ー荒船隊作戦室ー
「諏訪隊と玉狛か...」
そう言い出したのは荒船隊隊長の荒船哲次。荒船隊は隊員全員がスナイパーで構成されており、抜群のコンビネーションで敵を仕留めていく。荒船は孤月で8000点を超える元アタッカーの異色のスナイパーで、将来的にはガンナーでもマスタークラスになり、パーフェクトオールラウンダーを量産するという大いなる野望を持っている。
「あの白いチビがいるところだな、玉狛って」
「訓練の時に見た大砲の女の子もいるすね」
それに応えたのは同じくスナイパーの穂刈篤と半崎義人。穂刈は隊ではサポート役を担うことが多く、敵への牽制や味方の援護など、自身の活躍よりもチームの為に最善を尽くして戦う。話し方が倒置法になることで有名である。
半崎は普段はダルさを隠さないが、狙撃の精密の精密さの評価は高い。戦場ではピンポイントで敵を射抜く腕利きである。
「しかし諏訪さんにお兄さんがいたとはな」
「しかもスナイパーなのも驚きすね。大砲の子もそうですし、最近スナイパー関係の情報が多くなってきてますし」
「来たか?スナイプ界に新しい波が」
穂刈がそう言うと、半崎がそう言えば、と言いながら話し始める。
「しかし、大砲で射線潰されまくられたらダルいすね」
「いや、大丈夫だろ」
荒船が答えると、半崎はどうしてですか?と尋ねた。
「射線が潰れて困るのは向こうも一緒だ。それに、1発撃ったら位置がバレバレだからな」
「颯太郎さんもいるからな、今回からは」
荒船と穂刈がそう言うと、そうすね、と半崎が同意を示した所で、オペレーターの加賀美が入ってきた。加賀美は狙撃特化部隊を的確な状況報告で支え、美大へ進学予定で、試合の勝敗に応じて奇怪な人形を創作する。
「玉駒の三雲くんが風間さんと戦ってるデータ持ってきたよ」
「玉駒はデータが少ないから助かるな」
「空閑は緑川と8ー2で勝ったらしいすね」
「仕留めないとな、接近される前に」
ここで荒船がだが、と1度会話を切り諏訪隊の話をする。
「颯太郎さんのデータもあまりないが、まだ昔のランク戦の映像が残っていうだけマシな。」
「前回のランク戦の映像とかも見ると、技術が凄いすね」
「東さんの弟子らしいから中々の強敵だな。加賀美、あるデータは全部出しといてくれ。」
「了解」
加賀美が返事をすると、荒船は、顎に手を当てながら呟いた。
「あとは、玉狛がどこを選んでくるかだな。」
「やることは変わらないな、どこを選ばれても。」
「念のため颯太郎さんだけじゃなくて、玉狛のスナイパーにも注意しろよ。」
そこで荒船が隊員に声をかける。
「諏訪隊はスナイパーが入ったことで戦略の幅が大いに広がった。だが無理に颯太郎さんを狙わなくていい。」
「颯太郎先輩をフリーにさせたらまずくないすか?」
半崎がそう尋ねると、荒船が答えた。
「確かに自由に動かれちゃたまったもんじゃないが、それは玉狛も同じだ。今回ステージは玉狛が選んでくるから颯太郎さんの対策はしてくるだろう。俺らはその中で三雲みたいな浮いたコマを狙えばいい。」
「なるほど、確かにそうすね」
半崎がそう言った所で、荒船が帽子を深く被り直し、広角を上げて言った。
「敵のスナイパーには注意しろ。後はいつも通りだ。」
「「「了解」」」
更新遅れました。週一投稿くらいになるかもです。