「よっしゃあー!大勝利だぜ!」
現在諏訪隊のメンバーは作戦室を出て、ボーダー本部の通路を歩いていた。
「じゃあ今日は俺が奢ってやるか」
「やったー。私焼きうどんがいいー。」
「おサノ先輩ちょっとは遠慮しないと...」
颯太郎がそう言って小佐野が喜んでいると
「颯太郎さん、お久しぶりです!」
「颯太郎さーん。帰って来てるなら教えてくださいよー」
そう言って嵐山隊の5人がやって来た。
まず声をかけたのが、隊長の嵐山准。裏表のない穏やかな性格と爽やかな風貌で、市民からの人気が高い。隊長としての能力も高く、ボーダーの広報部隊でありながらA級5位のチームを率いる。
次に声をかけたのは、スナイパーの佐鳥賢。ボーダーの新人研修教官も務めるスナイパーで、狙撃銃2丁を使う『ツイン狙撃』を唯一使う。
「おーお前ら久しぶりだなー。時枝は俺らの試合の解説もしてくれたんだろ?ありがとな。」
「いえ、東先輩ほど上手くは出来ないので。」
「そんなことないだろうに。綾辻も久しぶりだなー。元気だったか?」
「お久しぶりです。親戚の叔父さん感がすごいですよ?」
「久しぶりだから多少は許してくれ。で、そっちの子は...」
「初めまして。木虎藍です。」
次に挨拶したのがオペレーターの綾辻遥。隊員4人を難なくサポートする優等生で、その容姿からボーダー内にもファンが多い。
最後はオールラウンダーの木虎藍。ボーダー入隊時は、トリオン量が平均値を下回っていたが、技を磨き戦術を工夫することで、A級隊員にまでなった努力家である。
「こちらこそ初めまして。諏訪隊スナイパーの諏訪颯太郎だ。洸太郎の一個上の兄で、今シーズンから復帰になった。よろしくな。」
木虎も返事をすると、嵐山が話を振る。
「次の対戦相手がまだ分からないですし、夜の部見て行きませんか?」
「そうっすよー。俺らにも飯奢ってくださいよー。」
「話聞いてたのかよ佐鳥...。まあ確かに時間もあるし、見て行くのもいいかもな。お前らはどうする?」
そう言い諏訪達に声をかけると、全員がOKだったので、夜の部までは各々過ごして、試合を観戦してから飯に行くことになった。
「じゃあそういうことで。またな」
そう言って諏訪隊が去って行くと、木虎が嵐山に尋ねた。
「颯太郎先輩ってどんな人なんですか?」
「あの人は色々と抜け目ないよ。なんたって東さんの弟子っていうのもそうだけど、サイドエフェクトもあるから。」
「抜け目ない、ですか...」
「一試合だけじゃあの人の凄さは中々分からないさ。」
そういうものですか。と言うと、嵐山がよしっと声を出した。
「さあ俺らは書類の整理をしようか。」
「「了解です」」
その夜...
「悪い、挨拶に回ってたら遅れちまった。」
そう言いながら、颯太郎は観戦席にいる嵐山達に声をかけた。
「まだ始まったばかりなので大丈夫ですよ。」
それなら良かったと言っていると、佐鳥がいないことに気付いた。
「あれ、佐鳥はいないのか?」
「佐鳥先輩なら下位の解説に行ってますよ。」
「そうなのか。ありがとな木虎」
いえ、と木虎が言うと、そういえば、と颯太郎が質問した。
「今回の試合はどの隊なんだ?」
「夜の部は、上位が影浦隊、弓場隊、王子隊、香取隊ですね。」
「この戦いに俺らが上位に上がれるかがかかってるから気になるな。」
ランク戦ではポイントが同じ場合は、前期の順位の高さで決まる。B級7位の香取隊は初期点で9点を持っているため、諏訪隊が上位に上がるためには、香取隊が4点、王子隊が2点、弓場隊が1点未満のいずれかをクリアすれば良いのである。
「上位は基本どの隊も2、3点くらいは取ってくるから、やっぱり上がるのは厳しいかもですね」
「あほ抜かせ!仮に今回上がれなくても、次で上がるわ!」
堤がうーんと唸り、諏訪がそれを一蹴していると、佐鳥が急いだ様子で帰って来た。
「あれ、解説に行ってたんじゃないのか?」
「もうこっちの試合終わったんで、急いでこっち来たんすよ」
「もう終わったのか?」
嵐山が疑問に思っていると、佐鳥が結果を報告する。
「そうなんすよー。玉狛が8点で勝ちまして。」
「8点ってすごいっすね」
日佐人がそう言うと、時枝があることに気づいた。
「てことは、もう中位だね」
「そうなるな。てことは俺らと当たる可能性もあるわけか。」
そこまで話し、目の前の試合に集中する。
そして暫くして、実況の声が響いた。
「ここで決着!B級ランク戦ROUND 1夜の部の結果は、4対4対3対2で、影浦隊と香取隊の勝利です!」
「こっちも終わったな。王子も足を落とされながらよくやったな」
颯太郎がそう言うと、諏訪が悔しそうに声を出し、堤が宥めていた。
「クッソー!ギリギリ中位じゃねーか!」
「まあまあ諏訪さん。次勝ったら上がるのはほぼ確定なんで、頑張りましょう。」
「これで次の相手が決まるな。お、早速連絡が来たぞ。洸太郎、見てみてくれ。」
諏訪がおう、と言いながら確認をする。
「次の相手は、11位の荒船隊と12位の玉狛第二だな。」
「玉狛か...久しぶりに顔でも出してみるか。」
諏訪がそう言うと、颯太郎がどこか楽しげな口調でそう呟いた。
玉狛と戦わせたかったので、こっちにしました。
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