ーボーダー本部基地ラウンジー
「お、やっと来たか兄貴」
諏訪がそう言うと、颯太郎は悪い悪いと言いながら席に着いた。
「玉狛に挨拶に行ってたんだ」
「玉狛って次の対戦相手じゃーん」
「あの白いチビとメガネがいるとこか」
「諏訪さん達昨日の試合見てないんですか!?スナイパーの子がやばいんですよ!」
日佐人が驚きながらそう言うと、颯太郎が日佐人に尋ねた。
「一試合で8点取ったのは佐鳥から聞いたが、スナイパーがどうかしたのか?」
「見たほうがわかりやすいと思うんでこれ見てください!」
日佐人はそう言いながらスマホを取り出すと、試合映像を見せた。
「なんだこりゃ大砲じゃねーか!」
「白い子もやっぱり動きがいいですね」
「スナイパーのおちびちゃんは木崎の弟子らしいな」
颯太郎がそう言うと、諏訪が顔をしかめながら話した。
「緑川に8ー2のアタッカーと筋肉ゴリラの弟子の大砲と風間と引き分けたメガネか...どうすっかなー」
「この時はメガネくんはいなかったみたいだけど、やっぱり空閑くん中心で来ますかね?」
「大砲を連射なんかされたらたまったもんじゃないですね」
颯太郎は、そうだな、と言いながら声をかける。
「もし玉狛がそう言う展開に持ち込むなら、俺らは荒船と共闘しないとかもな」
「そうですね。今回は荒船くんもいるから俺らはなかなか厳しそうだ。」
「でも玉狛は大砲を温存するんじゃねーか?」
「どうしてそう思うんだ?」
颯太郎がそう返すと、諏訪はだってよーと続けた。
「大砲って一発撃つと敵に場所がバレバレになるだろ?スナイパーが4人も敵にいんのにそんなまねしねーだろ。」
「諏訪さんがこんなにまともなこと言うなんて珍しい。」
「おいこら堤どういうことだ!」
「いいぞーいけいけー」
「おサノ先輩煽っちゃダメですよ」
「まあ確かに珍しいかもだが、その意見は合ってると思うぞ。大砲はここぞって場面にとっておくはずだ。」
「今は玉狛のエースと荒船隊をどうするかですね」
「玉狛のメガネも忘れんなよ」
颯太郎がそう言うと、日佐人が疑問を呈した。
「メガネくんはそこまで警戒しなくてもいいんじゃないですか?トリオン量も多いとは言えませんし、他の2人と違って何か強みもあるわけでもないですし」
「確かにそうだが、メガネくんは決して甘く見ていい相手じゃないと思うぞ」
「どういうことだよ」
「メガネくんが活きるのは戦略面ってことさ。あんな個性強い2人を率いてるんだ、前回みたいに簡単な作戦ではないだろうな。例えば、相手の勝ち筋を限定する、とかな」
「勝ち筋を限定する...?」
日佐人が頭を悩ませていると、颯太郎が助け舟を出す。
「例えば、玉狛が市街地Cを選んできたとする。そうなると、うちと荒船隊はどう動くと思う?」
「市街地Cなんで、まずは全力で上を取りに行きます。俺らには颯太郎さんがいるから尚更。」
市街地Cは坂道と高低差のある住宅地で、スナイパーが高い位置を取ると有利なマップである。
「そうだな。しかし、玉狛からしたら俺らの動きが読めるってことだ。」
「あ...!そういうことか!」
「そういうことだ。玉狛に挨拶に行った時見えたんだが、俺らの個々のデータやランク戦のステージの書類で机が埋まってた。あの感じは相当作戦を練ってくるぞ。」
颯太郎が玉狛を訪れたのは挨拶が主な目的だったが、敵情視察も兼ねていた。
「わざと見せてきたってのも考えたが、初めてのランク戦だからそこまで気は回らないだろ。」
颯太郎がそう言うと、諏訪は笑顔を引きつらせながら言った。
「兄貴は仕事がはえーな...。敵じゃなくてほんと良かったぜ」
「勝負するからにはやっぱり勝たないとな。情報戦も大事だってことだ。」
「まあ、この話の続きは作戦室に戻ってからだな。」
「そうですね」
堤が諏訪の意見に同意すると、諏訪がもう一度声をかける。
「次勝ったら上位入りだ。やるぞ!」
「「「おー!」」」
ラウンジで大きな声を出してしまった4人を見て、颯太郎はめちゃくちゃ焦った。
更新遅れてしまいました。すいません。