機の数が多過ぎたのでやもえない様子だ。

 その温存しておきたい固有魔法を使うには、大きく息を吸ってから口を大きく開けて大声を出して叫ぶ者であった。 

 ただ叫んでいる様にしか見えないが、フリードリヒが魔法を込めて叫べば、それは音響兵器となり、殺人音波となって爆撃機に命中する。

 フリードリヒが放った殺人音波を受けた爆撃機は、落とすために搭載している爆弾が音波の影響で爆発し、内部爆発を起こして撃墜された。この恐ろしい魔力を使った音波攻撃に、爆撃機のパイロット達は驚愕する。

 

『な、なんだあれは!?』

 

『叫ぶだけで味方機を!?』

 

『ば、化け物だ…!』

 

 常識外れな攻撃に、パイロット達は恐怖して離脱する機まで出て来る。

 

「一機たりとも逃がさんぞ!」

 

 そんな常識外れな攻撃を行うフリードリヒは、一機も逃さない勢いで殺人音波攻撃を続ける。

 彼が魔力を込めて爆撃機に向けて叫べば、その物体を破壊するほどまでに強化された音波は爆撃機を破壊する。数秒間叫びながら爆撃機の編隊の間を飛行すれば、音波を受けた爆撃機は爆発して次々と地上へ墜落していく。

 

「ふぅ、あんまり叫ぶ物では無いな」

 

 彼が爆撃機の編隊に殺人音波を浴びせていれば、もう飛んでいる爆撃機は居なかった。

 守るべき爆撃機を全て撃ち落とされた護衛戦闘機部隊は、せめてフリードリヒでも仕留めようと思ってか、群がって機銃掃射を浴びせて来たが、フリードリヒの殺人音波を浴びせられ、平衡感覚を失って互いにぶつかり合ってやられていくだけであった。

 

「あっ、あぁぁぁぁ! アァァァァ!?」

 

 最後に逃げようとする戦闘機が居たが、キャノピーを音波で割られ、直接殺人音波を受けたパイロットは頭を抑えたが、頭の中の脳内は耐え切ることが出来ずに破裂する。

 搭乗者を失った戦闘機はそのまま地面へと落下し、墜落して爆発した。

 

「少し喉を酷使し過ぎたか。今日はこれくらいにしておこう」

 

 敵が戦意を喪失して逃げ出したのを確認すれば、水筒を取り出して酷使した喉を潤したフリードリヒは、旅団本部へと帰投した。

 フリードリヒが立ち去った戦場跡には、墜落した爆撃機と戦闘機の残骸が燃え盛り、魔導士を含めるパイロットや搭乗員の死体が転がっていた。

 

 

 

 一方で前線から後方、本国のさらに安全な場所に居るターニャは、二日目の休暇を迎えていた。

 今日もまたリリーと過ごす日々だ。昨日はそう約束したので、前世が日本のエリートサラリーマンであるターニャは約束を守らねば、気が済まないのだ。

 今回のコーデは朝早くに勤務地の豪邸に来ていたヴィーシャが担当し、より子供らしくて愛らしい服装となっている。青いリボンが特徴的だ。当の着せ替え人形状態のターニャは、堪った物では無いが。

 

「なんでまた来てしまうのだろうな…」

 

「なんか言った?」

 

「何でもないよ~」

 

 どうしてリリーの約束通りに来てしまったのだろうと、ターニャは思わず口にしてしまったが、彼女の何気ない表情を見て、悲しませてはならないと思って年下の少女の振りをして誤魔化す。

 昨日と同じく、リリーに行先を任せて振り回され、愛らしい自分等を見る為につけて来ているヴィーシャが微笑む中、ターニャを振り回す彼女は、意外な人物の元へ駆け寄り、紹介して来る。

 

「っ!? そ、その人誰なの…?」

 

「あぁ、紹介するね。軍隊の情報部に勤める局長の人…」

 

「初めまして、私の名はゲルトルート・リナ・フォン・シェーンハウゼン。国家保安本部の局長をしているわ。てっ、言っても分からないかしら?」

 

 リリーが紹介しようとしたが、昨日、ターニャを尾行していた将校を後ろに立たせ、金髪碧眼の長身の女性は自ら挨拶を行う。

 国家保安本部と聞いてか、ターニャは震え上がった。

 国家保安本部、通称RSHA。かつてナチス親衛隊長官であるハインリヒ・ヒムラーが創設し、生存していればナチス・ドイツを勝利に導いていたとされるナチス随一の鬼才、ラインハルト・ハイドリヒが拡大させた。

 彼が暗殺されて二年後に行われたクーデターで、カナリスがクーデターの陰謀に加担していたとして、国防軍情報部の海外部門を吸収、終戦までドイツ本国と占領地、海外の情報を吸収し続けた。

 終戦後、ナチス政権も解体され、このRSHAも解散されたが、ドイツが東西に分かれると、その情報網は後続で創設された国家保安局、通称シュタージに引き継がれ、さらに情報網は拡大。全盛期にはソ連の諜報組織であるKGBすら凌ぐほどであり、東西統一で解散するまで東西ドイツを恐れさせた。

 

「し、失礼ながら、ご結婚はなされているので? それと旧姓は…?」

 

「してるわよ。旧姓の方はハイドリヒ。それが何か?」

 

「(まさかの女体化だと!?)」

 

 まさかとは思うが、ゲルトルートに旧姓の方を訪ねれば、ハイドリヒと答えた。

 すぐにターニャは、この長身の金髪碧眼の女性は、ラインハルト・ハイドリヒが女性になった人物であると思う。シェーンハウゼンの姓を聞いてか、次にターニャは誰と結婚したのかを問う。

 

「それと誰と結婚なされているので? シェーンハウゼンと聞くと、皇族の関係者かなにか…」

 

「まぁ、知らないわね。フリードリヒ皇太子殿下よ。私のような下級貴族と婚約なさってくださるなんて、夢にも思わなかったわ。おかげで国家保安本部の運営がうまくいってるわ」

 

「(なんてことだ! 通りであんな手が使えるわけだ! やはりドロテーはこの女体化ラインハルトの手先であったか!)」

 

 結婚相手はフリードリヒと分かり、ドロテーが目前の女の手先であることも分かった。

 諜報組織と秘密警察を兼ね備えた組織を統べる妻に、自分の監視をさせていたことを知ってか、ターニャはフリードリヒに呆れる。

 

「(やれやれ、嫁に私の監視をさせるのか。どれだけ手柄を取りたいんだ? あのアホ殿下は。ギャグ漫画のキャラか?)」

 

「ねぇ、ターニャちゃん。なんか変なこと聞くね? それもお父さんの真似事?」

 

「う、うん! 真似事だよ!」

 

 ゲルトルートとの話で、すっかりリリーの存在を忘れていたターニャは、彼女にいつもの口調のことを聞かれ、慌てて年相応の子供に戻る。

 無論、ゲルトルートはターニャ・フォン・デグレチャフのことなど知っている。全てのターニャが参加した戦闘を高い頭脳で記録し、特徴すら把握している。

 彼女は夫が提唱した外国人義勇兵募集の認可に伴い、外国にいる高い魔力を持つ人間を探し出すために各国に諜報員を送り込み、見つけては帝国(ライヒ)のためにスカウトして軍に入隊させ、訓練を受けさせている。

 今日も前線に投入される外国人義勇兵部隊である反共十字軍は、ゲルトルートが作り上げたといっても過言ではない。

 そんな大物女史に目を付けられたターニャは、もう見破られていと分かっていながらも、まだ自分の正体に気付いていないリリーのために、自分でも分からぬ配慮のために演技を続ける。

 

「じゃあ、リリーちゃんのお母さんが働く工場見学で良いかしら?」

 

「工場見学?」

 

「この人、お母さんの知り合いなの。だから工場見学の許可も取ってくれたの。お母さんが働く工場にね」

 

「(まぁ、保安本部の人間だ。それくらい朝飯前だろう)」

 

 ゲルトルートはターニャの正体を明かすことなく、急きょ組み込まれた予定である工場見学で良いかとリリーに問うた。

 これに聞いていなかったターニャが問えば、リリーは自分の母が働く工場に見学に行くと答えた。

 リリーの母が働いている演算宝珠を作る工場を、魔導師と言う兵科に属する身として是非とも見ておきたいターニャは、子供の振りをしながら行きたいと伝える。

 

「うん、リリーちゃんのお母さんが働く工場に行きたい!」

 

「決まりね。では、行きましょう」

 

 工場見学に決まれば、一同はゲルトルートが用意した将校用乗用車に乗り込んだ。

 運転手は昨日、ターニャを尾行していた武装SSのような将校である。助手席にはゲルトルートが座り、後部座席はターニャとリリーの二人である。

 南部の自然豊かな景色を眺める中、街頭に景色に似合わぬ物が吊るされていた。

 

「なに、あれ…?」

 

 窓から美しい景色を眺めていたリリーは街頭に吊るされた物を見て、楽しげな表情から一変、まるで地獄を見たかのような表情を浮かべる。

 彼女が恐怖した街頭に吊るされた物とは死体である。死体にはプラカードが吊るされており、プラカードに書かれていたのは共産主義者と言う文字であった。

 どうやらゲルトルートが指揮する国家保安本部が、帝国本国から占領地まで共産主義者の検挙、通称アカ狩りを行っているらしく、この地域でもアカ狩りが行われているようだ。

 たった今、処刑した共産主義者を、小銃や猟銃で武装した男達や国家保安本部の人員が街頭に吊るしているのが見える。

 平和な世界しか知らぬ少女には、余りにも刺激が強過ぎると言うか、見せたくも無い光景だ。

 

「まぁ物騒ね。この辺に共産主義者でも?」

 

 途中、車を止めるように警官が合図して来たので車を止めれば、ゲルトルートは止めるように言った警官に問う。

 

「はっ。モスコーの連中にでも命じられたのでしょう。まさか国内に共産ゲリラが潜んでいるとは…」

 

「何を目的でここまで?」

 

「どうやら、演算宝珠の工場を狙っていたようです。幸い、工場に爆薬を仕掛けられる前に、逮捕することに成功しました」

 

 ここは一番安全な南部で皇族や関係者等の領地であるはずだが、共産ゲリラが密かに忍び込み、魔導師にとって必要不可欠な演算宝珠の工場を破壊しようとしていたらしい。

 だが、爆弾を仕掛ける前に地元住民に通報され、駆け付けた現地警察や国家保安本部のお縄となったようだ。

 それを車内から聞いていたターニャは、本国にも共産主義者が潜んでいることに驚き、同時に事前に検挙されて安心する。

 ここからは警官に変わり、国家保安本部の実働部隊の隊長である将校が、長官であるゲルトルートに報告を行う。

 

「他に仲間が居ないか自供するように殴り付けましたが、何も答えません。尋問のプロを要請しております」

 

「ご苦労。では、私たちはここを後にするわ。見せたくない物があるしね」

 

「おっと、確かにこれはお嬢さん方にはキツイ。連中の残党が森の中に潜んでいるかもしれません。一個分隊を護衛に付けます。何かあれば、直ぐにこちらに」

 

「ありがとう。もう居ないと思うけど」

 

 報告を聞き終えれば、街頭に吊るされた死体をリリーに余り見せたくないのか、ゲルトルートが出発すると告げた。

 彼女の言葉にリリーの気持ちを察した将校は、まだ残党が居る物と思って長官の身を案じ、サイドカー二両を護衛に着けることにした。これにゲルトルートは労いの言葉を掛けた後、運転手に車を出すように命じ、護衛と共にこの場を後にした。

 車窓から死体を引きずる隊員が見えたが、ターニャは戦場で慣れ過ぎてしまったのか、何も動ずることは無かった。街頭に死体が吊るされていたり、死体を始めてみたリリーは震えていたが。

 護衛を伴って森林の街路を数十分ほど走れば、目的地である工場に着いた。

 正面ゲートの検問に許可証をゲルトルートが見せれば、軍の警備兵は直ぐに彼女らを通す。工場の敷地内に乗用車を止めれば、直ぐに体調を崩したリリーを降ろす。

 無理も無いと、ターニャは出迎えの将校の秘書に抱えられながら医務室へと運ばれるリリーを見てそう思う。

 

「リリーお姉ちゃん、大丈夫?」

 

「ごめん、ターニャちゃん。それよりターニャちゃんって強いね。あんなの見ても怖くないなんて…」

 

「あっ…(しまった! うっかり忘れていた!)」

 

 死体を見ても怖がらず、泣きもしないターニャをリリーは強いと言ったが、当の本人は子供の演技を忘れてバレてないかと心配していた。

 リリーの体調が良くなるまで、ターニャ等は工場の待合室まで移動した。

 二日目の半分は過ぎ去り、ターニャの工場見学が始まる。




今日は二冊くらい本を買いました。

一冊目はハンス・ウルリッヒ・ルーデルの回想記「急降下爆撃」

二冊目はなろうの成人向けの方で連載してた「JKハルは異世界に行った」

我ながら、凄い組み合わせと思う。

読み終えたら、なろうとハメルーンの活動報告で感想文を載せるつもりです。
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